昨日は県議会一般質問でした。
コロナ禍で大幅減収となっている医療機関への経営支援を求めたのに対し、杉本知事は、「一つはコロナ患者受け入れで病室を空けざるを得ないのでその部分の補償を国に求めている。もうひとつは受診控えで、これは国全体でどう医療を守るか、ということ。先日厚生労働政務官にも要望した」などと答えました。
また、コロナ禍でバイトをなくした学生への県の仕事で雇う支援について、総務部長は「30名の応募があり、全員採用した。時給は会計年度任用職員と同等の時給900円で適正な水準」などと答弁しました。自民議員からも「900円は安すぎる。せめて1000円に」との声が。
問題になっているコロナ対策を理由にした公共施設利用者の名簿提出問題。総務部長は、「利用者名簿は公文書なので保存期間は最短でも1年。(現在、施設によって保存期間がバラバラなのは)1年とすることを周知する。県では代表者の氏名、住所、連絡先を求めており、個人の名簿は求めていない」などと答弁しました。
福井市のアオッサの利用団体からは参加者全員の名簿提出を求められた、とも聞いています。県や市町で対応が違うのでしょうが、このこと自体、名簿提出にまともな根拠がないことをあらわしています。コロナ対策に悪乗りした不当な集会の自由などの侵害は許されません。
医療機関の消費税免除を求めたのに対し、健康福祉部長は、「診療報酬で補填されていることになっているが公立病院では70%しか補填されていない。自治体病院協議会では100%補填と消費税の還付を求めている」と答えました。コロナ禍で苦しむ医療機関の消費税の扱いは関係者共通の願いですね。
夏休み短縮などでの授業計画でクーラー使用など光熱費の措置を求めたのに対し、教育長は、「子どもたちの健康が第一、クーラー活用を指示した。県立学校には必要な予算を措置する」との答弁でした。よろしくおねがいします!
福井新聞より
■質問内容
1、 コロナ禍の経営・生活支援について
日本共産党の佐藤正雄です。
新型コロナ危機のもとで医療、介護など感染症と最前線で向き合っておられる皆さんはじめ日々がんばっておられるすべての県民の皆さんに敬意を表しながら、この間、いただいた声をもとに質問いたします。
●まず、今回の国と県の事業で医療従事者に5万円から20万円の慰労金支給は、新型コロナ感染症第一波の最前線でご苦労されたみなさんへの気持ちの表し方として大事なことだと思います。
一方、医療機関自体は県立病院でも4月だけで昨年比5億円近い減収となっているとお聞きしましたが、新型コロナの患者を受け入れた医療機関でもそうでない医療機関でも軒並み大幅な減収となって危機的な状況にあることは福井県医師会の発表でも明らかにされました。県立病院に関してはお手元に配布した資料で、いかに県立病院がほんらい果たすべき医療が抑制されたか、明らかです。治療すべきは新型コロナだけではないわけで、このことも今後は十分検討されなくてはならないと思います。
ともかく働いているみなさんへの慰労金とともに、新型コロナで大きく財務が毀損している医療機関本体への財政支援が急務です。これは融資だけでは第二波、第三波を考えれば乗り切れるものではありません。東京などでの試験的な抗体検査結果では抗体をもっている方は0.1%程度です。まだまだ感染爆発の余地があるとみなくてはなりません。だからこそ、ここで医療機関と医療従事者、介護事業所を支えなくてはなりません。
医療現場の医師、看護師、事務職の皆さん方の声もお聞きしてきましたが、「感染の危険のなかで一生懸命に働いても給与やボーナスが減るのでは心がもたない」との叫びであります。今回県議会に請願されている福井県社会保障推進協議会には多くの医療機関、介護事業者から切実な訴えが届けられているとお聞きしました。たとえば、「給与支払いや借入金返済にも影響がでてきている」「事業者の自助努力だけでは新しい生活様式の継続は非常に困難」「収益を減らして継続して運営している状況です。介護崩壊が起こる前に一刻も早く必要な手立てをお願いします」「助けてください」などなどの叫びです。医療機関、医療従事者などに感謝の心とともに、それにみあうものが必要です。
★ そこでおたずねします。
県として国にたいして、歯科もふくめてコロナの影響での減収に苦しむすべての医療機関への昨年比実績での概算払いや診療報酬引き上げなど公的支援を求めるべきではありませんか。また、県独自で医療機関、介護事業所への支援をおこなうべきではありませんか。知事の見解をおたずねします。
