最期はきっちり、お酒のお噂で・・・「猫の災難」。
最期はきっちり、お酒のお噂で・・・「猫の災難」。
しばらく、鶴二さんの落語、続きそうですが、
この同期三人の成長ぶりは凄まじく、若手コンテストでも、
本来は、乾瓶さんだったんですが、急遽白鹿さんの代演に。
それがじんわりと、味となってでてくる。
どの噺もそつなく熟す治門さん。
一方、「近日息子」ではじまり、
でも、どの噺もものにする呂好さん、
三人の中では、一番師匠の味を奪っている、紫さん。
今年の独演会は、松竹座、大舞台ではいつもと違うパワーが
マクラで、日頃の呂好さんの酒での失敗談に絡む、奥さんとの関係も披露。
気で気を養え。
良かったですな、鶴二さん。
上方落語の真髄をご披露、感動の一席でおました。
橘左近デザイン「19年度圓朝祭」特製うちわ
良かったですな、前座の音助さん。
噺は、初めて聴く「権助芝居」、権助、「試し酒」と同じで、
やはり田舎者で素朴な人物。
ドタバタ劇でありながら、そこは歌舞伎、品も格もありながらすすむ。
良かったですな・・・三三さんの「お血脈」最高。
地噺の「お血脈」、政治も、世相も、何でもぶっこみながらの落語。
筋があって無いような噺だけに、噺家の実力、センスでどうにでもなる噺。
大阪では、佐ん吉さんで一度聴いただけですが、
最高、最高の舞台で、最高の高座。
圓朝祭、我らの鶴二さんが上方から一人代表して参加。
笑い抑えながら、涙も抑え、ほどよい湿り良さ。
大阪の女の言葉もはんなりしながら、しっとりと・・・。
鶴二さん、これをきっかけに、
東京での落語会ももう少し増やして欲しいですな。
ちりとてちん、「長崎名物、ちりとてちん」
舞台は、京都の愛宕山はそのままで、噺はすすむ。
とすれば、変な大阪弁、京都弁での落語に・・・・。
でも、山を登っていく様は、丁寧でおましろい。
でも、一八は大阪の太鼓持ち、京都の太鼓持ち、どちらともつかず
でも、笑点の影響って大きいんでしょな、なんといっても全国版。
落語といえば、笑点が落語と思っている方にたまに出会いますな。
良かったですな・・・・・「心眼」
目が見えないとみえるもの、目が見えると逆にみえないもの。
人のこころとはいかに卑しいものか。
苦労するのは恥ずかしいことじゃない。
恥ずかしいのは、苦労したときに
忘れちゃうことだよ。
きちんと感謝する、そうすれば過去の苦労も人生の宝物になる。
「心眼」、大事にしたい言葉ですな。
三遊亭圓朝生誕180周年・圓朝祭(二日目)
六、柳家権太楼・・・・・・・・「心眼」
終演後、大阪から駆けつけた、鶴二ファンと鶴二さん。
鶴二さん、晴れ晴れとした、良い顔されてますな。
会社の近くだし、創作落語の会だし、ましてや鶴二さんが来られるとあれば、
かけ参じなければと、前日予約して、会場へ・・・・・・。
凄い、慶次郎さん。
結婚すると決めた息子が親に、先方との顔合せに出てほしいと、
これが、知れると破談に・・・・と。
昔の、吉本新喜劇のスチュエーションですな。
この結果、お知りになりたい方は・・・是非慶次郎さんの落語会へ。
鉄道ファンである、しん吉さん。
噺は、環状線の各駅がインバウンドのお客様も増え、大阪万博を目指して
天満はロングショッピングストリート、桜の宮はラブロマンス、
外周りで全駅周っていく。
大坂人には、堪らん、おもしろさ。
子供時、ヒーローになったり、人形を持って「仮面ライダー」と叫んだり、
まさに、その延長、51才になった雀喜さんが、無邪気にも高座で
これまた、由瓶さんの「私小説」みたいな噺。
高校時代は、野球部のレギュラー、そのとき補欠だった友人が出世して、
今の、自分は上方落語協会の中で、未だレギュラーからはほど遠い、
日頃の由瓶さんの心の葛藤が垣間見れる「補欠」でおました。
令和になって、平成もそして更に遠くになっ昭和、
