2022年9月29日 佐藤正雄委員の予算決算特別委員会での質疑です。
◯佐藤委員 日本共産党の佐藤正雄である。
最初に、今日お配りした資料について、資料1というのが9月10日、11日にオール福井反原発連絡会の皆さんが美浜町のほぼ全戸に配布をして返送されたアンケートの一部、意見書欄の一部をコピーしたものである。
資料2が美浜3号機の1次冷却材ポンプの封水注入フィルターからの放射能を含む水が7トン漏れた事故についての資料であるが、「パラメータ」と書いてあるものと漏えい水の放射能量の評価、これは関西電力が県に提出した資料である。
その上の現場確認、県の職員の方が現場確認されたというのは、これは県の資料ということなので最初に申し上げておく。
それで、福島原子力発電所の事故から11年であるが、依然として全く後始末が進まない。数万人の方が避難生活ということで苦しい状況が続いている。福島事故を受けて原子力の推進と規制を分けるということもあって原子力規制委員会ができたわけだが、私の目から見ると、高浜1、2、美浜3、福井原発、特例の場合には1度に限って20年運転延長を認めるというような規則なのだが、全部、申請された3基も認めてしまうと。本当に規制の役割を果たしているのかという思いもあるが、知事はこの原子力規制委員会、10年ということで評価する点、あるいは改善を求めたい点はどういうことがあるか、尋ねる。
◯安全環境部長 原子力規制委員会の評価、改善を求めたいということで、私のほうからお答えする。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、本県をはじめ立地地域からは国に対して、事故の知見を生かした基準をつくるよう重ねて要請を行った。こうした要請を踏まえ、原子力規制委員会は、新規制基準を作成し、厳格な審査、検査を行ってきたものと考えている。
一方で、規制委員会が、国民の理解と信頼を得るためには、審査や検査の結果等について、より積極的に分かりやすく説明を尽くすべきであると考える。
また、原子力施設の安全性向上させるためには、事業者と十分にコミュニケーションをとって実のある審査というか検査を行うということに努めていただきたいと思うし、国内外の新たな知見を集めて第三者の意見等も踏まえながら、基準の見直しなど安全規制の改善にさらに努めていく必要があると考えている。
さらに、現場の安全というのが我々としては何よりも重要であるので、現地の規制事務所の人員体制の強化を図っていただきたいということを今年度も要望しているところである。
◯佐藤委員 それでは今、資料の紹介をしたが、先日、8月1日に美浜原子力発電所3号機での水漏れ事故が起こった。それで、県の原子力安全専門委員会の開催について、本会議での代表質問に答えて、知事は「この問題でも原子力安全専門委員会を開く」というような答弁があった。
しかし、これ順序が逆ではないかと思う。事故調査が終わって、もう運転再開を認めてしまっている。知事のもとにも関西電力から2度にわたって、多分、同じよう資料、8月10日に美浜発電所3号機、異常時発生連絡というのが知事宛に出されている。
それからその後、8月25日に美浜発電所3号機、異常時集結連絡というのが関西電力の事業本部から知事宛に出された。2回にわたって出されている。
だからこれが出た時点で、すべきだと思う。検討して原子力安全専門委員会を開くというのであれば、これが出された時点で県はこの内容がどうなのかということを検証すべきであって、既に運転を始めてしまった後に、原子力安全専門委員会を開いて検証するというのでは、順序が逆ではないかと。
なぜ審議の前に関電の調査報告を了解したのか。もし運転中の事故なら、さらに深刻な事態になっていたという認識は知事にはないのか。
◯知 事 美浜3号機の水漏れのトラブルについては、これはもともと規制の関係、それから運転を止めるかどうか、こういったことについては原子力規制員会、規制庁の所管であるわけである。
その中で、原子力規制庁は、今回のトラブルについては施設の安全性に大きな影響がないということで、トラブルの報告案件の対象外として扱っており、現状、ちょうど今くらいに現場の検査を行って、関西電力の対応を確認している状況である。
