今日の予定は、午後から明日行なわれるフェステバルの準備だけなので、そんなに時間はかからない。終ったら直ぐに5歳の孫娘の発表会に行くつもりだった。長女のダンナのお父さんが待っていると思ったからだ。お父さんは孫娘の行事の度に私たち夫婦と一緒にお酒を飲むことを楽しみにしている。ところが「お父さんは仕事があって来られない」と言う。
それなら昨日、カミさんがゴルフコンペでカニをもらってきたので、飲み友だちと一緒に久しぶりに飲もうと思い、午前中にお酒を買いに行ってきた。ところが、カミさんから「お父さんが来ているから、終り次第来た方がいい」と連絡が来る。友だちとゆっくり酒を飲むのもいいけれど、親戚付き合いは大事にしなくてはならない。カニは飲み友だちにプレゼントして、出かけることにした。
私が発表会の会場近くに着いた時は既に演技が終っていた。途中で落ち合うことが出来たので、ダンナのお父さんに、孫娘の「発表はどうでした?」とたずねると、「一番しっかりしていたけれど、私があんまり褒めるといかんので」とカミさんたちの方を向いて言う。カミさんたちがベタ褒めすぎると懸念しているようだ。長女とダンナも合唱で出演したようで、「よく声もでていた」と言う。
それから2夫婦4人で、名古屋駅の居酒屋へ出かけた。ダンナの母親はお酒が飲めるタイプではないけれど、それでもみんなに合わせてナマチュウを1杯付き合ってくれた。話はもっぱら孫娘のことから、子どもたちのことになった。お母さんは息子が父親に似て、夢ばかり追うことが心配でならないようだった。
お父さんは豊田市の山奥に1200坪の山地を買い、そこで野菜などを育てるはずだったけれど、今は荒地になっているようだ。「先のことを何も考えないから」とお母さんは手厳しい。私は自分のことを言われているようで肩身が狭い。「男はロマンを求めますから」となだめるしかない。とにかく子どもたちが好きなように生きて、それで傷つけ合ったり、借金を作ったり、不幸なことにだけはなって欲しくない。親はそんな話で慰め合うしかないようだ。