2019年2月22日におこなった佐藤正雄県議の一般質問と理事者答弁です。西川知事への最後の本会議質問となりました。
◯19番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
子どもにかかる国保税均等割の軽減を
これまでも子育て世帯ほど、子供の数がふえるほど増税となる国民健康保険税の均等割を子供にも掛けるのは問題だと繰り返し指摘をしてまいりました。最近では、独自に軽減する自治体も出てまいりました。
そこで、18歳以下の加入者の人数と均等割額の合計について問い合わせをしましたが、資料がないとの御回答でした。しかし、18歳以下の子供にも均等割課税をしている実態があります。課税しながら、その実態を示すデータを示せないのはおかしいではありませんか。
そこで、改めてお尋ねをいたします。18歳以下の子供への国保税均等割課税の状況をお示しください。子育て支援策として、子育て世帯への過酷な課税となる18歳以下の均等割の軽減を行うべきではありませんか、知事の見解をお尋ねをいたします。
原発輸出総崩れという新たな展開を踏まえ、これまでの福井県の国際原子力人材育成事業は見直すべき
次に、原子力行政について質問をします。
日立製作所は、イギリスでの原発建設計画について、総事業費が当初の1.5倍の約3兆円と採算ラインを大きく上回る金額に達することから、資金調達のめどが立たなくなり、凍結に追い込まれました。中西宏明経団連会長、日立製作所会長は、難しい状況、もう限界だと思うと述べ、日立社長は凍結を発表した1月17日の会見で、民間企業の経済合理性からすると、合意には想定以上の時間がかかると判断した。これ以上の投資は民間企業としては限界だったと述べた。計画凍結が報道された途端に、日立の株価は9%も急上昇いたしました。市場も原発輸出からの撤退を賢明な判断と評価したわけであります。
安倍政権は、福島原発事故前の2010年には3,000億円であった原子力の海外受注を2020年には2兆円にするという目標を掲げていましたが、全く絵そらごとに終わろうとしています。福島原発事故の収束もできず、事故を起こした原子炉メーカーと一体に政府が原発輸出を進めるなど、倫理的にも許されません。
国内の原発を持つ電力10社と青森の大間原発を建設中のJ-POWERの安全対策コストを合わせると、2018年度は約4兆6,000億円で、5年間で2.5倍に膨れ上がっております。これらは全て電力料金として利用者負担に転嫁されます。国民の中では原発ゼロ、原発輸出などやめるべきだという世論が多数派となって広がりつつあります。3月9日に福井市で開催予定の原発再稼働反対の集会には、元自民党幹事長の中川さんが参加し講演されるとお聞きをいたしました。時代は変わってまいりました。
日本共産党、立憲民主党、社民党など野党4党は原発ゼロ、再エネルギーへの抜本的転換を目指す、原発ゼロ基本法案を国会に共同提出しています。この方向にこそ日本と福井の新しい未来が見えてくるのではないでしょうか。
そこで知事に質問いたします。福井県は、安倍政権、IAEAや原子力機構、電力事業所と連携し、日本の原発を海外に売り込む一環としての海外人材育成を担っています。全国の原発立地県の中でも特異な活動です。
安倍政権のもとでの原発輸出総崩れという新たな展開を踏まえ、これまでの福井県の国際原子力人材育成事業は見直すべきではありませんか、知事の見解をお尋ねをいたします。
異常な原発推進県政の転換を
また、マスコミ報道によれば、昨年12月26日の岩根関電社長と面談した知事は、マスコミに対し、使用済核燃料の中間貯蔵地の確定が高浜などの40年を超す老朽原発の再稼働判断に影響する旨の発言をしたと報道されました。
知事は、岩根社長に中間貯蔵地を確定できなかったペナルティーを示すどころか、これからの互いの信頼関係がますます大切になってくると思うと、エールまで送っております。なぜ、知事は県民との約束を果たせなかった関西電力に対し強い態度で臨まず、優しい言葉で包み込んだのでしょうか。
マスコミに対し、中間貯蔵地の問題と40年超の老朽原発再稼働をリンクさせるかのような発言を行ったのは、重大な問題です。
そもそも、40年超原発再稼働については、地元集落からも反対の声が上がっています。県議会でも具体的には何ら審議されておりません。県民益と言いながら、地元の声を軽視し、県議会を軽視する態度は看過できません。関電に対し、甘い態度の背景には、知事の胸の中には既に40年超原発の再稼働を認めていく青写真が描かれているのではないかと疑います。