写真館も、町内会の寄合、商店街自体も崩壊しようとしている現代、
人を思いやる心、すなわち人の心の機微に人情は落語の世界、
第14回・わもん寄席~2019.04.14
今日は、若江岩田のわもん寄席へ。久しぶりでおます。
76名ものお客さん、大入り満員
一、桂白鹿・・・・・・・・「千早ふる」
弟弟子の雪鹿と女将さんとのやりとりのマクラはおもしろい。
やはり、家族が増えるのは賑やかで良いですな。
噺は「千早ふる」、百人一首、五七五七七、和歌、今でいう短歌。
和歌と短歌の違い、詠う人がお公家さんか一般庶民か。
暇なお公家さんなので色恋、花鳥風月、一般人は日頃の哀しみ
苦しみやちょっとした喜怒哀楽を詠む。
他に百人一首がでてくる落語、「崇徳院」や「道灌」、「鶴満寺」がありますな。
この半年に立て続けに出会った、白鹿さん。
どんどん、上手になっていきますな。
二、ナオユキ・・・・・・「スタンダップコメディ」
凄い、あのナオユキさんのつぶやきを40分も休憩なしに聴けるなんて幸せ。
町中の風景から、商店街へ、酒場から、今風の女性、そして酔っ払いのおっさん
ああ、野球ネタもありました・・・・。
打上げの時に聞きましたが、客席の雰囲気でどんどんネタを進めていくので
敢て順番など決めていないとか・・・・すると、野球のオーダーみたいに
送りバンドありの、ヒットエンドラン、大きな犠牲フライもあれば、
たまにゲッツツーも、スリーランのホームランと
順に打席に立って楽しんでいるような・・・そんな波状攻撃のナオユキさんの高座。
客席は、完全にコールド負け、それも嬉しいコールド負けでおました。
三、笑福亭鶴二・・・・「御神酒徳利」
今月からはじまった鶴二さんのOBCのラジオ番組のハナシから。
木曜日なので、生では聴けないので、ラジコで聴いたが英華さんとの
掛け合いが楽しい、愉しい・・・その嬶殿下ぶりが妙に心地よい。
噺は「御神酒徳利」、口での算盤のパチパチだけで客席から拍手が。
あのいかさま占いの熊さん、急場しのぎながら、うまく困難をくぐり
抜けれた時の嬉しそうな顔。
まさに、考えてるのではなく、運と周りの助けでうまくいく・・・・。
よろしいな、そんな能天気な熊さんの「御神酒徳利」おもしろおます。
第14回・わもん寄席
2019年4月14日(日)午後5:00開演
和門なかむら
一、桂白鹿・・・・・・・・「千早ふる」
二、ナオユキ・・・・・・「スタンダップコメディ」
三、笑福亭鶴二・・・・「御神酒徳利」
打ち上げ参加のファンの皆さん。
遠く埼玉からも、この会に・・・・。
主催者のわもんの若旦那とお姉さん、
その間にはお母さんが。
第14回でっせ・・・・次回は第15回、間違いありません。
笑福亭鶴二・独演会~2019年
満員御礼
補助席に、立見まで出た、鶴二さんの独演会
一枚看板・大看板
2007年3月の田辺寄席で鶴二さんに出会ってから12年。
この間の精進ぶり、活躍は贔屓としては嬉しい限りでおますな。
めずらしく、すべて自由席、それも整理番号無しの為、
皆さん早くから繁昌亭前でお並び。
一、露の瑞・・・・・・・・・・・「ん廻し」
かわいい、可愛い、瑞ちゃんの登場。
師匠、都さんのマクラから「ん廻し」に。
田楽ではなく、たこ焼きでしたか、沢山出来たたこ焼きを「ん廻し」で取りあいを。
それも往年の歌手になぞらえて、持ち歌を使っての「ん廻し」、
斬新で、若さがあってといいながら客層に合わせて往年のん十年前の歌中心。
掛け取りやないですが、色んなパターンできそうですな。
愉しい、たのしい、瑞さんの一席で開口一番。
二、笑福亭鶴二・・・・・・・「軽業講釈」
東の旅のネタ。単によく聞く「軽業」とおもいきや「軽業講釈」、
珍しい噺だが、お囃子がたっぷり入って、いたって上方っぽい噺。
これを、最初にもってくるなんぞ、鶴二さんのセンス、凄い。
出来は最高、でも下座さん、大忙しの噺ですな。
