2017年9月14日におこなわれた佐藤正雄議員の一般質問の内容と理事者答弁です。
◯18番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
まず、大飯原発再稼働問題と知事の責任について質問いたします。
関西電力は、高浜、大飯原発の同時事故の訓練を行いました。福島原発事故や東日本大震災では、ほかの原発もクライシス直前、首の皮1枚で冷却に成功したことを考えれば、当然の想定と訓練だったと思います。
そもそも、昨年8月の高浜原発事故を想定した県外避難を含む訓練でも、問題点、課題が山積でした。本来なら、再稼働している高浜原発について、再び事故を想定した県外避難訓練を昨年夏の訓練の教訓を踏まえて行うべきであるのにやられておりません。
大飯原発再稼働判断の前に、県として責任を持って国や関係自治体とも連携して、高浜、大飯の同時事故を想定した県外避難を含む住民参加の原子力防災訓練を行うべきではありませんか。知事の見解をお尋ねいたします。
ところで、知事が県民への説明責任をみずから果たそうとしていないことは、極めて不誠実であります。事故が起これば、福島原発事故を見ても、立地自治体だけの被害ではありません。また、県知事が最終的な再稼働についての判断をする手法をとっており、地元町長の判断だけで再稼働するのではありません。再稼働判断は、広域的に県知事が判断し、事故が起これば広域に被害が及びます。何も高浜、おおいの町民だけに説明すれば足りる課題ではありません。
先日、住民団体の皆さんが公開説明会開催と参加を県庁や関西電力に要請いたしました。県庁の他部局では、県民の求めに応じて県の担当部署の職員が各地に説明に出向くのは日常茶飯事であり、これ抜きでは県民理解を各事業で得ていくことはできないでしょう。
知事は、説明責任と理解活動を国と電力事業者にだけ押しつけるのではなく、知事みずから、県庁みずからが再稼働に当たっての県民への説明活動に責任を果たすべきではありませんか。住民団体の求めに応じて、大飯原発について県内で行われる住民団体主催の公開説明会に、事情に詳しい副知事、または安全環境部長、または県職員を派遣することを求めますが、知事の見解をお尋ねいたします。
また、日ごろの知事の発言どおり、事業者である関西電力が県民の求めに応じて説明会に出向くことは当然と考えますが、念のため知事の見解をお尋ねいたします。
次に、新幹線と北陸線、第三セクター化に関して質問いたします。
9月8日早朝、あわら市柿原の北陸新幹線柿原トンネルの工事現場で土砂崩落が発生し、トンネル上部にある柿原グラウンドが直径15メートルにわたって陥没いたしました。負傷者が出なかったことは幸いでしたが、作業員やグラウンド使用の住民が巻き込まれれば、大惨事は避けられず、このような重大事故を起こしたことは極めて重大であります。
事故原因究明と再発防止対策に全力を挙げなければなりません。コスト面からナトム工法が主流で、トンネル工事が安価になってきておりますけれども、地表面に今回のような住民施設などがある場合、より安全側に立った対応が求められます。そういう点では、地表面の沈下などを測定し、緩みの限界を超えないように、吹きつけコンクリートの厚さなどを加減することが必要だ、これは都市部でのナトム工法の原則ですが、こういう点がしっかり守られていたのかどうか、県民に明らかにしていただくことが必要です。
また、少し前には、地元住民に対するトンネルの説明会も開かれていただけに、住民の皆さんの不安感情は大きいものがあり、丁寧な説明会開催などが必要です。11日に私たちも鉄道・運輸機構に対して要請活動を行いました。県も口頭で要請を行ったとのことですが、県民の安全第一に万全を期していただきたいと思います。
さて、平成34年度末の新幹線敦賀開業と長大な北陸本線の第三セクター化がいよいよ目前に迫ってきました。私は、知事とJR西日本社長のトップ交渉を早く行い、大事な点での道筋をつけることが必要だと思います。
第一は、第三セクターとしてやむを得ず引き受けなければならなくなった北陸本線に係る資産全てについて、もともとは国有財産──国民の財産であったことなどに鑑み、また、第三セクターの予測される厳しい経営を考慮すれば、無償で譲渡すべきと求めるべきではありませんか。知事の見解をお尋ねいたします。
第二に、JR九州も事実上、導入見送りと言われているフリーゲージトレインについてです。導入する民間会社がなければ、国費を投入して国が開発する必要は全くありません。北陸新幹線での導入めども全く立っておりません。しかし、国土交通省は新年度も開発予算を計上するとしています。