繰り返しますが、広い本州で唯一原発再稼働を認めているのは福井県だけです。他県では、福島原発事故の教訓を踏まえ慎重になっているのに、福井県は事故の教訓に反して、隣接する巨大原発を4基も再稼働を認めている。さらに、事故時にはより放射能汚染が深刻となるプルサーマルの拡大も、関西電力の意向のままです。関西電力は、高浜原発に続き大飯原発にもプルトニウム燃料の使用を拡大する計画です。さらに今度は40年超原発の再稼働までスケジュールにのせています。異常な状態ではありませんか。
私は、原発再稼働、プルサーマルの拡大、老朽化原発の再稼働に強く抗議し、中止を求めます。
知事は、代表質問への答弁で、県民の安全最優先に国をリードしてきたなどと述べられましたが、安倍政権の再稼働推進と原発海外輸出推進の後押しをしてきたわけで、ミスリードではありませんか。他県に比べても知事の異常な原発推進県政に県民は不安を募らせています。
原子力防災体制もまだまだ不十分なまま、近接する原発の相次ぐ再稼働、プルサーマルの拡大、老朽原発再稼働の準備など、これほど異常な原発推進の見直しを求めますが、知事の見解をお尋ねをいたします。
新幹線建設費負担の大幅増加
さて、新年度の北陸新幹線建設事業費の県内分は1,729億円、うち福井県負担額は288億円、市の負担額は8億円との説明です。
そこで改めてお尋ねをいたします。建設費が2,263億円ふえたことにより、福井県内分の事業費は幾らとなるのか。また、福井県の負担額、福井市及び敦賀市の負担額は幾らとなるのかお答えください。また、福井県が昨年11月28日に出した文書を見ても、建設費増加分の財源の確保について、地方負担もふえるが、本県としてはスキームに基づき負担していくと書いてあります。しかし、そもそも1,350億円もの事業費増加について、なぜ県は県負担の増加分を精査することなく丸のみしたのかお答えください。
新幹線敦賀開業時の特急存続を
次に、特急存続についてお尋ねします。
さきに山田副知事に日本共産党が要望した際に、特急存続についてはJR西日本と協議しているとの御回答でした。私は、これは県民益にかかわる問題だと思います。福井市民にすれば、多額の税金を投入し、敦賀駅で乗りかえなければならなくなる。今より不便になる新幹線は困るということです。料金負担がふえ、今のサンダーバード、しらさぎ号の利便性が失われる新幹線は望まないというのが利用者の気持ちです。また、サンダーバードなどは、観光利用も多いわけですから、観光行政にとってもマイナスであります。
私たちは、かねがね主張しているように、特急存続のポイントは国の責任ある関与だと考えます。認可したのは国であります。フリーゲージトレインを想定したのも国であります。これまでの関西、中京と北陸の発展を結んできた北陸本線という大動脈を切らせていいのか。これが国の国土交通行政に問われているわけであります。
そこでお尋ねします。知事は、特急存続における国の役割、関与はどうあるべきだと考えて、行動し、また行動しようとしているのですか、お尋ねをいたします。
部活動手当実質削減は問題
次に、教育、観光行政についてお尋ねをいたします。
今回、県教育委員会は、中学校や高校などの教員の部活動手当を実質削減する提案を行ったとお聞きしました。現在、4時間で3,600円の手当を廃止、3時間で2,700円とするというものです。県教委の言い分は、学校業務改善方針で休業日の活動は3時間程度としたことや、国からの財源が3時間分しかないことを理由にしています。これは、二重に現場の実態を見ないものです。
そもそも、準備や後片づけなどを含めれば、3時間では終わらないのが実態です。また、時給換算で900円というのも安過ぎるわけですが、教員の善意と生徒たちへの気持ちが活動を支えてきています。また、先生の手当が減ったから部活動時間を削減する、そんなことは生徒に言えません。国体総合優勝の取り組みなどでも奮闘されてきた教員に対して、余りに手のひらを返したような措置ではありませんか。何と冷たいのでしょうか。
そこでお尋ねをいたします。従来どおりの4時間3,600円を維持すれば、県独自の財源負担は幾らとなるのですか。それは、現場の教師や生徒の部活動へのモチベーションを維持するために措置できない額なのですか、明確な答弁を求めます。
