前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県議会。2016年3月県議会 反対討論

2016年05月31日 | 福井県政
福井県議会。2016年3月15日 閉会日の討論などです。

◯議長(仲倉典克君) これより、討論に入ります。
 佐藤君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第1号議案平成28年度福井県一般会計予算、第117号議案平成27年度福井県一般会計補正予算について、反対の理由を述べます。
 第一は、北陸新幹線、足羽川ダム、河内川ダム整備など、県民の反対の根強い無駄な公共事業推進の予算であります。補正予算の河内川ダムは、今後の急激な地域の人口減少にもかかわらず、過大な利水需要予測に基づくダムの水の押しつけとなり、地域住民への大きな負担が発生しかねない計画であります。今のままでは桝谷ダムの二の舞であります。
 また、今回100億円を突破した北陸新幹線建設事業は、地元負担と北陸本線の第三セクター化が強制され、これまた今後の人口減少時代に福井県民に過大な負担を残すものであります。工事は始まっておりますが、いまだに県民の間には不要論、見直し論が根強くあります。
 第二は、原子力マネジメントスクール事業、170万円余など、IAEAとともに世界への原発輸出に関連する事業の推進予算を初め、原発推進の予算であります。福島原発事故の教訓に照らせば、過酷事故が起こった際に取り返しのつかない放射能汚染をもたらすシステムである本質は、幾ら対策を講じても変わりません。過半数の国民、県民が原発推進政策の見直しを求め、原発に頼らない日本を求めております。この願いに応えるべきであります。
 先日の大津地裁では、高浜原発3・4号機について、運転差しとめの仮処分が下されました。福島原発事故から6年目に入りましたが、新聞、テレビの報道でも、まだまだ先が見えない暮らしと営業の再建、原発事故の後始末に気が遠くなります。事故当時、原発事故の現場では、東日本が住めなくなるかもしれないと発電所幹部が考えていたことも報道されております。きょうのNHK世論調査報道でも、再稼働賛成は15%、反対は44%であります。原発推進、原発輸出の取り組みの中止を求めます。
 第三に、県民衛星プロジェクト支援事業、約4,000万円は、宇宙関連分野への企業進出を促すものでありますが、原子力同様、これも使い方によっては、軍事面と表裏一体の技術開発であります。事実、特定秘密指定の多くは衛星写真であります。なぜ福井県が人工衛星を上げることが必要なのか、もっと県民の暮らし優先で事業を行うべきではないかと思います。
 第四に、県立病院診断書交付手数料の値上げ、福井運動公園の施設利用料を一般、学生ともに大幅に引き上げるなど、県民負担の増大であります。
 したがって、第33号議案福井県立病院使用料および手数料徴収条例の一部改正、第36号議案福井県都市公園条例の一部改正にも反対であります。
 第31号議案介護保険法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定は、相次ぐ介護保険改悪のもとで、要支援1と2の人の訪問介護、通所介護の保険給付外しなど、家族に介護の重荷を強いる改悪を実施するものであり、反対です。
 第38号議案福井県立学校職員定数条例の一部改正、第39号議案市町立学校県費負担教職員定数条例の一部改正は、それぞれ教職員定数を44人、12人削減するものであり、反対です。現状は、教員の過労と病休は依然として高い水準にあります。福井県も非正規の教員が多数おられますが、現場の教育と教員本人の人生に矛盾が生じております。また、人口減少対策を考えるなら、福井県はまず、みずからの非正規雇用を正規雇用に転換し、安心して結婚、子育てができる環境整備に力を入れるべきであります。
 次に、第137号議案職員等の給与に関する条例等の一部改正は、職員にかかわる部分は本来、12月議会で人勧実施ということで議決すべきでありました。反対の理由は、知事や県会議員など、特別職も含んでの期末手当の値上げであり、問題であります。
 第139号議案福井県国民健康保険財政安定化基金条例の制定は、現在は市町単位の国保制度であるのを、2018年度から財政運営を市町から県に移す準備であり、賛成できません。今後、各市町で行われていた保険税軽減の独自繰り入れをやめさせる圧力が働くことが懸念されます。

 次に、請願・陳情についての各委員長報告に反対の討論を行います。
 陳情1号、4号、6号、7号は、12月議会でも述べましたように、陳情者の願意を酌んで、採択すべきであります。とりわけ、県会議員選挙における選挙公報発行を求める陳情は、議会自身の改革であり、採択するべきであります。
 今回出されました請願第8号は、県民の利便性を最優先に、特急列車「サンダーバード」「しらさぎ」の存続を求めるのものであり、採択するべきであります。委員会でも紹介しましたが、北陸では人口減少対策の一方で北陸新幹線開業との結果の矛盾が出ており、若者の東京首都圏への流出がさらに強まるという結果になりかねないということが報道されております。関西圏の大学から東京の大学へシフトするという記事も出ましたけれども、私が指摘していますように、乗りかえ不便の問題が皮肉にも若者の東京首都圏への流出を助長しております。今こそ、石川、富山両県、関西広域連合とも協力して、新幹線敦賀開業後もフリーゲージトレインが実現しないのであれば、金沢以西の在来線特急の存続を危機感を持って訴え、推進するべきであります。
 以上を申し上げて、討論といたします。

◯議長(仲倉典克君) 以上で、通告による討論は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、日程第1から日程第79までの各案件に対する討論は終結いたしました。
               ───────────────

◯議長(仲倉典克君) これより、議案の採決に入ります。
 その方法は、2回に分けて、起立によって行います。
 まず、日程第1から日程第9までの9件を一括して採決いたします。
 日程第1から日程第9までの9件を委員長報告のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
    〔賛成者起立〕

◯議長(仲倉典克君) 起立多数であります。
 よって、日程第1から日程第9までの9件につきましては、委員長報告のとおり決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(仲倉典克君) 次に、日程第10から日程第71までの62件を一括して採決いたします。
 日程第10から日程第71までの62件を委員長報告のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。
    〔全 員 起 立〕

◯議長(仲倉典克君) 起立全員であります。
 よって、日程第10から日程第71までの62件につきましては、委員長報告のとおり決定いたしました。

福井県議会。新幹線と特急存続、小浜線問題。ハピリンについて。

2016年05月31日 | 福井県政
2016年2月29日  福井県議会総務教育常任委員会  総合政策部関係の質疑です。

●情報セキュリティークラウド事業、合同大学祭
◯佐藤委員  予算案説明資料11ページの一番下の情報セキュリティークラウド事業とは、具体的に何をするのか。15ページの一番下のふくい合同大学祭というのはどこで何をするのか、この2点について尋ねる。


◯政策統計・情報課長  まず、予算案説明資料11ページの一番下の情報セキュリティークラウド事業だが、こちらは現在の県と市町がそれぞれインターネットにつながっている接続口の出入り口を1カ所に集めるという事業である。この目的は、インターネットからの侵入を監視する場所を1カ所に集約できるため、セキュリティーを万全に保てることとなる。例えば、もし何かあった場合は、その1カ所を切断することでインターネットからの情報漏えいを防止することができるという事業である。事業費の4分の3は国から助成を受けていて、全都道府県が実施するものである。


◯若者・定住支援課長  予算案説明資料15ページのふくい合同大学祭だが、これは来年度に入って6月の最後の週の土日、25、26日に、芝政で県内の大学生が集まって大きなイベントをしたいということで考えているものである。
 ちなみに、12月20日にはプレイベントとして、これも芝政で大学生が実行委員会の設立を行った。その本番ということである。


◯佐藤委員  セキュリティークラウドについて尋ねる。今は中央省庁も時々侵入されてインターネットが使えなくなるといった話を聞くが、もし仮に福井県庁のインターネットに侵入といった問題が起これば、17市町全てのインターネットもあわせて切断するという考え方になるのか確認したい。
 次に、合同大学祭についてである。いいとは思うが、各大学でも大学祭をやっていて、例えば県立大学は、ことし新たに1泊2日の研修も入れると聞いている。時期については4月か5月だったかもしれないが、学生相手にいろんな企画がどんどん組まれていく。そうした中で、行政として企画を組むことについて、学生から見て、本当に歓迎されるのか。例えば、アルバイトの予定はその日に入れられないといったことも出てくる。学生の気持ちに沿った企画で考えないといけないのではないか。新しく1泊2日の研修はやろう、新しく土日を使った大学祭をやろう、自分たちの大学祭もやろう、アオッサの大学連携センターに集まって一緒に勉強もしようということでいいのか。先ほど、総務部の説明を聞き、今の課長の答弁も聞いて疑問に思った。学生のニーズと本当にマッチしていくのかという点についてはどうなのか。


◯政策統計・情報課長  県のホームページに侵入されると、全市町も使えなくなるのかという質問だが、システムの設計では、特定の県なら県、市なら市だけを遮断するという設定ができる形での導入を考えているため、県と市町が一斉にインターネットができなくなるというわけではない。


◯若者・定住支援課長  ふくい合同大学祭だが、これは、大学生のほうから、ぜひ大学を超えて学生が交流するような場をつくりたい、あるいはそういう機会をつくりたいという話があった。理由として、福井県内の大学だと、大体、各大学、多くても数千人というところであるが、都市圏の大学になると、一つの大学だけで1万人を超えるような大きな規模の大学がある。福井県はどうしても規模が小さいため、友達の範囲もなかなか広まっていかないというところがある。そうした中、福井県の全部の大学が一緒になればもっとパワーアップできるのではないか、より交流も深められるし、ネットワークもつくれるのではないかという強い思いを大学生が持っていて、その思いを県が応援していくという形で始まったものである。
 開催時期についても、各大学の学祭の時期と重ならないようにしている。各大学は9月から10月に学祭を行う。そのシーズンと重なると、どうしても大学生は忙しいため、今回は6月末という日程を設定させていただいた。


●県庁就職者の奨学金返済支援を
◯佐藤委員  今の答弁を聞いていて思ったのだが、県庁の専門職も、例えば土木の専門職や獣医師など、なかなかいい人材が集まってこないという話を聞く。これから先、福井県庁としても有能な人材が民間企業に流れては困る。民間企業も大事だが、県庁も大事なので、もっと思い切ってそういう奨学金の返済を支援するというのがあってもいいのではないかと思う。
 別の質問になるが、予算案説明資料14ページに、並行在来線需要予測調査事業というのが出されていて、そこに、「旅客流動調査の結果をもとに」と書いているが、この調査結果は県議会に示されたのか。


◯新幹線建設推進課長  旅客流動調査は、昨年11月12日に実施して、年度末に取りまとめを予定している。現在は作業中であり、取りまとめ次第、並行在来線対策協議会等に報告させていただく。


◯佐藤委員  まだ取りまとめが終わっていないということで、どういう傾向か、今県議会の場でも明らかにできないということか、わかった。


●新幹線と特急存続。若狭ルートと小浜線問題。
◯佐藤委員  金沢-福井間の利便性向上のための、新幹線接続の特急の現在の車両編成と運行本数、乗車人員の状況はどうなのか。わかっている範囲で結構なので教えてほしい。


◯交通まちづくり課長  ダイナスターの利用であるけれども、ダイナスターは、朝に福井から金沢へ行く1号、3号、5号、夜に金沢から福井へ帰ってくる2号、4号、6号となっていて、それぞれ6両編成であると記憶している。
 朝一番早い1号と夜一番遅い6号については、乗車率が低いため、それについては次のダイヤ改正で車両数を減らす方針であると聞いている。


◯佐藤委員  6両編成の車両数を落として3両ぐらいになるのか。朝と夜の1本ずつの車両数を減らして、あとの2本ずつは現在の6両のままということか。


◯交通まちづくり課長  その方針である。


◯佐藤委員  北陸新幹線の福井からの利用は、JR西日本の見立てになると思うけれども、それほど伸びていないということか。


◯交通まちづくり課長  朝一番早い便と、夜一番遅い便がやや苦戦をしているということである。割合は示されていないけれども、福井県民の方は、現在のところ東海回りで行ったほうが安いので、東海回りで東京に行かれる方もかなりいらっしゃるということだと思う。


◯佐藤委員  そういうことだと思う。
 それともう一つ北陸新幹線絡みで伺う。けさの日刊県民福井でも大きな記事が載っていて、今回請願も出しているけれども、中京圏への接続との関係である。在来線特急の存続は、これから大きなテーマの一つになってくると思う。これについて県は、私が議会で要望しても余りはっきりと言わない。関西方面については、現在、小浜を通るルートとかいろいろな議論があるけれども、中京方面に関しても、けさの新聞報道にもあるとおり議論があると思うが、しらさぎの存続はどのように考えているのか。


◯新幹線建設推進課長  中京方面のアクセスについて、JR西日本はしらさぎを維持するかどうかについて発言していない。我々としては、関西方面も大事だが、中京方面についても、需要が多いので、しらさぎを含めた中京方面の利便性の維持、向上ということを、JR西日本に対して常に要望しているところである。
 ただし、今は、敦賀以西、若狭ルートの実現が我々の第一の使命であり、それを第一に考えていきたいと思っている。中京方面のアクセスについて要望させていただいており、今後、沿線府県またはJRとの協議などを進めていきたい。


◯佐藤委員  今、言われたように、県としては新幹線の小浜を通るルートを第一にやっているということだが、同じくけさの日刊県民福井の報道にもあったように、小浜線がどうなるのかということについてである。これは私も議会で言っているけれども、どうしても小浜線の存続問題が出てくるわけである。私はもともと新たな新幹線は要らないと思っているが、もし県庁がどうしても新幹線を小浜ルートでつくりたいと言うのであれば、小浜線もきちんと残してくれということを同時に言っていかないといけない。全国では三江線の廃止といった話も出てきているのである。その辺はどうなのか。


◯新幹線建設推進課長  小浜線については、知事も答弁しているかと思うけれども、並行在来線とは新幹線が走行することにより優等列車が新幹線に移る線という定義が国のほうから出ていて、そのため小浜線は並行在来線にあたらないと認識している。
 JR西日本の真鍋社長の最近の言動を見ると、ことし1月26日の与党の敦賀・大阪間整備検討委員会後の会見時に記者の質問に対して、並行在来線は優等列車が新幹線に移転する部分を勘案するものだということで関係市と協議したいという発言があった。また1月28日には、JR西日本が関西広域連合の会合に呼ばれて、その場で滋賀県知事の質問に対して、JR案になった場合は湖西線が並行在来線の検証対象になり、関係自治体と協議していきたいという話もあった。さらに、今月17日のJR西日本社長の記者会見でも同じく湖西線が並行在来線の検証対象になるという発言をしている。


◯佐藤委員  先日、私どもが石塚副知事と会ったときに、石塚副知事からも同様の話を聞いた。そのとき私は、JR西日本の社長は小浜線を残すとおっしゃったのかと聞いたら、そうは言ってないという回答であったがどうか。


◯新幹線建設推進課長  あくまでも並行在来線の対象になるのは湖西線という発言をしている。


◯佐藤委員  小浜線が並行在来線の対象にされるかどうかということだけでなく、なぜ福井県庁として、JR西日本が責任を持って経営を続けてくださいと言わないのかと言っているのである。JR西日本の社長も明言していないため、危惧が出ているのである。


◯新幹線政策監  新幹線の関係で、私たちもJR西日本と話をする機会があるが、小浜線を廃止するという話は直接聞いていない。以前、並行在来線の話は出たけれども、廃止するという話は一向に聞いていないので、JR西日本に対して要請や働きかけはしていない。


◯佐藤委員  先ほど言ったように、きょうの新聞を見ても三江線が廃止されるという話もある。それから、記事としては大分違うけれども、きょうの日経新聞には、北海道では新幹線は来るけれども地方線はずたずたになっているという記事があった。人口が減ればそういう問題も出てくるから、人口減少対策とセットで公共交通を考えなくてはいけない。鉄道がなくなれば、その地域は一層廃れる。そのため、今からきちんと明確に要望しておくことが大事ではないか。JR西日本が廃止すると言ってから対応するのでは遅い。


◯総合政策部長  JR西日本の経営上の課題があるかもしれないけれども、今、並行在来線の議論の対象になっていないので、我々のほうからわざわざ持ち出して、新幹線の議論とセットにするというのは得策ではないと思う。


◯佐藤委員  それでは住民の不安に応えていない。三江線のように廃止すると言ってから地元自治体が大騒ぎするのでは大変である。そのため、今のうちに、小浜線も引き続き経営してもらうことについて、JR西日本に言い続けていく、発信を続けていくことは、JR西日本に対するプレッシャーとなる。並行在来線でないという理屈はわかるけれども、そういう懸念が実際にマスコミで報道されて、地元の人は心配し始めている。それに対して県庁が動くというのは当たり前ではないか。


◯総合政策部長  新幹線の議論の中で、並行在来線はどこかという議論の対象になっていないから、新幹線の議論とセットで話をするのは結果として県民益にかなうかどうかという問題があるのではないかと申し上げている。


●ハピリンの状況
◯佐藤委員  県都デザイン構想の話があったので、関連で伺う。先日の一般質問で取り上げたけれども、新幹線工事や駅前再開発でばたばたしていて、福井市の中心に来るお客さんが減っているというのは事実だと思う。
 先日の一般質問の中では、プリズムのお客さんが2割減ったとのことだった。事実かどうかはわからないが、業者の方から聞かれたのであればそのとおりだと思う。心配するのは、アオッサでは、なかなかうまくテナントが決まらない、入ったテナントが出ていってしまうということもあったが、今回のハピリンの状況はどうか。


◯交通まちづくり課長  ハピリンについては、今、福井市がまちづくり会社に管理委託をし、そちらのほうで募集をしていると聞いている。


◯佐藤委員  県がつかんでいる状況を聞きたい。


◯総合政策部長  市と組合が、いろいろ努力をしているところだと聞いている。


◯佐藤委員  はっきりとした答弁が、なかなか聞けない。まだ、テナントが全部埋まっていないということを聞いているし、一旦出店するということで名乗りを上げて、宣伝物に名前が載っていた会社が撤退を決めたという話も聞く。県も情報をつかんでいると思うが、その辺はこれからどう対策を打ち出していくのか。開業目前なので、福井市と協力すべきではないのか。県都の新しい顔なので、福井市とまちづくり会社でやってくれということではいけないのではないか。


◯交通まちづくり課長  福井市と相談して、どのような対応ができるかというのを検討したいと思う。


◯佐藤委員  アオッサの二の舞を避けるために、もっと真剣にやってもらわないといけない。建物だけ建てればいいということではいけない。人が集まってくる仕掛け、お店をどう展開するかということを真剣に考えてもらいたい。アオッサでもそうだったけれども、店が決まらない、入ったけれどお客さん来ないから出ていってしまうといったことを、駅前で繰り返したら大変なことである。そのため、県と市の連携を密にして、もっと知恵も出すということも含めてやっていただきたいと思うがどうか。


◯総合政策部長  市と十分相談をして、県としてできることがあるのであれば、そこは一所懸命やるということだと思う。


福井県議会。大学連携事業。退職管理条例。広報紙「県政広報ふくい」の新聞折り込みは各紙万遍に

2016年05月31日 | 福井県政
2016年2月29日  福井県議会総務教育常任委員会、総務部、国体関係の質疑です。

●大学連携事業
◯佐藤委員  今ほど説明のあった、2月補正の予算案説明資料21ページの大学連携事業の関係で伺う。これは、国の事業として福井大学を中心に企画され、県内5つの大学の連携ということになっている。県の考えは、学生がアオッサに集まる機会をつくることで、そこでの交流や駅前のにぎわいにつなげていきたいということだと思う。しかし、大学関係者から見れば、移動時間のロスといった問題が発生する。大学関係者からは、そこには余りこだわりたくないということを聞いているが、その辺の調整はどうなっているか。また、大学の先生も負担があるだろうが、実際は学生が一番負担になるから、学生に対する負担の軽減について、最終的にどのようになったのか。


