高島平発・文化的居場所「ミストラル」への夢

地域をファッション・音楽・お酒の“文化”の力で元気に!……地元に文化的な居場所作りを模索しています。

至極のウイスキー

2009年12月03日 03時08分38秒 | ●美意識・ファッション・デザイン私的考察
連日の寝不足がたたったのか、夕方に急に疲れを感じて、今日は珍しく9時頃に真っ直ぐ家に帰りました。

最近の私としては異例な時間です。

いつもならビールで夕食になるのですが、缶ビール1本を飲みきる程の飲みたさもなく、珍しくウイスキーで晩酌の食事でした。

全然お酒に強くないのに、少量ですがピュアモルトを生意気にもストレートで。

琥珀色の色がそうさせるのか、この液体はいろいろな事を、想い出させてくれます。

先日、あるバーのスタッフと、一番美味しいお酒の銘柄について話したのですが、ウイスキーだけは“あの時”飲んだ酒に、勝るモノはありません。


今から20年以上も昔になりますが、当時、今はもう無くなってしまいましたが、ある釣具メーカーの広告を担当しておりました。

毎年、11月頃は翌年の広告やカタログのために、いろいろな所に撮影に行っておりました。

その年に行ったのが九州の草垣群島です。

枕崎から90キロは離れており、当時の高速船でも2時間以上は、かかったかと思います。

モデル役の釣名人2人と得意先の担当に、私とカメラマンでその島に渡りました。

絶海の孤島とは、この島から出来たのではないかと思わせるような、絶壁だらけの島です。

人を寄せ付けない険しい岩肌。

雲間から差す陽射しを浴びた、その島の容貌を見た時に、誰もが“神”の存在を感じるかもしれません。

まったく異次元の世界です。

そして、1日目の撮影を終えて本当は船に戻り、船内で1泊をする予定だったのですが、そのロケーションに魅せられ、急遽ロケ地で夜を明かすことになりました。

辺りが真っ暗になり、聞こえるのは“ドドォーン”と岩肌に響く、不気味な波の音だけです。

新月の夜だったのか、空は満天の星。

その星空を夜空一杯に横切っていく人工衛星。

私が人工衛星を肉眼で見たのは、後にも先にもこの時だけです。

こんな中にいて感じるのは、人間の小ささだけです。

どんなに偉い人でも、謙虚な気持ちになるような気がしました。


その時に飲んだのが、得意先の方から頂いた、スキットルに入ったウイスキーです。

銘柄は分かりませんが、バーボンだった様な気がします。

体が冷え切っていたせいもありますが、あの時程、ウイスキーが旨いと思ったことはありません。

あの状況下なら、どんなに安いウイスキーでも、極上のウイスキーになったかもしれませんが、ひょっとしたら、今の仕事の業種を選んだ意味は、そのコトをを知るためだったのかもしれません。


そのバーのスタッフも言っておりましたが、酒は一緒に飲む相手によって味が全く変わります。

本当に美味しい酒を知ることと、安い酒でも旨く飲める術(すべ)を知るのが、大人になる条件のような気がします・・・


ウイスキーを思いながら、また、こんな時間になってしまいました。
今夜も寝不足になりそうです。
コメント
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