朝から雨降りなので、外に出ることもなく、一日中家で過ごしている。今日はクシャミも鼻水もないから、やっぱり花粉症だったのだろう。私に花粉症の症状が出たのは30代だった。寝不足かなと思えるような日々が続いていたので、ゆっくり眠れば回復できた。「歳を取れば花粉症にはならない」と先輩たちは言うが、どういう訳か最近また復活してきた気がする。
年寄りの3大特徴は、「自慢話、愚痴、説教」だという。説教する先輩は余り見かけないが、自慢話と愚痴はよく聞く。自分では単なる体験を話しているつもりなのだろうが、ついつい話が大きくなっていく。たったひとりにモテただけなのに、愛してくれた女性が10人もいたような話になってしまう。まあ、それで当人は悦に入っているのだから、「凄いねえ」と聞いておくのが思いやりであろう。
優秀な女性を嫁にもらったのに、「賢いのに 整理整頓 出来ぬ妻」と愚痴る先輩もいる。自分のことをいかにも苦労しているように語るが、実際は彼の方がカミさんに世話をかけているのかも知れない。あちこちで脱いだ服や靴下を誰が始末してくれていると言うのだろうか。「気が付いた人がやればいいのよ」と指摘され、台所の洗い物が貯まらないように努めているそうだが、それもきっと老後の準備だろう。
説教がないのは、する相手がいないからだ。私の家もそうだが、子どもたちが巣立ち、家を出てしまったので、夫婦ふたりだけの生活になっている。友だちの多くがそんな形なので、説教する相手がいない。たまに、子どもや孫と食事をする機会があっても、そんな場面で説教すれば、嫌われるだけで効果はない。いや、そもそも、説教などいかにも偉そうなことが言えるほどの器ではない。
なんとか私は、年寄りの3大特徴からは逃れられていると思う。それでもそれは、自分だけの判断で、他所から見れば同じようなものかも知れない。雨は上がったから、病院に友だちを見舞うつもりでいたが、土曜日か日曜日に行くことにしよう。彼の愚痴を聞くのも、病気の回復に少しは役立つことになると思うから。