私がブログを始めたのは、中学からの友だちに誘われたことと、83歳の先輩から「毎日1千文字書くことを課題にしている」と聞いたことにある。元来、私は書くことは好きで、光景や心情を描写することに関心があった。高校、大学と新聞部にいて、将来は新聞記者になりたいと思っていた。新聞社の採用試験に合格できずに、教師になったけれど、「組合ニュース」などを作ったりしていた。
教師を辞めて前途を悲観していた時、街の図書館でその地域で発行されているミニコミ紙を見た。新聞といえば大手のものしか頭になかったが、これからは地域新聞が求められると思った。よし、新聞を作ろうと決意。どのような割付が一番見やすいか、どのくらいの文字数が一番読みやすいか、1つの文章は何文字くらいが適当か、そんなことを考えて作っていた。大手の新聞からミニコミ紙や地域の冊子など、気になったものに出会うとどのように作っているかと研究した。
そして、読みやすい記事は600字から800字で、それ以上長い記事は中見出しを設けて分ける。1つの文章は40字以内にする。20字を超えるようなら読点を設ける。できるだけ簡潔な文章にする。美辞麗句や決まり文句は使わない。難しい漢字は避け、誰でも知っている言い方にする。漢字が多いと紙面が黒っぽくなるのですぐ分かる。一番いいのは小学生でも分かる文章だが、そんな風には書けなかった。
ブログを誘ってくれた友だちが、「義務的に書いているな」と指摘する。毎日、必ず書くように務めている。休む時は事前に予告するが、「ホッとした気分になっているだろう」と彼は私の心を見抜く。彼は「いい文章」とか「うまい表現」とかを気にするが、私にとっていい文章とは短く書けた文章である。学生の頃、作家の高橋和巳の文章に惹かれた。1ページに句点が1つもないような、長い文章だった。けれども新聞には全く不向きで、時々日記を書く時に真似して悦に入っていた。
知り合いや教え子が「読んでるよ」と言ってくれる。思いもよらない人から「ブログが楽しみ」と言われたりする。生きている限り、止めるわけにはいかない。これからも時事の話題を交えながら、私が何をしているか、孫娘がどうしているかなどの日常と、私の関心や感想などを織り交ぜて綴っていくつもりだ。