本日の三味線・入谷和女さん、鳴り物・智丸さん、乾瓶さん、鶴太さん、
お疲れ様でした。
三、松旭斎天蝶・・・・・・・和妻「浮かれの蝶」
三年前に、わんだふる佳恵さんから、松旭斎天蝶似を襲名。
今回、手品の名門「帰天斎」のお家芸「浮かれの蝶」を披露。
凄いです。テグスも仕掛けもなしなんですか・・・・紙を拠っただけの蝶を、
二つの扇子で、自由に操る・・・・凄いです。
良いものを見たという感動、
色物さんの豊富さは、鶴二さんの独演会の楽しみの一つですな。
四、笑福亭鶴二・・・・・・・「親子茶屋」
「親子茶屋」を十八番にされていた、三代目春団治師匠のもとへお稽古に通われた
思い出の噺。
今回、田圃の鳴子のくだり、年中ガラガラと鳴っていると、雀が慣れて効果が無くなると・・
のところをプラス、最初の親子のやりとりに膨らみが増す・・・・。
でも、秀逸は、踊りの仕草の綺麗さ、やはり日本舞踊なさってる鶴二さん。
三代目の粋さ、立派に継承されてる「親子茶屋」でおますな。
仲入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・「替り目」
笑福亭松鶴師匠の匂いがする、お酒の噺。
「猫の災難」「禁酒関所」と「替り目」、そして「らくだ」。
「らくだ」をされてから、酔いの噺に遊び、余裕が生まれましたな。
でも、これって単に酒飲みのハナシではなく、夫婦愛の物語ですな。
中年、熟年、世代には堪らないハナシ・・・
「かか大明神、お母ちゃん大好きやで」、は世の中の亭主の代弁ですな。
このあと、娘と合流して、天満でお寿司を・・・・・
朝からずっと、ようお相手、おつきあいしてくれましたな。
「かか大明神、お母ちゃん大好きやで」、の一日でおました。
笑福亭鶴二・独演会~
2019年2月24日(日)午後6:00開か演
天満天神繁昌亭
一、露の瑞・・・・・・・・・・・・「ん廻し」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・「軽業講釈」
三、松旭斎天蝶・・・・・・・「和妻・浮かれの蝶」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・「親子茶屋」
中入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・「替り目」
三味線・・・・入谷和女
鳴り物・・・・智丸・乾瓶・鶴太
天満宮だけに、やはり梅、もう満開でおます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鶴二さんに出会って、十二年目、長いつきあいになりましたな。
今迄のチラシ、ある分掲載致します。
笑福亭鶴二・独演会~2018年5月5日(土)
国立文楽劇場
笑福亭鶴二・独演会~2017年11月5日(日)
朝日生命ホール
笑福亭鶴二・独演会・30周年~2016年7月10日(日)
笑福亭鶴二・独演会~2016年9月11日(日)
天満天神繁昌亭
笑福亭鶴二・独演会~2015年5月30日(土)
大丸心斎橋劇場
笑福亭鶴二・独演会~2015年6月27日(土)
新宿角座
笑福亭鶴二・独演会~2014年9月21日(日)
国立文楽劇場
第十五回・笑福亭鶴二・独演会~2013年10月13日(日)
天満天神繁昌亭
第十四回・笑福亭鶴二・独演会~2012年10月13日(土)
天満天神繁昌亭
第十三回・笑福亭鶴二・独演会~2011年9月17日(土)
噺家生活25周年公演
国立文楽劇場
第十二回・笑福亭鶴二・独演会~2010年11月1日(日)
ワッハホール
第十一回・笑福亭鶴二・独演会~2008年11月2日(日)
ワッハホール
2018年12月25日(火)午後7:00開演
動楽亭