エジプトからの教育研修員に関して
次に、エジプト・日本教育パートナーシップにおける教員の受け入れ先に福井大学が選定され、ことしから2021年度まで、680名もの大量の教育研修員がエジプトから福井に来られることについて質問をいたします。
1組約20名が1カ月サイクルで34サイクル続きます。イスラム教国からこれだけの人数が入れかわりながら福井に滞在することになります。福井市の6カ所の小学校も研修先となっているとのことです。
そこでお尋ねをいたします。これだけ長期間のエジプトからの研修生を福井県内の公立小学校などで受け入れる体制はどうなっているのでしょうか。
地域の生活面では、通訳を交えた県民との交流などコミュニケーション、食事でのハラル食を提供できるお店の準備、宗教的礼拝の場所の確保など、必要な手だてを県としてもサポートすべきではありませんか。
また、これだけ長期に多くの教員研修生が福井に滞在されることも活用して、福井のいいところをPRするとともに、エジプトとの観光などでの連携を考えるべきではありませんか、見解をお尋ねをいたします。
県立恐竜博物館のSPC構想について
次に、今回提案されております恐竜博物館の機能拡充については、恐竜博物館整備運営会社SPCを設立し、整備と運営を一体的に行おうというものです。知事は代表質問への答弁で、研究、収蔵、展示に県の業務を特化すると答えておられます。しかし問題は、民間企業側の収支計画に基づく経営の影響を展示サイドも受けるわけであり、展示内容や料金プランなどについて学術的な面が後退しないか、県民が気軽に利用できない料金プランになるのではないかなどの懸念もあります。
ここに県立博物館という社会教育施設として誕生した恐竜博物館が、内容と料金の面で県民のアクセスしにくくなるような異質なものに変貌していく懸念があるのではありませんか、見解をお尋ねをいたします。
日米地位協定に関して
最後に、日米地位協定について質問します。
安倍政権が沖縄県民多数の民意を無視して強行する同県名護市辺野古米軍新基地建設の埋め立ての賛否を問う県民投票が14日に告示され、間もなく24日に投票日を迎えます。また、沖縄県のアメリカ海兵隊普天間基地所属のヘリコプターが、昨年12月、隣接する小学校校庭に窓を落下させた事故について、日本の国内法である航空法では本来刑罰に問える可能性があるのに、日米地位協定に基づく特例法でアメリカ軍は適用を除外されていることが国会の質疑で明らかになっています。
アメリカ軍に異常な特権を与えている日米地位協定を抜本改定する必要性は明らかです。沖縄県の調査報告書では、ドイツ、イタリアともに、過去の米軍機の事故をきっかけとした国民世論の高まりを背景に、地位協定の改定や新たな協定の締結交渉に臨み、それを実現させているのです。
全国知事会は昨年7月、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法など国内法をアメリカ軍に適用することを求める提言を採択いたしました。これには西川知事も賛同され、全会一致であったとお聞きしております。議会でも、長野県、和歌山県、宮崎県、岩手県、佐賀県など7道県議会で同趣旨の意見書が採択されております。意見書の多くは、全国知事会が昨年7月27日に決議した米軍基地負担に関する提言を受けたもので、基地の整理、縮小、返還の促進、航空法や環境法令などの国内法を原則としてアメリカ軍にも適用させること、事件、事故時の自治体職員の迅速、円滑な立ち入りの保障などを求めています。自国と自国民の安全第一に考えるならば、地方議会として当然の意見書であります。福井県議会にも市民団体からの請願が出されておりますけれども、ぜひ今議会での採択を行うよう強く希望いたします。
そこで質問します。全国知事会の提言に西川知事も賛同されましたが、この提言についての知事の見解をお尋ねするとともに、現在行われている県民投票の結果について、政府は尊重すべきと考えますが、知事の見解をあわせてお尋ねをいたします。
以上で、質問を終わります。
◯副議長(鈴木宏紀君) 知事西川君。
〔知事西川一誠君登壇〕
◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
まず、原子力行政であります。
原子力発電の国の輸出との関連で、これまでの福井県の国際原子力人材育成事業は見直すべきではないかとの御質問であります。
