夜中の薔薇 (講談社文庫) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
☆☆☆
ようやく読み終えた本。
今迄、向田邦子さんの本は沢山読んだと思っていたが、
写真集や妹さんの本で読んだ気になっただけで、
ご本人さんのは、これで確か三冊目。
でも、読んでいるとなぜか懐かしいというか、
既に目にしたことがあるような、昔聞いた落語を今生で聴いてい
そんな気持ちにさせてくれた・・・・。
さすが、ドラマの脚本家だけに、言葉に敏感。
言葉の洒落っ気については、随所で披露してくれる。
例えば、
渋谷駅で切符を買った時のこと、
気がせいていたので「渋谷一枚」と叫んでしまった。
こういう場合「ここだよ」とどなり返されるのがオチだが、
その駅員さんは違っていた。
静かな声で、「無料(タダ)ですよ」といって、かすかに白い歯をみせた。
私は一瞬、この初老の駅員さんに惚れてしまった。
いいですな・・・・でも今や、自動販売機、乗り越しで清算をして
定期券でも忘れようなら、ピー、ピー、ピーとお咎めのごとく叫んでる。
ああ、味気ない世の中になりましたな・・・・。
向田邦子さんの世界が心地良いのは、
限りなく昭和の匂いがするからでおますな。
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