ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

檀~沢木耕太郎

2016-08-09 04:05:06 | 本の少し
檀 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

☆☆☆

「火宅の人」の作者、檀一雄の奥様への一年余にわたるインタビューを元に
沢木耕太郎が檀一雄の愛人との交情を、妻の立場から語った形ですすめられる。

夫が愛人の元へ走った妻、残された家と子供たち、
家事に追われ、お金の工面に追われ、ただあくせく走りつづけた人生。

私は檀ヨソ子であり、「家宅の人」の桂ヨリ子のモデルである。

でも決して「貧しかったけれど、不幸ではありませんでした」、と。

あなたにとって私は何だったのか。私にとってあなたはすべてであったけれど。

と言わせる、檀一雄、・・・・男女の仲、夫婦とは、奥深いものですな。

檀からの手紙の中に、《なるべく仲良く一緒に、乗りかかった船とおきらめて、
死ぬまで信じ合って生きてゆきたいものですね》と、言いながら

《若し又、私に愛人ができた節も、私はあなたと離婚はいたしません》と、
いけしゃしゃと綴っている、この心境、

けっして作家だから許されるものではないだろうが、
反面この一途さが、魅力なんでしょうな。

沢木耕太郎、得意のノンフィクションとフィクションの際で揺らぐ作品でおます。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村

読書ログ - 読んだ本を記録して共有する読書コミュニティ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第四回梅團治・憧れの東西二人... | トップ | 岡町・南天の会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事