こうした中、福井県としては、県民の安全・安心の観点から、関西電力を呼びまして事情について確認をさせていただいているところで、原因と対策、それからこういった事象が同じような状況にあるところがほかのプラントにはないかといったことの確認をさせていただいて、私どものほうから作業員に対する安全意識の徹底、それから現場力の向上などの申し入れもさせていただいた。
いうならば我々は規制庁がやっているその中で、さらに安全・安心度を高めるために作業をさせていただいているというところである。
今後、県の県原子力安全専門委員会を開催させていただき、今回の関西電力の対策、それから規制庁の対応についての確認を行っていきたいと考えている。
◯佐藤委員 今回の事故というのは、原子力規制庁は安全上、大きなものではないという判断をされたということであるが、それは規制庁の判断であり、一方で県民の立場になって県がどう判断するかということがあると思うが、これ実は昨年4か月間、異常な状態のまま運転していたわけだが、この資料の2枚目のパラメータという数字を見てもらうと、今回、原子力発電所を運転して本格運転の前に準備を始めて出力の上昇が始まって、ほとんど同時にすぐに警報が発令して破断が分かったという関西電力の資料になっている。
問題は、去年4か月間運転しているときは、本当に全く亀裂も何も入っていなかったのか。破損も全くゼロだったのかといったら、これは実際には分からないわけである。だから、県民からしたらもし去年の4か月間、運転している最終版に破損していたらどうなっていたかという問題があるわけである。
ですから、そういう点で考えると、今回は運転の準備のときに破損したと。しかし仮に去年の4か月間、運転している途中に破損したらどうなっていたかということは、これは県としても当然、影響は検討されたと思うが、実際に起きていれば、もっと重大な事態になっていたのではないか。
◯安全環境部長 今回のトラブル、資料の紹介もあったが、関西電力は美浜3号機については原子炉起動に向けた試験の準備をしていた状況であって、この一次系統の圧力については運転の状態に近いところまでは上昇していたという状況で発生したものである。
規制庁は、先ほど申し上げたように、施設の安全に影響はないということでトラブルの報告の対象外としているところである。
また、運転中であるが、これは規制庁は2020年度から検査体制というのは変えており、運転中のパラメータだとかプラントの状況については、規制庁の検査官は日々、原子力発電所の中に立ち入って異常がないかを確認するという体制になっている。
今回のトラブルについても、日々の確認の中で規制庁が運転パラメータなどを確認しているということかと考えている。
◯佐藤委員 それはそのとおりだと思う。もし昨年の4か月間の運転中にOリングというかその部分の部品が破損していれば、同じようなことになったわけであるので、異常警告が出でいるので、そんなものパラメータを見るまでもなく分かるわけである。
私が言っているのは、そういう去年の4か月間の運転中にこういう破損をしていたら、ここに放射能の評価があるけれども、放射能の評価も厳しいものになったし、深刻なものになったのではないかという質問である。
◯安全環境部長 運転の間に様々なトラブルというのは、これまで50年近くにわたり我々、経験しているところである。
今回と同じような箇所においても、過去においてはトラブルが発生したこともある。その際においても、同様に今回のように水漏れが発生したということについても、警報が鳴り、水漏れの箇所を特定して一定の範囲の中で規制庁、その当時は保安院かもしれないが、基準の範囲の中で水漏れの量が止まって、その当時の保安院も安全上、重大な事象ではないという判断をしているところである。
◯佐藤委員 私が質問したのは、関西電力が出しているこの漏えい水の放射能量の評価の値が今回のように本格運転前の準備の段階に破損した場合と、運転中に破損した場合は、当然、この評価の値は変わるではないかと言っている。
◯安全環境部長 軽々に推測では申し上げられないが、先ほど申し上げたのは、今回、原子炉起動の準備として一次系統の圧力も運転に近い状況まで上がっている中で起きたものということであり、その中でも漏えいの原因などを特定して漏えいを止めたということで、安全上、重大なトラブルの事象ではないというふうなことで今回、対象外となったということである。
◯佐藤委員 なかなか答えにくいかもしれないが、先日も市民団体の方がそちらの職員の方と申入れして話をしているときには、原子力安全対策課職員の方は正直に、運転中に同じような事故が起きれば、放射能のこの評価は当然、高くなるということでお答えになった。
