昨日は、高浜再稼動を禁じていた福井地裁の仮処分が取り消され、再稼動を認める決定が福井地裁でだされました。
申立人や弁護士、わたしたち住民は午後1時過ぎから福井地裁前に集まり、2時の言い渡しを待ちました。
再稼動を認める決定がだされたことに抗議し、名古屋高裁金沢支部に抗告するすることが弁護団から訴えられました。参加者は抗議のシュプレヒコールを裁判所前であげ、国際交流会館で報告集会を開催しました。
しかし、今回の福井地裁の決定は、関電の主張のコピペ、と弁護団は批判していましたが、「核燃料の損傷、溶融が生じた後の対応など、を判断するまでもなく、人格権が侵害される具体的危険があると推認することはできない」と、明確に福島原発事故のような事故は起こらない、と新たな安全神話にふみこみました。こうなると、多重防護の必要性もない、避難計画も必要ない、となってしまいます。
行政とともに、司法も福島事故以前に逆戻りする決定で、悔しい。抗議します。
県議会で関西電力の豊松原子力事業本部長が私の質問にこたえて、「福島のような事故は絶対におこらない」と断言したシーンに重なりました。
私は、「それではまた、安全神話の復活ではないか」と批判しましたが・・・。
福島原発事故からまだ5年もたたず、しかも事故収束にはほど遠く、10万人もの避難生活がつづいている現実をみない行政、司法の驕りは、国民、住民にとって大きな「脅威」です。
福島原発事故を繰り返してはならない、そのためには原発再稼動はやめるべき。このたたかいを諦めるわけにはいかないのです。
国土と国民のために。がんばりましょう!
以下、報道です。
■NHK・・・・高浜原発3・4号機 再稼働認める判断 福井地裁
12月24日 17時38分
福井県にある高浜原子力発電所の3号機と4号機について、福井地方裁判所は「新しい規制基準の内容と審査の判断は合理的で、住民の生命が脅かされる具体的な危険は認められない」と指摘し、再稼働しないよう命じた、ことし4月の仮処分を取り消し、再稼働を認める判断をしました。これを受けて関西電力は、まず3号機を来月にも再稼働させる方針です。
福井県高浜町にある関西電力の高浜原発3号機と4号機については、福井地方裁判所がことし4月、再稼働を認めない仮処分の決定を出し、関西電力が異議を申し立てたため、別の裁判長が改めて審理を行っていました。
24日の決定で福井地裁の林潤裁判長は再稼働しないよう命じた仮処分を取り消し、再稼働を認める判断をしました。決定の中で、「新しい規制基準は最新の科学的・技術的な知見を踏まえた評価を求めるなど、内容は合理的で、この基準に適合するとした原子力規制委員会の審査の判断に不合理な点はない」と指摘しました。
そのうえで、「関西電力は最大の地震による揺れの想定にあたり、地盤構造を詳細に調査しているほか、福島の原発事故を踏まえて耐震補強工事を行うなどしており、住民の生命が脅かされる具体的な危険は認められない」と指摘しています。
その一方で裁判所は「新しい規制基準に合理性が認められるのは、原子力規制委員会が中立公正な立場で安全性を審査するという枠組みが機能しているのが前提だ。福島の原発事故に対する深い反省と絶対的安全性は存在しないという真摯(しんし)な姿勢の下、継続的な取り組みを怠らないことが求められている」などと、国や関係する自治体を含め、今後も安全への取り組みを続けるよう求めました。
高浜原発3号機と4号機は、ことし2月、鹿児島県の川内原発の次に規制委員会の審査に合格し、これまでに福井県の西川知事が再稼働に同意するなど地元の同意は出そろっています。
24日の決定を受けて関西電力は、まず3号機で原子炉に核燃料を入れて検査を受けるなど、最終的な手続きを進め、来月にも再稼働させる方針です。
一方、住民側は今回の決定を不服として名古屋高等裁判所金沢支部に抗告することにしています。
関電「安全性にご理解いただいた」
関西電力は「高浜原発、大飯原発の安全性が確保されていることに、ご理解いただいた結果だと考えています。今後とも原子力発電所の自主的かつ継続的な安全性向上に努めるとともに引き続き、新規制基準への適合性にかかる審査・検査に真摯に対応し、立地地域をはじめ、社会の皆さまのご理解を賜りながら、安全性が確認された原子力プラントの1日も早い再稼働を目指してまいります」というコメントを出しました。
住民側弁護団「容認できない」
決定のあと、住民側の弁護団の河合弘之弁護士は「非常に残念な結果に終わった。関西電力が言うことに、そのまま対応したようなかたちで容認できない。一喜一憂することなく、闘い続ける」と話しました。
3号機 25日にも原子炉に燃料
高浜原子力発電所の3号機と4号機は、ことし2月、原子力規制委員会の審査に合格し、現在、再稼働の前に必要な検査が進められています。このうち、3号機では、これまでに新たに設置した重大事故対策の設備などの性能の検査が終わり、関西電力は規制委員会に25日以降、原子炉に燃料を入れる作業を始める計画を示しています。
その一方で、関西電力は再稼働を認めない仮処分に対する裁判所の判断を踏まえるとともに、地元の同意を得ないかぎりは、原子炉に燃料を入れないとしてきました。
こうしたなか、今月3日には地元の高浜町の野瀬町長が今月22日には、福井県の西川知事が再稼働に同意しました。
そして今回、福井地裁が高浜原発の再稼働を認めない仮処分を取り消す決定をしたことで、関西電力は、まず3号機で、25日にも原子炉に燃料を入れる作業を始めるとしています。その後、再稼働に向けた準備作業は最終段階に入り、安全上重要な設備の検査や重大事故を想定した訓練を経て、問題がなければ、関西電力は来年1月下旬に3号機を再稼働させる方針です。
おととし施行された新しい規制基準の下では、川内原発の1号機がことし8月、2号機がことし10月にそれぞれ再稼働し、高浜原発3号機が再稼働すれば、これらに次いで3基目になります。
関西電力は4号機も来年2月下旬に再稼働させるとしています。