◯大学・私学振興課長  大学連携センターについては、国のCOCプラス事業を受け、福井大学が中心となり、県内5大学が大学連携センターで30科目の講義、高校と大学の連携──高大連携の高校生向けの公開授業、及び県内就職促進のためのさまざまな行事を展開する予定である。
 特に授業については、学生、教員について、大学連携センターまで通わなければいけないという負担が生じることから、県としては、例えば平日は各大学からのシャトルバスの運行、また、土曜日も授業を予定していることから、JRやバスといった公共交通機関を使う場合の交通費の実費弁償により、少なくとも学生の経済的負担がないようにするための予算措置をしている。
 大学連携センターについては、駅前でやる必要はない、各大学相互でやればいいという意見があることも承知しているが、各大学、短大、高専、全ての学生が福井を知る、福井の企業を知る、福井の歴史を知る授業を同時に受講できる場所を、サテライト的に駅前に設けるという趣旨について、県からも真剣に説明し、少なくとも各高等教育機関には納得いただいている。


◯佐藤委員  大学では、どの科目を履修し、何単位もらえるかということを学生自身が決めることになる。アオッサの大学連携センターで展開される科目について、選択科目と必修科目の割合はどのようになっているか。


◯大学・私学振興課長  現在のところ、基本的には一、二年生を対象とした教養科目ということで、卒業要件に該当する選択科目が主になっている。


◯佐藤委員  いただいた資料を見ると、ふくい地域創生士というものを認定しようということであり、これをグレードアップして県内企業への就職にもつなげていきたいというねらいが書かれていたが、これについて詳しく説明願う。


◯大学・私学振興課長  委員指摘のふくい地域創生士について説明する。福井を知る科目、福井の企業にふれる科目といったものを、地域志向科目と呼んでいるが、この地域志向科目を一定程度履修した上で──これは教養課程もあるが、例えば、専門課程では、健康長寿、原子力といった専門科目についても指定する。こうした福井の強みを学ぶ課程の履修や、科目以外でも、例えば、ボランティアなど地域活動の参加、県内企業へのインターンシップの参加など、さまざまな要件を設けた上で、その課程を学んだことにより、福井の企業にとって非常に有用な人材になるという教育プログラムを県内大学に考えていただいている。
 最終的にその課程を通ればふくい地域創生士という、学位ではないが学位に準じる形で大学側が授与する。企業側は、ふくい地域創生士の認定を受けていれば、その学生が企業にとって非常に有用な人材であるという、一つの目安、あるいは勲章のようなものとして、福井の企業に就職することも促進される形となるようにするものである。この課程をどのようにしていくかについて、大学のほうで検討を続けている。


◯佐藤委員  ふくい地域創生士というものを設定し、それぞれの科目の試験に受けて、何単位か取ればふくい地域創生士を認定する。これにより福井の企業に就職してもらおうということだが、企業側は、この取り組みに対してどう言っているのか。例えば、講師も出して協力しよう、あるいはインターンに来ていただこう、優秀な学生は当社で採用しようといった流れは、これからつくっていくのか。


◯大学・私学振興課長  このCOCプラス事業の推進に当たって、推進協議会を立ち上げている。これは、県内5大学、知事、このほか、福井商工会議所連合会、福井県経営者協会といった経済団体、さらに、医師会、看護協会といった医療団体のトップがメンバーとして名を連ねている。
 今、大学では、COCプラス事業のコーディネーターというものを雇用し、企業に対して、ふくい地域創生士のPR──このような制度で学位に準じる資格を与えるので、ぜひ採用してほしいというPR活動を行っている。企業からも、これがうまくいけば、ぜひ雇用したいという好感触を得ていると、コーディネーターから聞いている。ただし、県内全ての企業に浸透しているかについては、今のところまだまだである。これに関しては、県も周知やPRについて協力したいと思っている。今後5年間で、福井の全ての企業の経営者がふくい地域創生士を知っている、ぜひその人材をほしいという状況になるようにできればと考えている。


◯佐藤委員  公務員試験、例えば福井県職員の採用試験でも、ふくい地域創生士の認定を持っているかどうかということが、判断基準の一つになってくるという認識でいいのか。


◯大学・私学振興課長  その点については、まだ、検討段階と考えている。


◯佐藤委員  公務員試験の場合、難しい面もあると思うが、民間企業には、ふくい地域創生士を持っている人を採用せよと言って、県職員の採用は関係ないということでは、いかがなものか。学生が福井で就職しようと考える場合に、県内の市役所、町役場も含めて、公務員を選択肢の一つとして学生に提供していくことは大事だと思う。


●広報紙「県政広報ふくい」
◯佐藤委員  平成28年度当初の予算案説明資料4ページにある定期刊行物、新聞広報費について、事業内容に、広報紙「県政広報ふくい」を年12回発行し、各戸に配布とあるが、これは、これまでとどのように変わるのか。


◯広報課長  県政広報については、平成24年度から2カ月に1回発行していたが、新年度から毎月発行することにしたいと思っている。これによって、よりタイムリーな情報を提供していきたい。


◯佐藤委員  各戸に配布ということだが、どういう手段で配布しているのか、また、県民の反応はどうか。


◯広報課長  現在、福井新聞と日刊県民福井に折り込みをしているほか、県の関係機関はもちろん、市町の役場、図書館、文化施設、コンビニ、道の駅、鉄道の駅などにも置き、多くの方に手にとってもらえるようにしている。
 また、反響については、毎回アンケートをとっているが、9割近い方が、「特によい」または「よい」と答えていただいていて、特に、情報がまとまっていて便利だ、平易でわかりやすいという意見が多い。


◯佐藤委員  私も県政広報を読むが、内容はいいと思う。しかし、私の知り合いで、全国紙の新聞、例えば朝日新聞、読売新聞、毎日新聞などしか購読していないという方もいらっしゃる。そういった方から、ぜひ、全国紙にも折り込んでほしいという要望がある。県民からすれば、地元紙の福井新聞や県民福井を購読していないと届かないのかという気持ちになる。その辺について、もう少し拡充できないか。毎月が無理なら、せめて2カ月に1回は届くようにするなど、いろいろなやり方があると思う。県民への平等性を考えて、拡充することも必要ではないか。


◯広報課長  これからもいろいろと検討しなければいけないと考えているが、先ほど申し上げたとおり、公共施設、コンビニ、道の駅など、いろいろなところに置き、新聞を購読していない方、また、全国紙を購読されている方に対しても、読んでもらえるようにしている。
 また、ことしから「i(アイ)広報紙」という、スマートフォンやタブレット端末などで、いつでも、どこでも読めるという新しいシステムも導入した。これらも利用して、より多くの方に読んでいただけるように、これからも工夫していきたい。


◯佐藤委員  地元紙を読んでいる人は自宅に届けてもらうが、一方、全国紙を読んでいる人はコンビニまで取りにいけということでは平等ではない。予算上の制約があるからある程度絞って行うということは理解できるが、県民に対して、読んでいる新聞で差別が起こることがないよう、平等に提供するということも大事ではないか。


◯広報課長  今後の動向を見て、引き続き検討していきたい。


●退職管理条例
◯佐藤委員  第21号議案の福井県職員の退職管理に関する条例の制定について尋ねる。この概要を見ると、「離職前5年より前に次長級・課長級の職についていたとき」ということが書いてあるが、先ほどの部長説明では、課長級の「級」がなかったと思う。確認するが、この課長級というのは、どういう職名なのか。


◯人事企画課長  課長級とは、本庁の課長である。出先機関においては、職名が何々部長といいながら、本庁における課長という職名もある。新しく働きかけを規制する課長級というのは、本庁の課長と同格の者という意味である。


◯佐藤委員  わかった。次に、一般質問でも聞いたが、今年度は88人退職されて、17人再任用ということであるが、民間企業に再就職される方は何人いるのか。


◯総務部長  今年度の人事については、まだ、これからであるので、まだ、そういうことまでも至っていないので、了承いただきたい。


◯佐藤委員  前年度は何人退職して何人が民間企業に再就職したか。


◯人事企画課長  平成25年度、平成26年度に退職した職員については38の団体に43名の者が再就職をしている。


◯佐藤委員  わかった。今後、再就職者による職員への働きかけができないということになるが、再就職先もいろいろあり、県の外郭団体に行く場合もある。県の外郭団体の場合は民間企業とは違って、より密接に県の業務の一翼を担うことになることがふえると思う。こうした県の外郭団体に対してはどうなるのか。


◯人事企画課長  各団体の地位についたときの、その団体と県との契約についての働きかけを規制するものであるから、外郭団体についても規制の対象になる。


◯佐藤委員  県の外郭団体に対する規制は大事なことだと思うが、逆に、県庁の仕事がやりにくくなることも出てくるのではないか。県のいろいろな業務を外郭団体に委託、あるいは請負などを行っている場合は結構あると思う。例えば、ある外郭団体の責任あるポジションについて県と密接に仕事を共同関係で進めるという場合も多いと思うが、そういう人にまで規制がかかることで、県の仕事がやりにくくなるという面が出てくるのではないか。


◯人事企画課長  今回の規制は、元公務員という地位を利用して、一定の行為を無理に頼む、あるいは一定の行為をしないように頼むといった不正な働きかけを規制するものである。通常の業務の範囲、例えば、検査を行ってほしい、支払いをきちんとしてほしい、うちの施設が傷んでいるので直してほしいといった要望などについては問題がない。


◯佐藤委員  今の説明でよくわかった。民間企業に再就職した人が、民間企業の利益のために現職の県職員に働きかけるというのは、いろいろな問題が起こるというのはよくわかるが、県と共同関係にあって、ともに業務を進めている外郭団体の職員の仕事がやりにくくなるのでは本末転倒になってくるので、そこを確認したものである。
 次に、第23号議案について伺う。国体があるので、知事部局の事務職員定数を20人減らして、教育委員会の事務職員定数を20人ふやすという趣旨はわかるが、提出議案説明資料の15ページに、学校の教員、職員定数を56人減らすという議案が出ている。この辺の関係がよくわからない。学校の教職員定数を56人減らして、知事部局から20人を教育委員会に送り込むということか。教育委員会の教職員の定数を56人減らすのではなく、36人にとどめればいいではないかという考え方もあると思うが、その辺の整合性はどうなっているのか。


◯人事企画課長  まず、条例の立て方が基本的に違っている。簡単に申し上げると、福井県職員定数条例は、事務部門の職員定数である。一方、福井県立学校職員定数条例、市町立学校県費負担教職員定数条例の定数は、学校の生徒の数により、クラス編成が変わってくるので改正すると聞いている。
 福井県職員定数条例の一部改正は、教育委員会の事務部局の職員180名を、プラス20名の200名とするものである。これは、国体の関係で競技力向上を強化していく、あるいは、北陸新幹線の関係で埋蔵文化財の調査をしていくといった、教員とは違った部門の職員の増員の必要があることから、事務部局の職員に関する条例の中で改正の提案をさせていただいたものである。


◯佐藤委員  人事上の配置の問題だという課長の説明はそのとおりだと思うが、実際は教員の職のまま国体の仕事をしている職員も多い。また、一方で心配するのは、知事部局の職員が20人減る点である。行政改革では、職員はこれ以上減らさないと説明しているけれども、実際は20人減らすことになる。県政上のいろいろな課題がふえてきている中で、知事部局のほうが大丈夫なのかという懸念も出てくると思う、その辺はどうなのか。


◯人事企画課長  これは定数の考え方である。現行の知事部局は定数条例上2,895人となっているが、この定数を20人減らしても問題はないという見込みである。
 平成30年度まで、国体や新幹線などいろいろな増配員がある。職員の総数としては変えないが、知事部局の定数としては若干余裕があるため、定数を減らしても問題はないと認識している。


◯佐藤委員  知事部局の定数上、問題がないということと、議案との関係がよくわからない。もう少しはっきり説明してもらえるか。


◯人事企画課長  2,895人というのは、あくまでも知事の事務部局の定数の上限である。今回、教育委員会の事務部局の職員数が定数の上限を上回ろうとするので、議会の審議により条例改正をさせていただくということである。知事部局の事務部局の定数は2,895人となっているが、実配置人員は、これを下回っていて、定数と実配置人員と一致しているわけではない。そういう意味において、若干定数と実配置人員の差に余裕があり、定数を20人減らしたとしても、実配置人員の配置については現行を維持できるということである。


●行政改革
◯佐藤委員  第四次行財政改革実行プラン案の5ページにある、「意欲を生かす新たな仕組みの導入」について尋ねる。
 ここで、「若手の課題解決チームに、公募制を導入」ということが書いてある。これ自体は、積極的な話だと思うが、通常業務に加えて、さらに課題解決チームができれば、新たな仕事もふえることになる。その辺のバランスをどう考えているのか。
 次に、一般質問でも取り上げたが、福井市の中核市移行に伴う関係について、14ページに書かれている。例えば、福井市内にある福井健康福祉センターには、保健師、獣医師、薬剤師など、たくさんの県職員がいると思う。この健康福祉センターが市に移管される場合、他県では、県職員の方に、一定期間、市で働いてもらうということをしている例がある。あるいは、市が独自に職員を採用して、県が一定期間、研修を引き受けるということをしている県もあると聞いている。これについて、現在、福井県は、福井市とどういう協議をしているのか。
 最後の質問は、自治研修所が福井市内から坂井市内に移転することについてである。今の自治研修所には宿泊棟があるが、移転先の旧春江工業高校には宿泊棟がない。今後、宿泊研修はどのように考えているのか。以上3点について尋ねる。


◯人事企画課長  まず、若手の課題解決チームの導入による職員の負担についてである。確かに負担になる面もあるが、このチームは長期間設置するものではなく、1カ月ないし2カ月ぐらいの短期間に集中して議論していくということで考えている。その間、通常業務とチームの業務のため、若干負担になるかと思うが、忙しい部署の職員はチームの選考からなるべく外す、あるいは業務の平準化を図ることで対応していきたいと考えている。
 次に、自治研修所の移転についてあるが、現在の自治研修所には宿泊棟があり、移転先の旧春江工業高校には宿泊棟がない。各市町の研修担当職員等々との意見交換の中では、宿泊研修は非常に意義があるという意見をいただいている。そのため、宿泊については、県立芦原青年の家、あるいは県立奥越高原青少年自然の家といったものを活用しながら、宿泊研修を何らかの形で残していきたいと考えている。
 順番が前後したが、福井市の中核市への移行についてである。委員指摘のとおり、福井市は保健業務、薬剤師業務がふえることに対して、職員の研修をするかどうか等について、現在、福井市と検討中であり、具体的な方向は出ていない。


◯佐藤委員  課題解決チームの設置は短期間だから、あまり負担にならないという答弁であったが、一つの課題では2カ月かもしれないけれども、年間六つの課題に対応すれば、合計で12カ月となって年中チームが設置されることになる。オーバーワークにならないようにきちんと配慮してほしい。これは要望とする。
 福井市の中核市への移行の問題は、現在検討中ということであるが、福井県職員として採用された方々の気持ちもきちんとくんで対応願いたい。これについては、今後の展開の中で再度尋ねたいと思う。
 自治研修所の宿泊研修についてである。芦原青年の家などを活用するということであるが、青年の家は民間企業や学校などでも研修に使っていると思う、利用率はそれほど悪くなく、ニーズはあると思う。そのような状況で、県職員や市町職員の研修が割り込んでいくと、従来使っていた民間企業や学校が利用できなくなるということが起こるのではないか。その辺の対応はどう考えるか。


◯人事企画課長  自治研修所の移転は平成29年4月を予定しているため、平成28年度は試行的に青年の家を使い、空き状況や、職員の評価、あるいは移動手段といったものも少し検討しないといけないと考えている。委員指摘の民間企業等が使いにくくなるのかも含めて検討していきたい。


●公共施設管理計画  県庁移転
◯佐藤委員  なかなか悩ましい話だと思う。これまでも、例えば海岸にある橋梁インフラの場合、塩分の影響で早く傷むので、定期的な洗浄や、塗装をきちんとやり直すだけでも、相当寿命は延ばすことができるということについて、委員会で議論してきた記憶がある。いろいろな手法でやってくことが大事だと思う。
 ところで、福井県公共施設等総合管理計画(案)の概要に、方針1が「施設保有量の適正化と有効活用」、方針2が「長寿命化対策の推進 ~80年使用を目標に~」となっている。まず、方針1を最初に持ってきているというのは、国・県・市町が保有する施設を相互利用し、既存ストックを有効活用するということで、同じような施設を、必要なら除却も含めて進めていくという行政改革の流れであると理解できるが、市町と具体的な相談をしているのか。


◯財産活用推進課長  現在のところ、市町との情報交換等は、案件が発生した時点で随時行っている状況であり、国についても同様である。今後は定期的に会議等を開くなど、お互いの情報を共有する場をつくっていきたい。


◯佐藤委員  地域住民からすれば、地元の施設がなくなることは大きな問題になり、最近はマスコミなどでもよく報道されている。そのため、地元住民のコンセンサスを得ることと、長寿命化対策をきちんと進めていくということを、両面がかみ合うようにしてほしい。
 次に、方針2の、80年使用を目標とする点である。先日の一般質問の答弁で、知事が県庁舎と県警本部庁舎の移転について触れていたが、この二つについては80年使用から外すということか。


◯財産活用推進課長  80年使用の基本的な考え方は、建物を調べて、健全度や利用度を評価し、適当と考えられるものは使用を80年まで延ばそうということであり、全ての施設を80年使用とすることはなかなか厳しい。また、県庁舎等については、県都デザイン戦略との関係もあるため、整備計画との整合を図りながら考えていくことになる。


◯佐藤委員  もともと、この場所に県庁舎をつくることに対しては、福井市民の大きな反対があり、なるべく早く移転してほしい、ここは公園にしてほしいという要望もあることはよく承知している。財政事情も踏まえ、使えるものは最大限使っていくということも一つの考え方になるため、その辺との兼ね合いはなかなか難しいと思う。そのため、この施設は80年使う、この施設は新しくつくりかえるということについて、県民への説明責任をきちんとしないといけない。そうでないと、財政が厳しい中、なぜ県庁だけ新しく立派な施設をつくるのかと、理解が得られないということにもなりかねない。これは要望とする。


●交付税
◯佐藤委員  先ほどの第四次行財政改革実行プランにもかかわってくるが、財政について伺う。地方からも相当反発があったと聞いている、トップランナー方式の地方交付税の算定について、福井県としては、今後、どのように取り組んでいくのか。


◯財務企画課長  来年度からの地方交付税の算定において、トップランナー方式が使われていくということは、我々も承知している。
 本来、地方交付税は、地方団体の必要な財政需要を賄うために、県税との乖離分を埋める制度であることから、この制度趣旨が没却しないようにしなければならない。
 算定は今年度からになるので、本県として不都合となるものについて検証した上で、法律に基づく地方交付税の意見照会など、あらゆる機会を捉えて総務省に対して要望していきたい。


◯佐藤委員  全国的には地方交付税が減りぎみになっている中、さらにトップランナー方式でいろいろ指標をつけて算定していくことになる。例えば、人口がふえたところは地方交付税をふやすけれども、人口が減ったところは地方交付税も減らそうというやり方では、県も市町も大変になる。その辺は国に対してきちんと意見してもらいたい。


経済と暮らしの落ち込み、アベノミクスは失敗。消費税増税は中止に。安倍内閣は退陣すべき

2016年05月31日 | Weblog

昨日は、山田参院比例候補、金元書記長らとともに街頭宣伝、各種打ち合わせや共産党の会議などがつづきました。
いよいよ国会も会期末、野党は内閣不信任案をだし、安倍内閣の総辞職をもとめます。解散総選挙をもとめる声も自民党内からも高まっています。
 失敗したアベノミクス、憲法違反の戦争法、どの分野でも安倍政権打倒にふさわしい状況です。
 国会が閉じるとともに、定例県議会が開会します。がんばります!応援お願いします!