なぜそういうことを県民から隠そうとするのか。そういう科学的に基礎的なことまで隠そうとするのか。いかにも小さく見せよう小さく見せようとするのか。それが結局、原子力安全専門委員会も開かずに大した事故ではないということにしてしまい、運転再開を了解してしまうということにつながっている。やはりもう少し県民の立場で厳しく厳しく、安全の側に立ってチェックをするというのが県の仕事ではないか。
◯安全環境部長 想定では申し上げられないので、県の原子力安全専門委員会についてはこれまでも様々な専門家の方から意見を伺うために、ある程度、定期的に開催しているところであり、今後、開催する専門委員会においては、これは今回の水漏れ以外でも様々なトラブルが起こっているので、ほかの案件も含めて専門家の方の意見を伺いたいと考えている。
◯佐藤委員 今回はたまたま僥倖と言うとあれであるが、運転中ではなかったということで、ある意味では深刻な環境に、放射能が放出される深刻な影響が出なかったということだと思う。だから県の原子力安全専門委員会ではその辺も含めてきちんと検証はしていただきたいと思っている。
それで、お手元に配った資料の県の資料なのだが、8月1日月曜日に18時30分から21時30分、トラブル発生日に2人の職員の方が漏えい現場の確認をされということになっている。これはどういう確認をされて、どういう内容で部長等が報告を受けているのか。
◯安全環境部長 これはトラブル発生当日の夕方であるが、どういう状況にあるのかということを担当者を派遣して現場の聞き取りを行ったということで行かせたものである。
◯佐藤委員 不思議なのは、県の原子力安全対策課というのは「もんじゅ」のナトリウム漏れの事故隠しのときにも現場に入って、当時の動燃がきちっと情報公開しなかったということを調べて、それをマスコミさんとかにも公表して明らかにするということで役割を果たされた課である。今回こういうことで調査に入りながら、マスコミに対してはこういう調査をしてこういう結果だったというのは、発表されないというのはなぜかということ。
併せて、市民団体の方が後日、原安課に対して申し入れした際にも県の職員が立入調査をしたということを説明されない。隠されたというのは何か理由があるのか。
◯安全環境部長 8月16日であるが、関西電力から事故の原因と対策ということで、これは私のほうに報告があり、それはマスコミオープンの中でいろいろな対策を聞いている。
その後も、起動する際には県の原子力安全対策課がマスコミの方に対してプレスでいろいろ説明をしているところである。8月1日に入ったということそのものを、その日に入ったということをこれまで逐次、報告しているということではないと思う。
◯佐藤委員 報告していることではないということだが、市民団体の申入れの際に、県の職員が立ち入ったのかということで質問しても、そのことを隠されたのはなぜなのか。
◯安全環境部長 そのときの状況、私は十分に承知してないので、今、正確な回答ということではないと思うが、立入調査ということと現場の確認ということと、どういうふうなやり取りだったかということはちょっと承知していない。
◯佐藤委員 関西電力のいろいろな事故、トラブルがある。それに対して県が県民の立場で調査に入る、これは当然だと思う。その際にやはり県としてこういう調査をしますよということは、マスコミに公表してもよい内容だと思う。ましてや市民団体から「県は調査に入ったのか」と聞かれたときに、「こうやって調査に入りました」ということをなぜ言えないのかというのが素朴な疑問である。
だからなぜこのお仕事をされているのに県民に対して説明しない。あるいは隠すとか。隠さなくてはいけないような事情があったのか。逆に県民内で不信がわくわけである。関西電力への不信とともに県の原子力行政に対する不信がわくわけである。だからそういうことのないようにこれはお願いしたい。
それで、関西電力の対応について、原発問題に取り組む住民運動への関西電力の対応というのは、要望書を原子力事業部に持っていっても社員の方ではなくて警備しているほかの会社の警備員さんに受け取らせるなど、真摯に向き合う姿勢に欠けているという批判があると聞いている。
