☆☆☆☆☆
おもしろく読んだ一冊。昔は偉人伝とか伝記ものという本、沢山ありましたな。いまやっている朝ドラも植物学者の牧野万太郎の物語、まさにそれを彷彿させる画家・熊谷守一の伝記。
社会人として、世の中の常識とはかけ離れていて、所帯を持っているのに生活的には貧乏の連続、絵の腕は確かで描いて売ればいいのに、なぜか描かない。そして筏師みたいな肉体労働をする。これは」「日経新聞」の「私の履歴書」として連載されたもので、九十一歳の時の記者に向かっての語りで、その語りのなかの即興性みたいな自然な言葉、熊谷守一、本人の飾り気のない自然な心の声を知ることができる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます