次女とカミさんのやり取りを聞いていて、我が家の子育ての頃を思い出した。ニューファミリーと言われた私たち世代が子育てに入る頃、子育ての本や雑誌が発行されるようになった。私たちの両親は明治・大正生まれが多い。子育てといえば、親から子へ見て聞いて覚えるものだった。戦後の混乱から抜け出すと、新しい家族像が描かれるようになり、子育ても西洋流というか科学的に行なう風潮になった。
私たちは共働きだったし、今のように新生児を預かってくれる公共機関はなかった。カミさんの実家は私の通勤路に近いところだったので、中古の軽自動車を買って子どもを預けていく生活だった。そのうち、「毎日の送り迎えでは大変だろう」とカミさんの両親が言ってくれ、1週間単位になった。土曜日の夜はカミさんの実家で食事をいただくこともあり、それが楽しみでもあった。我が家のふたりの娘を育てたのは、カミさんの両親と言っても過言ではない。
それほど世話になっているのに、カミさんは母親に注文をつけることがあった。赤子が泣けば母は「おなかすいたかね」と食べるものを与えた。すると「ダラダラあげないで!」と言う。寒そうだからと厚着をさせると、「子どもは薄着の方がいいの」と言い、母が一生懸命で気を使って育てているのに、「今はそんな育て方はしないの」と言い切ってしまう。本に書いてある通りでなくてもよいのに、母の経験をないがしろにしてしまう。
子育ては愛情があればいいという私のような観念論は次女には通用しないが、いいかげんなところがあってもいいのではないかと、ふたりのやり取りを聞いていて思う。幸い、次女は姉の崇拝者で、幼い時から私が何か言っても、「お姉ちゃんに聞いてみる」と言って受け入れない。家族旅行の時、長女が「子どもは刺激が多い方が脳の回転が速くなる」と言うと、「何でも食べさせていいんだ」と納得していた。長女は新生児専門の看護師だから説得力が違う。
さて、明日は大和塾の市民講座を開催する。そして夜は誕生日会と忙しい。翌日は我が家で長女一家を招き、次女夫婦と1歳の孫娘の健やかな成長を祝って食事会を行なうので、ブログは土曜・日曜日の2日間休みます。