そこで、知事はJR西日本社長に対して、開発の成功と早期導入の見込みの薄いフリーゲージトレインの導入はお互いの利益にならない、もうやめましょうと働きかけるべきではありませんか。このままずるずるとフリーゲージトレイン開発が続けられても、県民と利用者の利益、さらにはJR西日本の利益にも全くならずに終わる危険があるわけですから、JR西日本の判断が大事です。JR西日本がフリーゲージトレインを導入しないと経営判断すれば、国によるフリーゲージトレイン開発の理由はなくなります。知事の見解をお尋ねいたします。こうしてこそ、県議会も決議した在来線特急存続への道が開けるのではないでしょうか。
次に、高校入試での英検加点制度について質問いたします。
高校入試での合否の差は1点をめぐる争いになることも多いと関係者からお聞きをいたします。特に、受験生の多い高校では、その傾向は高くなります。前議会でも議会意見書が上げられた英検加点は、まさに受験生にとってはいわば黒船来襲の衝撃となります。
教育委員会は、英検加点で最大英語だけ115点としていた計算を100点満点の中で計算するから、ほかの教科と満点は100点で変わらない方式に変更したと説明いたします。しかし、これは福井県教育委員会版の朝三暮四にほかなりません。県議会議員は猿ではありません。ごまかされません。英検によって英語のみ5点から15点加点するという、公正さを欠く採点が持ち込まれることに変わりません。問題の本質は変わらないのです。
だから、文部科学省も公正、公平、透明性のある入学者選抜が求められる。福井県教育委員会の英検で加点する選抜方法は、問題があるとも、問題がないとも言えないと答えています。つまり、文部科学省も選抜方法に問題はないと言えないグレーな手法で15歳の人生を左右しかねないのは、大問題ではありませんか。従来の公平な入学者選抜では合格できたけれども、この選抜方法の変更のために不合格になる生徒が出たら、どう責任を取るのですか。15の春を行政の不公正な選抜で泣かせてはなりません。
改めて、15の春を公平性に欠く選抜によって泣かせかねない英検加点は、やめるべきではありませんか。見解をお尋ねをいたします。
また、現在の計画のまま仮に強行するのであれば、救済策を検討すべきであります。そもそも、このような受験方式の変更は、2年生のときに周知して備えるのならともかく、現在の3年生から導入するのには準備が間に合わない生徒もおり無理があります。
したがって、来年春の高校入試では、現行の方法と英検加点の方法との2方式で一旦採点を行い、仮に現行の方法で合格になる受験生が新しい方式では不合格になる場合は、英検導入年度の特例措置として救済を考えるべきではありませんか。そして、その高校別のデータを県議会に公表するように求めますが、見解をお尋ねいたします。
次に、国民健康保険制度について質問いたします。
来年4月から福井県が国保財政に責任を持つことになります。これを生かして、二つの提案を行います。いずれもこれまでも県議会で提案してきたことでございます。
一つは、子供さんの数がふえればふえるほど、国民健康保険税が増税になる、この矛盾の解消に乗り出すことです。これは、全国知事会の国に対する提言でも出されました。画期的な知事会の提案でございますけれども、政府がすぐには動くとは思いません。
そこで、今回の制度改定をきっかけに、全国初の子育て支援の一環として、県と市町が協力して高校卒業までの子供について、頭割りでかかる国民健康保険税負担を実質的に軽減する制度を導入することを提案したいと思いますが、見解をお尋ねいたします。
もう一つは、6月議会でも税金と公共料金などのトータル負担率で家庭の負担を見る、そういう必要性を指摘いたしました。今回は、国民健康保険税に限った負担率で見て、減免規定を講じることを求めたいと思います。
国保は、今でも高過ぎて、払いたくてもなかなか払えないという御家庭がふえているわけです。例えば、給与年収400万円、お父さん、お母さん、子供2人、この4人世帯での保険料の計算をすれば、ざっくりした計算では、東京で41万7,700円、名古屋市で34万7,500円。ところが、福井市では43万6,100円、坂井市では36万400円。福井市は、大都会よりも高く、住みにくくなっているのです。ちなみに、福井県の協会けんぽの本人負担分では20万3,800円で、国民健康保険の半額程度の家計負担でございます。同じ収入でも、20万円と43万円の負担では倍以上違うわけで、払えない方がふえてくる大きな原因となっています。この異常さを今回の制度改定で県がリーダーシップを担うことを生かして、もっと住みやすい福井県にする制度改定を考えるべきではないでしょうか。国民健康保険の負担で家計と家庭が壊されていく、この状況の改善が必要ではないでしょうか。