一、露の紫・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、笑福亭呂好・・・・・・・・「太鼓腹」
中入り
トークコナー・・・・・・・・・「おしゃべり研究所」
三、桂治門・・・・・・・・・・・・「四人癖」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・「親子茶屋」
天満天神繁昌亭・昼席・(2018・10・21)
天満天神繁昌亭・昼席・(2018・10・21)トリは、笑福亭鶴二さん。
1週間トリは、笑福亭鶴二さん。
ほぼ、満席の入り。
一、露の新幸・・・・・・・・・「金明竹」
新幸さん、入門丸四年みたいですが、それなりの歳。
人生経験も豊富で、噺にどしいりとした安定感が・・・・。
それでいて、大きな声と元気さは、どんな若手にも負けない勢い。
これからの、一席一席、が楽しみですな。
それにしても、今の落語家さん上手いですな。、
二、月亭八斗・・・・・・・・・「饅頭こわい」
饅頭こわい、あのどんどんでてくる饅頭を食べるところ。
そばの落語で蕎麦が食べたくなるように、
饅頭食べたくなりたいですな・・・。
冬になると、私は喜八州の“酒饅頭”好きですな。
それと、やはり大阪みやげにもなっている、“551の蓬莱の豚まん”ですな。
三、桂三若・・・・・・・・・・・「妻の旅行」
今、東京を拠点にして活動している、三若さん。
得意の三枝さん作の「妻の旅行」。
夫婦というのは、居なければ淋しいし、居てたら居てるで鼻につくし。
お互い、没頭できる趣味でもあると良いんですが・・・・。
私もこれから、リタイヤでもしようとする時期が近づいているだけに、
夫婦の距離感って、気つかいますな・・・・今から、練習、練習。
四、豊来家玉之助・・・・・「大神楽」
大神楽・・・今、豊来家さん何人、居られるんでしょうか。
調べると、大好きなラッキー舞さんも、豊莱家なんですね。
でも、玉之助さん、小手調べの様なバランスと傘の芸。
ハラハラ、ヒヤヒヤ、もっとみたいですな。
五、笑福亭右喬・・・・・・・「平の陰」
松喬一門の秘密兵器、右喬さん。
得意の「平の陰」、一時の絞り出すような語りは無くなって、
聞きやすい話しっぷりに・・・・。
六、桂小春団治・・・・・・・「冷蔵庫哀詩」
小春団治さんの創作の中では一番のお気に入りの「冷蔵庫哀詩」。
冷蔵庫の中の、人間模様、いや食品模様には、ペーソスを感じる。
ある人、曰く、すべてのものに心が宿ると・・・・。
ものを、粗末にしてはイケないと、大事にそれぞれに宿るいのちを大切に。
なかなか、ものを捨てられない、ごまめのつぶやきでおます。
七、ナオユキ・・・・・・・・「スタンダップ・コメディ」
素晴らしい、一年ぶりぐらいの、出会いですが。
前回、聴いたのとは、一つとしてダブルものはなし。
手ぶり、素ぶり、顔の表情、も一時に比べて豊かに。
そのぶん、陰気さも無くなったが・・・テンポも増して笑いの量も増量。
いつ聴いても、期待以上の高座でおますな。
八、笑福亭竹林・・・・・・・「まめだ」
笑いの少ない噺を・・・・・と、「まめだ」。
丁度、今頃の季節ですな、イチョウが枯葉となって落ちてくる時期。
雨がしょぼしょぼ、降って・・・・ちょっと肌寒い時・・・・。
まめだ、たぬきはきつねと違って、愛嬌ありますな・・・・。
九。笑福亭智之介・・・・・「煮売屋」
喜六、清八、の仲の良い二人連れ。
旅は気心知れたもんどうしがよろしいな。
十、笑福亭鶴二・・・・・・・「御神酒徳利」
最後は、お目当ての、鶴二さんの登場。
一週間のトリ、凄いですな。
本日は、「御神酒徳利」・・・・・・・。
力の抜けた、落語を演じているのを愉しんでいるかの高座。
落語を話すというよりは、噺の中の登場人物になりきったようで、
自由気ままに演じて、お客さんと一緒に愉しんでいるような・・・・。
