社会福祉法人慈豊会の理事長らが理事会に無断で7000万円の社債を購入、開催していない理事会議事録の偽造、勤務実態にまったく合わない理事長親族への給与支給などの重大なコンプライス違反事案の問題などについて、問題を指摘し解雇などの処分をうけた当事者(元法人事務長 福田尚史氏、元施設長 水島尚子氏)と日本共産党福井市議団の鈴木、山田両市議が福井県に対して本日要請をおこないました。私も同席しました。県側は福井県地域福祉課から田中丈博課長、小林律雄参事らが応対しました。
社債の回収不能問題については「弁護士、会計士の助言を受けるよう指摘している」、勤務実態のない給与支給については「その事実確認が出来なかった。一方、問題なしとも認定できない」、虚偽の議事録作成は「過料の対象となる。出席の理事監事全員の署名を求める」などとこの間の監査での指摘内容を説明し、3月28日までに改善報告を出すように、求めている、などと答えました。
解雇された当事者や市議団からは「公益通報のガイドラインにそった対応をしてほしい。こちらにも内容の連絡を」「問題起こした職員を再雇用して給与計算させているなど考えられない。職員からも批判出ている」「県が職員からも話を聴くべきでは。田中一族からは聴くが職員からは聴いてくれないのか、と思う。解雇された経緯も調べて欲しい」など発言。県側は「ガバナンスに問題があることは明らか」などと答えました。
こんな非課税の社会福祉法人が経営陣の私腹を肥やし、自民党政治家に資金提供しているとは驚くべき事案です。県など行政機関がしっかりと是正措置まで見届けることが求められますね。

■2025年3月24日
社会福祉法人慈豊会の不正問題について要請書
福井県知事 杉本達治様
社会福祉法人慈豊会元法人事務長 福田 尚史
社会福祉法人慈豊会元施設長 水島 尚子
福井市議会議員 鈴木 正樹 ・ 山田 文葉
日ごろより福井県の福祉活動推進のためにご尽力くださり、感謝いたします。
先般、福井県からも法令違反が指摘された社会福祉法人慈豊会の問題に対して、問題の把握と是正措置が不十分であるため、福井県としての対応状況と見解について、説明と資料の提供をお願いします。
1,慈豊会で発覚した、法令違反や不正行為問題の経過、概要の説明
2,現在の慈豊会への対応状況の説明
3,2023年慈豊会の当時の法人事務局長が、福井県だけでなく東海北陸厚生局、
福井市、福井警察署にも
(1)理事長・創業者一族は2017年、理事会に無断で法人資金を「社債」7千万円購入に投資し、
その後社債は回収不能となり法人に損害を与えたこと
(2)理事会議録の虚偽記載
(3)勤務実態のない・勤務実態に合わない職員(いずれも理事長親族)に給与を支給し、不正な
利益供与を行っていること。
を公益通報した。しかし(1)は一部弁済されたものの残額は不問にされている。(3)は不問とされた
か隠蔽された疑いがある。福井県はなぜ(1)(3)の不正問題について不正の解明、弁済を求める
措置を取らないのか。
4,第三者委員会『調査報告書(令和5年1月31日)』は、法人職員らから「事実と相違」することなどが
指摘されていることへの見解
(1)焦げ付いた社債の責任は誰に帰するのか不明で、弁済について言及していない。
(2)調査事項から、理事長の一族の法人運営の私物化、経費の私的流用、勤務実態のない職員
への給与不正支給党の問題が外されているのは適切か。
(3)第2回委員会でヒアリングが実施された記載があるが、実施されていない疑いが指摘されてい
る。ヒアリング議事録の有無、ヒアリング内容を確認しているか。
(4)第三者委員会のメンバー構成、人選は適切なのか。理事長一族との利害関係、第三者性、調
査能力等、福井県はどう評価したのか。
(5)2024年3月、福井県に対して慈豊会の全職員の約半数から給与不正支給に対する証言を署
名入り書面にし、第三者委員会の報告書は事実と相違していることも訴え、職員へ聞き取りの
追加調査を行うことを求めたが、これを行わない理由はなぜか。
以上