エネルギー研究開発拠点化計画に基づき、平成23年に若狭湾エネルギー研究センター内に国際原子力人材育成センターを設置し、アジア原子力人材育成会議等の国際会議を開くとともに、IAEAと密接に連携しながら研究を実施しております。この国際原子力機関との連携による5カ年の事業で45カ国から約900名の研究生を受け入れており、近年では医療、農業といった発電以外の分野における会議や研修をすることにより、放射線治療や育種など、原子力技術を活用した研究や人材育成も行っております。
国内における原子力発電の再稼働や廃炉の安全確保はもとより、著しい経済成長に対応するため、原子力発電を導入しようとするアジアを中心とした新興国においても、原子力安全を支える人材育成は喫緊の課題となっているわけであります。こうしたアジアを中心とした原子力エネルギーのいろいろな政策や安全に信頼性を確保するという意味でも、福井県のこれまでの安全対策、人材育成の成果を彼らがいろいろ勉強するということは、意味のあることではないかと、このように思います。
県としては、今後も国際原子力機関等と連携し、アジアを中心とした各国の人材育成に協力し、原子力技術の平和利用の促進と一層の展開といいますか、そういう課題に貢献してまいりたいと考えます。
次に、原子力防災体制が不十分なまま、近接する原子力発電所の再稼働、プルサーマルの拡大、あるいは高経年化原子力発電所の再稼働の準備など、こうした問題について見直すべきではないかとの御質問でございます。
かなり一方的な御意見をいただいたような感じもややいたしておりますけれども、これまで安全管理をしっかりやりながら、日本のエネルギー・原子力政策に福井県は貢献をしており、また地域の振興などにも市町とともに努めてきたところであります。そして、福島事故以後は、福島のようなことは絶対に福井県では起こさせないんだという、そういう強い決意のもとに、国に対し物を申し、また原子力事業者についても必要なことをしっかり実行をさせているところであります。
高浜、大飯発電所の再稼働については、地元の町の考え、県議会の御意見、原子力専門委員会──これは県の委員会でありますが、安全面の評価、国や事業者の対応などを総合的に勘案し、判断を行っております。
プルサーマル発電のさらなる導入については、県議会を初め地元市町において現在議論をされているものではありません。
40年超運転については、関西電力がみずからの責任と判断において必要な工事を実施している状況であり、再稼働を認めるかどうかの地元県としての判断とは別の事柄であります。
県といたしましては、国や事業者に対し、原子力発電所の安全確保を図るとともに、地元雇用、地域経済への対応など責任ある対応を求め、県民益の確保に努めているところでございます。
次に、新幹線の課題であります。
特急存続における国の役割、関与はどうあるべきと考えて対応しようとしているのかとの御質問です。
新幹線の敦賀までの開業との対応の中で、特急乗り入れについては昨年国に要求した際、国交省の鉄道局長は、JRや並行在来線会社とも問題意識を共有した上で解決策を探っていきたいとしているところであります。
現在どのような解決策が最善なのかということについてはJRなどと協議しており、昨年12月にJR社長にお会いした際、協力をお願いしております。
今後、よくその議論を詰める必要がありますが、県民の皆さんの利便を最大限化するにはどのようなことができるのか、あらゆる方法について議論をし、必要となる支援については国に対し要請もし、成果を求めてまいりたいと考えます。
次に、日米地位協定見直しについての課題であります。全国知事会の提言において、こうした米軍基地負担に関する提言を昨年7月に全国知事会で行っているわけでありますが、4項目ぐらいございます。それに関連して、現在沖縄県で行われている辺野古埋め立て賛否を問う県民投票の結果について、政府は尊重すべきと考えるが、福井県知事としての所見はどうかとの御質問です。
沖縄県におけます米軍専用施設の基地面積割合は、全国の7割を占め負担が大きく、また米軍基地は各自治体住民の生活に直結する重要な問題であることから、沖縄県の要望を受け、平成28年知事会において、米軍基地負担に関する研究会、これは11の道府県により構成されたものであります。座長は埼玉県知事でありますけれども、この研究会での議論に基づき、昨年7月に知事会議において日米地位協定の見直しや飛行訓練の事前情報提供などを含む米軍基地負担に関する提言が決議されたところでありまして、政府は責任を持ってこの問題に取り組んでいくべきと考えます。