■赤旗・・・・主張   経済失政の責任   世界経済持ち出しても消えぬ

  安倍晋三首相が、27日閉幕した伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)で世界経済の不安に対処するため財政政策を含む対策の強化が合意されたとして、来年4月からの消費税増税を延期する方針を麻生太郎財務相らに伝えました。世界経済を持ち出すまでもなく、日本経済と国民の暮らしを見れば消費税増税は中止以外ないことは明らかです。首相が「リーマン・ショック前に似ている」などと大げさな表現で世界経済の不安を持ち出しているのは、自らの経済運営の失敗の責任を転嫁し、当面する参院選挙などを乗り切ろうという党略的な発想です。


危機的なのは国民生活

 安倍首相はサミット閉幕後の記者会見で、サミットでは株価の下落や新興国経済の「陰り」など世界経済の不安が話し合われたとして、対応を誤れば「危機」に陥る、サミット参加国が協調して金融・財政・構造の「3本の矢」を放っていかなければならないと強調しました。安倍首相はそのため日本としても、消費税増税延期の是非について検討し参院選前に明らかにするとしています。

 来年4月からの消費税増税が問題になっているのは、3年余りにわたった安倍政権の経済政策「アベノミクス」では日本経済の再生や国民の暮らしが良くなる見通しが立たず、なにより一昨年4月の消費税増税の悪影響が残って消費が冷え込んでしまっているからです。安倍首相は「アベノミクス」の破綻を認めず、サミットで世界経済への不安が話し合われその対策が求められたからといって消費税の増税延期に踏み切る魂胆ですが、それこそ責任回避というしかありません。

 安倍首相は一昨年4月と来年4月の、合わせて5%も消費税率を引き上げる増税を推進し、「リーマン・ショックあるいは大震災のような状況が起きない限り、増税は予定通り実施する」と再三発言してきました。サミットでの合意を使って、世界経済が不安だからと増税延期を合理化するのは、全くのつじつま合わせです。

 だいたいサミットの経済討議で「リーマン・ショック前に似ている」と突然言い出した安倍首相の発言は、参加した首脳からも異論が出たといわれるように、議論が尽くされたものでも、国際的に通用するものでもありません。サミットの首脳宣言でも「世界経済の回復は続いている」としており、首脳からは「危機」という表現に反対が相次いだほどです。

 「アベノミクス」の成果が上がらず、安倍政権が消費税の税率を引き上げたため消費が急速に冷え込んでいる日本経済は、国内総生産(GDP)で見ても個人消費が2014、15年度と2年連続で落ち込むかつてない異例な事態です。まさに世界経済の足を引っ張っているのは安倍政権の失政であり、首相の責任転嫁は通用しません。


政権担当の資格がない

 自らの経済運営の破綻の責任を認めず、世界経済に責任を転嫁して、消費税の増税延期を正当化し、それで参院選を乗り切ろうとするなど、安倍首相には国民の暮らしに責任を持つ政権担当者としての自覚も真剣さも見られません。

 消費税の増税を中止するだけでなく、安倍首相は自らの失政を認め、政権を担当してきた者としての責任を明確にすべきです。

福井県議会。教育委員会の再任用問題。18歳選挙権。1時間220円の手当の改善を。

2016年05月30日 | 福井県政
2016年3月1日  総務教育常任委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。

■教育委員会関係

◯佐藤委員  2月補正予算案説明資料の8ページについて伺う。給与費が小学校、中学校、高校と、それぞれ約1億7,000万円、約2億2,000万円、約1億6,000万円と大幅な減額補正なのだが、理由か何か。


◯教育長  当初予算では非常勤職員等にかかる給与費について、ある程度確保して計上している。その分、途中での採用がなかったこと等により減額の必要が生じた。主なものとしては、被保険者負担金の減額である。


◯佐藤委員  中学校の先生で約2億2,000万円、高校の先生で約1億6,000万円にもなっているが、被保険者負担金だけで、何億円にもなるのか。


◯教育長  訂正する。被保険者負担金も入っているが、一番大きいのは義務教育費の国庫負担金が9,800 万円余となっており、これが主な原因である。国庫負担金については、見込んでいた額よりも、実際の交付額が少なかったために、このような形になっていると いうことである。

◯佐藤委員  当初予算案の説明資料18ページの高校生学力向上推進事業の拡大についてである。先ほど、教育長から、 退職教員が学習支援を行うなどの説明があったが、高校教育課に学力向上グループ、教育研究所に学校の教員80人を含めた大学進学ユニットを新設して、県独 自のテストを作成し実施する。そのほか、進学受験指導の質の向上を図るということであるが、この学校の教員80人というのは、どのような選び方をするの か。


◯高校教育課長  主に国、社、数、理、英の5教科の現場の教員に、必要に応じて来ていただいて進めたいと考えている。80人であるから、5教科で割ると、1科目10数人ずつ集めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  時々取り上げている教員多忙化問題にかかわってくる。今の現場の仕事でもオーバーワークになっているのに加えて、さらに新たな事業で仕事がふえるということか。


◯高校教育課長  現場の先生から話を伺いながら、きちんと配慮して進めていきたいと思う。


◯佐藤委員  教育長は、退職教員も活用すると報告していたが、退職教諭は何人ぐらいお願いする予定か。


◯高校教育課長  既卒生を対象とした学習指導に対する退職教員については、主に英語、数学、理科の先生を各2名ずつで予定をしている。


◯佐藤委員  既卒生ということは、既に高校を卒業しているが、受験を目指している人に対して、退職教員 の方を6名雇って受験勉強を教えてもらうということだと思う。例えば、先ほど80名でテストをつくるという話があったけれども、現場の教員の仕事をさらに ふやすのではなく、退職教員の知恵も借りてテストをつくるということは、公務員法上、問題があるのか。


◯高校教育課長  公務員法上、問題はないと思う。退職される先生方の手は幾らでも借りたいが、現場でも試験の指導、考査前の指導など、いろいろな指導で活用させていただいており、そちらのほうで、ぜひ活躍していただきたいと思っている。


◯佐藤委員  教員の多忙化をより抑制するためには、退職教員の方の力を借りる、あるいは再任用して力を 借りるなど、いろいろな方法があると思うので、一般質問で再任用の問題も取り上げたけれども、そういうことも含めて、バランスよく活用してはどうかと提案 しているのである。


◯教育長  委員指摘のとおり、今回の既卒生の指導、また、去年の9月から小中学校の理科や英語、また中学校や高校でも、退職教員の力を借りている。来年度は、その数を3倍ぐらいにふやして、退職教員に応援していただこうとしている。
  また、ほかの面でも応援していただけるようなことがあれば、取り入れていきたいと思っているが、テストをつくるといったこと等については、力を合わせて やってもらうことで、教員自身にも力がつくし、みんなで集まる場ができるということもあり、まずは現役の教員でスタートしたい。確かに退職教員もたくさん いるが、人員を確保するとなると結構大変である。委員の指摘する点もよく理解しているので、バランスをとりながらやっていきたい。


◯佐藤委員  ところで、政府も、低所得者の世帯の子供に対して無料で教えるということに力を入れ始めている一環で、県は受験生に対しても無料で教えるという仕組みをつくったのか。それとも、そのような発想とは別に、有料で教えるという仕組みなのか。


◯教育長  既卒生の学習支援については、基本的には無料であるが、材料費、現品など実費は請求する予定 としている。貧困を絶つということでの施策は健康福祉部が所管しており、詳しいことはわからないが、大学生による個人教授の形で進めていると思う。我々と しては、金銭面での就学支援や、勉強をするための家庭教師ではないが、塾のようなものを開いて協力していく、それから、これは少し別になるが、既卒生の中 には、福井の自宅で勉強している方々がおられるため、駅前に少し場所をつくり、できるだけ受験の情報を提供したり、わかることを教えたり、また、そこで自 分で勉強もできるようにして、孤独に陥っていかないようサポートをしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  いい取り組みだと思う。家計に負担もかけず、県の教育委員会が積極的にサポートしようということであるから、うまくいくように願いたい。

◯佐藤委員  予算案説明資料19ページの、フューチャーマイスター事業について伺う。具体的には生徒は何をする事業なのか、また実績についても伺う。


◯高校教育課長  これは、職業系の高校の生徒に対して資格取得、さらに就職に結びつける制度として考えている。
 二つの中身があり、1点目は、資格取得に対して、2分の1を補助していくという補助制度であり、積極的に資格取得にチャレンジしていくというものである。
  もう1点目は、資格取得だけでなく、校内での活動や、部活動、各種コンクールでの全国大会出場などを得点化し、得点によってゴールド、シルバー、ブロンド という三つの資格を与えていく。それを就職前の8月に認定して、就職活動の際の自分の自己PRに使ってもらうというものである。
 また、3年生の年度末に再認定をして、優秀な生徒は表彰するということを考えている。


◯佐藤委員  実績はどうか。


◯高校教育課長  9月補正予算から資格取得に対する補助を始めているところであり、現在、進めている最 中なのである。一つだけ情報として申し上げると、日商簿記2級の検定試験について、例年250人ぐらいの生徒が受験しているが、ことしは350人ぐらいの 生徒が受験している。この制度によって、多くの生徒が資格にチャレンジしているという状況である。


◯佐藤委員  例えば、週1回ぐらい企業へ研修に行くといったメニューはないのか。


◯高校教育課長  インターンシップや企業実習についても、先ほど説明した、ゴールド、シルバー、ブロンズなどの得点集計の中に入れている。


◯佐藤委員  この事業はどこの学校で進めているか、また、企業実習へ行っている生徒はどのぐらいいるのか。


◯高校教育課長  この事業の対象は、全ての職業系の高校や、職業科のある高校である。また、企業実習に対する支援については、別の事業で行っており、フューチャーマイスター制度は、企業実習に行った成果を認めていくというものである。


◯佐藤委員  生徒の意欲を引き出す制度であると思うが、クラスの中で、企業実習に行く生徒と行かない生 徒で二つのグループに分かれると、クラスの授業の運営がうまくいくのか。例えば、夏休みに1週間、あるいは十日間企業実習に行くという方法もあると思う。 一部の生徒が、クラスから恒常的にいなくなるということになると、カリキュラムの進行などを含めて、うまく整合性がとれるのか。


◯高校教育課長  職業系の高校は、企業実習に行くということが大前提になっており、生徒全員が企業実習に行き、それを単位として認めている。

◯佐藤委員  第40号議案の青少年センターの廃止について、現在の利用状況と今後の対応について伺う。


◯生涯学習・文化財課長  現在の利用状況であるが、会議等の利用が多く、年間約2万7,000人の利用 がある。ただ、青少年の研修活動の利用は減少しており、現在は太極拳、ダンス、またはクラフト教室など一般の方々のサークル活動やスポーツ、教育関係の会 議室としての利用が主体となっている。


◯佐藤委員  次に、第38号議案、第39号議案についてである。それぞれ定数を減らすということで残念 に思うが、実際の人員は、4月1日現在で何人になるのか。できれば、全日制高校は何人、定時制及び通信制は何人、特別支援学校は何人、小学校は何人、中学 校は何人ということを示していただきたい。


◯高校教育課長  まず、高等学校について、全日制の教職員定数は1,258人で30人減となり、ほぼこの人数を現場に配置することになる。ただし、一部、国のほうに要望している定数等の結果によっては若干減少する。
 次に、定時制高校の定数だが、校長、教諭等で124人に変更はなく、昨年と同様である。また、特別支援学校は、校長、教諭で720名ということで、昨年に比べて1人減となっている。これは生徒数の減少による学級数の減に伴うものである。


◯企画幹(義務教育)  子供の数や学級の数、学校の統廃合等もあるので、定数では小学校で3,281人となり6人の減、中学校では1,867人で6人の減ということである。


◯佐藤委員  条例の定数と実際の人員数は変わらないということか。
 高校教育課の場合、4月1日に、全日制の教職員については、1,258人、定時制、通信制については124人、特別支援学校については724人が配置されるということか。


◯高校教育課長  1,258人は定数であり、4月1日に配置される教職員の数は1,258人を下回っている。


◯佐藤委員  きのうの委員会でも伺ったが、知事部局から教育委員会に人をふやすという条例も出てい る。国体や埋蔵文化財の関係のためという説明であったが、教員の身分のまま、国体の仕事をしている職員の方もいる。そのため、知事部局から人をもらいなが ら、教育委員会ではどんどん減らしていくという点について、納得がいかないため質問した。また、教員の定数をどんどん減らしているが、例えば、特別支援学 校では、入学してくる生徒はそれほど減っていないと聞いている。奥越地区に新しく特別支援学校を設立したが、嶺北特別支援学校の生徒が減っているわけでは ない。発達障害の子供がふえていることもあり、特別支援学校に通う子供の数は、それほど大きく減っていない、むしろ、全県的に見るとふえているのではない かという状況がある。このような状況の中で教員を減らしていくということは問題ではないか。


◯高校教育課長  まず、知事部局との交流であるが、教育委員会のほうの定数はあくまでも学校に配置している教員の数であり、行政等に出向する分や採用も考えた上で配置している。
 次に、特別支援学校であるが、先ほど申し上げたとおり、定数は1人減った。これは学級数の減によるものである。生徒数の増減は大きくはないが、障害の程度により学級を振り分けているため、振り分けた数が、ことしは若干減ったということで1の減ということになる。
 確かに特別支援学校によっては生徒数がふえているところもあり、逆に減っているところもあるが、全県的にはあまり大きな変化はないというのが、最近の状況であるため、特別支援学校の定数が極端に大きく減るということは想定していない。


◯佐藤委員  最後に確認するが、現場の先生から、特別支援学校の定数が20人程度減る心配があるという話を聞いているが、そのようなことは全く心配ないということか。


◯高校教育課長  先ほど申し上げたが、実際の配置は定数1人減であり、20人も減るということにはならないと考えている。


再任用について
◯佐藤委員  一般質問でも伺ったが、再任用の問題で改めて確認する。教育長の答弁では、191人が退職し、再任用を 希望した人は58人おり、そのうち48人を再任用した。新採用も確保しなければならず、また、希望する勤務地等の関係もあって採用できなかった方もいると いう答弁だった。
 ところで、平成25年3月に総務副大臣が地方公務員の雇用と年金の接続についてという通知を出している。福井県庁は、この通知に基づいて再任用希望者は全員再任用しているが、教育委員会はそれをしないのかということである。
  この総務副大臣の通知を見ても、当該職員の任命権者は、退職日の翌日、地方公務員法に基づいて、年金支給開始年齢に達するまで常勤勤務を要する職に当該職 員を再任用するものとすると、かなり強い通知である。これは、国民の生活保障ということから、このような通知になっているのだと思う。
 また、再任用を希望する者が、地方公務員法に基づく欠格事由、または分限免職事由に該当する場合は、再任用しないとの規定である。つまり、新採用の教員を確保するために再任用しないということは認められてない。そうであれば、教育長の答弁はおかしいのではないか。


◯教育長  平成25年4月には文部科学省からも通知が出ており、そこでは、各都道府県の若手教員の安 定的な確保についても必要であると書かれている。また、地域の実情に応じて、非常勤も含めていろいろな採用の仕方を用いて、できるだけ全て再任用できる形 に近づけなければいけないということが書かれている。我々としても、基本的には総務副大臣の通知に沿った形にしていきたいと思うが、全体を考慮して、先 日、答弁した形で選考している。なお、再任用できなかった方でも、非常勤講師や、シニア・ティーチャー学力応援事業などの対象となってもらうことで、全く 収入がなくなることはないようにしている。
 希望があれば、できるだけ希望に沿った形で対応していきたいが、全体の定数があるため、これに基づいてバランスをとっていかなければならない。そのようなことで選考し、再任用できなかった人には、別の形で活躍して収入を得ていただきたいと考えている。


◯佐藤委員  もう一度伺う。48人再任用するとのことだが、そのうち、この4月からフルタイムで働く人、また、例えば週2日とか3日など臨時的、パート的に働く人はそれぞれ何人なのか、雇用の内訳を教えてほしい。


◯企画幹(学校教育)  48名のうち、フルタイムの再任用は20人である。短時間の再任用は28人である。
 先ほど、教育長も申したが、再任用できない場合は、再任用できない全ての人に、非常勤を含めた講師を紹介していきたい。


◯佐藤委員  福井県庁の場合、再任用希望者が非常に少ない。おそらく、再就職先として民間企業や外郭 団体などに就職される方が結構おられるのだと思うが、教員の場合は、外郭団体や民間企業に就職するということは大変だから、これだけ再任用の希望者が多く なっているのだと思う。このような実情を鑑みて、きちんと対応をしていただくように、再度願う。


■18歳選挙権、安すぎる入試手当
◯佐藤委員  教育長の報告の最初に、ふるさと教育推進の中で偉大な先人のエピソードを取りまとめた「ふるさと福井の先人100人」というものがあった。
 柴田勝家、由利公正、紫式部等、いろいろな100人だと聞いているが、そのうち、福井で生まれて、福井県で最期まで頑張り、福井で亡くなった方は何人か。およその数字で構わないので教えてほしい。


◯高校教育課長  自信はないが、8割くらいだと思っている。南部先生や、もう既に福井県を出られて亡くなっている方もおられるため、8割はいないかもしれない。


◯佐藤委員  100人の名簿を見たわけではないが、継体大王、紫式部、蓮如や、南部陽一郎先生のよう に福井を出られた方も結構いらっしゃる。南部先生も紫式部も大事だと思うが、私が生まれた翌年に、「私たちの郷土」という当時の春江町と坂井村の教育委員 会が出している本がある。
 これを見ると、郷土の人たちが苦労してまちづくりを進めてきたということが、実名も上げて書かれている。誰々は手織物を始めた、誰々は医者だったが、子供を集めて勉強を教えていたということが書かれている。
  現在、ふるさと創生が叫ばれている中、世界に飛び立っていった人も大事だが、一方で、地元で本当にコツコツと頑張った郷土の偉人に光を当てていくことも大 事であると思う。特に、市町村合併によって、だんだんこのような話が少なくなっているが、まず、「ふるさと福井の先人100人」は、どのような考えのもの か。


◯高校教育課長  まず、「ふるさと福井の先人100人」であるが、その人がどういう活躍をしてきたか ということが書かれている。これには、功績も書かれているが、中学生や高校生が読むものであるため、その人が若い時代にどのような考えを持っていたのかと いうところを中心に書かれている。
 その中には、亡くなられた方も、世界に羽ばたいて行かれた方もおられるが、ふるさとの偉人が若かったころに、どのような考えを持っていたのかということを中高校生に勉強してもらうための教材としていくものである。


◯佐藤委員  質問の趣旨は、本当に地元を支えてきた人たちにも光を当てるべきであるということである。100人に限定してしまうと、1市町当たり五、六人となってしまう。そのため質問させてもらった。


