【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜 季語で一句 61 〜 ◆2024年『くまがわ春秋』12月号◆

2024年12月05日 22時52分38秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 61 〜
 
◆2024年『くまがわ春秋』12月号(第105号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R6.12月号)
 
村芝居(むいらしばい)  「秋―生活」
 
野島正則
木戸銭は畑の野菜村歌舞伎
【永田満徳評】
「村芝居」は演じるだけでなく、舞台作りから何から何まで地元の自分たちが中心になって作り上げる。「木戸銭」(入場料)が「畑の野菜」であるという。いかにも秋の収穫後の「村芝居」らしいところがいい。
【季語の説明】
「村芝居」は地芝居、田舎芝居とも呼ばれ、農繁期を終え、労をねぎらうために村人たちが演じる芝居。秋になると、町内の各神社ごとに例祭が行われ、その前夜祭、本祭で演じられる。歌舞伎役者が避暑をかねて盛んに地方巡業した遺風で、地方に芝居熱が高まり、祭礼や盆や秋の収穫後などに素人が演じた。
 
 
嚔(くさめ)・咳(せき)   「秋―生活」
 
外波山チハル
大嚏して取り戻す視界かな
【永田満徳評】
「大嚏」は一回、数回痙攣状の吸息を行なった後、急に強い呼息を発すること。「大嚏」であればあるほど、目をつぶってしまう。嚏が収まってしまうと、目を開けてしまう。一瞬の出来事をうまく捉えている。
【季語の説明】
「嚔・咳」は冬の冷たい空気などで鼻孔が刺激をうけたときの呼吸器系の反応をいう。免疫力が低下しやすい冬は乾燥や風邪の炎症などによって喉が刺激されて咳が出ることが多い。咳には湿った咳や乾いた咳などの種類があり、咳き込む姿はいかにも辛そうに見える。「咳く(せく・しわぶく)」と詠まれたりもする。
 
 
鴨(かも)        「秋-動物」
 
佐竹康志
口軽き男と鴨を見ておりぬ
【永田満徳評】
「鴨」は早朝や夜間に草の実や水草を採りに行き、昼間は水に浮いて日向ぼこをしている。ぷかぷかと浮かんでいる「鴨」とそれを見ている「口軽き男」とが軽やかな浮遊感という点で似通っていて、俳諧味がある。
【季語の説明】
「鴨」は秋にシベリアなどの寒地から日本に渡ってきてそのまま越冬し、春また北方へ帰る。湖沼に住んで穀物を好む種類と、海を主たる居住区として魚を主食とする類に分けられる。古くから日本人に親しまれて来た。種によって、河川・湖沼や海上・江湾・荒磯などで見られる。鴨と雁はガンカモ科で、形や習性が似ている。
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永田満徳「中村青史賞」「文学の森大賞」受賞祝賀会!

2024年12月05日 12時30分00秒 | 文學の森大賞・中村青史賞

永田満徳「中村青史賞」「文學の森大賞」受賞祝賀会

日時 2024年11月30日(土) 18:00~20:30

場所 スターライト 熊本県熊本市中央区安政町1-6桑本ビル6F 

 

永田満徳「中村青史賞」「文学の森大賞」受賞祝賀会!

 

〜 【お礼の言葉】 〜

 

この度、遠方からも、多数の方々においでいただきありがとうございます。

身に余るご祝辞をいただきありがとうございます。

 

さて、熊本県内での文化振興に貢献したとされる「中村青史賞」、郷土色の強い句集に与えられた「文學の森大賞」はともに、郷土を愛する私の気持ちを評価して頂いたということで、とても感謝しています。

 

まず、思うことは、今は亡き姉のことです。

私の文学活動に最も声援を送っていました。

「みっちゃん、文学的才能があるから頑張れよ」

出掛けに姉の遺影に手を合わせてきました。

また、多くの顕彰会に誘っていただいた中村青史先生もいつも気にかけていただき、「最近、永田くんは俳句で頑張っているぞ」と言っていただいたそうで、ありがたいと思っています。

 

熊本という土地柄に多くの文学者が心寄せています。

・ノーベル文学賞候補だった三島由紀夫は「熊本は第二のふるさと」と公言しています。

・国民的小説家である夏目漱石の『草枕』は「熊本時代のいい思い出」を封じ込めた小説だと思っています。

・国民的詩人である三好達治の代表作「大阿蘇」と「草千里」について、伊藤信吉氏は深い愛着をもって「三好達治の阿蘇詩二篇は阿蘇という土地に亡き詩人の声として永く遺る」と述べています。

・国民的戯曲家の木下順二は熊本中学、熊本五高を卒業し、熊本の明治の群像を描いた『風浪』の「あとがき」のなかで、「熊本という土地は、やはりぼくの中に深くしみこんでいた」と述べています。

特に、木下順二の「熊本という土地は、やはりぼくの中に深くしんでいる」と述べた言葉は私の文学活動を代弁しています。

折しも、熊本県玉名市天水町小天出身の金森通倫のひ孫である石破茂首相は地方創生の有識者会議を立ちあげて、本腰を入れようとしています。

政治の動きも、私の郷土を梃にした文学活動の大きな力になります。

 

「地方からの発信」というと、明治時代に熊本県球磨郡湯前町で活躍した井上微笑を思い出します。

微笑は夏目漱石を引き入れ、全国的に名を馳せた俳誌「白扇会報」の編集長です。

郷土研究家の高田素次氏が、「微笑自身の熱意と辛抱強さ」に目を見張っています。

「微笑の熱意と辛抱強さ」という言葉は、井上微笑が「私は俳句の信者である」と言っていることと無関係ではありません。

私の現在の文学活動の原動力は井上微笑の「私は俳句の信者である」という「熱意と辛抱強さ」です。

この言葉を心に刻み、インターネット時代の文学活動、現在、特に力を入れている国際俳句の指導添削などの取り組みを通して、【熊本】という「地方からの発信」に努めていきます。

 

本日は、文化協会や熊本ゆかりの文学者の顕彰会の会長、副会長あるいは代表者、熊本を代表とする文化人の方々が多数ご参加されています。

 

この祝賀会が皆様にとって、熊本の文化活動の交流の一助となれば幸いです。

多くの皆様の支えがあったかこそ、受賞です。

 

今後とも、ご支援を賜りますようによろしくお願いいたします。

 

11月30日  永田満徳

 

画像:祝辞一覧

多くの方々にご祝辞をいただきありがとうございます。

本来であれば、ご挨拶をいただくところですが、お一人お一人のご紹介は時間の関係でお手元に配布しました祝辞一覧に代えさせて頂きます。

お読みいただければ幸いです。

 




 

コメント (2)
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