なお、この一方、辺野古埋め立てについては、今回の知事会提言には含まれていない項目でありまして、埋め立ての賛否を問う県民投票については、沖縄県の独自の判断で実施されているものではないかと認識しております。
その他については、関係部長から答弁します。
◯副議長(鈴木宏紀君) 総合政策部長豊北君。
〔総合政策部長豊北欽一君登壇〕
◯総合政策部長(豊北欽一君) 私から1点、増大する新幹線負担についてお答えいたします。
建設費が金沢-敦賀間において2,263億円ふえたことにより、福井県内分の事業費、県の負担分、福井市及び敦賀市の負担額は幾らになるのか、また1,350億円もの事業費増加について、なぜ県負担額の増加分を精査することなく丸のみしたのかとのお尋ねでございます。
今回の建設費増加につきましては、石川県も同じでございますが、国土交通省や鉄道・運輸機構に内容を十分確認、精査しております。また地方負担の軽減を政府・与党に強く求めた結果、これまでのスキームでしたら貸付料が2分の1見込まれていたわけですけれども、今回は建設費の増加分に対しての約7割に貸付料や既設新幹線譲渡収入が充当されました。
さらに、来年度は国費がこれまで年755億円でしたが、それが792億円へと37億円増額されるなど、県や市の負担が大きく軽減されることになりました。
建設費増加分を含む本県区間の事業費でございますが、今回の建設費増加分、本県、約1,350億円でございますので、これまでの8,000億円が約9,400億円になります。建設費増加分に対するさらなる貸付料の充当が可能かを、毎年度の国の予算編成の過程で検討していくということになっているため、県及び市の負担額については、今後決まってくることになります。なお、これまでのスキーム、すなわち貸付料2分の1を前提とすれば、今回の建設費増により県の実質負担、いわゆる交付税措置を加味した実質負担は、約600億円が約700億円に100億円ふえ、県内市町全体の負担は45億円から60億円に15億円ふえ、合わせて115億円ふえるわけですが、今回の建設費増加分については、先ほども申し上げましたとおり、別途手厚い財源スキーム措置が講じられていることから、かなり軽減されると考えられます。
今後も毎年度、事業内容を十分確認しながら、スキームに基づいた負担をしてまいります。
◯副議長(鈴木宏紀君) 健康福祉部長池田君。
〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕
◯健康福祉部長(池田禎孝君) 私からは1点、子育て支援策の拡充について、18歳以下の子供への国保均等割課税の状況、そして18歳以下の均等割の軽減を行うべきではないかとの御質問にお答えいたします。
国保税のうち均等割は、医療の提供を受けるという受益に応じ、平等に負担すべきものとして地方税法に基づき、子供を含む全ての被保険者に賦課されております。この均等割課税の状況について、県は国の調査に基づきまして、課税主体である市町から被保険者数の報告を5歳刻みで受けており、18歳以下の課税の状況は不明となっております。平成30年9月末現在で20歳未満の国保の保険者数としましては、約1万3,000人という状況になっております。
この均等割につきましては、低所得世帯に対し、子供を含む被保険者数に応じて保険料を軽減する措置が設けられておりまして、実質的に子育て世帯の負担軽減が図られているところでございます。その割合は約53%となっております。
しかしながら、子育て支援の観点からは、保険税軽減措置の制度上の拡充が必要と考えておりまして、このことについては国が責任を持って方策を講じるべきと考えております。このため、子供の均等割軽減につきましては、これまでも全国知事会を通じ、また今年度は新たに近畿府県国保主管課長会議からも国へ要望を行っており、今後も引き続き国に要望してまいります。
また、本県としましても、これまで中学3年生までの子供の医療費無料化など、子育てにかかる経済的支援など、全国トップクラスの子育て支援策を実施しております。今後も、子育て政策のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