大都市圏と比べても同等か、より高くなっている福井県内の国民健康保険税の負担軽減で、暮らしやすい福井をどう実現していくのか、実効的な減免規定や負担率に上限を設けるなどが必要と考えますが、見解をお尋ねいたします。
最後に、今回提案されました県迷惑行為等の防止に関する条例改定について質問いたします。
さきの国会では、いわゆる共謀罪審議の中で、地図、カメラを携帯していたら犯罪の下見だというような法務大臣の答弁が有名になりました。今回の条例改定もその種のにおいが漂ってまいります。犯罪学でラベリング論というのがあります。犯罪の実態があり、そこに規則が適用されるのではなく、規則が適用されることで犯罪が生み出されるという考え方です。
今回の条例改定が、従来は犯罪者とされなかった行為者を取り締まり、犯罪者とラベルづけをすることになるのではないでしょうか。
この点で、例えば乱暴な言動とかスマホなどのカメラを人に向ける行為とか、電子メールなどの送信などは、どの程度の行為なら犯罪要件となるのか、甚だ広範囲にすぎます。つまり、例えば速度30キロオーバーで違反ですというような客観的な基準があって違反が認定されるのではなく、現場では対応した警察官の恣意的な判断で検挙されるかどうか左右される可能性が出てくるのではないでしょうか。社会的にも痴漢冤罪という実態も取り上げられておりますけれども、証拠写真が残っていないのにスマホを向けられたと女性に訴えられれば、スマホ冤罪が生まれかねません。
法律は、人の命、自由、財産に制限を加えるものであり、その改変には社会的合意、県民合意が求められます。したがって、今回の条例改定で人を検挙し、懲役刑や罰金刑を科すことを決める議会審議において、より慎重な審議が求められることは言うまでもありません。
そこでお尋ねをいたします。警察官による恣意的な判断に左右されかねない状況まで想定しての処罰規定の拡大は、人権侵害にもつながりかねないと考えますが、見解をお尋ねいたします。
また、ストーカー規制法の対象とならない県民を広く対象者と見ることにつながり、市民運動、政治活動、宗教活動などによる働きかけやマスコミの取材なども嫌がらせ行為の対象とされることはないのかお尋ねをいたします。
以上を質問いたしまして、答弁を求めます。
◯議長(松田泰典君) 知事西川君。
〔知事西川一誠君登壇〕
◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
まず、原子力発電所の再稼働の御質問であります。
大飯原子力発電所の再稼働を判断する前に、高浜、大飯の同時の事故を想定した県外避難を含む住民参加の原子力防災訓練を行うべきではないかとの御質問です。
原子力発電所の安全の問題については、第一にプラントの安全対策、次にプラントの事故の制圧をいかにできるか、そして万が一の防災避難対策が、階層を持ってあるわけでありまして、それぞれ事柄が異なりますし、優先、そして前後があるわけであります。
高浜地域の広域避難計画は、平成27年12月に策定をされ、現在、大飯地域については国に対し、速やかに計画を決定、公表するよう求めているところであります。同時に、緊急事態となった場合の対応については、大飯の避難計画の策定後、国が責任を持って追加すべき点などについて検討することにしているわけであります。
県では、昨年8月に高浜と大飯地域において、県外・県内の避難先に住民が避難する訓練を実施し、さらに一昨日は事業者である関西電力が独自に同時事故を想定した事業者としての制圧訓練を行っているところであります。
住民の安全・安心の観点からも、防災対策は常に継続し、充実させることが重要であり、さまざまな訓練を継続し、積み重ねながら防災力の向上に努めてまいります。
それから、大飯原子力発電所について、県内で行われるある住民団体主催の公開説明会に対して、事業に詳しい副知事、安全環境部長、または県職員を派遣し、また関西電力が県民の求めに応じて説明会に出向くことについてどう考えるかとの御質問です。
エネルギーの政策や原子力発電所の安全規制については、国が一元的に責任を有しており、国みずからが原子力発電の重要性や必要性、安全性について、国民、県民に対し説明責任を果たす必要があります。