◯教育長  地元を支えてきた人を学ぶ機会は、小中学校などで、体験を通じて地域のことを知る学習を 行っているため、そのような中で話を聞くことになると考えている。委員が指摘される点は大事なことであり、体験学習や道徳等、いろいろな学習の中で進めて いくべきであると思っている。その上で、特に中高校生に対しては、福井の偉人について学んでもらうことで、都会に出ても福井を誇れる、先人に倣って頑張ろ うという気持ちを植えつけていきたい、学んでほしいということである。
 そのようなことから、一つにまとめて知ってもらうことは意味があると思っているが、これだけが全てではない。


◯佐藤委員  ほかのテーマで質問をする。一つは、先日、全国紙の新聞であったと思うが、福井県の教育委員会が、18歳選挙権に当たって、高校生の校外での政治活動について、事前届出制にするという記事が載っていた。
 その後、教育委員会に確認したところ、事実無根だということで新聞社に抗議をしたと聞いたが、教育委員会は、高校生が校外で政治活動をする場合について、届出制といった規制はかけないのか。その辺の考え方を伺う。
  もう一点であるが、先日、高志中学校の入学試験があったが、その入試の業務に携わる先生は、早く採点しなければならないため、時間外に働くことのなるのだ が、その手当が1時間220円とのことであった。1時間に220円というと、8時間働いても1,600円くらいにしかならない。福井県の最低賃金は732 円である。福井県の最低賃金の3分の1くらいで教員を働かせているのはどうかと思う。この2点について簡潔に答えてほしい。


◯高校教育課長  たしか毎日新聞かと思うが、県教育委員会が届出制について検討しているという記事が載っていた。
  届出制だけに限らず、主権者教育については、今、各学校に情報提供をしながら進めている。文部科学省からの通知やQAでは、校内での政治的活動や校外での 政治的活動についての制限や禁止など、いろいろと対応することになっているが、現在のところ、届出制にすると決定したわけではない。
 もう1点、高志中学入試の件であるが、入試が土曜日にあり、先生方には監督業務や翌日の採点業務にかかわっていただいた。
  委員指摘のとおり、入試手当は高くはない。しかし、その土日に勤務していただいた方には、その手当以外に、平日等の勤務時間をうまく調整してもらってい る。平日の勤務を短くすることは難しいのが現状ではあるが、なるべくそのようなところを緩和してもらうよう先生方には伝えている。


◯佐藤委員  この手当の額について、学校の先生は何も言わないかもしれないが、せめて最低賃金程度に上げてはどうか。1時間220円など、子供のお小遣いにもならないような額を、なぜ設定しているのか。


◯高校教育課長  確かに高い手当ではないため、また、検討する。

参院選勝利めざし、宣伝、訪問対話活動。横山たつひろさん押上げへ、ピースふくい集会

2016年05月30日 | Weblog

 昨日は、参院選勝利めざし街頭宣伝、地域訪問対話活動、ピースふくいの集会参加などで奮闘しました。
ピースふくいの集会では、代表のヤングさんがあいさつ、茂呂弁護士の自民党改憲案・緊急事態条項についてのわかりやすい学習会、横山たつひろ参院予定候補の気迫あふれる戦争法廃止への決意表明がありました。最後に、代表の屋敷さんの行動提起で宣伝や戦争法廃止の署名7万人集まり、10万を集めていこう、横山リーフの活用を、などが提起されました。
 地域をまわっても、まだまだ横山候補が知られていません、知名度抜群の日本共産党とともに、戦争法廃止で奮闘する野党統一候補であることをさらに多くの県民に、急いで知らせていくことが必要です。 
 すじをとおしてがんばる日本共産党へのご支援をお願いいたします!










 昨日のしんぶん赤旗には横山たつひろ候補のインタビューが掲載されました。全国の野党統一候補の動きを報道する赤旗をぜひお読みください。
福井の方のお申し込みは 0776-27-3800まで。





昨日の県民福井。
福井市の高校3年生、政治に関心がない、選挙行かない、がこんなに多いとは😢
行政、教育現場、政治家 、、、参院選まで時間はないが、アプローチを考えなくては。


本日、戦争法廃止へ!ピースふくい福井市集会です!あおぞら食堂。呆れた原子力機構の思考回路

2016年05月29日 | Weblog

参院選目前。いよいよ本日29日午後2時、横山たつひろさんが熱く語る!
ピースふくい集会!福井フェニックスプラザに集まろう!
  茂呂弁護士が講演します。





  昨日、地域を訪問していたら・・・地元の福井民医連のみなさんが取り組んでいる生活困窮の方々を対象にした無料のボランティア食堂が準備されていました。その名は、あおぞら食堂。
食材なども趣旨に共感する方からの差し入れだとか。
地道な取り組みに頭が下がります。






 これはなんだ?
 原発の運転出力を抑えれば、防災対策の範囲は狭くていいのか?
新幹線などはスピードを落として騒音基準をクリアすると聞いたが、原発事故では通用しないのではないか?
 苛酷事故なら運転出力に関係なく、中の燃料量自体が問題になるでしょうに。
 原子力機構という組織は、もんじゅといい、とんでもない計画をごり押ししようとしている。

 そういえば、もんじゅの運転再開を目指していた時に、職員が福井市で開催した説明会で「運転はさほどしていないので機器は老朽化していない。運転期間の計算は稼働時間ではかるべき」などと言うのでたまげたことがあります。
 こんな屁理屈なら、「もんじゅは新品同様です」となる。40年運転ならまだ39年以上運転できることになる。生産されて20年もたつ車を「新車」と言いますか?
 悪い冗談はいいかげんにしてほしい、と思ったものですが、思考回路は変わっていないようだ。


■NHK・・・・高速実験炉「常陽」 再稼働は出力抑えて運転の考え    5月26日 21時33分

 茨城県にある高速実験炉「常陽」について、日本原子力研究開発機構は、最大の出力で運転した場合、防災対策の範囲を大幅に見直す必要が生じるため、再稼働する際には出力を抑えて運転する考えを原子力規制委員会の会合で示しました。

茨城県大洗町にある高速実験炉「常陽」は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使った高速増殖炉の実験炉として運転を始めましたが、平成19年に起きた炉内のトラブルで運転を停止し、日本原子力研究開発機構は、再稼働後は放射性物質を減らす技術の研究開発などを行う方針です。

26日に開かれた原子力規制委員会の検討チームの会合では、従来の防災指針で半径8キロ圏内とされている常陽の事故に備えた防災対策の範囲が議論されました。
この中で、原子力機構は、国際基準を踏まえた新しい防災指針に改定されたあと、最大の熱出力の14万キロワットで運転した場合、防災対策の範囲を最大で30キロ圏まで広げる大幅な見直しが生じるため、再稼働する際には10万キロワット以下に抑えて運転する考えを示しました。
原子力機構は「再稼働後の常陽では放射性物質を減らす研究開発などを行う予定で、出力を抑えた場合、試験に時間がかかるようになるものの、大きな影響はない」としています。

原子力機構は常陽の審査を今年度中に申請する方針で、出力を10万キロワット以下に抑えて運転することも含めて規制委員会の審査に合格すれば、防災対策の範囲は半径5キロ圏内になります。

福井県議会。新幹線で学生はより東京圏へ。原発トラブル・プルサーマル。貧困問題

2016年05月28日 | 福井県政
 2016年3月11日 福井県議会予算決算特別委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。


        「知事の政治姿勢と予算案について」     佐藤 正雄 委員


◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 知事の政治姿勢と予算案に関して、何点か、まずお尋ねをしていく。
 予算案では、人口をふやす政策と、一方で人口を流出させる政策、施策が打ち合いをしている状況があるのではないかと思っている。
 北陸では人口減少対策の一方で、北陸新幹線開業との結果の矛盾がいろいろ出ている、若者の東京首都圏への流出がさらに強まるという結果になりかねないということが報道されている。例えば、3月5日付の読売新聞の社会面の大きな見出しは、北陸の受験生は関西を離れて、新幹線延伸で東京へシフトしているという記事であった。
 私が、この間、指摘してきたように、新幹線と在来線の乗りかえ不便制の問題が、皮肉にも若者がより東京首都圏へ流出していくということを助長しているという状況があると思うのである。この新聞記事を読むと、何箇所も乗りかえ不便性の問題が指摘されているわけである。
 最初の話題は、昔は寝ていても富山に着いたのに、新幹線のせいで一気に不便になったと、京都の観光から帰ってくる富山市の大学生が不満を言っているということである。
 さらに、修学旅行でも、日本旅行の担当者は乗りかえには抵抗感があるみたいだということで取材されている。
 それから、関西大学の担当者は、富山の先生からは乗りかえの不便さを指摘する声が出ていて、関西大学、同志社大学などは、軒並み減っていると言っている。北陸からの受験生、受験者が減るということは入学生も減るということで、こういう状況が、新幹線の逆効果で生まれているわけである。
 だから、福井県は、この石川県、富山県で起こり始めた事態をどう分析して、対応をどう考えているのか、今こそ、私も再三言っているけれども、石川県、富山県、関西広域連合とも協力をして、新幹線は、言っても敦賀までしか行かないわけであるから、フリーゲージができない以上、必ず乗りかえが発生するわけであるから、やはりこの在来線特急をきちんと存続してもらわないと、北陸、関西が沈んで、より一層、首都圏集中が強まるという、政策と逆効果になるのではないか。


◯総合政策部長  今、話のあった、富山、石川で起きていることは、ストロー現象というよりは、むしろ北陸新幹線によって、学生さんが関西から関東に移った、シフトしたという状況かと思う。
 北陸新幹線の効果として、2時間ちょっとで富山、金沢まででも2時間半を切るので、関東圏が非常に強くなっている。逆に関西圏はもう少し強くならないといけないということだと思う。ただ、敦賀開業後、福井駅、あるいは南越駅からの乗客が関西に向かうときには、乗ってすぐ敦賀駅で乗りかえることになるので、それは課題だと思う。
 JR西日本は、敦賀開業後の特急存続については、特急と新幹線が乗客を取り合うという関係にあるので、整備スキーム上、難しいと言っている。一方で、国土交通省のほうは、昨年8月に与党の検討委員会の取りまとめの結果を受けて、接続のあり方については地元などの意向を踏まえ、関係者の協議を促進するという方針を示しているので、その辺の考えを十分確認しながら対応したいと考えている。また、乗りかえが必要な期間を少しでも短くする、それを早く解消するためにも、やはり北陸新幹線を早く大阪まで全線開業することが大事であるので、まずは年内の若狭ルートの決定を政府・与党に強く求めていきたいと考えている。


◯佐藤委員  大事なことは、現実として首都圏への集中が一層強まってきているということである。そこは見ていかないと、今、安倍政権がかけ声を出して、地方もかけ声をそろえて、東京一極集中を解消しようと言っているけれども、これは北陸でいうと逆効果が生まれているわけであるから、そこは手を打っていかないといけないと指摘しておきたいと思う。
 それから、2点目、原子力関係である。本会議の質問でも取り上げたけれども、予算案には、県内での原子力推進と原発の海外輸出推進という問題がある。
 東日本大震災、福島原発事故からきょうでちょうど5年になるわけである。福島の現状は、終息と回復に向かうどころか、国と東電による被災者の切り捨てが始まろうとしている。原発災害によって、命が追い詰められた方々は、後を絶たない。福島県での震災関連死は、何と2,000人を超えた。これは岩手県とか宮城県では起こっていない独特というか、特異な、関連死が多いという状況になっている。
 原発周辺の大熊、双葉、富岡、浪江の四つの町は、昨年の国勢調査では人口がゼロということになった。先般、大津地裁は、高浜原発3・4号機の運転差しとめの仮処分を出して、運転中だった関西電力高浜3号機はきのう運転を停止した。動いている原発を司法がとめたという点では歴史的な出来事だと思う。
 知事は、きのうの委員会の答弁の中で憂慮すべき事態だと答えたが、これは司法の判断が変わるということでの憂慮すべき事態という意味なのか。それとも、再稼働がとめられてしまったことを憂慮すべき事態と言っているのか、これはどちらなのか。


◯知  事  かなり幅広く申し上げたところであるけれども、高浜3・4号機の再稼働にかかる、いわゆる仮処分レベルでの、こうした決定が二転三転している──このような短期間の中で何回も裁判所あるいは裁判官の思いで、大事なことがあちらこちらと変わる、そして稼働がとめられることが繰り返されるという事態に対して、県民の原子力やエネルギーの安全や全体に対する信頼が揺らいでいるということに対する憂慮と申し上げているところである。


◯佐藤委員  両方兼ねているということである。
 さらに知事は、きのうの委員会で司法に国の確固とした姿勢が行き渡っていない云々という表現をされた。しかし、これは三権分立であって、行政に対して司法が法に基づいて変更を求める、あるいは改善を求めるというのは、これまでも、長い歴史の中であるわけであるから、当然だと思うのであるが、知事の見解をお尋ねする。


◯知  事  原子力・エネルギー施策について、我々は繰り返し国の原子力・エネルギー政策に対する確固たる考え方、また、必要性あるいは重要性、仮にそう考えるのだったら、それをどう国民あるいは全て国の機関に対しても理解を求めるということは重要である。そういう意味で、司法当局も含め国全体でしっかりした、こうした理解をした上での対応が重要だろうと、こういうことを申し上げたところである。


◯佐藤委員  先日の大津地裁の仮処分決定は、そのように言われたけれども、以前の福井地裁の決定、それから福井地裁の仮処分の取り消し、このときには、たしか知事は、福井地裁が再稼働を認めない、大飯の再稼働を認めないという判決の際には司法の判断と行政とは別だということで、直接、司法の分野に対しての物言いはなかったと思う。行政と司法は別だという言い方だったと思う。それから、高浜の運転差しとめの仮処分が取り消された際には、たしか知事はマスコミに対してコメントを出さなかったと記憶している。
 今回は、より踏み込んで司法の判断に物言いをされたわけで、そういう点では、これまで一線を画す態度をとってこられた。今回、なぜ司法の分野にまで踏み込んで物言いをされるのか。


◯知  事  司法の判断に言っているのではなく、もちろん三権に分かれているけれども、国全体がしっかりした対応をもっとすべきであろうということを引き続き申し上げているし、今回の事態を考えると、ますますそれはやるべき事柄だろうと、こういうことを申し上げているわけである。


◯佐藤委員  しかし、知事の発言を読む限り、あるいは聞く限り、この国の機関が、司法当局も含めて、きっちりしてもらわないといけないという趣旨で発言されているわけである。知事もよく承知のように、日本国憲法では76条は司法権の独立である。これに対して内閣とか行政とか、立法府が干渉してはならないということになっている。
 なぜこれが出てきたのかと振り返れば、たまたまであるけれども、明治24年の大津事件。当時のロシアの皇太子が警備していた巡査に切りつけられるという事件が起こって、そのときに、伊藤博文を先頭に殺してしまえ、死刑だという議論があったときに、当時の大審院はだめだと、法律に基づいても最高刑は無期懲役だと、殺すわけにはいかないのであるということで司法の独立を守ったというところから来ているわけである。これが大津事件である。今回、大津地裁の判決である。たまたまであるけれども、それに対して司法権の独立を侵すような発言を知事がされるのは問題だと思わないか。


◯知  事  全くそんなことは言っていない。誤解もいいところで、やめていただきたいと思う。


◯佐藤委員  それならば、わざわざ司法の分野も含めて国がちゃんとやりなさいと言うのをやめたらどうか。


◯知  事  そういう意味ではなくて、我々は政府に原子力の理解とか、そういうことを引き続きしっかり求めるということを言っている。国に向かって、そういうことをしっかりやってほしいと言っているわけである。


◯佐藤委員  そもそも、司法といっても国民の意識から独立したものではないし、その時々のいろいろな政策から完全に独立したものではない。知事は、そう発言しているけれども、何十年という長い期間、原発は危ない、原発はとめてほしいという裁判は全国各地でほとんど負けている。国が認めた裁判所は安全だということで、原発訴訟というのは住民が訴訟を起こしても、ほとんど負けている。
 しかし、5年前の福島の事故を契機に、やはりこれでいいのかということで裁判所の中でも議論があったと聞いているけれども、この福島原発事故を経験した国民の意識が変わった、当然それは裁判官にも影響を与えるので、裁判官の意識も変わってきたということなのである。そう思わないか。


◯知  事  裁判官というのは、独立した形で、いろいろな国民の意思なり、エネルギーのいろんな問題を考えて判断なさるわけであろうから、いろいろなことを国全体がもっとしっかりとやらないといけないだろうと言っているのである。


◯佐藤委員  従来はほとんど国が認めた原発に対して、表現は別として、裁判所はけちをつけることはほとんどなかったのである。
 しかし、福島事故を受けて、裁判所の認識も変わってきたという面が、福井地裁とか、今回の大津地裁をみてもあると思う。やはり、行政も変わらなければいけないと私は思う。それで、知事は福島の被災地に、何度、足を運ばれているのか。再稼働を続け、もし仮に5年前の福島のような事故が、この福井県で起これば、高浜町とかおおい町とか、先ほどの人口がゼロになった町があるわけであるから、そういうようなリスクをたどるかもしれないということについては、どのように考えているのか。


◯知  事  どういう関係で言っているのかよくわからないけれども、福島のいろんな事故については、現場を見たり、あるいは県庁職員も、3,000人以上の職員が全国に先駆けて、いろいろなことをしている。そういう状況も聞き、また福島の知事などともいろいろなときにお会いをし、そういうところの状況を聞いているわけである。
 そういう中で、午前中も申し上げたが、福島、あるいは東日本大震災5年ということで、もう一回しっかり政府が基本に立ち返って、あらゆる問題を国民に訴え、また、これまで腰を据えてどれぐらいやったのかということを、我々としては強く求めなければならないだろうということを申し上げているわけである。


◯佐藤委員  最近、いろいろな新聞で大震災、原発事故の特集などが組まれている。
 例えば、きょうの日経新聞だけれども、元のアメリカの原子力規制委員長のグレゴリー・ヤツコさんのインタビュー記事が載っていた。
 グレゴリー・ヤツコさんは、福島原発事故の最も重要な教訓は、事故は今でも起こり得るということだと述べられて、これは伝えるべきメッセージだが、原発は安全になったという正反対のことが今伝わっていると懸念されているわけである。
 だから、福島のようなことは、もう福井では起こらないのだと考えるようなことが、一番危ないということを、逆に言えば言っているわけである。知事は、そうならないように慎重にやっているのであろうけれども、絶対そういうことが起こらないということで、逆に新たな安全神話を生み出してしまうということに対して、元アメリカの規制委員長の方も懸念を表明されているのである。
 慎重に考えていくということは知事、お考えにならなのか。


◯知  事  要するに、福島のようなことを起こさない、起こさせないということを言っているわけで、今言われたことは、また別の話をしているように思う。


◯佐藤委員  事故が起こらないということを強調し過ぎる余り、結局、安全神話がどんどん復活していくということを、このアメリカの元規制委員長は懸念されていると思うし、私たちも同じような懸念を持っているということである。
 それで、新規制基準のもとで県内では初めて、高浜原発3号機・4号機が再稼働したが4号機は、すぐにトラブルでとまった。これは全国的にもテレビ、新聞でも大きく報道されて、今回も裁判の結果も、福井県の県民にとって大きなダメージになったと思う。
 知事は、いろいろ意見のやりとりをするときに、電力事業者を監視する立場なのだということをよく強調されているわけで、今回の高浜再稼働に当たっても、県の原子力安全専門委員会の審議を経て、自身も、現地点検もされて再稼働を認めるという経緯をとられたと思う。
 知事は、しっかり監視してきたはずの高浜原発再稼働後に、4号機のようなトラブルが起こったということについては、どういう問題があるとお考えか。