◯副議長(鈴木宏紀君) 産業労働部長安倍君。
〔産業労働部長安倍暢宏君登壇〕
◯産業労働部長(安倍暢宏君) 私からは、教育、観光行政の考え方について、1点お答え申し上げます。
エジプトからの研修生の地域での生活面につきまして、例えば通訳を交えた県民との交流などのコミュニケーション、そしてハラル食を提供できるお店の準備、宗教的礼拝の場所の確保などの必要な手だてを県としてもサポートすべきではないかとのお尋ねがございました。
エジプトからの研修員につきましては、先月1月31日に42名が既に来県をして滞在をしていると承知をしておりまして、その生活を送る上では、福井大学とそれから日本にありますエジプト大使館が協力をしまして、宗教上の戒律、これは豚肉、あるいは豚由来成分を含む食品を含めたものの摂取の禁止、あるいはアルコールの摂取の禁止といった点を考慮しました食事を提供するほか、礼拝につきましては学内の一室を礼拝室として提供するなどしておりまして、今の段階におきましては、生活を送る上での特段の支障は生じていないと、福井大学から聞いているところでございます。
今後、県といたしましては、受け入れ機関である福井大学から要請がありましたら、必要な対応につきまして検討をしていきたいと考えております。
◯副議長(鈴木宏紀君) 観光営業部長江端君。
〔観光営業部長江端誠一郎君登壇〕
◯観光営業部長(江端誠一郎君) 私からは、教育、観光行政の考え方について2点お答えをします。
最初に、長期に多くのエジプトからの研修生が福井に滞在することを活用し、福井のいいところをPRするとともに、エジプトとの観光などでの連携を考えるべきではないかとのお尋ねです。
県では、これまで県内大学等と連携をして、留学生など県内在住外国人向けの体験バスツアーなどを実施しており、陶芸やそば打ちなどの感想を自身のSNS等で海外に向けて発信をいただいております。
今回、福井大学が受け入れるエジプトからの教員研修生に対しましては、エジプト人の関心が高い雪、あるいは桜などの四季折々の自然や伝統工芸など、本県ならではの観光情報を積極的にPRしたいと考えます。また、本県のすぐれた教育内容に加え、恐竜博物館や年縞博物館なども知っていただき、SNS等で母国に発信していただくとともに、帰国後も福井のファンとして家族や友人、教え子の皆さんなどに福井の魅力を広く伝えていただくよう、福井大学と協力しながら進めていきたいと思います。
次に、恐竜博物館の機能拡充について、SPCの設立、運営により、社会教育施設として誕生した恐竜博物館が、内容と料金の面で県民がアクセスしにくくなる懸念があるのではないかとのお尋ねです。
今回お示しをしております運営権方式では、研究収蔵、展示など、博物館の基本となる業務は引き続き県が担ってまいります。また、SPCが行うシアター運営などの体験部門やショップなどのサービス部門についても、県が企画、監修することにより、県立の博物館としてふさわしい内容にしたいと考えています。SPCが博物館を運営する場合に、来館者へのサービス水準を確保する中で博物館としての公共性を保つことは重要と考えています。このため、現在調査機関にその方法などを検討させているところであります。
なお、博物館の観覧料については、PFI法などにおいて県が上限などを定めることとなっており、来館者の利便性が著しく損なわれることはないと考えております。
◯副議長(鈴木宏紀君) 教育委員会教育長東村君。
〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕
◯教育委員会教育長(東村健治君) 教育について2点お答えいたします。
部活動手当につきまして、現場の教師や生徒の部活動へのモチベーションを維持するために、従来どおり4時間3,600円の手当を維持すべきではないかとのお尋ねでございます。
昨年、スポーツ庁から出されましたガイドラインの中で、生徒の成長に適した部活動の時間は、平日は2時間程度、休日は3時間程度、平日1日、休日1日の休養日を持つことが示されました。これを受けまして、福井県も今回、同様の部活動の在り方に関する方針を策定したところでございます。
休日の部活動が3時間程度と示されたことによりまして、現在3時間の活動に対しましては2時間1,800円の手当支給となっております。これを今回新たに3時間2,700円の手当が支給されるように検討しているところでございます。
