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『永遠の0』(講談社文庫、百田尚樹著)その1

2015年06月02日 | O60→70(オーバー70歳)
作者のイデオロギーと著作は別物である、という考え方をもとに、『永遠の0』の抜き書きをしてみました。〔ken〕以下は私のコメントです。

【24ページ】
姉は仕事で下志比らしく、ようやく会えたのは、深夜のファミレスだった。
文学部出身の姉も「達筆」の判読には苦労したようだった。
「60年の世代が違うと字も読めなくなるんだなあ」
〔ken〕4月に転居したのですが、その時に大正10年生まれの亡き父親からの手紙が、いくつか出てきました。広告の裏などにボールペンで書かれた文字は達筆で、判読できないほどではなかったのですが、孫の世代である我が校今見たら、きっと読めないと思いました。

【82ページ】
当時は結婚を大袈裟に受け取りませんでした。というより結婚はするものだと思っていました。何のためにとは考えたことがありません。今の若い人はそうは考えていないようですね。結婚は人生の最良のパートナーを見つけた時にするものと思っているとか。私の孫娘もそう考えているようで、もう30半ばになるのにいまだ独身です。いい相手が見つからなければ一生独身でもいいと思っているようです。困ったものですな。(伊藤)
〔ken〕日本における少子高齢化の理由が、案外こんなところにあるのかと考えさせられたフレーズです。きちんと恋愛をして、お互い好きなもの同士が結婚するということだけが一人歩きし、お見合い結婚は最後の手段であるといった考え方が横行しています。私の父と母は、合計で100名位のお見合い結婚による仲人をしましたが、その中で離婚した確率は1%ぐらいでした。若き男女、周囲の方々おしなべて「結婚はするものだ」ということが常識となつていたわけですね。それは決して良いことばかりではなく、強制や無理強い、非婚者への偏見につながってはいけません。そして、「結婚はするものだ」という常識が崩れてしまった現在、少子化対策の難しさを痛感させられます。
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