ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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誰よりも落語を愛してる~新釈落語噺・立川談志

2010-11-19 09:17:17 | 本の少し
新釈落語咄 (中公文庫)
立川 談志
中央公論新社

☆☆

この頃、立川流を聴く機会が増えてきたので、ずっと前に読んだ本を
本棚から引っぱり出して、再読する。

最近聴いた噺のお題と重なるのは、「化物使い」「寿限無」「片棒」
「だくだく(書割盗人)」「粗忽長屋」「孝行糖」辺りか。

全てで20席あるが、噺の題材を使いながら、談志は落語一席ずつ、
人間そのものをみている。

15年前だが、既に、今述べている「人間の業」を見定めている。

まあ、おもしろいところをご紹介すると、ラジオで円蔵とやった
「寝床」が、ナンセンスで言葉のイリュージョンである。

「おい番頭、新選組は何で来ないんだ」
「何でも大林組と合併しまして、いま揉めていまして・・・・。」

「猿飛佐助はどうした」
「忍術で消えたンですが、元に戻らなくなっちゃて来ても分からナイとか」

「山手線の運転手はどうした」
「ブレーキがきかなくなっていまグルグル回ってまして・・・。」

「幼稚園の生徒はどうした」
「皆ンな家に帰っちゃいました。」

バカバカしくて、おもしろい。

こんな、遊びができるのも、談志が常々云う、「古典」に感謝ですな。

1995年6月初刊であるが、この本から、伝わるものは、
談志は、誰よりも「落語を愛してる」の一言である。



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