原子力発電については、県民の間にさまざま意見があることは承知しておりますが、個別具体の団体などからの要請については、責任ある者がその御意見をお聞きして、県としての考え方をそれぞれの機会ごとに説明するなど、責任を持って対応しているところであります。
事業者における県民、住民団体への説明については、その方法など電力事業者の責任と判断においてなされるものではないかと考えます。
次に、北陸新幹線についての御質問です。
JR西日本に対し、フリーゲージトレイン開発の見通し、早期導入の見込みの薄いフリーゲージトレインの導入は、諦めるように働きかけるべきではないかとの御質問であります。
フリーゲージトレインについては、九州地域における開発がおくれており、また、さまざまな課題があるように聞いております。北陸地域への導入の見通しも立っていないことから、これまでもJR西日本に対し、導入の採否を明らかにするよう求めてきております。しかし、JR西日本の社長は先月の記者会見において、技術的な課題がどうなるかは進行中であり、導入の可否を決める段階ではないとして、なお九州の推移を見守るとの考えを示しておられるところであります。
フリーゲージトレインの導入の採否や特急の運行継続については、昨日も御答弁いたしましたように、県民益が十分確保されるよう、与党検討委員会において検討願いたく、またさまざま県としても対応を今後考える必要があるというように考えております。
その他については、関係部長が答弁します。
◯議長(松田泰典君) 総合政策部長豊北君。
〔総合政策部長豊北欽一君登壇〕
◯総合政策部長(豊北欽一君) 第三セクターとして引き受ける北陸本線の資産全てについて、無償で譲渡するよう求めるべきではないかとの御質問をいただきました。
並行在来線の安定的な運行と健全な経営を図るためには、鉄道資産の取得費を極力抑えることが重要であり、これまでもJR西日本に対しては、鉄道資産の無償または低額──安いという意味の低額ですが──での譲渡を要望しております。
先ほど、もともとは国有財産だったからというお話もございましたが、当時、国鉄からJRへの財産の承継は、日本国有鉄道改革法に基づきまして、帳簿価格を基準に行われておりますし、民営化の後も新たな設備投資が行われ、現在の鉄道資産が形成されております。こうしたことから、これまでの石川県や富山県などの先行県では、JRと有償を基本に交渉しておりますが、できるだけ低額での譲渡を求めるとともに、あわせて譲渡前の修繕を求めるなど、財政負担の軽減に努めております。
こうしたJRからの譲渡資産の取得費につきましては、国の財政支援として45%の交付税措置が講じられておりますが、県としてはできる限り低額の譲渡をJR西日本に求めてまいります。
◯議長(松田泰典君) 健康福祉部長池田君。
〔健康福祉部長池田禎孝君登壇〕
◯健康福祉部長(池田禎孝君) 私からは、国保について2点お答えいたします。
まず1点目、高校卒業までの子供について、頭割りでかかる保険税負担を実質的に軽減する制度を導入することを提案するがいかがかという御質問でございます。
国民健康保険の保険税のうち、均等割は医療の提供を受けるという受益に応じ、平等に負担すべきものとして、地方税法に基づきまして全ての被保険者に賦課されているものでございます。
均等割につきましては、低所得者に対し、保険税の軽減措置、これは所得の区分によりまして7割、5割、2割といった軽減措置がございます。この軽減措置が既に国の制度として講じられております。その軽減対象となる世帯の所得の考え方につきましては、子供の分も含め世帯全体の被保険者数に応じて算定する仕組みとなっていることから、低所得世帯に対しては実質的に子育て世帯への負担軽減が図られているというふうな部分もございます。
しかしながら、子育て支援の観点からは、保険税軽減措置の拡充が必要と考えられ、この子供にかかる均等割の軽減については全国的な課題でもあることから、全国知事会を通じ、これまでも国に要望しているところでございます。
2点目、実効的な減免規定や負担率に上限を設けるなど、国保税の負担軽減が必要と考えるが、見解を伺うとの御質問でございます。
国民健康保険税につきましては、先ほども申し上げましたが、既に低所得世帯に対する保険税措置が講じられ、現状におきましては本県の国保加入世帯、これは全体で約10万5,000世帯ございますが、このうち5万5,000世帯、約52%がその対象となっております。また、これとは別に各市町が独自に生活困窮世帯に対する減免規定を設けている市町もございます。一方、保険税の負担率に上限を設けている市町はございません。
