今年最後のブログだから、何かそれらしいことを思ったのに、何も浮かんでこない。1年を振り返ってみようとしたが、思い出すような楽しいことがないのか、大変だったことはすぐに忘れる回路が出来上がっているみたいだ。これは私だけでなく、多くの人が嫌なことは記憶から消し去る能力を備えているらしい。でなければ人はみなウツになってしまう。
嫌なことを忘れてしまう点で、日本人は優れていると思う。「水に流す」という言葉が象徴している。これは穢れたものを流して生まれ変わることを意味している。確か、日本の神話に出てくる。だから政治家は、身を清める「禊」を行うことで、罪を清算したと言う。過去にこだわらないことは前向きな姿勢に見えるが、罪を恥じないし真剣さに欠ける態度でもある。
戦争をしたのに、その責任を問わないのであれば、戦争は犯罪ではないと認めることになる。たくさんの犠牲者が出たのに、「捕虜になるのは恥」と教えたのに、教えた側が罪を償わないことを私は納得できなかった。「慰安婦」問題で、日韓の政府は妥協点を見つけたようだ。両国の国民が納得できるか不安はあるが、外交は痛み分けでなければ前には進まない。
「強制連行したわけではない」と日本は主張するけれど、どういう状態であったかを考えるべきだ。日本もまた米軍に占領されてたくさんの「パンパン」が生まれたが、たとえ本人は進んで参加したとしても、戦争が作り出した犠牲者である。そもそも根本である戦争をなくす、誓いとして進むべきだろう。
今朝、NHKBSが岸恵子さんの朗読劇『わりなき恋』を特集していた。「年齢に関係なく恋に落ちることはあるの。それをキレイに描きたかった」と岸恵子さんは語っていた。人間って何だろう、人を愛さずには生きていけないのに、愛すれば苦難を甘受することになる。岸恵子さんは83歳というが、本当に綺麗だった。
明日から1月5日まで、ブログを休みます。よい年をお迎えください。