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古典の文学を楽しむのではなく、芸能論である。文学、文芸は、文字である前はもともと語り、声であった。「平家物語」、「能、狂言」、「説教節」、「義経千本桜」、どれもまずは声にのせて伝えられる芸能だった。能や狂言、特にあの文楽における浄瑠璃の心を揺さぶる感激、効果はまさにそれである。
「平家物語」では死、「能、狂言」では幽霊、「説教節」の涙、「義経千本桜」の死と、すべてのことが死をもってにつながる当時の人の死生感がうかがえる。
あの浄瑠璃を聴いて涙がにじんでくるのは、どこか私たちのこころの奥と共鳴してるんでしょうか。涙ぐむのも決して恥ずかしいことではないとこれからは居直って堂々と聴けます、コロナも落ち着いて早く文楽劇場へ行きたいもんですな。
最後に、現代語に訳した作家さんたち。
「平家物語」・古川日出夫、「能、狂言」・岡田利規、「説教節」・伊藤比呂美、「義経千本桜」・いしいしんじ
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