県内市町を統一した減免規定を設けることでありますとか、負担率の上限を設けることにつきましては、各市町において減免等に伴う新たな財政負担が生じ、そのことが保険税の上昇につながること、それから、国保税以外の市民税、町民税等にも波及する可能性があることといった市町からの懸念の意見もございまして、困難であると考えているところでございます。
◯議長(松田泰典君) 教育委員会教育長東村君。
〔教育委員会教育長東村健治君登壇〕
◯教育委員会教育長(東村健治君) 教育行政について2点お答えいたします。
公平性を欠く県立高校入学者選抜の英検加点はやめるべきではないかとのお尋ねでございます。
グローバル化など急激な社会変化や大学入試改革を迎える中、これまで課題であった英語の話す力を伸ばしていく重要な時期であり、100点の範囲内で英検の加点を行い、生徒の意欲を高めてまいりたいと考えております。
高校入試に係る文部科学省の通知では、生徒の個性やすぐれた点を積極的に評価することが重要であるとされており、英検の取得級を評価することは、公正さを欠くものではないと考えております。今回の高校入試制度の見直しにつきましては、種々の議論を経て決定したものであり、制度の安定性の観点から、3年は実施してまいりたいと考えております。なお、御指摘のありました本県の高校入試に対する文部科学省の見解につきましては、公立高校入試は教育委員会において適正に実施されるべきであり、国がその是非を回答する立場にはないという趣旨であることを確認しております。
次でございます。
現行の方法で合格になる受験生が新方式では不合格になる場合は、特例措置として救済を考えるべきではないか。高校別のデータを県議会に公表するよう求めるがという御質問でございます。
英検の加点を含む今回の高校入試制度の見直しにつきましては、中学校や受験生の準備期間に配慮して、入試の1年半前の昨年10月に公表し、周知をしてまいりました。また、変更内容を反映させた実施要項を例年より早めまして、ことし8月に公表し、中学校に対して周知徹底を図ったところでございます。御指摘のように、複数の方式で選抜を行うということになりますと、これは入試の安定性を欠き、混乱を招きかねないと考えております。
従来から、高校別に公表を行っていないため、高校別の公表は考えておりませんが、公表する内容につきましては今後検討してまいりたいと考えております。
◯議長(松田泰典君) 警察本部長滝澤君。
〔警察本部長滝澤幹滋君登壇〕
◯警察本部長(滝澤幹滋君) 私からは、迷惑行為等の防止に関する条例について、2点お答え申し上げます。
まず、恣意的運用が懸念され、人権侵害につながりかねないのではないかとのお尋ねがございました。
今回の改正は、現行の卑わいな行為、これにこれまで規制の対象となっていなかった学校、会社、住居等での盗撮や、盗撮目的でトイレ等にカメラを設置したり人に向けたりする行為等を追加するほか、同じく現行規制対象の嫌がらせ行為、これにSNSの利用を追加するなどを内容とするもので、条例の趣旨、目的やその基本構造について変更を加えるものではございません。
例えば、スマホなどのカメラを設置、あるいは人に向ける行為につきましても、従来の盗撮行為の規制と同様、人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で行ったり、正当な理由なく行った場合等でなければ、そもそも規制の対象にはなりません。
さらに、盗撮の目的も要件となっておりますが、その認定に当たりましては、行為者から詳細に聴取するだけでなく、行為の態様ですとか前後の状況などの客観的状況、第三者の目撃や残存データなど、客観的証拠の有無等を勘案して、総合的に判断することとなります。
こうした厳格な構成要件と事実認定によりまして、議員御指摘の懸念には及ばないものと考えてございます。
次に、市民運動やマスコミ取材なども嫌がらせ行為の対象とされるのではないかとのお尋ねがございました。
現行条例第4条では、何人も正当な理由がないのに、つきまといや面会強要などの8類型の行為を反復または複数行い、特定の者に身体の安全等が害されるなどの不安を覚えさせてはならない、こういう規定がされております。
今回の改正では、その8類型のうち、つきまとい等の類型に、住居等の付近をうろつくことを加えますとともに、無言電話、電子メール送信等の類型にSNSを利用したメッセージ送信等を追加するものであり、先ほど申し上げましたとおり、規制の基本構造に変更を加えるものではございません。したがいまして、これまでどおり正当な理由がある場合や反復、複数でない行為、特定の者に身体の安全等が害されるなどの不安を覚えさせない行為、これらにつきましては本条例の規制対象とはなりませんので、議員御指摘のような御懸念は当たらないものと考えております。
