能登半島地震被災地ではライフラインの復旧など急速にすすめられていますが、マスコミ報道ではいまだに水がなく、不便な生活が続いている地域も少なくない、と報道されています。調査激励に繰り返し入ってる日本共産党の藤野やすふみ前衆議院議員も「高齢者が給水の場所まで2リットルのペットボトルをもって1日2回往復しているなどの実態もある」と話されています。
私は阪神淡路大震災のボランティアで救援物資を輸送した際に、現地の要望などから大量の水も運んだ体験があります。水がなければ、食事もトイレも風呂もままなりません。阪神淡路大震災ボランティアの体験から、「公共施設だけ頑丈にしても自宅で亡くなる方が多いのだから民家の耐震化に財政支援を」などを訴え、いまの福井県の耐震診断改修助成制度にむすびつきました。
しかし、水の確保が必要と「防災井戸」の設置などを求めてきましたが、県庁は「市町のニーズがない」などの理由から実現していません。
日本共産党福井市議団の西行市長への予算要望の際にも私は訴えましたし、1月24日の福井県への要望でもつぎのように求めました。
「今回の地震災害でも上下水道が被災し、飲料水や風呂、トイレの水の不足などいきなり生活の危機に直面しています。阪神淡路大震災以降、同様の問題が繰り返されています。生活と衛生のためには水が不可欠です。その対策として、県内各地への防災井戸設置計画を作成し、県として計画的に防災井戸の設置をすすめてください。財政措置を国に求めてください。」
今回の能登半島地震の実態をみれば、「ニーズ」があることは明らかではないでしょうか。
中日新聞では民間事業者が自主的に井戸を掘り、地域住民から歓迎されている、との記事がありました。ぜひ、国や県には耐震化などの支援拡充とともに、災害時には各地で井戸の活用がすすむように事業化していただきたいものです。
■中日・・・・《断水続く被災地で井戸掘り「いつか誰かを助けたい」入社10年、私の思いが届いた》
https://www.chunichi.co.jp/article/855964?rct=r6_noto_jishin
2024年2月19日 21時08分 (2月20日 00時21分更新) 中日新聞北陸発 能登半島地震
能登半島地震後、断水が続いている石川県輪島市三井町で、地質調査会社「メーサイ」(大阪府吹田市)がボランティアで井戸を掘り、地域に水をもたらした。「井戸で困っている人を助けたい」。そんな願いから同社に就職した喜安笑子(きやすしょうこ)さん(29)の思いが実現した。
喜安さんは愛媛県出身。10年ほど前、英国に短期留学した際、水の値段が高いことに驚いた。「水があるのは当たり前ではない。もっと水に困っている人はいて、いつか井戸で誰かを助けたい」。水質調査などで井戸を掘るメーサイへの就職を決めた。
メーサイは水質調査などの井戸を掘る技術はあるが、生活用は掘ったことがない。
「技術があるのに何もしないわけにはいかない」。能登半島地震の発生を受け、喜安さんだけでなく会社全体の思いが一致。賛同した取引先も、ポンプやパイプなどの資材を無償で提供してくれた。
しかし、井戸を掘る現場が見つからない。被災した市町に支援を申し出たが、行政側も道路や水道の復旧作業で手いっぱいだった。メーサイの社員が被災地のボランティアに参加した際、断水が続き、井戸水で自給したいと思っていた輪島市三井町の野水克也さん(58)と知人を介してつながった。
作業は17日午前10時ごろに始まった。野水さんの自宅敷地を地下5・5メートルまで掘り進め、水が出ることを確認。パイプを通し、水をろ過するフィルター材を入れ、午後2時ごろ、水を引き上げ始めると、20分ほどで井戸から透明な水が上がってきた。
23日にポンプを設置すれば井戸は完成する。野水さん宅は停電が続くため、当面はバッテリーでポンプを動かす。野水さんは「これでトイレの水が流せる。この集落全体で共有したい」と喜び、「ありがとう」と喜安さんに感謝を伝えた。
念願がかなった喜安さんは「私1人の力ではできなかった。会社で10年ほど働いてこんな形で夢をかなえられるとは思わなかった」と感慨深げに話した。同社は、23日以降、石川県穴水町でも井戸を掘る予定だ。
(甲斐崎颯斗)
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《井戸の活用計画、8市町が未整備 能登地震、長期断水の地域》
https://www.chunichi.co.jp/article/855973?rct=national
2024年2月19日 21時06分 (2月19日 21時26分更新) 中日新聞
能登半島地震から1カ月の間に4万戸超の断水が続いた石川県輪島市や珠洲市など8市町で、災害時に井戸水を使う計画が事前に整備されていなかったことが19日、各市町への取材で分かった。過去の災害での教訓から、災害時に使用する井戸は各自治体で事前登録などが進んでいる。8市町も地域防災計画では「緊急用の水源として井戸水の確保に努める」「比較的汚染の少ない井戸を水源に選定する」などとしていたが、具体的な制度づくりには至っていなかった。
被災地では住民の声がけなどにより井戸が自発的に開放され、共用された地域もあった。計画が整備されていればよりスムーズに活用できた可能性があり、制度づくりの必要性が高まっている。
1995年の阪神大震災などでも長期間、飲料水や生活用水が確保できなかったことから、近年、断水時に住宅や工場、商業施設の井戸を近隣住民に開放する仕組みを導入する自治体が増加。「災害応急用」「防災用」など名称は違うが、災害用井戸を事前登録する制度が導入されている。