★ また、慰労金の支給で院外薬局は対象にならないのでは、ともお聞きしました。もともと政府の方針で医薬分業がすすみました。薬局にも発熱の患者さん含め、来られるわけですから、新型コロナとの緊迫した取り組みは薬剤師のみなさんも同様であります。国の制度設計のなかでカバーできないのであれば、今回は県独自に薬剤師はじめ院外薬局スタッフも対象として慰労金を配るべきではありませんか。おたずねします。
2、安倍政権の消費税増税、月額報酬算定の見直しを求めよ
●ところで、医療機関の経営課題として消費税があります。患者の支払う医療費からは消費税をあずからないのに、医療資材などにかかる消費税納税の負担を負わなくてはならず大きな負担になっています。
たとえば県立病院の消費税納税額は平成22年度約2900万円、8パーセント増税後の平成27年度には約4800万円、10%増税の令和元年度には年度途中の増税ですが
約5400万の消費税額となっています。
★ 医療費には消費税がかからず患者転嫁していない医療機関への支援策のひとつとして暫定的でもこの不合理な医療機関の消費税納税を免除する措置を国に求めるべきではありませんか。それだけでも消費税分を給与やボーナスなどの資金に回すことができるのです。
●つぎに、社会保険料算定の基礎となる月額報酬算定についてです。これは毎年4,5,6月の3か月間の給料や報酬をもとに1年間の標準報酬月額を決めて社会保険料を算定するものです。今回はコロナの影響でこの月の収入が大幅に減少した歩合制などで働く労働者も多くいます。経営者のみなさんは月額報酬算定が下がるとみていましたが、国は7月1日時点で休業要請していない事業者は従前のつまり昨年の4,5,6月の数字を使うとの方針です。
こんな手法ではコロナ禍で会社も労働者の収入も大きく減少している場合でも労使双方が支払う社会保険料負担は変わらないことになります。私が藤野やすふみ衆議院議員を通じて問い合わせたところ、厚生労働省は、「前期の営業収益の落ち込みを補償する制度はない。給与水準が変われば、保険料改定の手続きを取り保険料を下げることができる」との回答です。保険料負担を下げたいのなら、給与を下げればいい、といわんばかりのひどい話しです。
ある経営者の方は「これまで真面目に税金を払ってきて良かったとはとても思えない」と怒りをあらわにされていました。
この会社では年間の社会保険料負担は数百万円だそうですが、むしろこの負担を軽減する方が、1回100万か200万かの持続化給付金よりも社会保険料負担分を回転資金にまわせてメリットがある、と話されました。
★ 中小企業の事業継続支援の観点から、県としても実態にまったくあわない月額報酬算定の見直しを国に求めるべきではありませんか。おたずねします
3、コロナ禍での学生支援を
つぎに学生支援について質問します。
●県立病院で看護実習をおこなう県立看護専門学校では、県外にでてはだめ、でたら2週間自宅待機。県外の親戚の法事にお参りしたら2週間自宅待機になった。アルバイトも禁止でお金が大変。などの状況があるとお聞きしました。
感染症対策で実際の県立病院内に学生から万が一でもウイルスを持ち込ませないための対策だとは思います。
★ しかし、単純に2週間自宅待機ではなく、PCR検査をおこない自宅待機期間を短縮するなどできないのでしょうか。
また、アルバイト収入が重要な生計をしめる看護学生に対する独自の支援金などの支援策をつくるべきではありませんか。たとえば国の休業支援金はアルバイトでも対象になるわけです。看護学生の場合は、アルバイトを休業せざるをえない事情をいわば県の側がつくりだしているわけですから、ここは県が責任をもって、ほんらい受け取ることができる休業支援をおこない、将来の看護の担い手支援をおこなうべきではありませんか、おたずねします。
●また県立大学の前期の学費納期限を5月12日から7月末に延期するとか、学費減免などが提案されており、歓迎します。授業料減免は昨年43人が今年は140人と3倍以上となっていることからみてもコロナによる本人・家族の生活への影響がうかがえるわけです。
福井大学でも国の緊急支援金をうける学生が330人ともお聞きしました。