楽しい、愉しい、たのしい、鶴二さんの「御神酒徳利」の一席でおました。
天満天神繁昌亭・昼席
2018年10月21日(日)午後1:00開演
天満天神繁昌亭
一、露の新幸・・・・・・・・・「金明竹」
二、月亭八斗・・・・・・・・・「饅頭こわい」
三、桂三若・・・・・・・・・・・「妻の旅行」
四、豊来家玉之助・・・・・「大神楽」
五、笑福亭右喬・・・・・・・「平の陰」
六、桂小春団治・・・・・・・「冷蔵庫哀詩」
仲入り
七、ナオユキ
八、笑福亭竹林・・・・・・・「まめだ」
九。笑福亭智之介・・・・・「煮売屋」
十、笑福亭鶴二・・・・・・・「御神酒徳利」
三味線・・・・・・・林家和女
太鼓・・・・・・・・・露の新幸
六代目笑福亭松鶴生誕百年祭
今回の実行委員の方は、「鶴笑、竹林、岐代松、伯枝、鶴二、+ たま」
終演後、カーテンコールで幕が上がると、
当日駆けつけた笑福亭の皆さんが高座に、皆さん晴れやかなお顔。
一、笑福亭鶴二・・・「米揚げ笊」
開口一番で、鶴二さんの登場。中三で仮入門。高一のとき、「鶴児」という名前で舞台に。
何も教えて貰ってない鶴二さん、「なんぞできるやと、一週間で覚えろ」と、
落語協会に駆けつけて、「子供やから、これがええんちゃう」と選んでくれたのが、
春団治さんの「平林」、最初にネタ選んでくれたのは、協会の事務員さんですと・・・。
鶴二さん、32年後の「米揚げ笊」、さすがの出来でおましたな。
二、笑福亭鶴松・・・「時うどん」
寝る前の師匠の肩を揉みながら、「誰が好きや」と聞かれ「師匠です」と
答えるところを「掘ちえみです」と答えると、「掘ちえみの弟子にならはったらええねん」と
まんざらシャレではなく、小娘に嫉妬するところが、松鶴師匠のかわいいところですな。
鶴松さん、笑福亭のエグサはなく、淡々とした薄味の「時うどん」ですな。
三、笑福亭松喬・・・「鷺とり」
師匠の松喬(鶴三)の代りに孫弟子ながら、登場。
一門の良さを洗練された形で表現。
演目は、「鷺とり」、雀の集まるところは最骨頂。
最後は「そして全世界の駅前に銅像を建てられた、鶏の一大チェーン店を築いた
フライドチキンのカーネルサンダース氏の若き日の一節でございました」と・・・・・・。
四、笑福亭鶴瓶・・・「癇癪」
師匠の想い出をたっぷりマクラで・・・・。
師匠にちなんだ噺でと「長屋の傘」と思いきや「癇癪」。
「一切、鶴瓶には教えへん」と、なまじ売れだしていたので、
逆に兄弟子に苛められてはと、突き放しての、英才教育。
でも、ハナシの端々に鶴瓶さんのこと、心底可愛かったんですな、
よう現れていますな。
五、思い出話
本日の演者全員が舞台に、あれやこれやのハナシで盛りあがる。
辞世の句は「煩悩を我も振り分け西の旅」とされてますが、
ほんとうは「●●●●●」と・・・・・。
六、笑福亭伯鶴・・・「婆ちゃん旅行社」
目の不自由な伯鶴さん、自作の「婆ちゃん旅行社」を。
色んな噺家さんが居られる笑福亭一門、師匠の懐の深さを感じますな。
七、笑福亭松枝・・・「三十石」
師匠の十八番「三十石」を・・・・。
下座からの舟唄は、今日の参加者全員順番に・・・・・。
鶴二、鶴松、松喬、鶴瓶、伯鶴、途中から舟が転覆しそうな舟唄に・・・。
でも、愉しい、たのしい、八軒屋までの笑福亭の船旅でおました。
六代目笑福亭松鶴 生誕百年祭 は盛大にお開きと相成りました。
六代目笑福亭松鶴生誕百年祭
2018年9月9日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭
一、笑福亭鶴二・・・「米揚げ笊」
二、笑福亭鶴松・・・「時うどん」
三、笑福亭松喬・・・「鷺とり」
四、笑福亭鶴瓶・・・「癇癪」2
中入り
五、思い出話
六、笑福亭伯鶴・・・「婆ちゃん旅行社」
七、笑福亭松枝・・・「三十石」
三味線・・・・・内海英華
新星第5回・名人は誰だ?
