中日新聞の日曜版に「頭脳チャレンジ」の紙面があり、カミさんは数独に挑戦している。「すぐ解けるから、あなたもやったら」と誘ってくれるが、「クイズは得意じゃーないから」と、遠慮している。「じゃー、こっちの文字の問題なら出来るんじゃーないの」と言う。
「分かった。一緒に考えるよ」と言ったものの、タテのカギが1つ、ヨコのカギが2つ、答えられない。「症状は軽いのですが、つまったりぐずぐずしたり」と、「特別なこと。~の待遇」そして「~問、~所、困~」の3つが分からない。
カミさんが、「友だちは皆さんやっている」と言うので、「じゃー、友だちに教えてもらったら」とお願いする。まあ、夫婦で一緒に考えたことが成果だったのかも知れない。私が行く理容店のカミさんも数独に夢中だったが、女性たちは何に魅了されているのだろう。
友だちから借りたハン・ガンさんの『菜食主義者』を読み終えた。一気に読めたのは、読まずにいられなかったからだ。友だちが「読んでいて、気持ちが悪くなった」と言っていたが、本当に気分が悪くなると言うか、恐怖のために早く読み終わりたかった。
3部から成っていて、自分に合っている平凡な女と結婚した男の視点、次が女の義理の兄の視点、最後が女の姉の視点で書かれていた。視点と書いたが、視点と言うより内面の叫びなのかも知れない。
人は夢を見るが、それは欲望であったり、願望であったりする。他人には分からない心の傷や、目には見えない思いであったり、自分自身よく分からないものに取りつかれたりする。願望が恐怖に変わることもある。
そんな様子が逐次描かれていき、何が本当で何が虚構なのか、存在しているのかいないのかさえも判断がつかなくなる怖い小説だ。こんな本が書けるハン・ガンさんは、正常でいられるのかと心配になる。
生きていくこと自体を考えさせられる点で、傑作なのだろうが、女性たちに読書を勧めてはいけない気がした。数独までに留めておいた方が無難な気がする。
破格の待遇の「ハカク」 難問、難所、困難の「ナン」 と
私は思いました。タテ、ヨコ柔軟に考えると自ずと導き出されますよ。