ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

三屋清左衛門残日録~藤沢周平

2015-10-20 04:32:10 | 本の少し
三屋清左衛門残日録 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆☆☆

この本も読書ログにおいて“課長代理”さんにお奨め頂いた本。


なかなか読み応えがありながら、いっきに読んでしまった。

最初は、すべての噺が最後の完結までいかず、起承転結の転で終わってしまったようで、
何かやり残したような気になっていたのだが、次々読み進める内に、
前の噺の続きではないのですが、すべてが線で連なっていって、
最後に主人公が、いぶし銀のごとく、どっしりと存在感をあらわす。

主人公の、三屋清左衛門、隠居の身でありながら、藩の執政府の紛糾の中で
中立公正の人柄と思慮に満ちた熱き思いで関わりあっていく。

行きつけの呑み屋があったり、昔取った杵柄で子供を教えに剣道場に通ったり、
かつての同僚と行き来を再開したり、そして引退後もお殿様から頼りにされるとは・・。

リタイヤ後は、この様にして過ごしたいなと憧れる日々。


でも、多少の名誉とお金と体力があってのこと、現役の時の活動がすべてですな。



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