★ そこで、コロナで生活が大変になっている学生をバイトで雇用することを県庁や教育委員会は打ち出していますが、生活支援での公的バイト創出ではせめて時給を1000円以上にすべきではありませんか。また、民間がこのような学生をアルバイトで雇用する場合に時給1000円以上ならたとえば300円は県が支援するなどの制度創設を提案しますが見解をおたずねします。
4、公共施設での名簿提出と個人情報保護の問題
つぎに、公共施設での名簿提出と個人情報保護の問題で質問します。お手元に資料も配布しました。
県内の公共施設では、コロナウイルス感染症対策として入館の際や、会合の参加者に氏名、住所、連絡先などの名簿の提供を本人や会合主催者に求めるところが増えています。
全国的にも名簿の提供を求めるところ、求めないところ、自治体によって対応はバラバラであり、このことはなにか法的に強制力があることではないこと、任意であることの証左です。
2008年3月の最高裁判決でも憲法13条によって保障された個人の私生活上の自由のひとつとして、何人も、個人に関する情報をみだりに第三者に開示または公表されない自由として確立しています。
つまり個々人が、どういう趣味があるのか、どういう宗教や政治活動に関心があるのか、などについて、これまではコンサートに行っても、ある絵画展を見に行っても、講演会や集会に行っても、名簿化されて施設側に提供されることはなかったわけです。
こういうことに関する個人情報の提供が強制されることは、憲法上の思想信条の自由、集会の自由などへの侵害につながりかねない懸念をふくむと思われます。
しかも、県の施設では、名簿の保存期間はバラバラで、2週間の施設もあれば、1年、3年、5年とコロナウイルス対策を口実に異常に長い保存期間を定めているところまで多数あります。
★ そこでおたずねします。
県の施設で保存期間がバラバラな問題、ましてや新型コロナ対策と称して潜伏期間をはるかに超える長期間にわたり名簿を保存することは、新型コロナウイルス対策とはまったく関係のない悪乗りの措置ではありませんか、見解をおたずねします。
そこで提案します。新型コロナ対策と参加者のプライバシーや集会などの自由の観点を考慮すれば、1つは、個人で入館した方の名簿は施設側で管理し、ウイルスの潜伏期間といわれる15日間程度が過ぎたら処分をおこなうこと、第2に、団体などが主催した催しの場合は名簿などの管理は主催者の責任でおこない、施設側への提供は求めないこと、とすることを求めます。こうすれば、仮にある期日にその施設を新型コロナ感染者が利用していたことが判明した場合、個人には施設側の責任で、団体利用者には主催者の責任で連絡がいきます。団体利用者から感染者がでた場合にはただちに施設側に連絡してもらうことも当然です。このようにすれば、感染症対策と集会の自由など憲法上の要請の両方をクリアできると考えますが見解をおたずねします。
5、教育行政について
つぎに、教育行政について質問します。
●まず、県立学校への1人1台のタブレット配布について質問します。
現場の先生方からは、「いろいろ予算がおりるのはよいが、設定作業やメンテナンス作業もふくめた予算にしてほしい」「環境や設備が良くなれば、それだけ情報担当者の負担が増えます。情報担当者が担うなら、その分加配は必要だし、それより専門の知識を持った外部の方に委託をお願いしてほしい。とにかく現場は今でも人材が足りない」などの声をお聞きします。
さらに貸与ですから卒業後には返却を求めるのでしょう。わたしたちのスマホなどもそうですが、問題は数年間使い続けたタブレットには、膨大な文書や写真、ネット閲覧記録、メール記録などが残されている可能性が高いことです。
現在は情報担当教員が初期化作業を原始的手作業でおこなっているようですが、機器が100台、200台となれば大変な作業です。個人情報漏洩の危険も高まります。
★ 個人情報漏洩などの事故が起こってからでは取り返しがつきません。このようなデータ消去、初期化などの作業は教員任せではなく、県が一括して専門業者と契約すべきではありませんか。
そしてそもそもこのような個人単位の機器を大量導入するのであれば、最初から設定やメンテナンス込みの予算と契約にして、現場の情報担当教員の負担とならないようにすべきではありませんか、見解をおたずねします。
★つぎに夏休みの短縮についてです。