それから、今回の美浜3号機水漏れ事故の際に、日本共産党国会議員団2人から「調査に入りたい」という要請を出しても、2週間放置し、事実上調査を意図的に妨害したとしか思えないこういう態度が関西電力にあると聞いている。
関西電力のこのような姿勢からは、11名の死傷事故を起こした美浜3号事故や森山マネー事件の反省は感じられないと、私は思う。県はこのような傲慢ともいえる関西電力の態度で国民県民の信頼を回復できると思うか。
◯安全環境部長 事務的な調整などそれは様々なことがあろうかとは思うが、トラブルが起きた際には、その原因究明を最優先に行うことはもとより、県民の方の様々な不安に対して、丁寧に説明していくことは大切なことだと思う。
関西電力においては、当然、発電所の安全、安定運転を積み重ねるとともに、県民の理解、信頼が得られるよう、丁寧に対応していく必要があると思う。
◯佐藤委員 部長はそうやって「丁寧に対応すべきだ」とおっしゃる。それは当然だと思うが、現実問題、市民団体さんからは非常に不信感があるわけである。1回だけというわけではなくて。だからもう少しきっちり向き合う。県庁の知事のほうを向いて丁寧に説明するだけではなくて、もっと県民・市民のそういう不安を持ってる人たちに対しても丁寧に説明する姿勢が必要ではないのか。
◯安全環境部長 8月16日もそうであるが、関西電力から様々な公の報告を受けたときに、しっかりとした安全管理をするようにと、我々から申し上げているところである。
その一環として、しっかりと説明、対応していくということはこれまでも申し上げているところではあるが、今後、様々な機会にまた事業者のほうに求めていきたいと思う。
◯佐藤委員 ある大臣の言葉をそのままかりると、岸田政権は「使える原発は使い倒す」という考えで、現在、1度だけ認められている40年超運転、60年運転、これを60年よりさらに延長することも検討していると報道されている。
この考え方は安全最優先とは全く逆だと思う。知事として県民安全最優先なら、この60年を超える、70年とか80年とか、そういう運転は認めないということを早く、立地の知事としては表明すべきではないか。
◯安全環境部長 原子力発電所の運転期間については、古くなれば安全性が損なわれる可能性も高まるというのが一般的な認識ということのお話があり、この議会においてもほかの議員の方からも心配の声というのは出ているかと承知している。
このことについては、運転期間の延長というのはどういうふうなことを意味しているのかというふうなこともはっきりしないわけであり、それを明らかにした上で、これは原子力の安全に責任を有している国において、これは科学的・技術的な根拠をもとに、規制当局も含めて十分に議論をすべきであると考えているところである。
このことに関して、昨日、規制委員会が行われているわけであるが、山中新委員長は、「運転期間が原子炉等規制法に規定されていることとの関係で、原子力規制委員会としてもどのような対応が必要になるのか。経年劣化に関する安全規制をどのようにするのかなど、委員会全体として議論をしなければならないと考えている。したがって、利用政策における対応の方針などについて、資源エネルギー庁からしっかりと説明を聞いておく必要がある」というふうなことを規制委員会の中で発言されている。
今後、国においてしっかりと議論される必要があるというふうに考える。
◯佐藤委員 国が議論するのは自由であるが、立地の県としてそんな40年以上、60年運転でも大変な議論があったのに、さらにその先、70年、80年とはとんでもないということをどうして言えないのか。
◯安全環境部長 今ほど申し上げたように、運転期間の延長というのは、これは科学的・技術的な観点から安全を第一ということで議論されるということが重要であろうかと思う。
現状、その具体的な根拠というのは希薄ではないのかということで規制委員会としても国とも様々な話をしているのではないかということかと思うので、そういう状況の中で軽々に賛成、反対というようなことを申し上げるというような状況ではなかろうと考えている。
◯佐藤委員 驚く答弁である。「毒を食らわば皿まで」なのか。とんでもない。福井県の原発、そんな発想で全部60年、70年、80年と運転を認めていったら、どうなるのか。
だからきちんとそれは県民の立場で、そんなずるずるずるずると運転延長は認められないということをきちっと言うべきだということは強調しておきたい。
