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最初に短歌のいろは、手ほどきをして頂いた師匠ともいえる“牛隆佑”さんの、第一歌集。出会い、教えが良かったようで、七年経った今でも細々と短歌をかじっておられるのも“牛隆佑”さんのおかげです。
でも、それは決して押しつけるものではなく、自由に詠む、心のままに詠む。
ルールはあるがそれも、順守できればという程度で、詠う心優先。
ということで私の短歌は、師匠ともいうべき“牛”さんとは真逆。ほんと“牛”さんの短歌は難解。世の中を斜交いにながめながら、どこか温かい目で見ている、沸き立つ思いを雄弁に語るのではなく、寡黙のなかで語っている。
お喋りの私とは真逆、でも私の私淑の師匠であります。
・あとでさむくなるのだけど春の雨 一つ一つ肌に心地よい
・おめでとうは遠くまでゆくさようならは目の前のあなたしかとどかない
・職歴のその一つ目と二つ目の間に本当に色々あったのですよ
・じゃがいもを茹でて潰せばコロッケになるごと僕は何者にも
・国道をすべりゆく車の音も それは潮騒なのかもしれず
・思い知れ、お前は一人、一人なのだ、一人だ、一人、しかいないのだ
・あきらめることがそんなにわるいのかそのへんどうよ麻婆豆腐
・ああそれなら真っ直ぐ行ったその先を右に曲がれば青空ですよ
・家族とはポケットのないドラえもん 春コロッケを買って帰った
・あらがわないこともあるいはたくましさだとおもうんだ青椒肉絲
・一日で書籍が届くうつし世に三日がかりで書き上げる手紙
・三十分の散歩を終えて人をひとり殺したような両手を洗う
・かなしみの券売機なら一万円紙幣をやろう吐き出せばいい
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