これまで電気代の節約から学校のクーラーの使用に制限がかけられていましたが、夏季休暇中の授業となれば、従来の方針を転換し、熱中症予防のためにも授業中のクーラーの使用制限などはおこなうべきではなく、じゅうぶんな光熱費を学校現場に措置すべきではありませんか、見解をおたずねします。
★つぎに、池田町中学生指導死事件についてです。6月15日、ご遺族が県と池田町に対して損害賠償請求の訴訟をおこされました。
この事件は県内外に大きな衝撃を与えましたが、県議会としても2017年12月議会において、二度とこのような事件を起こさないために、県の教育行政のあり方を根本的に見直すよう求める意見書を採択しました。
県は、遺族代理人からの国家賠償請求する旨の書面にたいして、今年2月に「池田町と遺族の協議を見守りたい」「池田町が国家賠償法上の責任があると認めるのであれば、責任はあると考えます」などと回答したと訴状には書かれています。
そこでおたずねします。県議会意見書で指摘しましたように、この事件は池田町固有の教育行政の責任ではなく、県のそれまでの教育行政全体の責任を問い、是正を求めました。属人的なことでも校長はじめ教員の人事異動や研修は県教委がおこなっています。
その点では、「池田町と遺族の協議を見守りたい」「池田町が国家賠償法上の責任があると認めるのであれば、責任はあると考えます」との説明では、当時の県教育行政についての責任感を感じとることはできません。この点をどう考え、原告側への回答文書の真意はどこにあるのか、おたずねします。
6、コロナ禍での長期ビジョン策定について
最後に長期ビジョンについて質問します。
先日、福井商工会議所でお話をお聞きした際に、「感染症と人類のたたかいは環境破壊への取り組みなど世界全体で取り組むべき。こういう時に国同士が争っている場合ではない。経済界もコスト優先、海外生産からの脱却・見直しを考えることが必要。経済活動も今後変わっていく。そういう点での備えが必要と考えている」とお聞きしました。
新型コロナとの取り組みでは、「先が見えないのは厳しいが、事業転換を考える機会でもある」ともおっしゃいました。
もともと私は、長期ビジョンそのものは、新幹線推進や原発活用などの骨格で賛成できない点があるわけですが、この点を脇においても、ポストコロナを見据えた計画として微調整にとどまるのではなく、大本の理論づけがこれでいいのか、の検討が必要ではないでしょうか。このことは国内外の多くの経営者らも「コロナの前の社会に戻ることはない」との認識をしめしていることからも明らかです。
ゴリラなど霊長類の研究で著名な京都大学総長 山極寿一さんは、「資本主義が利潤をあくまで追求し、そのための自然破壊をためらわない」「コロナ禍のもとで、誰もが資本主義は限界だと感じているのではないでしょうか」とズバリ指摘されています。新型コロナ・パンデミックは、社会のあり方の全体を深いところから問うものとなっています。この時に、従来の発想での長期ビジョンでいいのか、も問われてくるのではないでしょうか。
国と国との経済活動や観光など交流のあり方、企業経営や労働者の働き方、個人の生活様式などなどが今後、数年、10年、20年でどうなっていくかは、少なくともコロナの第二波、第三波が終わったあとでないと十分見通せないのではありませんか。第二波は第一波より被害は大きくなるとの予測もあります。
★議論を重ねてきた長期ビジョンではありますが、コロナ禍の最中に議決を求めるのはタイミングが悪いのではありませんか。また、コロナ禍での原発事故時の避難計画・避難所確保などの不十分さを考えれば、日本科学者会議なども提言しているようにコロナ禍時は原発停止や3密となる作業の中止をふくめたビジョンとすべきではありませんか。
以上、知事の見解をおたずねし答弁を求めます。
■答弁
杉本知事/
佐藤議員の一般質問にお答えを申し上げます。 まず、コロナ禍における経営生活支援の中で、国に対して減収に苦しむ全ての医療機関へ の公的支援を求めるべきではないか、また、県独自でも医療機関や介護事業所への支援を 行うべきではないかといった点についてお答えを申し上げます。 まず、おっしゃられるとおり、このコロナ禍においても、県民の皆さんが安心して医療を 受けられる、介護を受けられる、そういう体制をずっと続けていくのは極めて重要なこと だと思っています。 そういう意味で今回でのコロナウイルス対策などによって生じている医療機関等の減収、 こういったことについても、十分に手当をしていかなければいけないと考えているところ でございます。 