◯安全環境部長  今回の原子炉の緊急停止については、発電機や主変圧器を流れる電流量を検知する装置の使い方を一時的に変更したにもかかわらず、装置が作動する電流量の上限値を30%のまま変更しなかったことが直接の原因である。今回のトラブルは、電気設備そのものに異常はなく、安全システムが正常に機能して、原子炉が停止したものである。こうした装置は、火力発電所などにおいても、通常使われているものであり、その設定は事業者の責任で行うこととされている。
 事業者は、再発防止対策として当該装置の設定値を90%に改めるとともに、同種の計装機器の設定状況について、電機メーカーと協力して改めて点検を行うとしており、こうした対策の妥当性について現在、規制委員会の確認が行われているところである。
 県としては、高浜3・4号機の再稼働に当たり、その工程の節目節目に職員が現場で立ち会うとともに、トラブル発生時には現地に職員を直ちに派遣して確認も行ってきた。
 今後も、こうした県民の立場に立って国や事業者の対応を厳しく監視していく。


◯佐藤委員  部長の答弁だと事業者の責任ということで、県と原子力規制委員会、規制庁に責任はないというお考えか。


◯安全環境部長  規制委員会において、現在、確認中であるが、規制委員会に出された報告書の中身を見ると、先ほど答弁したとおり、電気設備の検知器の設定値が誤っていたということであって、こうした設定値については、原子力発電所に特有のものではなく、火力発電所などにも使われていて、そうした設定値の確認などは事業者の責任で行うこととされているものである。


◯佐藤委員  原子力発電・防災対策特別委員会のときにも課長、部長とも、やりとりしたけれども、結局、細かいことは原子力規制委員会の田中委員長も、それは事業者の責任でやってくれ、自分たちは知らないと言ってる。だから結局、無責任になる。国も規制委員会も何かトラブルがあっても、そんなことまで、自分たちは知らない、ちゃんと事業者がやってくれよと言っている。
 県も、いろいろ言うけれども、それは事業者の責任だと。事故やトラブルが起こったときには、事業者の責任ということになって、結局、これはもう責任が曖昧になるというか、事業者が悪いと言ってしまえば、国も県も済むのであろうけれども、それだけでは県民は済まないだろうということを私は言いたい。
 国も鳴り物入りで長期間かけて審査をした。県も長期間かけて審査をした。トラブルが起こったら国も県も関電が悪いのだと言う。知事、こういうシステムは県民としては納得いかないと思わないか。


◯知  事  トラブルと一口に言っても、いろんなレベルがあるし、いろんな場所のいろんなことがあるから、それに応じて、いろんな審査をし、議論をし、万が一何かがあったときには、それに対して対応をし、我々は県民の安全を第一に守り、その中身をしっかり申し上げる。
 そして、電力事業者については、どういうことであろうと、我々にものを早く、そして県民に早くお知らせをし、これはこういう事柄で、こういう対応をするという対応を、これまで以上にとろうとしているし、とっているということである。


◯佐藤委員  いわゆる二次系であっても、あるいは電気系統であっても、重大事故につながることはあるわけである。美浜の3号機では二次系の事故で5人が亡くなった。直接、放射能を扱っている中心部ではないから、きちんと検査しなくしても大丈夫だろうということにならないわけであるから、そういう点は、きちんと責任を持っていくことを事業者と国にしっかり求めていただきたいと思う。
 今回、プルサーマルということで3号機で大幅に燃料の数をふやして、4号機で新たに始めるということであるが、これについて関西電力からの説明と協議の内容をお尋ねする。


◯安全環境部長  このプルサーマルであるが、関西電力は高浜3・4号機に装荷するMOX燃料について、昨年10月14日に4号機の新規制基準にかかる使用前検査を申請した際に、あわせてMOX燃料使用にかかわる使用前検査の申請を行うとともに、3号機への装荷を発表をしている。
 県としては、同日、安全協定に基づいて、それまで未定としていた燃料の取りかえ計画について、3号機にMOX燃料を24体、4号機に4体を装荷するとの年間保守運営計画の変更連絡書の提出を受けている。
 このことについては、昨年11月の県原子力安全専門委員会において、関西電力からMOX燃料製造時の品質保証活動の実施状況等について説明を受けるとともに、燃料の保管状況を現地で確認しているところである。


◯佐藤委員  時間の関係で、まとめてお尋ねするが、これプルサーマルに伴って、新たな国の電源関係の交付金がどのぐらい入ってくるのか。
 それから核燃料税で、普通のウラン燃料と比べて、このプルサーマル燃料を使うことによって、推計で幾らふえることになるのか。今はとまったけれども、とまらなかったらと仮定しての答弁で結構である。


◯総合政策部長  再稼働に伴う新たな交付金というのは、再稼働という事象で交付されるものであって、1年当たり5億円5年間で計25億円で、これはプルサーマルとは関係ない。


◯総務部長  MOX燃料の価格についてであるけれども、プルサーマルの燃料が幾らであるかということについては個別企業の税務情報であるので公表はできない。一般的な話として、プルサーマルに使われる燃料であるMOX燃料はウラン燃料よりも値段は高いと認識をしている。


◯佐藤委員  知事にお尋ねするが、このプルサーマルは常々、普通のウラン燃料よりも安全性の懸念があるということが指摘されていた。今回、福島原発以降、初めて大量にプルサーマル燃料を入れて再稼働するということで、税収はそれなりに大きくふえてくる。危険な燃料をふやして税金の収入が上がるという点では、問題があるのではないか。やはり安全の側に立って、もっと考えるべきではないか。


◯総務部長  プルサーマルについては、国策であるので、資源を有効利用する核燃料サイクルの推進に不可欠であるというところから始まっている問題で、税収とは直接結びつくものではないと思っている。


◯佐藤委員  わざわざ燃料をふやしているから、こういうことを私は質問している。
 福島原発事故の以前と同じ燃料の数なら、こういう質問は出ない。そういうことがあるから質問しているので、そういう点も、疑われるのだということは、明確に指摘しておきたいと思う。

                「福祉行政」


◯佐藤委員  最後に、福祉関係の質問に入る。今、子供の貧困が問題になっている。子供の貧困は、すなわち社会と家庭の貧困ということで、かつて小泉政権の構造改革以来、非正規労働者がふえるなどで、貧困格差が、どんどん日本でも広がっている。安倍政権のもとでも、年金の削減とか、消費税増税とか、さらにそれが広がる方向にあり、家庭の貧困、格差の貧困が広がっている政策だと思う。
 それと、子供の貧困について、福井県内ではいろいろな数字が出ていると思うのであるが、県の推計では、いわゆる貧困家庭というのは何世帯、何人ぐらいという認識であるか。


◯健康福祉部長  県の状況、全国的にも比較できるような数字で紹介する。公的扶助の対象となっている世帯数を一つの指標として捉えると、平成26年7月の統計によると、生活保護受給世帯が県内3,200世帯あるが、その中で、その世帯の構成員となっている小中学生の数というと204人、これは全国的では少ないほうから4番目ということである。高校生であると56人、これは全国から見れば、少ないほうから3番目という状況である。もう少し範囲を広げて、小・中学校において就学援助を受けている児童・生徒の数でいうと5,428名であり、全国的には、少ないほうから8番目ぐらいの数字である。
 先日報道で、山形大学の研究が出ていた。これによると、福井県の子供の貧困世帯、大体3,300世帯ということで、子供のいる世帯に占める割合は5.5%ということで、全国では最も低い率だという報道がなされている。


◯佐藤委員  今、いろいろ数字を出されて、全国では低いのだというお話であった。もちろん全国の率というのも大事であるが、子供は一人一人の人間であるから率が低ければ、要するに5,400人のことを考えなくてもいいというわけではもちろんないので、そこはしっかりやっていただく必要がある。今、県内でも貧困家庭の子供に対する学習支援などが行われている。県や福井市でもやっていると思うのであるが。
 教員OBの有志らによるボランティア活動による無料塾が福井市内で始まって、マスコミでも大きく取り上げられた。私も、先生から具体的な話を聞いたが、例えば小学校6年生の子供であるけれども、父母が離婚をして、その後、お母さんが亡くなってしまった。おばあちゃんが育てているけども、生活も学費も本当に大変で、何とか助けてほしいという話だ。
 小学4年生の子、お父さんがリストラに遭って、もう元気をなくして家に引きこもってしまった。お母さんだけで稼ぎをしているけれども、これもなかなか大変だ、何とか助けてほしいということだ。
 高校1年生の子、中学校でいじめに遭って、不登校になってしまった。母の実家の中学校に転校したけれど、なかなか学校にも行かないため、学力がないので、今、高校生だけれども中学校のときの勉強からやり直しをしたいというお子さん。
 小学校5年生の子、育児放棄に近い家庭で育って、学力が低い。学校では毎日叱られて、叱られて、本当に居場所がない。こういう話をいろいろ聞いた。
 これはごく一部だと思うのである。その福井市内で無料の塾をやっているという記事が新聞に載ったことによって、その教員OBの先生のところに問い合わせが何十件と来た。そのうちの一部を紹介したのであるけれども、先ほども言ったように、パーセントではなく、一人一人見れば親を亡くしたり、親がリストラに遭ったり、学校でいじめに遭って不登校になったり、貧困で学力をつける機会が十分でないなど、こういう状況が、まだまだあると思うのである。
 このような子供の貧困の状態の把握、それから学習支援の対応は一体どうなっているのか、現状の課題認識と、今後の取り組みについてお尋ねする。


◯健康福祉部長  困窮世帯の子供たちであるが、学習習慣が十分に身についていないことも多い。
 学習意欲の向上等が課題となっているので、県また市においては、小中学生を対象に学習習慣の定着など、基礎的なことを含めた学習教室を開催している。これまで学校を通した募集、あるいは市町の児童扶養手当の窓口における案内の配布により周知を図ってきていて、ことし1月現在であるが、学習教室には33教室に280名の方が参加していて、昨年よりふえている状況である。
 また、先ほど指摘もあったように、親の方の状況ということもある。そういった面で親の方の就労支援が重要だと思っていて、県においては、ひとり親家庭の、親の資格取得を支援するために、養成機関等における就学期間中の生活費の支給というものも行っている。
 また、新しい取り組みとして、新年度からは大学等への進学支援をするために、生活福祉資金の教育支援費貸付上限額の引き上げ。また、児童養護施設に入っている高校生の方の大学の受験料や入学金の支給と生活費等の貸し付けといったことで、子供が希望する進路を選択して、将来的に自立することができるようにといった形で応援していきたいと考えている。


◯佐藤委員  ひとり親だけでなくて、仮に二親いたとしても、さっき言ったようにリストラとか、いろんな事情で厳しくなっている家庭もある。県としては広く気を配るというか、政策を配るというか、そういうことでお願いをしたいと思っている。
 それから、繰り返し要求をしているが、子供の医療費の窓口無料化の問題であるけれども、まだ、やられてない県というのは、残り数県ということになってきている。これは国が、ペナルティーをかけているのが一番悪いのであるが、そういう状況でもほとんどの県で実行している。
 なぜ多くの県で実行しているのに、福井県が取り組まないのかという点を再度お尋ねしたい。あと、実際、窓口で一旦、全額払うわけであるが、戻ってくる金額の割合はどうなっているかという点をお尋ねする。


◯健康福祉部長  取り組みがおくれているような言われ方すると心外であるが、全国的に見て、子ども医療費の助成対象を就学前までとしている自治体が34県ある。しかもその中には、所得制限をかけているところもあるが、本県は小学3年生までを対象とし、市町が単独で上乗せをして中3までやっていて、全国的に見て手厚い制度であるということは理解をいただきたいと思う。
 窓口の無料化実施については、委員指摘のとおり国民健康保険の国庫負担金の減額措置によって、市町の負担額が増加する。また、医療費の助成制度との調整、他の医療費の無料化との調整といった課題があって、今、実施主体である市町との協議を行っているところである。
 この課題となっている国保の減額措置については、引き続き全国自治会等を通じて廃止を働きかけているところであるけれども、国において昨年9月から、子供の医療費のあり方について、民間有識者との研究会をされているということも聞いているので、そういった成り行きも、ぜひ注視していきたいと思っている。
 一旦、負担金で払われる金額は16億円である。そのうち保護者に15億2,000万円が自動で償還されるということで、これは自己負担分を取っているということでその部分を除いて100%償還しているという状況である。


◯松井副委員長  佐藤委員の質疑時間は終了した。


◯佐藤委員  もう時間が来たので終わるが、国の委員会も、なかなか賛否両論と言っているようであるから、さらにプッシュしてお願いする。

高浜原発トラブル問題。プルサーマルと核燃料税。使用済み核燃料問題。

2016年05月28日 | 福井県政
2016年3月4日 福井県議会原子力発電・防災対策特別委員会での佐藤正雄県議の質疑を紹介します。

■高浜原発トラブル

◯佐藤委員  安全環境部長の報告にあった、高浜発電所の問題で質問する。高浜発電所3号機、4号機ということで、4号機がトラブルを起こした。部長の報告では大変遺憾に思っているとのことなのであるが、こういう原発のトラブルは、想定内のトラブルなのか、それとも想定外のトラブルなのか、認識を尋ねる。


◯原子力安全対策課長  これは昨日の国会でも、同様の質問があったと思う。原子力規制委員会での田中委員長の発言であるが、原子力の運転について、今後、絶対にトラブルが起こらないという考えで対応するのではなく、むしろ起こることを想定しながら、その都度、安全性への影響を見きわめて、事業者が適切に対応することを確認することが原子力規制委員会としても重要だと。当然、もとより県は、原発立地の福井県に安全神話はないということで、これまで40年やってきているわけである。さまざまなトラブルが起きた際には、厳しく対応していきたいと考えている。


◯佐藤委員  そうすると、想定内のトラブルだとの認識だったわけである。県は、そういうトラブルは想定内だけれども遺憾だということで、見解を表明しているし、今、言われたように、原子力規制委員会の田中委員長も、事業者はもっとしっかりしろと、遺憾だという言葉かは忘れたけれども、事業者を非難しているということだと思うのである。そうすると、規制基準をつくって、この関西電力高浜発電所3号機、4号機は大丈夫である、規制基準に適合していると審査をした原子力規制庁も、そして、県原子力安全専門委員会を立ち上げて、この3号機、4号機の審査をしてきた福井県も、今回のトラブルには責任はないと、今、言っているわけである。悪いのは関西電力なのだ、事業者だけに責任があるのだと言っているということで間違いないか。


◯原子力安全対策課長  さまざまなトラブルに、国としては国の立場で対応すると思うし、県も国や事業者の対応を監視していくことで対応していくということであるので、事業者の責任をということではないと思う。


◯佐藤委員  では、国も関西電力をけしからんと言っている。県も遺憾だと言っている。関西電力は当事者であるから、国や県の責任にするわけにいかないから、申しわけないと謝っているのだけれども、そうすると、このようなトラブルが起こると、悪いのは関西電力であって、国や県は悪くないという考え方でいいのかと聞いているのである。


◯原子力安全対策課長  今回の先月29日のトラブルであるけれども、これは、原子炉等規制法に基づき、10日間のうち、今月9日までの間に、法令に基づいて、事業者が原子力規制委員会に対して文書で報告をする。それについては、原子力規制委員会としても法令に基づき、しっかりと判断し、対応することになっている。そういう意味で、原子力規制委員会がどのような判断、また、対応をするかということは、県としても十分注視していきたいと考えている。


◯佐藤委員  結局、国も県も、こういうトラブルがあっても、私たちは悪くないという姿勢なのである。西川知事を先頭に、国民の原子力に対する信頼を高めなくてはならないと言っているわけだけれども、何かあったときには、結局、国も責任をとらない。国の審査に問題があったのではないかということを検討しようとしない。しているのかもしれない、わからないけれども、とにかく真っ先に出るのは事業者批判である。県も事業者批判である。これはもちろん、関西電力が悪いのである。関西電力が悪いのだけれども、いずれにしても、では、どこで県民、国民の信頼をかち取っていくのか。国が適合性審査で合格を出したのではないか。県も原子力安全専門委員会の審査で合格を出したのではないか。それで再稼働を認めたから、それなりに県民の安心というか、信頼というか、そういうものもつくってきたのだろう。では、国も県も、何かあったときには、我々の責任ではないと繰り返しているようではいけないのではないか。


◯原子力安全対策課長  今回のトラブルであるけれども、安全環境部長の報告にもあったが、発電機側のトラブルとして、今回、主変圧器を保護するために電流量を検知する装置が作動して、原子炉は安全に停止した、そういうシステムが働いたものである。原子炉は正常に自動停止し、環境への放射性物質の影響はない。冒頭で申したように、想定できるかどうかで言うと、こういったトラブルについては、過去起こっているものである。その前提のもとに、安全規制については原子力規制委員会が一元的な責任を負うことになっているので、今回、法令に基づいてしっかりと判断し、その対応をし、事業者にも指導することになるかと思う。それについて、県としても、トラブルが起こったときに職員を現地に派遣し、その後も、事業者だけが記者会見をするのではなく、県も記者会見を開いて、皆さんに情報を説明することで、地元として安全にしっかりと対応しているところである。


◯佐藤委員  法令に基づいて報告し、それに基づいてまた原子力規制委員会が判断するのはわかるのだけれども、何年もとまっている原発を動かす上では、トラブルが起こる可能性が非常に高いことは、当然、関西電力も認識しているし、原子力規制委員会も認識して慎重に進めてきたと思うのである。だけど、結果的にはこういうトラブルを防げ得なかったというのは、どこに問題があるのか。原子力規制委員会の基準にこういうところが入っていなかったのか、あるいは、原子力規制委員会の基準に入っていなくても、事業者としては当然チェックしなくてはいけなかったところだけれども、事業者のチェックが漏れていたのか。その辺は調査中ではあるけれども、県の考え方はどうなのか。


◯原子力安全対策課長  今、委員も言われたように、この案件については現在調査中であるので、そこは今後の調査、それに対する原子力規制委員会の報告への対応ということになろうかと思う。まずは、警報が鳴ったということで原子炉がとまったけれども、その警報が鳴ることによって、大きな事故にならないように、二重、三重の安全装置が働いたということかと思うので、その前提に立って、報告、対応がしっかりなされるものかと思う。


◯佐藤委員  念のために言っておきたいのだけれども、今、課長の答弁を聞くと、安全の側に働いたからいいのだと、放射能が漏れなかったから、安全にとまったからいいのだというニュアンスに受け取られる答弁だと思うのである。そういう考え方は大きな間違いだと思う。当たり前であるけれども、放射能が漏れたら、これは大事故である。だけど、放射能が漏れずに原発がとまったから、それでいいのだという考え方も、私は間違いだと思うのである。これまで福井県内では、たくさんのいろいろなトラブル、事故があったけれども、例えば、5名が亡くなった関西電力美浜発電所の事故も、放射能は漏れていないわけである。しかし、あのような大事故になったわけである。だから、今、石川委員から話があったけれども、「もんじゅ」もナトリウム火災事故があった。あれも、直接は放射能が漏れているわけではないことになるわけである。そうであろう。放射能が漏れたか漏れてないかの判断だけで事故を判断したら、大きな間違いである。違うか。