それで、さらに関西電力は高浜3、4号機についても、40年超の運転の実質的な準備作業に入るということを公表して、県にも説明されたというのが報道されている。
これは知事にもお尋ねするが、この高浜1、2、美浜3のときに、使用済み核燃料の中間貯蔵問題で知事は、来年末ということでお約束をとった。できなければ、3基止めるんだと知事が求めたというか向こうがお約束したのだろう。そういうお約束をとったと。そういう約束がどうなるか分からないままに高浜3、4も準備すると。こういう関電の姿勢をどう思うか。
◯知 事 これについては、法律にのっとって40年超運転をする場合の手続を経営的な部分からも判断しながら、これから審査を受けるということなのだろうと思う。
我々としては、そうした関西電力がこれから審査を受けて合格をしていくだろうと思うが、そういった結果を見ながら最終的な判断を行っていくと、そういうふうに考えている。
◯佐藤委員 だから知事もそうやって甘くなるでしょう。審査を受けて合格するでしょうと、見通しを言ってしまう。そうなったら、次、「知事が認めない」ということはよほどのことでないとできなくなる。やはりそういう40年、60年、さらにその先ということで、本当に県民は不安に思っているわけである。
それで、資料1であるが、さっき説明したとおりのアンケートの回答であるが、これは市民団体が集めたので私たち共産党が集めたのではないので簡単に全部のコピーはお渡しできないのだが、これは避難計画等も含めて問うたアンケートである。去年も採って、二百何人分、返ってきたが、やはり美浜町内の方でも今のこの老朽原発運転延長を含めて非常に心配されている方が少なくないというふうに思う。
ですからこういう町民の声というのは町長さんについてはなかなか聞けないかもしれない。これは経済団体についてはなかなか聞けないかもしれない。知事がお会になるというそういう団体の方かからはなかなかお聞きをすることはできないかもしれないが、実は内心こういう声がいっぱいあるということは忘れないでいただきたい。
それで、毎回言っているが、一度こういう声をいろいろ集めて、そして今回もアンケートを取っているオール福井反原発連絡会などの皆さんと知事が直接、面談をして、そういう声を聞く。この美浜町の皆さんはそれぞれの立場もあるから、直接、知事に会いに来ることができない。だからこういう形でアンケートを取っている団体の方と面談をしてそういう心配の声、懸念の声を聞くということをどうしてできないのか。
◯知 事 先に、先ほどの答弁の中で、私が「審査が通る」とかそういうような趣旨のことを申し上げた。これは私の言葉が足りない部分だと思う。審査については、厳重に行っていただいて、その結果に基づいて我々は判断をしていくということが、私が申し上げたかった真意である。
その上で今おっしゃった住民の声を直接に聞くということについては、原子力については幅広くて、しかも数多くのいろいろな声も聞かせていただくところである。そういう中で基本的にはまず原子力に詳しい専門の職員が様々な御意見について、まず聞かせていただく機会をつくる。こういうことを行わせていただいている。
また、県の原子力環境安全管理協議会、ここに副知事も出て、立地地域それから周辺の市町、さらには商工とか農林水産とか労働組合の関係者などのステークホルダーの方が入られている中で、様々な議論、意見があるわけであり、そういう中でお話も聞かせていただき、県としての考えも申し上げさせていただいているというところである。私も副知事時代、そこには毎回、出させていただいた。
また、昨年の高浜1号、2号、それから美浜の3号、この再稼働の際には福井市とそれから敦賀市において県民向けの説明会、これを福井県主催で行わせていただき、私も現場に行きお話も聞かせていただいているところである。
こういうようにその都度、適切な担当が丁寧にお話を聞かせいただいているというふうに考えているし、これからも丁寧にそういうふうに対応していきたいと考えている。
◯佐藤委員 担当が聞くのは、これは県の行政なので当然だと思う。やはりこういう大きな政治的な話というのは知事が直接、面会して聞くように再度、これは要望しておきたいと思う。
それで、関西電力の旧経営陣が金品を渡していた高浜町の森山元助役から県の職員も100人余りが金品を受け取っていた問題で、福井地裁は県が職員らの調査の回答内容を情報公開請求に対して非開示とした決定を取り消す判断を示した。