まず、医療機関について大きく言うと2つの原因で減収が生じているだろうと思います。 一つは、コロナの患者さんを受け入れて治療をする、そうすることで、例えば病床を空けざるを得ないとか、もしくは手術ができないとか、または救急を停止せざるを得ない、こういった形で直接的な影響を受ける部分というのがあると思います。 こういったものにつきましては、全体としては公費でそこを補塡していくということは必 要だろうということで、これに対しては国に対して要請もしておりますし、県としまして も、今回の6月補正では、とりあえず休床の部分の補償、こういったものもやらせていた だいております。 その他の先ほど申し上げた手術とか、救急停止とか、こういった点の影響についても引き 続き単価の引き上げや診療報酬の見直し等を進めるように国にも申し上げますし、県としても配慮してまいりたいと思います。 もう一つ、受診控えといわれるものについての減収、これは全国一律に広く起きているも のでございまして、コロナの部分につきましても、これは国全体としてどういうふうに医 療を守るのか、こういった点については特に厚労省に対して申し上げていきたい。 先日も自見政務官に直接そういった要請もさせていただきました。 引き続き我々としても努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 介護施設につきましては、主に通所の施設、ここで影響を受けているわけですけれども、 アンケート等を行わせていただいたところ、国において報酬の見直し等も行われている関 係もありまして、多いところで10%前後というような減収になっております。 そういうことで、県としては、まずは例えば通所を訪問に切り替えるときに費用がかかる とか、消毒対策等をするということについての経費がかかる部分に助成等させていただい ております。 またこれが長期化してきたときにどうするのか、国の対応も見ながら県としても検討して いきたいと思っております。 続きまして、長期ビジョンの策定について、この最中に議決を求めるのはタイミングが悪 いのではないかと、また、原発停止とか3密となる作業の中止を含む内容にすべきではな いかといった点についてお答えを申し上げます。 長期ビジョンにつきましては、これまでも御説明申し上げておりますけれども、市町別とか分野別とか、いろんな形で県民の皆さんの御意見を伺ったり、アンケートも取らせていただいたり、また、県議会での御意見も何度も伺っているところでございまして、その都 度できるだけ反映させていただいているところでございます。 また、今回のコロナウイルス感染症の拡大を受けまして、例えばコロナ後、アフターコロ ナを見据えて、一つには分散型国土、こういったものを造っていく必要性がある、さらに は働き方が新しい形になって、働く場所にこだわらないライフスタイル、こういったこと が可能になっているといった点を踏まえて、今回書き直しもさせていただいておりまして、 具体的にも大学とか、それから企業が地方に分散する税制のお話とか、また、新しい働き 方改革、さらには感染拡大防止の具体策等も書かせていただいているところでございます。
一方で逆に、ある意味、地方にとってのチャンスの時期に、やはりビジョンがないままに 物事を進めていくのか、また、新幹線を含めて100年に一度の基盤整備のチャンスを迎えて いるときでございますので、やはりできるだけ早期に長期ビジョンは策定させていただい て、福井県内の、例えばまちづくりや観光地の磨き上げ、こういったものを進めていきた いと考えているところでございます。 原子力政策につきましては、これは安全第一、最優先ということは明記させていただいて おります。 その上で発電所内、それから避難のときの感染リスクということがあるのであれば、これ については個別に十分対応してまいりたいと考えているところでございます。 そのほかについては担当より御答弁申し上げます。
議長/総務部長近松君。