◯原子力安全対策課長  私が申したのは、放射能が漏れる、漏れないではなく、今回、警報が鳴って、それに伴って安全装置が作動し、それより大きなトラブルを未然に防ぐシステムが働いたと申したわけであって、放射能が漏れる、漏れないにかかわらず、大きな事故につながっていないという事象を申したものである。


◯佐藤委員  大きな事故にならなかったのは当たり前なのである。当然である。大きな事故になったら大変なことである。けれども、このようなミスは、原子力規制委員会の基準が抜けていたのか、原子力規制委員会の審査が抜けていたのか、県の原子力安全専門委員会の審査でこの場所をチェックしていたのかどうかなどを含めて、今、きちんと調査して、情報公開をしてもらわないと、場所は違っても、また同じような原発のトラブルや事故が起こっていけば、今回、たまたま再稼働という時期になったけれども、もう、繰り返し全国ニュースである。このようなことがどんどん重なるようでは、これまでもそうであったけれども、福井県のマイナスイメージである。
 だから、もう少しきちんと、どこに原因があるのか、原子力規制委員会に責任があるのか──そもそも、田中委員長は、原子力規制委員会がそのようなところまではチェックしないと言っているわけである。どうも、田中委員長の発言を聞くと、原子力規制委員会が全部チェックするわけではないと、もう逃げているわけである。そのような細かいところまで、なぜ我々がチェックしなくてはならないのだと、このような乱暴な言い方ではないけれども、そういうことを言っているのである。原子力規制委員会は、事業者の責任でやってくれという態度である。では一体、誰が原発の安全に責任を持つのか。そうであろう。このようなことでは、原発を動かしてはいけないという声はますます強まる。違うか。


◯原子力安全対策課長  今回のトラブルについて、現在、調査中であるが、原因究明と再発防止策の徹底は何より重要であることは間違いないことであって、工程にとらわれず、原子力規制委員会においてしっかりと判断し、対応する必要があると考えている。


◯佐藤委員  県はそう言うけれども、田中委員長は、そのような細かいことまで原子力規制委員会はやっていられないということを、もう少し紳士的な言い方ではあるが、言っているわけである。であるから、福井県からも、国に対してそういう無責任な体制をきちんと正してもらわないといけないし、県自身も、そういう体制が正されない以上、どんどん再稼働を進めていく姿勢を改める必要があるのではないか。


◯原子力安全対策課長  先ほど「もんじゅ」についても、石川委員に対する答弁があったけれども、原子力規制委員会のあり方については、これまで県としても、チェック機関を設けるなど、さまざまな提言を行ってきているところである。そういった原子力規制委員会、原子力規制庁全般に対する効率的な事務、また、住民に対する、県民に対する、地元に対する丁寧な説明は、当然、引き続き求めていくものである。一方で、今回の事案については、原子力規制委員会がしっかりとした原因究明を判断し、対応することが必要かと思う。


■プルサーマル

◯佐藤委員  どちらにしても、国も責任を持たない、県も責任を持たない、関西電力は当事者だから、もちろん謝罪はして、対応はするのだけれども、そういうことでは、原子力行政は国民の信頼をますますなくしていくということは、強く言っておきたいと思う。
 それから、一般質問でも言ったけれども、今回、プルサーマルを認めた。部長の答弁は、もともと認めているのであるとの答弁だったのだけれども、拡大しているではないか。高浜発電所の3号機も燃料をふやしているし、4号機はこれまでやってなかったのをやり始めるし、福島原発事故の前よりも、安全の側に近づくのか、あるいは安全の側から遠ざかるのかで言えば、安全の側に近づくのではない、逆の方向へのプルサーマルの拡大をなぜ認めるのか。おかしいであろう。今、慌ててプルサーマルをやる理由はないのではないか。


◯原子力安全対策課長  高浜発電所のプルサーマル計画については、3号機、4号機ということで国が平成10年12月に許可をしている。その際、県としては安全性を慎重に確認し、平成11年6月に事前了解をしているものである。
 また、今回のプルサーマルについても、原子力規制委員会は3号機、4号機ともにMOX燃料の使用を前提に新規制基準の適合性を確認し、許可をしているものである。


◯佐藤委員  平成10年代の話というのは、福島原発事故以前の話なのである、そうであろう。福島原発事故を受けて、国民の意識も、規制のあり方もがらりと変わってきたわけであろう。もちろん、新しい原子力規制委員会のもとでMOX燃料を認めたと言うけれども、実際に安全の側に近づいた方向ではないわけである。防潮堤をつくったとか、耐震強化をしたとかは、それなりに安全の側に近づいたと言えるかもしれないけれども、プルサーマルの燃料をふやして入れたというのは、安全側から遠くなるではないか、離れるではないか、違うか。


◯原子力安全対策課長  プルサーマル発電については、福島原発事故を挟むけれども、平成22年12月から平成24年2月までプルサーマル発電を行った実績がある。


◯佐藤委員  それは福島原発事故後も動いていた原発の話である。そういうことではなく、この福島原発事故を受けて、新たにこの新規制基準のもとで実際に再稼働する原発としては、大飯発電所3、4号機は再稼働していたけれども、あれは新規制基準ができる前であるから、今回の新規制基準のもとで再稼働する原発としては、高浜発電所3、4号機が福井県では初めてなわけである。そこで、安全だ、安全を強化したと宣伝はするけれども、肝心の燃料がプルサーマル燃料では、大きな問題があると思うのである。
 そこで確認したいのであるが、プルサーマルの燃料は普通のウラン燃料と比べて物すごく高価だとのマスコミの報道があるけれども、その辺の価格を──普通のウラン燃料だとこのぐらいで、プルサーマル燃料だとこのぐらいというのを教えてほしい。


◯原子力安全対策課長  今、手元に資料がない。引き続き調べて、後ほど回答する。


◯佐藤委員  記憶で申しわけないが、たしか朝日新聞だったと思うのだけれども、9倍との報道だったと、要するに9億円ぐらいするとのことだったと思うのである。税務課長に確認であるが、核燃料税はどうなるのか。


◯税務課長  MOX燃料の価格に掛ける形になる。


◯佐藤委員  そうすると、普通の発電をするよりもプルサーマル発電をしたほうが核燃料税は9倍入ってくるということか。


◯税務課長  そのとおりである。


◯佐藤委員  こういうことをやるから、県民や国民から見れば、福井県は金のためにプルサーマルを認めているのではないか、そういう危険な方向に認めているのではないかとも疑われるわけである。燃料も高い、燃料が高いということは、結局、消費者の皆さんに負担がふえることになる。しかし、福井県としては、核燃料税は9倍、懐に入ってくるということだから、国民から見れば、両方、何だということになるわけである。危険だし、何でそんなものをやるのだと、結局は福井県の税収のためかとも疑われるわけである。もっと慎重にやってほしいと思う。部長、どうか。


◯安全環境部長  プルサーマル自身は国策である。平成26年に閣議決定されたエネルギー基本計画でも国として着実に推進していくと、方針が決まっている。福井県は、その国の方針に協力をしている立場かと思っている。その上で、安全性については、平成11年の段階、平成20年の段階、そして新規制基準後の原子力規制委員会の設置許可の審査の段階などで、確か4分の1炉心だったと思うけれども、その範囲内での安全性は確認されていることになっているので、そういった国策の計画、あるいは安全規制の安全確認の結果で、現在の事業者の計画が進められていると認識している。


■使用済み核燃料

◯佐藤委員  関連であるけども、以前も一般質問で尋ねたが、関西電力の11機の原発で、当初の設計のときは使用済み燃料の貯蔵プールの容量が2,300トンであったのを、その後、5,100トンに増強していると、だから、既に福井県内に使用済み燃料を2倍以上置けるようになっているのだとの答弁だったと思う。それは間違いないと思うのだが、5,100トンの使用済み燃料の容量のうち、今、実際に何トン入っているのかということと、一番古い使用済み燃料はもう何年たっているのかを教えてほしい。


◯廃炉・新電源対策室長  関西電力の使用済み燃料プールの容量は、現在、言われるとおり5,100トンウランになっている。このうち、実際の貯蔵量は7割程度、3,000トンウラン強という状況にある。
 一番古いものであるが、手元では承知できないけれども、発電開始直後程度だろうと思う。


◯佐藤委員  発電開始直後というと、40年ぐらいになるわけである。そうすると、使用済み燃料プールには、福井県で発電した使用済みの核燃料が40年近く置いてあるという認識でよろしいのか。


◯廃炉・新電源対策室長  今、別途確認をするが、最も古いものがそうであれば、言われるとおりになるかと思う。


◯佐藤委員  これはある意味では、事実上、中間貯蔵状態というと語弊があるかもしれないけど、40年の年月を仮置きと見るのか、中間貯蔵状態と見るのかはいろいろあるかもしれないが、使用済み核燃料プールの倍以上の増強を認めた時点で、事実上、中間貯蔵状態を認めているのではないか。


◯廃炉・新電源対策室長  言葉の定義はあろうかと思うが、我々として求めている中間貯蔵は、サイト外、県外での中間貯蔵だと思っている。


◯佐藤委員  それはそうであろう。県民から見れば、40年の歳月が短期間とは思わないから、事実上、そこにもう中間貯蔵されている、最終的な処分場あるいは県外の中間貯蔵場ができるまでそこに置かれているとの認識だと思うのである。であるから、今後、そういう問題を県民との関係でどう考えていくのかというのは出てくると思う。
 それから、今、糀谷委員が質問されたように、これから廃炉作業が始まっていくわけである。廃炉作業が始まっていくと、先日、この委員会でも東海村を視察したけれども、日本原子力研究開発機構も、日本原子力発電も、放射能レベルの低いものは地中に埋めるということをやったり、計画したりしているわけである。事業者は福井県ではそれを考えないのかというと、議会の事前説明のときに尋ねたら、事業者としては、それは当然考えたいとの説明なのである。事業者としては、全部県外に持ち出すと言われても、なかなか厳しい面があると、今、東海村でやっているように、放射能レベルの低いものは何とかこの敷地内で処分したいとの思惑があるわけである。今、糀谷委員の質疑にあったように、この辺は明確にしておかないと、事業者としては、全部県外に持ち出すといっても無理だ、最初からわかっているであろうと思っているけれども、県としては、発電は引き受けたが、とにかく福井県では全部だめ、もう一かけらも引き受けないということでは、廃炉作業そのものに影響が出てくるのではないか。


◯廃炉・新電源対策室長  委員が言われるとおり、使用済み燃料、それから放射性廃棄物が適切に処理処分されなければ、当然、廃止措置工程に影響が出ることにはなる。使用済み燃料が出なければ、燃料プールは解体できないし、解体廃棄物がずっと貯蔵されたままでは更地にならないということである。
 今、話のあった解体廃棄物の処理処分に関してであるけれども、我々としてはこれまで、事業者から、構内に埋めたいとか、そのような話は一切伺っていない。あくまで、県外において処分されるものということであるし、また、先ほど来あるけれども、これは全国共通の課題であるので、九州でも、島根県でも起こってくる課題であるし、先行する浜岡原子力発電所でも起こってくる課題であるので、電力事業者間の協力連携をさらに強めてもらって、国の関与も求めつつ、対応すべきものと考えている。


◯佐藤委員  県民の関心も高いし、それから雇用の確保の点でも、廃炉作業のスケジュールを明確にしてきちんとやっていってもらうことも重要だと思うので、事業者との間でそのような認識の違いがあって、最初からずれていると大変であるから、その辺はきちんとして、国と事業者と福井県が明確にしておかないと、廃炉作業も進まないことになってしまうので、よろしくお願いする。再度、要望しておく。


■原子力レスキュー

◯佐藤委員  3月16日に福井市でエネルギー・原子力に関するシンポジウムを開くと部長報告にあったが、これは、参加した県民との質疑の時間も設けられるのか。


◯原子力安全対策課長  これは今、資源エネルギー庁、国のほうでシンポジウムをやるということであるので、国の差配になるかと思うけれども、まず、申し込みのときに事前に質問を書かせ、それに対する回答を当日用意すると聞いている。
 また、質問時間等についても、主催者において考えていることだと思う。


◯佐藤委員  質疑が認められないと、テレビの宣伝コマーシャルなどと変わらないことになってしまうので、福井県も後援して福井市で開かせるわけであるから、それはぜひ、やってもらいたいと思う。
 それから、福井県が今、行政改革プランをつくる中で、県の行政についての県政出前トークを積極的にやろうとの項目があると、総務教育常任委員会で説明を聞いたのであるが、これは原子力行政についても同じ考え方か。


◯原子力安全対策課長  出前トークそのものについては、全庁でどのような考え方にするのかを、各部各課で十分に調整を図っていくものかと思われる。


◯佐藤委員  全庁を挙げて、そのような県政出前トークをやろうというわけであるから、原子力は除くということがないように、再度、要望しておきたいと思う。
 最後であるけれども、原子力レスキューについての話があった。これは電気事業連合会が整備を進めているとのことであるが、今、福島県の原発事故からちょうど5年であるけれども、先もまだまだ大変だと思うのであるが、そういうところも含めてこのレスキューが活動するということでよろしいか。


◯電源地域振興課長  これは、電力事業者から発災のおそれがあると要請があったときに緊急出動するものであって、法律上、そういう発災の事象に該当する事象が発生したときに出動するものである。福島県においても、そのような事象が発生しないとも限らないので、そうした事象が発生した場合には出動するということである。


◯佐藤委員  福島県もあのような状況で、これからいろいろなロボットなどを使ってこの作業を進めていく段階であろうと思うのだが、言葉は悪いけれども、そういうところも含めて訓練を重ねることによって、例えば福井県の原発であろうと、九州地方の原発であろうと、発災したときに応用がきくと考えているのかどうかということなのである。


◯電源地域振興課長  先ほど申した、発災事象であるけれども、原子力災害対策特別措置法第10条の通報事象に該当した場合に、原子力レスキューとして出動するということで、それは交流電源の喪失が30分以上継続した場合であるとか、周辺のモニタリングポストの指示値が5マイクロシーベルトパーアワー以上となった場合に出動する形である。
 訓練については、今まだ検討しているけれども、防災訓練については、こちらから積極的に参加していただくよう、実際に資機材を運ぶ作業や、実際に現地でおろして作業してみるとか、そういったことを事業者にお願いしているところである。




2016.2福井県議会。福井市の工場で膀胱がん多発。プルサーマル。特別支援学校の寄宿舎について

2016年05月28日 | 福井県政
 2016年2月25日、佐藤正雄県議の県議会一般質問と理事者答弁です。


◯16番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 安倍政権のもとで消費税増税、年金削減、医療・介護の改悪、生活保護の切り下げ、非正規労働者の拡大、TPP推進と家族、地域営農の切り捨てなどが進められ、国民の貧困化がさらに進められようといたしております。さらに、安保法制、戦争法で戦争する国づくり、憲法改憲の緊急事態条項では、国会承認なしに法律制定が行われることまで計画しております。こういう安倍政権が仕掛けた地方創生政策が意図するところをよく見抜いて、地に足をつけて県民の暮らしと地域の再生と発展を進めることが、福井県庁と県議会の責務だと思います。

■TPP
 まず、TPPについて質問します。
 アメリカ、日本など12カ国が参加し、関税の原則撤廃などを盛り込んだ環太平洋連携協定──TPPが署名されました。署名された協定は、各国で批准の手続がとられますが、アメリカと日本がともに批准しなければ発効しません。今のアメリカ大統領選挙でも、反対の声が広がっています。危険なTPPを阻止するため、日本の批准を中止させる取り組みが重要な局面です。もともと自民党は、平成12年の総選挙では、TPP反対を宣伝しておりましたが、安倍首相の政権復帰後、わずか3カ月で公約を投げ捨てて交渉に参加をしてまいりました。
 TPPは、交渉中の内容は秘密で、昨年10月の大筋合意後も安倍政権は概要などを小出しにするだけで、秘密交渉の結果を国民に押しつけました。明らかになっている内容だけでも、TPPが日本経済と国民生活を破壊することは明白です。国会は、交渉参加に当たって、米、牛、豚肉など重要5項目を完全撤廃の例外とするよう決議しましたが、5項目の中でも3割の品目は完全撤廃に追い込まれ、残りも関税の大幅引き下げや特別輸入枠などが押しつけられております。農林水産物全体では8割を超える品目の関税が撤廃され、残りの品目もTPPの発効から7年後には、アメリカなどが要求すれば、関税撤廃の協議などが義務づけられています。
 安倍政権は、「日本を取り戻す」などと言いますが、TPP問題を見ても、日本を外国に売り渡す政権であります。
 そうした中で、議会には県の影響試算も出されておりますが、国の試算よりも影響割合を小さくするとともに、米についても専門家に依頼した計算ではなく、大ざっぱな試算にすぎず、実際のところ福井県庁も影響についてはよくわからないというのが実態ではないでしょうか。大前提として、県が16年目の影響としている点でも、TPPは今ほど申し上げましたように、協定発効後、関税撤廃への協議が順次始まる仕掛けであり、従来の協定とは本質が異なります。
 東大の鈴木先生が、「TPPのような徹底した関税撤廃は、強い農業を生み出すのではなく、日本において強い農業として頑張っている人を潰してしまう。米でいえば、日本で1俵9,000円の生産コストを実現して大規模経営している最先端の経営でも、1俵3,000円の米がゼロ関税で入ってきたらひとたまりもない」と述べている事態が迫ってくるわけであります。私は、TPPからの撤退を強く求めるものです。
 そこでお尋ねしますが、福井県として、専門家の協力も得て、もう少し精緻な影響試算を行わないと対策案自体の有効性も疑問になるのではありませんか。見解をお尋ねします。
 また、ふくいの農業、林業、水産業の各基本計画改定内容も議会に示されましたが、TPP対応にあわせるために張り合わせたのでしょうけれども、具体的な展開には乏しい面があります。これでは、本当に福井の農業を将来にわたって支えていく人材育成ができるかどうか、農業ビジネス展開に希望があるのかどうか、輸出拡大というが、その中身はどうなるのかなど、中心課題の具体的な展望が見えてまいりません。
 福井の農業算出額477億円の約7割の336億円がお米です。しかも、その担い手は、圧倒的に兼業農家であり、地域の集落営農体ではありませんか。また、県は、「ポストこしひかり」を開発し、高級ブランドとしての売り込みを図る計画のようですが、越前ガニの「極」のようにはいかないでしょう。国からも、もっと山形の洋ナシのようなものができないのかと指摘されているとお聞きしました。国は、福井の米を煙たがっているのかと疑いたくなります。
 そもそも、福井県でブランド米を生産し、海外や県外に売り込んで、TPPで入ってくる外国産米を福井県民の食卓に乗せていく風景というのは、明らかに異常です。県は規模拡大をうたいますが、北海道を見てもわかるように、構造改革路線の大規模化は、農村の衰退と過疎化を進行させただけでした。北海道の人口は、全国一の減少を続けております。福井でも同じ道を進めば、一層地域の過疎化が進みます。つまり、田畑を守り、農村社会を維持していく基盤がなくなるからです。
 そこでお尋ねをいたします。農林水産部の基本計画で、農村地域に住んで従事する人口、新規就農者はどの程度ふえると考えているのですか。私には、今回提案されたTPP対策とセットの基本計画は、県全体で今取り組まなければならない人口流出、人口減少対策とは全く逆行する政策に思えますが、見解をお尋ねいたします。