休日の部活動につきましては、各種大会への出場や練習試合など4時間を超える活動も想定されますので、そのような場合につきましては今後検討してまいります。
続きまして、エジプト・日本教育パートナーシップについての、エジプトからの研修生を受け入れる体制はどうなっているのかとのお尋ねでございます。
このエジプト・日本教育パートナーシップにつきましては、安倍総理とエルシーシ大統領が、テロリズムと過激主義との闘いと平和、安定、発展及び繁栄の促進に対する両国の取り組みの重要な柱として、エジプトの若者の能力強化を目的とした教育に関する共同パートナーシップを2016年3月に発表したところでございまして、この中には日本型の学校を国内に200校設置したい。そのうち新設校は100校であるというようなことがうたわれておりまして、御指摘のこの取り組みにつきましては、福井大学において行われておりまして、通訳などの体制については、福井大学において整備されております。なお、視察の受け入れ先についても、福井大学において学校と直接調整しているというふうに伺っております。
◯副議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯19番(佐藤正雄君) まず、知事に2点再質問します。
一つは、関西電力の老朽原発の関係ですが、中間貯蔵施設の選定とその老朽原発の再稼働を結びつけるようなことをマスコミさんの前で言われたというように報道されているわけですね。そういうお考えがそもそもあるのかないのか。要するに、先ほど質問でも言ったように、関西電力との信頼関係が大事だというふうに岩根社長に知事はおっしゃっていますけれども、その信頼関係の延長で、中間貯蔵施設の場所を選定したのであれば、40年を超す原発の再稼働を認めるというような方向のニュアンスの発言を知事はされたのかどうか、これを確認したいと思います。
それからもう一点は、新幹線について必要な支援を国に要請していくんだということですが、知事がおっしゃる必要な支援というのは、どういう内容を国に要請していくのかということを確認をしたいというように思います。
◯副議長(鈴木宏紀君) 知事西川君。
◯知事(西川一誠君) 特に、まず第1点の原子力の課題でありますけれども、中間貯蔵については約束どおりちゃんとやってほしいということを申し上げていることで、40年超の運転と全くこれはまた別の事柄であります。
それから、新幹線のこれからの特急、あるいはいろいろな利便性の向上については、さまざまな選択肢と相手のいろいろなお考えもありますから、全てのことをいろいろ提案しながら、最も利便性が確保できるような、こういう対応を福井県として結果を出したいということであります。
◯副議長(鈴木宏紀君) 佐藤君。
◯19番(佐藤正雄君) 新幹線ですが、実は先日、私は新聞報道で知ったのですが、鯖江市の牧野市長も特急存続を求めておられますが、国がなかなか感触がちょっと、余りよくないということをおっしゃっていたというのは新聞報道でありました。ですから、そういうことで方向転換も考えなきゃいけないかなというような新聞報道だったわけですが、私は、方向転換したのは国なんですよ。そもそもフリーゲージトレインを導入して、今のサンダーバードと同じ利便性は確保しようという計画だったのが、方向転換してフリーゲージトレインがなくなってしまったから、こういう特急存続ということになっているわけですから、そこを押さえてもらわないと、ボタンをきちんと最初からかけてもらわないと、きちんと国に責任を取ってもらうと、応分のやっぱり責任の取り方をしてもらうと。だから、どうしても必要だと思うのですが、そこはいかがですか。
◯副議長(鈴木宏紀君) 知事西川君。
◯知事(西川一誠君) 今回のいろいろな在来線といいますか、従来の特急等の存続については、フリーゲージと深くかかわる課題でもありますので、このことは双方認識をいたしていると思います。
それから、いろいろなこれからの方向については、もちろん我々、県議会の皆さんとも力を合わせてやりたいと思いますし、市町とも協力しなければなりませんけれども、国会議員の皆さん方が国のプロジェクトとしてさらに我々と一緒に解決を図っていただくように協力も要請し、一緒にやっていただくように期待をいたしている状況であります。