近松総務部長/私からは2点、お答え申し上げます。 まず、県庁教育委員会で学生のアルバイト雇用を行っていることにつきまして、生活支援 での公的バイト時給を1,000円以上にするべきではないかと、それから、民間が雇用する場 合に時給1,000円以上であれば例えば300円支援するなどの制度創設についてということに つきましてお答えさせていただきます。 新型コロナウイルスの影響によりまして、経済的に困窮している大学生などを対象に、事 務補助などに従事いたしますアルバイト、会計年度任用職員でございますけども、これを 15名程度募集させていただきました。 これにつきまして30名応募がございまして、選考の結果、全員を採用するということにし たところでございます。 こちらにつきましての報酬でございますけれども、4月に会計年度任用職員、こちらに移 行いたしました事務補助に従事する職員、こちらのほうと同等の時給900円、これを勤務の 対価として支給しておりまして、水準といたしましては適正な水準ということで考えてございます。 国におきましては、学生支援緊急給付金に加えまして、新たに授業料等の軽減措置を設け たところでございまして、県立大学におきましても独自の授業料減免制度を創設しており まして、学生の継続的な学びというところを支援しているものでございます。 その上で、学生をアルバイトとして雇用いたします「学生版ニューディール」、こちらにつきましても、引き続き、県だけではなく市町・各大学などの御協力もいただきながら展開してまいりたいと考えている次第でございます。 続きまして、県の施設で名簿の保存期間がばらばらであること、また、ウイルスの潜伏期 間を超える保存が対策として適切であるか、また、潜伏期間を過ぎたら処分すること、団 体主催であれば施設への名簿提出を求めないということについてのお答えでございます。 県内の公共施設におきまして収集しております個人情報を記載いたしました文書につきましては公文書でございまして、県の文書規定におきまして、公文書の保存年限につきましては最短でも1年ということで定められているところでございます。 もとより各施設が収集いたしました個人情報につきましては、当該施設の管理運営上の必 要性に基づく判断でそれぞれ管理するというものでございますけども、以前から入館者に 関する情報を収集しておりました施設、そういったものは除きまして、新型コロナウイル ス感染症対策と、そういう趣旨で必要最低限の個人情報を収集し始めた施設につきまして は、できる限り保存年限に違いがないということが望ましいと考えておる次第でございます。 そのため、県が管理いたします公共施設につきましては、コロナウイルス感染症に係ります個人情報の保存年限は1年を目安とするよう改めて周知をいたしまして、また、指定管 理施設につきましても1年を超えているものにつきましては県の取り扱いを参考とするよ う、所管課を通じて周知をしてまいりたいと考えております。 なお、コロナウイルス感染症対策として記入をお願いする様式、こちらのひな形として各 施設にお示ししているものにおきましては、代表者の氏名、住所、それから連絡先を記入 するということになっておりまして、個々人の名簿の提出というところにつきましては求 めていないところでございます。
議長/健康福祉部長窪田君。
窪田健康福祉部長/私からは3点、お答えをいたします。 まず、院内薬局について、慰労金の対象となっていないという状況を受けて、県独自に薬 剤師を初めとした院内薬局スタッフにも慰労金を配るべきではないかという御提案でございます。 この国の新型コロナウイルス感染症に対応します医療従事者への慰労金交付事業につきましては、まず、病院、診療所、それから訪問看護ステーション、それから助産所、ここが 対象になっておりまして、こちらに勤務される医療従事者の方は交付対象とはなっており ますけれども、おっしゃいますように薬局は対象外ということでございます。 この制度が明らかになりましたときに、私どもは国に、どうしてこういうふうになっているのかということを尋ねております。 それに対しまして国の御回答は、薬局での患者さんへの対応というのは、今上げましたほ かの機関では直接患者さんに触れて対応するということがあるんだけれども、院内薬局で は直接患者さんと接触する、お話はするんだと思いますけれども、接触するということが ないという、そういう意味で感染リスクであるとか、精神的な負担が軽いということで除外したと、そういう御回答を国のほうからいただいているわけでございます。 今回の福祉施設も含めて、慰労金の考え方の、基本的な考え方はこういうところにあるの であろうかと、私どもとしては理解をしているところでございます。 