■福井市の工場で膀胱がん多発

 次に、労働災害に関して質問いたします。
 染料や顔料の原料を製造する三星化学工業の福井市白方町にある福井工場で、従業員ら5名が膀胱がんを発症した問題について質問します。
 同工場では、40から50代の男性5人が膀胱がんを引き起こすとの指摘があるオルト-トルイジンを扱い、2014年から15年に膀胱がんと診断され、労災を申請しております。オルト-トルイジンは、国際がん研究機関の発がん性リスク一覧にも掲載され、世界的にその危険性は周知されており、ヨーロッパなどでは使われておりません。このような危険物質が、労働者にその危険性が知らされないまま、県民の被害が拡大したことに怒りを禁じ得ません。発がん性物質を規制していないずさんな日本の政府の対応の問題、そして企業の責任が厳しく問われなくてはなりません。
 私は、福井県に対し、今回の労働災害事件について、福井県庁の対応を問い合わせました。ところが、福井県は労働災害への対応は、国が一元的に所管しているため、福井県では調査、対応は行っていないと回答してまいりました。福井県が造成した工業団地テクノポートで、福井県が誘致した企業によって県民にがんの発症という重大な労働災害が起こったというのに、福井県が知らぬ存ぜぬで済ませようとする態度は許されません。何のために企業誘致を進めるのか。県民が、その企業によって健康被害を起こしてもいいのかという、行政活動の基本が問われるではありませんか。とにかく企業であれば、ブラックだろうが何だろうが構わないというのでしょうか。わかっているだけでも5人の福井県民にがんが発症した大事件であります。
 そこでお尋ねをいたします。労働災害は、労働過程が安全であれば、基本的に防げるものです。そもそも福井県として、誘致した企業がどういう製品を製造する会社なのか、その製品またはその製造過程で、今回のように発がん性物質など危険物質を扱う工程はないのかどうか、もし扱う場合には、労働災害を防ぐ予防措置がどのようにとられているのかという基本的な調査、確認の措置を怠っていたのではありませんか。県の見解をお尋ねいたします。
 また、アスベストの被害でも明らかなように、被害者はその工場の労働者だけに限られないおそれがあります。今回の工場でも、発がん性物質が舞い上がる中で換気装置を動かしながら作業をしていたそうであります。ということは、発がん性物質が広く工場の外に排出されていたと考えるのが妥当ではありませんか。アスベストによる肺がん認定では、工場から数キロの範囲で因果関係が認定されております。
 県として、直ちに国とも協議し、近隣の事業所の労働者を含めて、一定の範囲で膀胱がんなどの発症事例があるのかないのか、ほかの地域と比べてその発症割合が高くなってはいないのかなどを念のために調査することを求めます。県民の命と健康を守る立場から、迅速な対応を求めますが、見解をお尋ねいたします。

■プルサーマル

 次に、原子力問題で質問いたします。
 福島原発事故から3月11日で5年となり、6年目に入りますが、原発事故の復旧の道は遠く、土地や住居を奪われた住民の苦悩はますます拡大しています。安倍政権は、原子力規制委員会とともに、高浜1・2号機など老朽原発への再稼働も進めようとしております。
 福井県は、県民への説明会開催と意見交換の場を持つこともなく、高浜原発3・4号機の再稼働を認めました。しかも、福島原発事故以前よりも危険なプルトニウム利用のプルサーマル発電を拡大しようとしています。3号機では、プルサーマルの燃料棒を3倍にふやして、4号機では福島原発事故以前では実施していなかったプルサーマル発電を初めて実施します。
 関西電力や県は県議会に対して、福島原発事故以前よりも安全を重視しているんだということを強調しておりますけれども、肝心の核燃料については、専門家からも、制御棒のききが悪くなるとか、労働者被爆が増大するなどの批判がある危険な方向に拡大しようとしております。実際、福島県の原発事故でも、プルサーマル発電を実施していたところが一番放射線量が高くなっております。
 この点で、今回の再稼働は福島原発事故の教訓を生かしておりません。重大事故時には、普通の発電よりも被害を大きくする危険があるプルサーマル発電の拡大をなぜ福井県は認めたのですか。今からでも、新たに4号機でプルトニウム利用のプルサーマル発電を行うことは、県民の安全最優先の立場から、中止を求めるべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。

■原発輸出への協力問題

 また、ほかの原発立地県にはない危険な役割を福井県は担っていることも重大です。敦賀市にある福井県若狭湾エネルギー研究センター内に国際原子力人材育成センターをつくり、海外研修生を受け入れ、原子力発電の技術的研修、国民に原子力発電を理解させる手法の研修を行っております。福井県の資料では、この5年間で中国、ベトナム、インド、カザフスタン、カタール、スーダンなど、世界18カ国から350名もの研究者や研究生を受け入れております。原発の再稼働と原発の海外輸出を一体で行い、「国際原子力ムラ」、原発利益共同体の一員として、安倍政権とともに原発輸出促進のために相手国の人材育成を担っている状況であります。
 福島原発事故を起こした日本の欠陥技術を世界に拡散すれば、世界中に原発事故の危険を広げることにつながります。しかも、国際情勢の中でその国の政治情勢が変われば、福井県が協力した核技術が兵器転用などに進まない保証はありません。北朝鮮で問題になっているように、人工衛星の打ち上げの技術と攻撃ミサイルの発射技術のベースは共通であるのと同様です。
 西川知事、世界中に核を拡散させるこのような危険な役割からは手を引くべきではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 次に、教育行政について質問します。


■特別支援学校の寄宿舎について

 特別支援学校の寄宿舎についてであります。
 県議会の総務教育常任委員会でも視察を行いました。その役割、重要性について視察参加者が改めて認識したところです。しかし、特別支援学校13校のうち、寄宿舎があるのは6校のみであります。職員は、2000年には正規職員90名、臨時5名だったのが、現在は正規職員69名、臨時26名、非常勤2名という状況です。寄宿舎には209名の子供たちが利用しており、子供たちの自立のため、あるいは通学困難なためなどの理由が多くなっております。
 お話をお聞きした高校3年生の子のお母さんは、「中学校から寄宿舎に入れて6年目、私と重度の自閉症の子供の2人暮らしでした。寄宿舎に入れるきっかけは、医師から、同じ空間と生活パターンでは自立ができませんと言われたことです。宿舎生活の中で好き嫌いがなくなり、入浴、トイレなども改善しました。人間関係でも成長できた6年間でした」と語られておりました。要望として、「現在のお風呂は週2回ですが、毎日入れるようにしてほしい」ということでありました。
 また、中3の子のお母さんは、「中学校2年から寄宿舎に入れている」と。理由は、「スクールバスのルートが変更されて、送迎が難しくなったためです」と。「重度のダウン症で、家にいると同じことばかりしている。寄宿舎では、季節のお風呂があり、クリスマス会などを楽しんでいます」と話されて、要望としては、「トイレはぜひ洋式にしてほしい」ということをお聞きいたしました。
 また、「部屋以外の暖房がなく、お風呂から出たりすると物すごく寒い」と。「生活する場なので1番に考えてほしい」とか、「お風呂がサッシではなく木枠のガラスで、割れたことがある。安全面を強化してほしい」、あるいは、「給湯設備がなく、洗面所にお湯が出ない。子供のあかぎれが多い。泊まりの子は大変だ」とか、「天井から汚水が部屋に漏れてきて、異臭がすることもある。リフレッシュ工事をしてほしい」などなどの声もお聞きをいたしました。
 また、嶺南東では、「どんどん生徒さんがふえています。寄宿舎の部屋まで使って教育をしています。寄宿舎は1人3年間だけしか入れませんよと、こういう期限を設けないと、次の子が入れない、こういう状況です。寄宿舎の増築をやっていただきたい」という声もお聞きをいたしました。
 そこでお尋ねをいたします。教育予算の使い方として、さまざまな障害を持つ子供たちを支える立場で、県の教育施設である寄宿舎に対し、抜本的に強化策が必要ではありませんか。
 せめて、毎日お風呂に入れてほしいとか、洋式のトイレにしてほしいとか、朝の洗面でお湯を使えるようにしてほしいとか、何もぜいたくな要望ではありません。直ちに、親御さんと子供たちの願いに応えることを強く求めます。
 そのためには、寄宿舎内のトイレの洋式化や暖房を含めて、リフレッシュ工事を急ぐべきではありませんか。また、急増する利用希望者に対して、計画的な新設と増築を行うべきではありませんか。子供たちの日常を支える教育現場の貧しい現実こそ克服すべきではありませんか。
 予算配分と教育計画に責任を持つ立場になりました西川知事の責任ある答弁を求めます。

■再任用拒否問題

 次に、再任用を拒否している問題について質問します。
 歴代政権のもとで年金制度が改悪され、支給開始年齢が上がっております。60歳で定年退職となっても、年金はもらえないとか、2年間年金が当たらないとか、空白期間が生じるわけであります。本人が働き続けることを希望すれば、再雇用しなくてはなりません。今後は、この期間がさらに3年、4年、5年と長くなっていくわけであります。
 ところが、福井県では、希望しても再任用しないケースが少なくないとお聞きをいたしました。これが事実なら、役所が先頭に立って、県民の雇用破壊をすることになります。まさに、ブラック県庁、ブラック教育委員会と言われかねません。
 そこで、来月退職予定の人数、再任用の希望を出した人数、うち4月以降も再任用する人数を、知事部局と教育委員会とに分けて御答弁を願います。また、再任用を拒否する理由についても答弁を求めます。


■消費者教育推進計画について

 最後に、提案されております消費者教育推進計画について質問します。
 基本理念では、消費者と生産者、事業者にそれぞれ社会との関係での自覚を促し、豊かで発展し続ける安全で安心なふるさと福井を実現し、将来世代に継承していくことを掲げております。これは、消費者教育が消費者被害の問題にとどまらず、地域経済の循環型経済への移行や地域経済活性化など、地域全体を安全で豊かなものにしていく重要な意義を持つものであるとの認識に立脚するものと考えます。
 そこで、今回この計画策定に臨んだ西川知事としての課題の認識をお尋ねするとともに、今後の推進方向、特に教員研修と教材づくりが重要なポイントとなると思われますけれども、そのスケジュール、そして、仕事を進めようとすれば、その推進体制が必須ですが、県庁の消費者問題部局の拡充と消費者教育の拠点としての消費生活センターの拡充をどのようにするのか、お尋ねをいたします。
 各部にまたがりますので、知事にまとめて明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。

◯議長(仲倉典克君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 まず、安倍政権と県民の暮らし、特に農業について。
 TPPについて、県として、いろいろな影響試算について専門家の協力を得て、より精緻な対応をするのがいいのではないか、対策自体にも影響をするんではないかという御質問です。
 TPPによる本県農業への影響の試算についてでありますが、全国では現時点で18の県がお米を中心に影響をゼロとした国の試算方法に準拠し、影響額を公表しております。それから、他の9県では、県、農業団体がお米について独自の試算方式により算定をしていると、こういう状況であります。
 福井県は、これまで、本県の農業政策のさまざまアドバイスなどもいただいております、東京大学の農業経済学の鈴木先生の考え方を、いろいろアドバイスをいただきながら試算をしているところであります。本県が独自に試算するに当たりましては、他県の考え方や米の販売店、あるいは卸売業者の意見も参考にし、安価な輸入米との競合による価格低下を見込み、県内生産額の約5.4%、15.2億円という影響額を試算しております。鈴木先生の考えは、いわゆるTPPによる在庫量増加による価格低下の影響、また、価格低下が起こることによる次の段階の農家の生産額の影響、こういうものをあわせて計算をし、約16億円余りということになっているわけであります。
 次に、原子力発電の関係でありますが、福島事故が発生し、その後いろんな対応がなされているけれども、日本のこうした状況での技術を世界に広めるといいますか、いろんな人に教育をするというんでしょうか、そういう学習をするという、こういうことについては、いろいろ課題が多いんじゃないかというような趣旨の御質問だったかというふうに思います。
 世界のエネルギー状況を広く見ますと、特に経済成長が著しい東南アジア、あるいは中東の新興国では、増加する電力需要に対応し、原子力発電の導入が進んでいる状況であります。これらの国々が原子力発電を安全に整備し、運用していくことは、もちろんその国にとっても、また世界のエネルギー政策にとっても大事でありますし、安全にとっても重要でありますが、何といっても日本の安全にとって極めて関係の深い事柄でありまして、人材育成のことは喫緊の課題であると考えます。
 原子力に関する技術や安全文化というのは、一朝一夕ではできないことであります。県としては、IAEAなどとの連携をしながら、原子力の先進県である福井県であるからこそできるこうしたさまざまな技術や文化について、今後も国や電力事業者等とともに、国内外の原子力人材の育成拠点として役割を果たし、全体としての原子力安全を向上するといいましょうか、こういう努力をしてまいりたいと考えております。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯議長(仲倉典克君) 総務部長東村君。
    〔総務部長東村健治君登壇〕

◯総務部長(東村健治君) 来月退職予定の人数、それから再任用を希望した人数、うち4月以降再任用する人数、または再任用を拒否する理由についてのお尋ねでございます。
 知事部局におきましては、今年度末に定年退職予定の88人のうち、17人から再任用の希望がございました。希望者に対しましては、これまでの勤務実績や面接による選考を行っておりまして、選考の結果、これまでの知識や経験を生かしていただけるものと考えまして、4月以降は希望者全員を再任用する予定としております。このことから、ブラック県庁と呼ばれる筋合いのものではございません。再任用後は、若手の育成やそれぞれの職場で能力を発揮することを期待しております。

◯議長(仲倉典克君) 安全環境部長櫻本君。
    〔安全環境部長櫻本 宏君登壇〕

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 私からは、2点お答えをいたします。
 まず、福島原発事故から5年に関して、重大事故時に普通の発電より被害を大きくする危険があるプルサーマル発電の拡大をなぜ認めたか、新たに高浜発電所4号機でプルトニウム利用の発電を行うことは、中止を求めるべきではないかとのお尋ねでございます。
 高浜3・4号機のプルサーマル計画につきましては、国が平成10年12月に原子炉設計変更を許可し、県は安全性を慎重に確認した結果、平成11年6月に事前了解をしたところでございます。その後、平成16年の美浜3号機事故を受けて計画が中断しておりましたが、平成20年1月、県議会での御議論や高浜町の意見等を踏まえまして、計画を進めることを了承し、そして平成22年12月から平成24年2月まで、高浜3号機においてプルサーマル発電が実施されたところでございます。今回のプルサーマルにつきましても、規制委員会がMOX燃料の使用を前提に新規制基準の適合性を確認した上で、原子炉の設計変更を許可しております。
 そして、県としては、昨年11月、県原子力安全専門委員会において、関西電力からMOX燃料製造時の品質保証活動の実施状況等について説明を受けるとともに、燃料の保管状況を現地で確認したところでございます。
 次に、消費者教育推進計画について、この計画の策定に当たっての課題認識、今後の推進の方向、そして特に、教員研修と教材つくりが重要であり、そのスケジュールと推進体制、消費者問題担当部局と消費生活センターの拡充をどうするかとのお尋ねでございます。
 県といたしまして、今回の計画の策定に当たりましては、昨年1月から2月にかけて、県民3,000人を対象に、消費生活に関する県民調査を実施いたしますとともに、今回の計画について、県消費生活審議会において検討を進めてまいりました。
 その結果、今回の計画におきましては、消費行動の社会や環境への影響の理解の促進、世代ごとの消費者教育の提供、そして、高齢者の消費者トラブルの対策強化、この三つの課題の解決に重点を置くことといたしました。このうち、教員への研修につきましては、来年度、新たに、消費者教育に関する家庭科教員講座を開設いたしますとともに、児童生徒の教材につきましては、県の消費生活審議会に、教員、研究者を交えたワーキンググループを新たに設置して、教材開発、あるいは指導案の作成を行ってまいります。
 県消費生活センター等の組織、人員体制は、これまでどおり、維持、継続いたしますが、相談員に対する研修を強化するなど、一層資質向上に努めてまいります。
 また、高齢者と特にかかわりが深い福祉分野、あるいは民間事業者の方々等からなる消費者安全確保地域協議会を新年度のできる限り早い時期に設置いたしまして、高齢者の被害防止に向けた体制を強化してまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 産業労働部長田岡君。
    〔産業労働部長田岡卓晃君登壇〕

◯産業労働部長(田岡卓晃君) 私からは、三星化学工業福井工場における膀胱がん発症の問題につきまして2点お答え申し上げます。
 まず、県が誘致した企業がどういう製品を製造する会社か確認をしたのか、発がん性物資など、危険物質を扱う工程はないか、労働災害を防ぐ予防措置がどうとられているかなどの基本的な調査、確認についての御質問でございます。
 三星化学工業につきましては、昭和62年にテクノポート福井に立地した際に、染料、顔料の中間物を製造する企業であることを、提出された書面により確認をしております。その上で、県は、この立地企業に対して、地域社会の発展に貢献することを求めるために、立地協定を締結しております。事業所の中での安全操業のために、労働基準法、消防法などの関係法令を遵守し、万全の予防及び防止措置を講じるよう、確約をさせております。加えまして、事業所の外に扱われる物質が排出されることなどによる公害の発生の防止につきましても、同様の趣旨のもと、公害防止協定を締結しております。
 労働災害への行政の対応につきましては、特定の物質の取り扱いや予防措置を含め、労働安全衛生法等の関係法令に基づいて、厚生労働省が立入調査や措置命令などの権限を一元的に有しております。県としては現在、国がこの事案について調査に着手しておりますので、その推移を注視してまいります。
 2点目といたしまして、これの関連で近隣事業所の労働者を含む一定範囲において、膀胱がんなどの発症事例がないのか、他地域と比べ、大気中の発がん性物質の割合が高くなっていないのか、調査が必要ではないかとの御質問でございます。
 事業所の中での対応として、現在、厚生労働省は、労働安全衛生の観点から、同じ化学物質を扱っている全国57の事業所に対しまして、暴露状況、発症の時期、発生原因などについて調査を行っていると聞いております。まずは、その推移を注視してまいります。
 また、事業所の外への影響の対応でございますけれども、県におきましては、公害防止の観点から、取り急ぎ昨年12月24日に、環境政策課の職員が現地にて、排ガスは排ガス処理施設により処理していること、粉じんは、フィルターにより処理していたことを確認をしております。また、排水は、テクノポート福井浄化センター──下水道でございますけれども、下水道へ排出をされており、廃油は産業廃棄物処理業者へ処理を委託していることをあわせて確認をしております。

◯議長(仲倉典克君) 農林水産部長中村君。
    〔農林水産部長中村保博君登壇〕

◯農林水産部長(中村保博君) 私からは1点、TPP関連でございますが、農林水産部の基本計画では、農村地域に住み、従事する人口、新規就農者がどの程度ふえると考えているか、また、TPP対策とセットの基本計画は、人口減少対策と逆行する政策ではないかというお尋ねでございます。
 新規就農者につきましては、園芸カレッジなど、研修体制を近年充実させておりまして、県内外からの誘致を強化しておりまして、年間90人ずつ確保して、最低90人は確保できるという状況でございます。特に、園芸カレッジにつきましては、県外からのUターン、Iターンありますけれど、全く福井県に縁もゆかりもない方のほうが、逆に生徒に占める割合が多くなっている状況でございます。
 次に、水田大規模化のことでございますが、水田経営につきましては、今、規模の拡大、それからあわせて園芸の導入ということで進めておりまして、少数の生産者、つまり集中して効率的に米づくりを行うというのが基本になりまして、農地を出す兼業農家につきましては、農作業の従事ということで、あわせて園芸を導入しますので、そのネギ、キャベツなどの収穫や出荷作業に携わるという形で農業とかかわっていくという形をとっております。
 これにより、兼業農家にとってみますと、今まで個人負担として非常に重くのしかかっておりました農業機械を個人で持つ必要がなくなりますので、田植え機、コンバイン、トラクターとか、こういうものに関する償還だとか入れかえだとか、そういうような経費を負担しなくて済むというメリットがございます。
 一方、作業収入だとか田んぼの賃料は得られることから、これまでよりも所得をふやすことができるという状況でございます。
 実際にこれが実現している例が、集落営農法人で一例を挙げますと、経営規模が大体43ヘクタールあったものが50ヘクタールに拡大し、あわせて水稲に加えまして、ネギ2ヘクタール、里いも1ヘクタールを導入した集落がございます。これにより、当初、農作業従事者が25人でスタートしたんですが、それが35人にふえております。売り上げが全体で5,000万円から8,000万円増加しております。こういうことで、集落内の従業者数、所得ともふえておりますし、もちろん、集落内の人口につきましては減るということは起こっておりませんので、こういう例が幾つか出ておりますので、そういうものを検証しながら施策を進めてまいりたいと考えております。

