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今まで短歌を詠んでいて多少モヤモヤとしていたのが多少和らいだ、この本。
随所に自由に詠んだら良いと後押しをしてくれる。
例えば、・俳句においての「一物仕立て」と「取合せ」、これさえも解釈する人によって意見が分かれると、そうです、答えはひとつではないと。・短歌や俳句は文学ですから、フィクションであってもいいのですと、重要なのは良い作品かどうあと言うこと。・「悲しき玩具」は啄木の三行書きに影響を与えたのは土岐善麿が編集をおこなったため。でも啄木は生前から定型には一切こだわっていなかった。・和歌に詠まれた恋愛は題詠、つまりテーマに即してフィクションで詠まれたものも含まれている、そうなんですすべて実体験である必要はないんです。・俳句で性愛を詠むのは難しい。俳句の男目線、女目線。それで言うと、短歌はやはりもう少し自由ですよね。
それと、最後にAI短歌、俳句についての議論あがあります。字数が少ないだけ、公約数的言葉の選択で標準的な短歌や俳句は出来てしまうのではないかと・・・。パソコンの中か人間の中か、どちらのプログラムを使うのかそんな時代がやってきそうですな。‥だからこそ、ごまめらしい短歌を詠まなければですな。