日曜日、早めの6時開演。
大看板、四名。
七分の入り、ゆったりとした空気の客席。
一、露の新幸・・・・・・・・・・・・「金明竹」
新治さんのお弟子さん、声は大きいし、しっかりした口調。
あとで聞くと、43才の新人さんと・・・
やはり人生経験豊富で、落ち着いていますな。
噺は、「金明竹」、今日出ておられる阿か枝さんの十八番ネタ。
あのたて弁の凄さはないが、じっくり楽しめる。
丁稚の定吉のこましゃくれた、悪知恵がもう少し垣間見える方が
楽しめる様な・・・・そんな気にさせる一席でおました。
でもお上手、熟成新人、新幸さんでおました。
二、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・「ろくろ首」
いぶし銀の味、米輔さん。
次の台詞がでてくるまでの独特の間。
これから、ますます高齢化に向かうお師匠さんたち。
十五年後には、高座に上がるだけで拍手喝采の、
まさに名人の域に達していたり。
味はますます、熟成する、米輔さんでおます。
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「餅屋問答」
一方変わって、ご陽気な鶴二さんの高座。
本日は、気楽気ままに、「餅屋問答」を・・・・。
あの沙弥宅善の「無言の行中」の解釈は・・・・
「第一に『大和尚の胸中は』と問うたところ『大海の如し』とのお答え。
次に『十法世界は』と尋ねると『五戒で保つ』。
最後に『三尊の弥陀は』と問えば、『目の下にあり』とのお答え」
普段でも、勝手に解釈されるってことありますな。
まあ、ご自分の都合のよい方に解釈されるのが常でおますが。
肩の荷の下りた、ご陽気な鶴二さんの落語、よろしおましたな。
四、桂梅団治・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」
噺の最初の入りは、「崇徳院」さんと同じ。
手伝いの熊さんが、若旦那の恋ワずらいの原因を聞きだす。
この噺、確か先代の春蝶さんで聴いたことがあるような・・・。
まあ恋なんて、病気みたいなもんですから、美人画に恋するなんっても
あるようなないような・・・人妻では生々しいのでここは落語、
ちょいとひねって美人画ということで・・・・・。
でも、舞台が宇治というのが粋ですな。
天保山でも、毛馬でも、伏見でももう一つ・・・・宇治。
そうか、オチの茶柱で、お茶所でないあきまへんねんな。
五、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」
趣味にはしる、趣味にはまる、って愉しいことですな。
この義太夫好きの豊竹屋節衛門さんと口三味線の花梨胴八さん。
趣味の合う者どうしが会うと、お手合わせのたのしいこと。
そのたのしさが伝わってくる。
でも浄瑠璃って難しいですな、太夫さん声は悪いが台詞も聞き取りやすく
すんなりこちらへ伝わってくるのに、阿か枝さん、高音で美声なのに
所々聞き取り難いのはなぜ、難しいもんですな。
六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」
井戸の茶碗、屑やの清兵衛さん、千代田卜斎、高木作左衛門、
でてくる人がすべて善人・・・・・・気持ちの好い噺。
でも、お嬢さんの花嫁姿、是非見てみたいもんですな。
お金とはあるに越したことはないですが、あるというだけで
幸せとは限らないというのは、周りでもよく見かけますな。
今の生活に、ある種の満足を感じながら、心の豊かさが大切ですな。
心豊かにしてくれる、春若さんの「井戸の茶碗」の一席でおました。
ああ、それと、いつものように、茶碗を見たいという高木作左衛門
のお殿さん、
春若さんが私淑している、談志さんのものまねで登場でおました。
(愉しいですな)
新生第5回・名人は誰だ?
