朝早く、外で大人の男性の大きな声がする。先日もマンションで、事故か自殺か分からないが、人が飛び降り救急車の他にパトカーが3台も続けて来たし、川崎市での無差別殺戮事件があったので、何事なのかと耳を澄ますと、野外学習に出かける5年生に対する校長の見送りのあいさつだった。
私も5年生の時、あの頃は林間学習と呼んでいた気がするが、豊川の奥の鳳来寺へ出かけた。今日の子どもたちのようにバスではなかった気がするが、ほとんど何も覚えていない。覚えているのは米を袋に入れて持って行ったこと、鳳来寺の坂道がとても長かったこと、雑魚寝で誰かが枕投げをして先生に叱られたことの3点くらいだ。
午後から雨が降るかも知れない予報だったので、午前中に花を買いに出かけた。珍しくカミさんが「お昼はどこかで食べよう」と言う。目当ての和食の店に行くが閉まっている。イタリア料理の店の前にうなぎ屋があり、その方が車で入りやすいということもあって、ウナギを食べることになった。イタリア料理の倍はかかったはずだ。私たちの後から若い男女が入って来て、「ウナ重の上」を注文した。ふたりで8千円はかかるのに気前がいい。
午後、早速買ってきた花を植える。私はサルビアの花の赤と葉の緑が好きだが、このところ時期が悪いのか人気がないのか、真っ赤な花で緑の濃い葉のサルビアが見当たらない。チューリップは400球買っても1万円以内なのに、夏の花は2万円くらいになる。それでもルーフバルコニーに花があると、夏の朝らしい気がするのは、そんな夏を何年も過ごしてきたからだろう。
慣れてしまうと、なかなかそうではない生活にするのは難しい。先ほど我が家の上に住む人が来て、ルーフバルコニーを眺め、「緑があるのはいいですね」と言う。「上の部屋からもバラがきれいに見えますよ。サルビアも植えられて大変ですね」と慰めてくれる。「きれい」と言っていただくだけで、うれしくなってしまう。残りの16鉢には何を植えようか。