いずれにしましても、現行条例第11条では、この条例の適用に当たり、県民及び滞在者の方の権利を不当に侵害しないよう留意することとされてございます。警察としましても、この条例の趣旨、目的に沿って適正に運用してまいります。
◯議長(松田泰典君) 佐藤君。
◯18番(佐藤正雄君) 教育長にお尋ねしますけど、私が質問したのは、要するにことしの春までの入試では合格できるけれども、変更されることによって来年の春の入試、不合格になる──要するに英検加点の制度によってですね──そういう子の救済は、全く考えないのかという趣旨で質問したのです。ですから、教育長が言われる、何か二本立てでやるとかそういう話ではなくて、今回の3年生については、そういうことも含めて考えていかないと、ただでさえいろいろ混乱しているわけですから、うちの子の点数は何点だったのですかということで高校側にどんどん情報公開請求がいっても、これまた逆に高校側も混乱することですからね。これは、県の教育委員会、責任を持って、現場でそういう混乱が起こらないように、そういう暫定措置を講じるのは当たり前ではないですか、ちょっとお尋ねをいたします。
それから、知事にお尋ねしたいのは、確かに個別具体のいろいろな団体の要請について、原子力安全対策課の職員の方が対応される。こんなことは私もよく知っているんです。その上でお尋ねをしているわけですけれども、要するに県民に対して、そういう申し入れがあると広く県民を公募して説明会を開催する、それは五十人か百人か、五百人かはわかりませんけれども、そういう説明会の場に、これは原子力安全対策課の職員か副知事かは別として、そういう職員が出てきて、県の態度を説明する、そういうことが必要ではないかということを質問したんですね。
といいますのは、先ほども言いましたように、おおい町とか高浜町では説明会やられている。しかし、福井市とか坂井市とかほかのところではやられていないわけですから、やはり知事が責任持って再稼働を判断されるわけですから、当然、全県民的に説明責任をちゃんと果たしてもらわないといけないのではないかということで質問したので、そこは明確に答えていただきたいということと、関西電力については、事業者の責任と判断でとおっしゃったとおりだと思うのですが、当然、知事のこれまでの文脈、要するに国と事業者の責任というのを常に知事はおっしゃっていますので、当然、関西電力はそういう要請には応えるべきだということでよろしいですね。
◯議長(松田泰典君) 教育委員会教育長東村君。
◯教育委員会教育長(東村健治君) まず、1点目の二つの合格者といいますか、二つの合格者名簿ができ上がるようなことにはならないということでございます。合格者名簿は一つしかつくらないということでございます。
それから、情報公開に対しましては、加点後の点数で、公開の請求があった本人、あるいは御父兄の方には公開はしてまいります。
それから、今回の入試制度の変更による公開──情報をどのように出していくかについては、答弁の内容どおり、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
◯議長(松田泰典君) 安全環境部長清水君。
◯安全環境部長(清水英男君) 知事からも答弁させていただきましたが、第一義的には国、事業者が説明をすべきものだというふうに考えておりますが、これからも各種団体からのいろいろな要請、要望に対しましては、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
◯議長(松田泰典君) 佐藤君。
◯18番(佐藤正雄君) 知事、ちょっと答弁してくださいよ。部長の答弁ではだめですよ。知事がいつもおっしゃっていることですからね。知事が責任持って再稼働、要するに議会の意見、いろいろな専門委員会の審議、そういうのを踏まえて自分が判断すると答弁でおっしゃっているのですから。そうでしょう。そうであれば、そういうお立場を、知事みずからが出向くことはなかなか難しいにしても、副知事なり部長なり県の職員をちゃんと出向かせて、西川知事は、こういうことで判断したんですよということを説明させるということがなぜ答弁できないのですか。
◯議長(松田泰典君) 知事西川君。
◯知事(西川一誠君) 再稼働の判断は、我々、そして議会と御一緒に議論をして決めることでありますし、今のお話では、部長が御答弁したとおりであります。