2018年8月12日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭
一、露の新幸・・・・・・・・・・・・「金明竹」
二、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・「ろくろ首」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「餅屋問答」
四、桂梅団治・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」
仲入り
五、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」
六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」
三味線・・入谷和女
次回、「新生第六回・名人は誰だ?」は、
平成30年12月12日(水)18:30開演
笑福亭鶴二独演会
笑福亭鶴二独演会
50歳、節目の年。
桂文珍さんの寄稿、シャレてますな。
一、露の紫・・・・・・・・・・「看板の一」
出てくるなり、鶴二師匠の芸能生活25周年の落語会。
あれっまちごてるで・・・。13才で弟子入り志願、19才のとき正式に弟子に。
今、50才、何から数えても、?でおます。
マクラでは、大阪と東京の違いは、ああ、“江戸荒物”かと思いきや、
博打の噺で「看板の一」へ。持ち時間も少なく、焦り気味の紫さん。
憧れの人を模倣しようとするアホ、ばくち打ちのカッコ良さだけではなく、
江戸っ子のかっこよさまでマネようと、二重の真似しに戸惑うが・・・・。
正直、博打のシーンが薄れて、最後の緊張感まで薄れてしまったようで。
でも紫さん、記念の落語会、開口一番、お疲れ様でおました。
二、ビックリツカサ・・「マジック」
「ビックリ、ビックリ、ツカサ」、折角みんなで練習したのに、
声を揃えて言ったのは、最期も最後の一回だけ。
やはり、時間の関係か、スカーフと大きなトランプのマジックのみ。
あまりの早い高座で「ビックリ、ビックリ、ツカサ」、さんでおました。
三、笑福亭鶴二・・・・・・「浮かれの屑より」
鶴二さんの登場。 髪型も髪の色も替えて、ちょっと貫禄の雰囲気。
今年、50才になりましたが、師匠の松鶴が生誕100年。
9月には、繁昌亭、一門総出での公演となります、と。
噺は「浮かれの屑より」通称、「紙屑屋」。
よろしいな、和女さんと薫子さんの素敵な下座からのお声。
「吉兆廻し」、義太夫で「義経千本桜の道行、吉野山」、長唄で「京鹿子娘、道成寺」
踊りも入っての高座ですが、日舞を習われている鶴二さん、そのしぐさのきれいなこと。
手毬をついて、中腰で回るんですが、年いってからは辛い演目。
そうすると、あと何回、鶴二さんの「紙屑や」聴けることやら。
上方らしい、噺に、感動でおます。
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・「青木先生」
鶴瓶スマイルで登場。
楽屋見舞いの方がひっきりなしに来て、てんやわんや。
私のすぐ上の、小学生落語家だった、手遊(おもちゃ)さんも来られて
お会いしましたし、忙しい、忙しい。
今日のギャラについて、前回は「ええよと」と返したが、
「兄さん、些少ですが、些少ですが」と何度も言われたが、「今日は、もらうで」と。
前回、鶴二の独演会にでたとき「何をしたかと」鶴二に聞いても、
はっきりせず、やってないと思うので「青木先生」を・・・・。
私の記憶ではそのときは確か「癇癪」をされたようで・・・・。
「青木先生」三度目の出会いですが、先生の表情バージョンアップで
更に進化していて、おもしろい。
今日、初めて落語を聴くという方もお二人お連れしたので、
色んな落語に出会えて、御満悦でしょう・・・・・「ピィ―」。
五、対談・・前田憲司&笑福亭鶴二
前田憲司さん、落語演芸研究家。
前田さん、松鶴師匠が亡くなられたあと、遺品とかを整理をお手伝いされ、
そのとき、手伝いで来てたのが鶴二さん、当時19才。
前田さん、お子さんができたときでホームビデオを買ったばかり、
そのビデオで、松鶴師匠のお家の中を撮っておられた貴重な映像を舞台で映写。
やさ男の鶴二さんが、チラチラ映る。まるで別人ですが、声は鶴二さんで間違いなし。
あんな若い時から、落語家目指していたんですな・・・・立派になられて、感激ですな。
鶴瓶さんも参加されて、松鶴師匠の思い出話に・・・・・・。
六、笑福亭鶴二・・・・・・「子は鎹」
