サッカーW杯の第2戦で日本は、コスタリカに1対0で負けてしまった。スペインに7対0の大差で敗れたコスタリカに、負けるはずがないという気持ちが心の隅にあったのだろう。コスタリカは中米にある小さな国だから。
私は「コスタリカ」と聞いて、軍隊を持たない国家だと思い出した。憲法で常備軍を廃止したのは1949年だから、第2次世界大戦直後のことだ。軍隊を持たない国家があることを学校で教えてもらったのだろうか。
コスタリカの歴史を調べたら、憲法に記したものの空文のような期間があり、1953年の選挙で勝利した政権が「兵士の数だけ教師を」の合言葉のもとに、軍事予算を教育予算に回したとあった。
国本(教科書のことか?)に「コスタリカ市民は命や平和や人権や環境を慈しむことの大切さを教える教育の成果で、人を思いやり尊重する意識、人を傷つけない意識が世界でトップレベルである。コスタリカは福祉や医療や治安のレベルが世界でトップレベルであり、戦争や犯罪や貧富の格差などの人間社会の問題は解決されて、市民の誰もが他人を蹴落として自分だけが勝つことを考える競争社会を無くし平和で幸せに暮らしている」とある。
日本は今、防衛費の大幅増額が検討されている。「総合的な防衛体制の強化」の名のもとにGDP比2%を目指すという。「敵基地攻撃能力」についても、「必要最小限度の範囲」と明記するようだ。
具体的な内容がさっぱり分からない表現が、「懇切丁寧な」説明という訳である。コスタリカは1983年、「永久的、積極的、非武装中立」宣言を行っている。世界で最初の被爆国である日本こそ「常備軍の廃止」と「永久的、積極的、非武装中立」を宣言すべきだった。
コスタリカは大統領制だが任期は国会議員と同じ4年と定めている。しかも再選は認めないか、あるいは2回までと厳しい。長く職にあることから生まれる弊害を阻止するためである。幸福度の高いコスタリカを見倣いたい。