これとは別に、6月16日に国の感染拡大防止等支援事業の概要というのが明らかになりましたけれども、この中で、こういう院外薬局を含めまして、薬局で今年度に入ってから感 染防止対策のために費用が生じた場合には、1施設当たり最大70万円の給付ができるとい う概要が明らかになりました。 こうした制度を、まず、県内の薬局の皆さんにお知らせをしていくと。 県独自の慰労金ということではなく、まず、この制度を広める、活用の周知ということか ら始めていきたいと、そういうふうに考えております。 次に、消費税を患者転嫁していない医療機関への支援策、消費税の納税を免除するような 措置を国に求めるべきではないかというお尋ねでございます。 御指摘の中にもありましたように、患者さんが支払う医療費は診療報酬に基づいています が、これについては非課税、消費税がかかっていないにも関わらず病院はいろいろものを 購入するというときには消費税を払わなければいけないということで、その負担をどういうふうにするのかという問題だと思います。 医療機関における消費税負担につきましては、制度的には、診療報酬の中で一部補塡されているというような算定方法になっているように伺っております。 けれども、平成28年度、ちょっと古いですが、国が行った調査によりますと、その補塡割 合は病院全体では平均約85%程度ということで、残りの15%は病院が負担しているという 状況にございます。 特に公立病院におきましては比較的、民間に比べて外部委託というものが多くなっており まして、そういう場合には、先ほど85%であった数字が70%ほどしか補塡されていないと いう状況になっておりまして、より公的病院の負担というのが大きくなっている状況にご ざいます。 こうしたことから、全国自治体病院開設者協議会というのがございますが、こちらのほう で従来から診療報酬による100%の補塡、それから、場合によっては病院が支払っている消 費税の還付など、そういう抜本的な税制改正の要請をしてきております。 全国の自治体病院開設者はたくさんございますので、こういったところと手を組みながら、 県としても引き続きこういう要請は国に対してしていきたいというふうに思っております。
3点目、県立看護専門学校の話でございます。 県外に出た学生の自宅待機の期間を短縮できないのかと。 それから、看護学生に対する独自の支援金、アルバイトができないということで、設ける べきではないかというお尋ねでございます。 県立看護専門学校の学生につきましては、実習先の医療機関がございます。 これは実習***ございますけれども、そこにおける院内感染、リスクの多い方がたくさ んいらっしゃいますので、それを防止しなきゃいけない、それが第一義的にございまして、 現在も、原則として県外の往来を自粛していただく、それから3密を避けるというような ことを指導しているという状況でございます。今回の第1波の間、看護専門学校では、法事に行かれた方、それから就職支援のためにや むを得ず県外に出ざるを得なかった方、そういう方が合わせて4人いらっしゃいました。 2週間の自宅学習をお願いしたわけでございますが、その期間中は個別に電話で先生方が 指導していただいたり、授業の資料をお送りしたりするなどして、学習に遅れが出ないと いうことをまず、配慮していたわけでございます。 それから、御指摘のありました学生のアルバイトでございますけれども、これも実習先の 医療機関においての院内感染ということも一番このフェーズの中では大切でございますの で、原則禁止としておりました。 禁止に当たりまして、経済的事情からアルバイトをしている学生さんたくさんおられたわ けで、学生全員、119人ですが、在学生全員にそういったことで不安、心配はないかという 確認を取りまして、その中で6人の方が非常に困るというお話がございましたので、個別 面談を行ってどういうふうに解決していくかというようなことを先生方が相談に応じてい るという状況でございます。 現在、そのうちの1人につきましては、授業料減免の申請手続に関する相談が始まっているという状況でございまして、今後も学生の皆さんの状況に応じてしっかりと対応していきたいというふうに思います。
議長/産業労働部長吉川君。