◯議長(仲倉典克君) 教育委員会教育長森近君。
    〔教育委員会教育長森近悦治君登壇〕

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 私からは、教育行政について2点お答えいたします。
 まず、特別支援学校寄宿舎などにつきまして、教育現場をよくすべきではないか、予算配分と教育計画との関係も含め、どうしていくのかというお尋ねでございます。
 来年度予算におきましては、昨年末に策定いたしました教育振興基本計画を着実に実行していくため、ふるさと教育の推進、また児童生徒の学力や英語力の向上、教育研究所の移転整備、さらには退職教員と外部人材の活用など、学校現場における新しい課題に対応した予算としているところでございます。
 その中で、学校施設につきましては、これまで、約10年間で110億円の予算で整備を進めてきておりまして、リフレッシュ、そして、特に安全を重視して、耐震工事を優先して行ってきたところでございまして、今年度で耐震が完了する、100%終了するということで、来年度以降は毎年約10億円の予算でもって、建物の経過年数、また緊急度等を考慮しながら順次改修を進め、施設の長寿命化を図っていくという考え方でございます。
 特別支援学校の寄宿舎につきましては、これまで4校について改修を行ってきているところでございまして、残る2校の寄宿舎についても、この改修計画の中で整備を行うことになっているところでございます。また、トイレにつきましては、寄宿舎全体で半数以上を洋式化しているところでございますが、学校からの要望等もお聞きしながら、必要な改修を進めてまいりたいと考えております。
 次に、教職員の来月退職予定の人数、再任用を希望した人数、またそのうちの4月以降も再任用する人数、さらに再任用の考え方についてのお尋ねでございます。
 本年度定年退職予定の教職員は191名でございまして、来年度、再任用を希望した人数は58名、そのうち48名を再任用する予定でございます。教員は、子供たちの教育の基本であるというふうに考えておりまして、再任用につきましても新採用の教職員の計画的な確保の必要、それから校種、それから教科によっては必要数より希望のほうが多いといった場合もあること、さらに、少人数の職種においては、希望勤務地と必要な任用とが合わないということで難しいという、こういうところを踏まえまして面接試験、また勤務地の実績等によって総合的に選考いたしまして、常時勤務、または短時間勤務での任用を決定しているところでございます。
 また、再任用として任用できない場合でも、常勤の講師、また非常勤講師、さらには児童生徒の今学習支援を行うシニアティーチャーなど、退職教員による多方面での学校教育に対する協力をお願いしているところでございまして、そうした面で、ぜひ期待もいたしているところでございます。

◯議長(仲倉典克君) 佐藤君。

◯16番(佐藤正雄君) 2点質問します。一つは、公害防止協定、三星化学との関係ですが、公害防止協定に基づいて立入調査もしたということですけれども、実際、膀胱がんが発生した作業環境で換気扇を回して外へ出ていたというようなお話もお聞きしているわけですが、そういうことはなかったということを、県は確認しているかどうか、このことを1点お尋ねします。
 それから教育長に、今、差でいうと10人が要するに再任用されなかったということなんですが、まだ子育て中の教員の人も再任用されなかった、非常に困っているというようなお話も具体的にはお聞きしているんですが、やはり、基本的に年金が当たらなくなるということですから、子育て中の世帯には大変これは大きな打撃になるわけですね。ですから、やっぱりそういう点でも基本的にはきちんと再任用していくということでやっていかないと、これからどんどんこういう問題というのはさらにふえてきますので、その辺の認識をお尋ねいたします。

◯議長(仲倉典克君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) まず1点目、公害防止協定に基づいて、昨年12月24日に安全環境部の職員が現地に調査に入っております。その際には、この施設内の排ガス処理施設、あるいはフィルターが適正に設置され、稼働していたことを調査、確認しております。また、さらに、これは平成25年8月でございますが、同じ公害防止協定に基づいて職員が立入調査をしていまして、これは抜き打ちで行ってございますけども、こうした公害防止施設が適正に稼働していたことを確認しているところでございます。

◯議長(仲倉典克君) 教育委員会教育長森近君。

◯教育委員会教育長(森近悦治君) 60歳で退任される方なので、今、子育て中というかどうか、ちょっとそこはわかりませんが、いずれにしても、先ほど申し上げたような形で選考しているということでございまして、いろいろ事情があれば、非常勤とか、先ほど申しましたシニアティーチャーとか、いろいろと、その方の勤務状況、働ける状況によって対応ができると思いますので、御相談いただければと思います。

参院選。日本共産党の勝利で危険な「もんじゅ」はきっぱり廃止の政治に変えましょう

2016年05月28日 | Weblog
  1兆円以上の税金投入してほとんど稼働できない原発「もんじゅ」について延命策も検討されているが、延命策を弄しても稼働できる可能性はほとんどないし、万が一稼働したら、ナトリウム事故ではとどまらない危険もある。
巨額の税金投入をつづけて、巨大な危険を準備するのは賢い選択ではない。

 5月臨時県議会でも自民党のもんじゅ延命の意見書に反対討論したが、決断の時でしょう。
参院選でも日本共産党の勝利で、税金の無駄遣い、危険な原発・核燃料サイクル推進の安倍政権に痛打をあたえましょう!


◆NHK・・・もんじゅ 文科省検討会が報告書「国は在り方検討を」

5月27日 19時07分

安全管理上の問題が相次ぎ、新たな運営主体を示すよう求められている福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」について、文部科学省の検討会は、外部の専門家が入る経営協議体を設置することなどを盛り込んだ報告書を取りまとめました。一方で、報告書では、今回の検討会が、もんじゅの政策的な位置づけについて議論したものではないとし、会合の最後に、複数の委員が、もんじゅの在り方そのものを改めて国が検討すべきだと意見を述べました。

「もんじゅ」を巡り原子力規制委員会は去年、運転を安全に行う資質を持っていないなどとして、日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すよう勧告し文部科学省の検討会が議論を行ってきました。
検討会は、具体的な運営主体は示しませんでしたが、27日の会合で、外部の専門家が入る経営協議体の設置や、外部に頼らない保守管理の体制作りなど運営主体に必要な条件を示した報告書を取りまとめ、有馬朗人座長が馳文部科学大臣に提出しました。
一方で、報告書では、今回の検討会が、もんじゅの政策的な位置づけについて議論したものではないとしました。
会合の最後に、有馬座長を含む複数の委員が、日本の今後のエネルギー政策やもんじゅの在り方について根本から改めて国が検討すべきだと意見を述べました。
文部科学省は、今後、具体的な運営主体を検討するとしていますが、こうした根本からの議論を求める声があるなかで、文部科学省の対応が問われています。


報告書の内容は

27日文部科学省の検討会が取りまとめた報告書では、もんじゅの新たな運営主体に必要な5つの用件を上げています。
今回の報告書では、まずもんじゅについて、▽使った以上に燃料を増やす高速増殖炉の技術と▽放射性廃棄物を低減する技術の「中核的な研究開発の場」だとして、原発事故後に見直された研究計画で示された政策上の位置づけを改めて示しています。
そして運営の課題として、▽保守管理をメーカーに依存するなど体制がぜい弱だったことや、▽保守管理への職員の配置が不十分で、電力会社やメーカーからの出向者が持つ知識や技術を定着させられなかった人材育成の問題、▽研究開発が優先され保守管理が十分に重要視されない組織運営の問題など、8つの項目を指摘しています。
そのうえで、新たな運営主体に必要な要件として、運転と保守管理の適切な実施を組織全体の目標と明確に位置づけて、外部に頼らない保守管理ができる体制や、日本原子力研究開発機構にしか存在しない燃料を冷やすナトリウムを扱う技術を引き継いで高度化すること、認可法人などを選択肢に上げて外部の専門家が入る経営協議体を設置することなど5項目を挙げています。
また、検討会で議論した多くの課題は、過去の改革でも同じように指摘されながら、改善が進まなかった背景については、「経営陣と現場の双方に徹底して取り組む意識と仕組みが不足していた」などとしています。


文科相「運営主体の特定作業進める」

検討会の終了後、馳文部科学大臣は記者団に対し、「安全が最優先であることが大事で、それを実行するための運営主体とは何か、専門的見地から指摘を頂いた。これを踏まえ、運営主体の特定に向けた作業を進めていきたい」と述べました。そのうえで、馳大臣は、新たな運営主体を示す時期について、「1日も早くというのが私の本音だ。わが国のエネルギー基本計画に関わる問題なので、関係省庁や、原子力規制委員会など関係機関とコミュニケーションを取りながら、丁寧に進めていく必要がある」と述べるにとどめました。


規制委「十分な議論が行われたのか疑問」

もんじゅの新しい運営主体について、原子力規制委員会は、文部科学省から具体的に示されたのちに検討するとしていますが、田中委員長は十分な議論が行われたのか、疑問を投げかけています。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は25日の記者会見で「もんじゅの安全とは何なのかという議論は少なくともされていないのではないか。炉心の詳しい状態も分からず、勧告に沿った議論がされているようには見えない」と述べ、安全を確保するためのより具体的な検討をしたうえで、運営主体を示す必要があるという認識を示しています。
勧告への回答のめどとしたおおむね半年がたっていることについては、新しい運営主体の明示は容易ではないとして、半年にこだわらないとしつつも、「1年も2年もたってからということではない」と述べています。
勧告では、運営主体が見つからない場合には、安全上のリスクを減少させるようもんじゅの在り方を抜本的に見直すよう求めていて、田中委員長は、「1つの例としては原子炉から核燃料を抜くということがある」と例を示しましたが、具体的な対応は文部科学省が検討することだとしています。


専門家「根本見直し議論なく残念」

文部科学省の検討会で行われた議論について、国の原子力委員会の元委員で長崎大学の鈴木達治郎教授は「もんじゅを含めた高速増殖炉や原子力の研究開発の在り方ひいては核燃料サイクルの在り方を根本的に見直すいい機会で、その議論をしたうえで運営主体を議論すべきだと考えていたが、そういう議論がされなかったことが残念だ。何のために運転をするかがはっきりししないと対策もとれない。発電と研究開発という2つの使命を抱えたまま新しい運営主体ができても同じような問題が起こるのではないか」と指摘しました。

街頭宣伝。再稼働反対金曜行動次回は200回目!ゆきんこ保育共同園総会

2016年05月28日 | Weblog
昨日は、鈴木市議や山田参院比例候補との街頭宣伝。戦争法廃止へ、横山たつひろ候補と比例代表・日本共産党の躍進を訴えました。




 夕方は、再稼働反対金曜行動。199回目です。いよいよ次回は、200回記念!
もんじゅの延命などがはかられようとしていますが、もういい加減にすべきです。
 熊本地震などをみても、人知が解明できていない巨大地震がどこで起こるかわかりません。原発再稼働はやめるべきです。
 次回、6月3日は、こぞって福井県庁、関西電力前でおこなわれる再稼働反対金曜行動にお集まりください。




 夜は、地元のゆきんこ共同保育園の総会に、山田参院比例候補、西村・鈴木両市議とともに参加しました。
山田候補は自らのこどもたちが10年間、ゆきんこ保育園にお世話になった思い出にもふれながら、戦争に向かう政治を変えよう、とよびかけました。私は、安倍政権や福井県がすすめようとしている保育基準の切り下げなどを批判し、ゆきとどいた保育は正規の保育士さんの拡充でこそ、とお話しさせていただきました。



6月議会前の事前説明、電力事業者説明。

2016年05月27日 | 福井県政
昨日は、6月議会前の事前説明や電力事業者説明会がおこなわれました。
各部からの説明を聞くといよいよ議会がはじまるなあ、と感じます。
夕方は、参院選勝利めざす地域訪問活動。野党統一候補の横山たつひろさんを紹介し、戦争法廃止の審判を下しましょう❗️と訴えました。
そして比例代表での日本共産党の躍進への支援を訴えました。
各所で激励をいただき、ますます元気に頑張ります。

北陸信越地域の宣伝デーで福井市でも街頭宣伝。福井大学などに期日前投票所設置。

2016年05月26日 | 福井県政
 昨日は北陸信越地域のいっせい宣伝デー。朝の福井駅頭から福井市内を街頭宣伝でまわりました。サミット、ということで福井駅も物々しい警戒ぶりでした。
街頭宣伝では、わざわざ自宅から出てきて最後までお聞きくださり激励していただく方や、手ふりなど多くの声援をいただき勇気百倍です。
 戦争法廃止へ、野党統一候補の横山たつひろさん、比例代表での日本共産党躍進の意義をうったえました。





  昨日の県民福井。私も県議会で提案してきましたが、大学に期日前投票所設置。いいですね!若い力で戦争に向かう政治を変えよう!
高校でも設置して欲しい、と思います。




●昨年12月県議会での佐藤県議の質疑

◯佐藤委員  18歳選挙権の関係について伺う。先ほど教育委員会の審査の中でも質疑があったが、18歳から選挙に投票できることになることから、ネットで見ると、全国的には大学──福井市長選挙ではエルパなどに投票所をつくるという動きがあるようだが、福井県ではそういう考えはあるのか。

◯市町振興課長(選挙管理委員会書記長)  全国的には、そういう動きが進んでいる。
 投票所を設置するのは市町であるため、まず市町の選挙管理委員会が不安にならないように、1月下旬に先進事例として松山市の選挙管理委員会の方を招いて説明会を開催する。松山市は、愛媛大学と松山大学で期日前投票所を開設しているので、その際の問題点や、こういうことが大変だったという話をお聞きするとともに、今回の福井市長選挙では、福井市選挙管理委員会がショッピングセンターで期日前投票所を開設したので、その辺の苦労もあわせてお聞きする予定である。市町の選挙管理委員会の不安を取り除くことにより、できるだけ有権者の利便を図るため、ショッピングセンターや大学等での期日前投票所の開設が進んでいくものと考えている。

◯佐藤委員  課長の答弁のとおりだと思う。いつも20代の投票率が低いと言われているが、投票所へ足を運ばないから悪いと言っているだけでは、話がなかなか進まない。今回のショッピングセンターや他県での大学、あるいは高校での期日前投票所など、投票してもらうための対策にはいろいろあると思うので、ぜひ積極的に検討をお願いする。

国民、県民の声を聴く議会に。県議会政務活動費の改革が求められます。

2016年05月25日 | 福井県政

  共産党の小池参議院議員の提案で、ALS協会副会長 岡部さんの参考人質疑が実現しました。国民の声を聴く国会でなくては!
あまりに当然の帰結ではありますが、障がい者の方もふくめて一人一人が発言する機会を奪う政治は許されません。

それにしても福井県議会は私が提案をつづけている委員会での請願陳情者の意見を聴く機会をいまだに実行していません。
会議規則で明記されている県民が県議会で意見陳述をおこなう機会を奪い続けていることの改革も必要です。



 県民福井




 赤旗





 もうひとつ、県議会の問題。
兵庫県議会議員の号泣会見でも問題になった政務活動費。
神戸新聞が調査したところ、、交通費や宿泊費とは別に原則「日当」の計上を認めている県議会は、福井、三重、高知-の3県議会だけであることが報道されています。

  議会改革議論でも、私は「議会出席の際の費用弁償もいったん廃止して、実費支給にすべき」と提案していますし、県内、県外の政務活動調査の際にも「日当」は計上していません。海外調査は実施していません。
 あらためて、議会改革議論のなかで全国水準から見ても遅れている税金の使途改革をすすめなくてはなりません。
 

■神戸新聞・・2016/5/23   8議会が政活費から「日当」 都道府県・政令市


 地方議員が政務活動費(政活費)を使って国内外の視察に出掛ける際、47都道府県と20政令市の全67議会のうち、神戸市など8議会が、交通費や宿泊費とは別に原則「日当」の計上を認めていることが22日、神戸新聞社の調査で分かった。神戸市議会では会派による海外視察1回で、政活費から50万円近くが支給されたケースも。東京都の舛添要一知事の高額な海外出張など公金による視察の在り方が問われる中、使途が不透明な日当の支給に批判が高まりそうだ。

 地方議員は管外調査などの名目で、政活費を使って国内外の視察旅行ができる。航空機や鉄道など交通費のほか、宿泊費や施設利用料、通訳の雇用などにも充当が可能。宿泊費などとして支出できる上限は議会ごとに異なるが、多くは自治体職員の出張旅費を定めた条例に基づき、最高ランクの知事や市長の基準が適用される。

 本紙の調査では、政活費を使った視察旅行で原則、会派などを経て議員個々に日当を出しているのは、政務雑費や現地交通通信費などの名称も含め、福井▽三重▽高知-の3県議会と、神戸▽仙台▽静岡▽浜松▽熊本-の5市議会。堺と広島、福岡市議会は、視察にかかった経費の実費精算のほか、議員が希望すれば、日当が含まれた市職員の旅費条例に基づく精算も可能だった。

 神戸市議会の場合、国内視察で政活費から市議に支給される日当は市長の基準が適用され、1日当たり2800円。海外の場合は、渡航する都市によって同1万3100~8100円を上限に支給できると定めている。

 本紙が情報公開請求で入手した同市議会各会派の管外調査報告書などによると、海外視察は2012~15年度の4年間で市議ら延べ84人が実施。政活費から総額約5500万円が支出され、400万円以上の日当が含まれていた。1回の視察の最高額は、13年11月に市議6人と政務調査員1人でオランダとベルギーを訪れた民主会派(14年に分裂)の約642万円。日当は計45万円に上った。

 使途が明確に分からない日当を政活費から支給することに対し、大半の議会は「考え方自体がおかしいのでは」(京都市議会)などと批判的。一方、神戸市会事務局は「職員の旅費条例に基づいて運用しているとしか説明できない」としている。(紺野大樹、小川 晶)

【政務活動費】

 議員報酬とは別に、地方議員の調査研究などに交付されるお金。交付するかどうかは各議会の判断に委ねられており、都道府県、政令市は全議会が交付している。2014年6月末、野々村竜太郎元兵庫県議の政活費支出を巡り、不自然な日帰り出張が発覚。その後、神戸市議会会派の架空委託による裏金化など、不適切な使い方が全国の議会で相次いで見つかっている。

■必要性あると思えず

 政治資金オンブズマン共同代表・上脇博之神戸学院大教授(憲法学)の話

 政活費を使った議員視察は必ず行かなければならないものではなく、観光目的と疑いたくなるものも多い。職務命令に基づく行政職員の出張とは全く性質が異なるし、日当の必要性があるとは思えない。本来、政活費の使途は透明性が厳しく問われるため、実際にどう使われたか分からない支出は認めるべきではない。