今回、訴訟の論点について、福井県側の主張はほとんど退けられた判決となったわけである。いたずらに森山マネー事件を引きずる、こういうことになれば県民の県行政への不信も高まるのである。
県庁として、森山マネー事件を真摯に反省しているというのであれば、判決を受け入れ、調査内容については情報公開するというのは妥当だと思うが、いかがか。
◯総務部長 高浜町元助役との関係については、事案の重大性を真摯に受け止め、速やかに調査委員会による調査を行い、結果を公表するとともに、職員の厳正な処分や倫理規則の制定など再発防止策を講じ、県政への信頼を取り戻す努力を行ってきた。
一方、今回の裁判については、県が調査対象者の回答内容や高浜町内の警備会社の名称を非開示とした処分についてその妥当性を争うものというふうに認識しているところである。
なお、県では、裁判において、調査対象者の回答内容は条例に基づく個人情報に該当すること等を説明させていただき、判例や学説を踏まえて適正な対応であるというふうに主張してきたところである。
判決においては、こうした県の主張に対して裁判所が判断を示していないという内容が多いと受け止めているところであり、今後の対応については、判決内容を踏まえて、現在、弁護士と協議し、検討をしているところである。
◯佐藤委員 最後に、福井市に建設予定のアリーナの問題について、質問したいと思う。
民設民営のアリーナについては、具体的な建設費用や収支計画などが示されていない中で、知事の「応援する」という行政応援ありきの言葉が先行し過ぎているのではないかと思う。市議会でもいろいろな議論があったし、県議会でもいろいろな議論があった。
マスコミ報道を見ると、市議会でもいろいろな疑問、意見が出されていた。私も前回6月議会で問題提起したが、どのくらい建設費用がかかって、どのくらいランニングコストがかかってというのを含めて、そういう熟度の低い計画を無理やり進めるということに合意した知事の責任があるのではないか。
◯文化・スポーツ局長 アリーナ構想については、北陸新幹線の開業効果を最大限に生かすため、経済界からまちなかに求められる新たな機能として、アリーナ機能と芸術・文化活動の拠点となる機能が必要であるとのこういった提案があり、県と福井市がこれに合意し、必要な協力をしていくとしたものである。
今回、整備・運営スキームなどの基本構想とともに、経済界自らが主導して進めていくとの意気込みをお示しいただいたことは大きな一歩であり、県としても必要な応援をしていきたい。
また、今後、経済界による実施主体や施設の仕様、整備費等の検討が進められ熟度が高まっていく中で、収益の向上や建設費の軽減等が図られ適切な運営が行われるよう、県も市とともに知恵を絞り検討していきたいと考えている。
◯佐藤委員 知事は、具体的に県として応援する形をどのように描いて、財政支援の枠、これは天井知らずとはいかないだろうから、大体、例えば、これくらいの枠であるとか、あるいは年間これくらいだとか、そういう財政支援の枠の設定はどのように考えているのか。
また、県と市の役割分担はどのように考えているのか尋ねる。
◯文化・スポーツ局長 行政による支援については、例えば、仙台市のように、固定資産税相当額を補助する事例や、八戸市のように、県民のスポーツや健康づくりを行う場所として、住民が使いやすいように行政が借り上げる事例など、様々な手法が考えられる。
現時点で、県の支援の形は決まってはいないが、今後、民設・民営でのメリットが最大限に生かせるよう、経済界において施設の詳細や資金調達計画等が明らかにされてくる中で、福井市とも十分相談しながら、八戸市や仙台市の事例を参考に県の支援の在り方を検討していきたい。
◯佐藤委員 県の支援の形は具体的に決まっていないという中で、県議会に対してなかなか結論を出すような議論は難しいと思う。
ですからその辺はきちっとお金の問題も含めて支援の形を一定程度決めて、そして県議会に12月にもう一回出すということでよいか。
◯文化・スポーツ局長 また市、経済界ともいろいろ相談して、今回、構想についてはもうこれで今月末につくられるというものであると思っているので、この後、県の支援の形についてはまた議会等と、恐らくは予算の形ででも出させていただくことになると思うので、十分、議論をお願いしたいと思う。
87◯山岸委員長 以上で、佐藤委員の質疑を終了した。