吉川産業労働部長/私からは1点、社会保険料の月額報酬算定の基準の見直し、つまり中 小企業の社会保険料減免を国に求めるべきではないかという御質問にお答えいたします。 国におきましては、社会保険料の費用負担軽減につきまして、社会保険料が事業者と被用 者全体が納める保険料によって成り立っている制度でありまして、制度を持続的に維持し ていくためには、そうした点を十分に留意していく必要があるという国の見解でございま す。 その上で、国は、新型コロナウイルス感染症の影響による事業者の負担に考慮しまして、 令和2年2月以降の任意の期間において、収入が前年同期に比べ概ね20%以上減少してい る事業主に対しまして、厚生年金保険料の納付を1年間猶予する特例を設けております。 特例の対象につきましては、令和2年2月1日から令和3年1月末までに納期限が到来す る保険料でございまして、担保の提供は不要、延滞金もかからないため、県としては、こ の特例措置をまず、ぜひご利用いただきたいと、こういうふうに考えてございます。
議長/教育委員会教育長豊北君。
豊北教育長/私から、教育行政について3点お答えいたします。 まず、個人情報漏洩防止のため学校タブレットのデータ消去、初期化などは一括して専門 業者と契約すべきではないか、また、個人単位の機器を大量導入するのであれば、最初か ら情報担当教員の負担とならないようにすべきとのお尋ねでございます。 県立学校に本年度整備するタブレット端末の初期設定につきましては、業者に委託することとしているため、学校では設定等の作業を行う必要はありません。 また、端末を紛失したときの使用制限やパスワードの再設定などの端末管理につきまして は、生徒一人一人の端末を直接操作することなく、教職員が手元の端末で一括して操作で きる管理ツールを導入することとしておりまして、学校の教職員に過度の負担が生じない ようにしております。 なお、学習内容等の個人情報につきましては、端末のハードディスクではなくクラウドに 保存するため、端末を使用する生徒が変わった場合であっても、従来のような初期化作業 は必要なく、また、端末からの情報漏洩のリスクも低いと考えております。 2点目は、夏季休暇中の授業となれば、熱中症予防のためにも充分な光熱水費を学校現場 に措置すべきとのお尋ねでございます。 各学校では、感染症対策として、授業等での発言や会話時のマスク着用、また、換気の徹 底等を実施しているため、例年以上に子どもたちは暑さを感じていると考えられます。 このため、子どもたちの健康を第一に考え、必要な空調を稼働させることが重要であるこ とを県立学校、市町に周知しております。 特に、今年度はエアコンだけでなく、特別教室や体育館にスポットクーラーや大型冷風扇 などを新たに設置することとしており、例年以上の電力需要が見込まれるため、県立学校 につきましては、今後、毎月の電力需要を注視しながら、必要な予算を措置してまいりま す。 3点目は、池田中指導死事件に関して、遺族代理人からの国家賠償請求する旨の書面に対 する今年2月の回答は、県教育行政の責任をどのように考え、原告側への回答文書の真意 はどこにあるかとのお尋ねでございます。 平成29年3月、池田中学校で尊い命が失われたことは大変残念であり、あらためて生徒の 御冥福を祈り、哀悼の意を表します。 県では県議会の意見書や遺族の要望を受け、研修の充実や学級運営に関する指導書の改訂 等を通して、さらなる生徒理解に向けて教員の資質向上を図ってきました。 また、今年度から中高生がいじめなどについて気軽に相談できるSNSを活用した相談窓 口を開設します。 新たに策定した福井県教育振興基本計画では、「引き出す教育」、「楽しむ教育」の推進 を掲げ、教職員の働き方改革にも取り組んでおります。 今年2月の遺族側からの文書では、損害賠償に関し、「池田町は、国家賠償法第1条1項 に基づく損害賠償責任を、また、教職員の給与等を負担している福井県は、同法第3条1 項に基づく損害賠償責任をそれぞれ負う」と記載されておりまして、第一義的には池田町 の責任を問題としていたことを踏まえて、県としても損害賠償についての回答を行ったところであり、遺族には引き続き丁寧、誠実に対応してまいります。
佐藤議員/時間が終わりましたので、これで終わりますが、引き続き委員会等でまた要望 していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。