古伊万里江戸後期物の魅力

古伊万里江戸後期ものを中心としたブログです。
その日の気分で、俳句も作ってみようと思います。

コンプラドール瓶

2009年04月18日 11時27分00秒 | 古伊万里=ふくろもの
コンプラドールとは、ポルトガル語で、仲買人を意味するそうですが、
今更あえて説明のいらないくらい有名な、江戸時代の輸出用しょうゆ瓶です。
盛んに造られたのは、寛政時代以降だそうです。

これは、人気もあり、ご存知のごとくコピー商品も多く、注意を要するやきもの一つですよね。
ロシアの文豪トルストイも愛用していて、一輪指しに使っていたとか・・・

はたして、これは、本物でしょうか。(笑)




私の場合、真贋の決め手は、まず、全体の姿かたちも重要ですが、文字に注目いたします。
江戸時代の人は、現代のアルファベット全部を知っている人間ではありませんので、
現代の人とは、どうしても、雰囲気が違う書き方をしているものです。
その、微妙なタッチと時代の呉須の色を、感じとることが、できるでしょうか。




あと、口の造りも重要だと思います。
コルクで栓をして、タールで封印をして、上から何かをかぶせて、ひもか針金で、くくったそうで
上下にある出っ張りも、重要だと聞いたことあります。
この造りのアマイものは、疑問が残ります。




あと、細かく見ていけば・・・
全体のフォルムとか・・
江戸期の長崎の波佐見焼きですから、生地が少し灰色がかるとか、呉須の色と調子はどうだろうか、とか
色々とでてきますが、おおむねは文字で、時代がバレてしまうものが多いようです。
ただし明治になるとコバルトの印判手になりますから、かえって文字だけでは、
真贋が難しいものも、あるかも知れません。




 コンプラ瓶としては、比較的、初期のものと思われます。

    江戸時代後期・波佐見焼・高さ約18,5cm・幅約9cm