70歳になったら年賀状は止めようと思っていた。70歳を節目に社会的なかかわりを絶って、個人的な生活だけに留めようと考えていた。70歳を越せば、社会に役立つようなことはできないだろうし、いつまでも社会にかかわっていては若い人には迷惑なことだろう、小さな自分の空間だけで生けていけばいいと思っていた。
いざ、70歳を越してみると、なかなかそういかなかった。何よりも私自身が18歳の頃と変わらない感情や欲望を持っている。少しも大人になれていない。子どもの頃、年寄りは知識も豊富でしかも達観しているように思った。いつか自分もそういう立派な年寄りになるものだと思っていたが、全く若い頃からの成長は見られない。
それでいて、春になればサクラが咲き、秋になれば紅葉が見られる、この自然の移り変わりがいつまでも続くように、自分もいつまでも変わらないように思っていた。けれど、精神の成熟はなかなか出来ないのに、肉体の老いは確実にやってきたことに気付きかけた。まだまだ個人的だがやりたいことがあり、欲しいものもある。年賀状はまだ生きていますというお知らせだ。
テレビはこの1年間の出来事を報じている。我が家で最も大きな出来事といえば、やはり次女夫婦に子どもが生まれたことだろう。赤ん坊は順調に大きくなっている。私たちが赤ん坊に会いに仙台へ行った時は、まだハイハイが出来なかった。ゴロンゴロンと身体を回して移動していたのに、今ではしっかりハイハイ出来る。来年の春には歩くようになるだろう。
長女のところの20歳の孫娘と5歳の孫娘も、成長著しい。子どもたちの時は気が付かなかったけれど、こうして孫を見ていると人間は偉大だなぁと思う。どんどん賢くなるばかりか、それぞれの個性も目立ってくる。社会は進歩しているのだろうけれど、現実は決してよい方向に向かっているとは思えない。もう少し、社会の中で生きて見ていこうと思う。
さて、明日から1月5日までブログは休みます。よいお年をお迎えください。