これからパソコンに向かおうとしていると、カミさんが「お料理、お願いね」と言う。皆さんはそれぞれに忙しく、手持ち無沙汰なのは私だけだから仕方ない。「ああ、いいよ」と答えると、「今晩はカレーだから」と言う。それならば簡単なこと、誰にでもできる。むしろ、「冷蔵庫の中のもの、何を使ってもいいから」と言ってもらった方がやりがいがあるけれど、これも仕方ない。玉ねぎを刻み、ニンジンやジャガイモなどの下ごしらえをする。
水を少なくして濃厚なカレーを作るつもりだったのに、何を勘違いしたのか水を多く入れてしまった。捨ててしまおうかと思ったが、甘味を失くすような気もして、煮込めばいいだろうと考え直す。どんなカレーが出来上がるか楽しみにして、もう一度パソコンに向かう。なのに、何も浮かんでこない。そういえば、今朝の中日新聞を読んでいて、アレッと思うことがあったけれど、アレは何だったのかともう一度新聞を眺めてみる。
『中日春秋』の書き出しは「人類の一人一人は遺伝子の面では、99.9%は同じです。千のうちの999、私たちは同じ性格、希望、夢を持っています」と国連の潘事務総長の演説を引用していた。99.9%も同じ遺伝子を受け継ぎながら、憎しみ合い果てには殺し合っている。だから「しかし私たちは千分の一の小さな違いゆえに、共に暮らす社会を分断させ、恐怖を撒き散らしています」と続ける。そしてコラムは、黒人の女性作家マヤ・アンジェロウさんの言葉を引用する。「あなたが自分自身に与えることのできる最高の贈り物の一つは、許すこと。みんなを許すことです」と。
北朝鮮によって拉致された人々の写真が載っている。権力によって一生を棒に振った人たちだ。おそらくこの人たち以外にも数え切れない人たちが、権力によって命を奪われたり、運命を奪われたりしたことだろう。それを許すことなどできないだろうが、憎しみの連鎖はどこかで断たなくてはならない。明日の午前中は大和塾の講師との打ち合わせが名古屋であり、夜は誕生日会なのでブログは休みます。