子供の日にちなんで「子は鎹」。
今、上方でされる「子は鎹」はほぼ、ざこばさんのスタイル。
母親が寅ちゃんを連れてでていき、親父が道端で偶然会う形。
鶴二さんのは、父親と寅ちゃんが一緒に暮し、母親がひとり家を出て行った形。
どちらが良い悪いではなく、どんな噺でもこんな形もあったんですよと、
後世に残す事も大切でおますな。
子供にとっては、父親についていくのが良いのか、母親についていくのが良いのか、
金のある無しではなく、愛情の大きさで、というと判断つけるのも難しいですな。
でも、親子三人、一緒に暮らせるようになって、よろしおましたな、寅ちゃん。
たっぷりの鶴二さんの独演会、よろしおましたで。
笑福亭鶴二独演会
2018年5月5日(土・祝)午後6:30開演
国立文楽劇場
一、露の紫・・・・・・・・・・「看板の一」
二、ビックリツカサ・・「マジック」
三、笑福亭鶴二・・・・・・「浮かれの屑より」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・「青木先生」
仲入り
五、対談・・前田憲司&笑福亭鶴二
六、笑福亭鶴二・・・・・・「子は鎹」
三味線・・・入谷和女・はやしや薫子
鳴り物・・・笑福亭生寿・桂治門・笑福亭呂好
笛・・・・・・・笑福亭松五
道頓堀・はり重寄席
道頓堀、御堂筋の名店“お肉のはり重”
御堂筋側の“カレーショップはり重”は贔屓店のひとつですが、
残念ながら、こちらのグリルの方は一度も食べたことがございません。
提灯まで用意されており、今回で15回目、常設小屋の匂いが・・・。
一、桂三語・・・・・・・・「狸賽」
三語さん、前回に続いての「狸賽」、得意ネタなのか。
小狸の表情はかわいいし、噺はわかり易く、楽しい出来上がり。
でも、何かインパクトに欠けるのは何故。
博打場の情景が浮かばないのは何故。
周りの登場人物が浮かばないのは何故。
「ターちゃん」の連呼が有った様な無かった様な。
とにかく、薄味でおましたな。
二、笑福亭鶴二・・・・「青い目をした会長さん」
「ハンカチ」、「作文」、に続いての、鶴二さんの創作落語シリーズの一つ。
あのスタバの注文、いつも長ったらしくて、ヒヤヒヤしますな。
サイズだけでも、ショート、トール、グランデ、ベンディ、
ほんま、何のこっちゃ、ですな。
「トールサイズのキャラメルフラペチーノで、チョコレートチップ追加の
ホイップとソース多めでお願いします」
ああ、ソイミルク(豆乳)への変更もあるんですな。
大阪ではアイスコーヒーは、「冷珈(レイコ)」、の一言でこと済んだんですが。
スタバのごとく、スターバックスさん、何でも縮める
大阪版のメニュー表作って欲しいでんな。
三、桂よね吉・・・・・・「蛸芝居」
大熱演、よっかたですな、よね吉さんの「蛸芝居」。
でも、通常のマクラで、掛け声になり、歌舞伎役者は屋号で呼ばれる。
噺家は住んでる処で、「黒門町」「柏木」などがありますが、
私の師匠吉朝はあきませんな「尼崎」とよね吉さんが言うなり、
客席の前列から、すかさずご婦人の「失礼な」の一声。
「尼崎センタープール前」と補足されてましたが、
思わずの展開によね吉さんもオロオロ。
どんな時でもご自分中心、やはりご婦人は強いですな。
噺は「蛸芝居」。さすが師匠の十八番。
吉朝一門の十八番として、脈々と受け継がれていますな。
四、笑福亭鶴二・・・・・「御神酒徳利」
良い雰囲気の座敷なんですが、外は東南アジアからの旅行者で賑わう道頓堀、
それにも増して、街宣車がわめきたてて、御堂筋を流している。
窓は締めてはいるんですが、大きな声で飛びこんでくる。
そこは、ベテラン、笑いでこなしながらも、やり難そう。
ほんま、道頓堀は繁華街、そのど真ん中での落語会でおます。
でも、そろばん弾くだけで、拍手くるのはよろしいな。
サゲは「今度は、先生が失せモノになりました」と、
噺をつけて頂いた文珍さんの形。
こんな噺にも、たっぷり鶴二さんの上手さひかりますな・・・・。
2018年3月11日(日)午後1:00開演
第15回・道頓堀・はり重寄席
道頓堀はり重3階大広間
一、桂三語・・・・・・・・「狸賽」
二、笑福亭鶴二・・・・「青い目をした会長さん」
二、桂よね吉・・・・・・「蛸芝居」
仲入り
三、笑福亭鶴二・・・・・「御神酒徳利」
三味線・・・・はやしや薫子
終演後の抽選会とご挨拶。
お楽しみの、はり重さんのお弁当、美味しおます。
次回の、第16回 道頓堀はり重寄席、は
5月27日(日)12:00開演
笑福亭仁智さん、新内枝幸太夫さん、笑福亭大智さんのご出演。
楽しみですな。