今や、上方の中堅で、一番の実力派、宗助さん、銀瓶さん、文華さん、の登場。
落語ファン、楽しみの二日間ですな。
今日は、思ったより少なめの120名の入り・・・・・落語ファン必聴なのに、もったいない。
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開口〇番・・・「崇徳院」・・・・・・・・・・・・・桂文太
崇徳院といえば、恋わずらいの若き二人、若旦那とお嬢さんのお噺ですが、
実際の崇徳天皇は、怨霊伝説があったそうで、その辺りをNHK的に解説。
第75代天皇だが、父鳥羽天皇の実子ではなく、祖父の白河法皇の子であったとか。
それ故に、5才で皇位についたが、24才で異母弟である近衛に譲位し、上皇するが、
その後、武士と手を組み、天皇方を倒すという、今でいうクーデターをしかけるが失敗。
流罪となる。
その後、哀れなる死を遂げた崇徳天皇の怨霊伝説があったとか、・・・・・
そのとき、歴史は動いたと、崇徳院伝説を、史実に基づき解説。
「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の、われても末にあはんとど思う」
あのロマンチックな歌とは違った、崇徳院の一面を知る。
一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
「京都の二条の四畳半に住んでる二乗が、田辺寄席に参上」といつものフレーズではじまる。
髪の毛も長くなり、羽織も着ての登場、堂々の貫禄。
噺は「強情灸」。本来はもっと、お灸が熱くて悶えてもらわなければ、
そこは、現代青年の二乗さん、いたって、スマート。
でも、最後の方は、ほんのり額に汗がにじんできまってましたな。
二、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「釜猫」
聴いたことがあるようで、誰で聴いたのか思いだせず、米朝さんの珍品集のCDで
生で聴いた気になっていたのか・・・まあ、珍品なる噺でよくいわれる、
皆が語ろうとしない理由は一つ、しんどい割りに、ウケない。笑いが少ない噺だと。
そして、この様な、米朝さんが残した噺を隅々まで伝承しようとする、噺家さん、
お弟子さんが居られるのは、頼もしいですな。
でも、宗助さんの、声量と声の良さには、惚れ惚れしますな。
(目をつぶって聴くと、心地良いこと限りなし・・でも寝てまへんで)
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「夢の革財布」
東京では、「芝浜」、あるとき、「粉浜」として演じると、大先輩からお叱り、
それからは「夢の革財布」として、演じている。
前半の河岸へ仕入れに行き、早すぎて浜で、煙草を吸いながら、
朝明けを迎える、三木助さんの紫のシーンは、わざとらしくて嫌なのか、なし。
財布を懐にいれて、慌てて帰ってくるところから、はじまる。
最後に、50両を内緒にしていた女房が打ちあけるところが、山だが、
ここも、文太さん、案外あっさり。怒りもせず、おかみさんに「ありがとう」。
夫婦の心の乱れ、もつれもなく、淡々とした運び・・・・・・・
「芝浜」を「粉浜」とよんだ時から、人情噺とはオサラバしていたのか。
ウェットのようで、シャイな、文太さんの「夢の革財布」でおました。
中入りの際に、お庭ででるお茶とお菓子。お庭は、お世話の方が整備され気持ち良い。
四、桂しん吉・・・・・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」
初めて聴く、しん吉さん。・・・・媚びを売って笑いを取りにいくタイプではなく、
師匠吉朝さんの高座は、こんなんだったのではないかと、聴く。
吉弥、よね吉、吉坊、そしてあさ吉に一人加わる、吉朝の弟子たち。
落語に正面から対しながら、それぞれの個性が出て、頼もしい。
来年も、吉朝一門への足は多くなりそうですな。
五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「風の神送り」
昔は、「風の神送り」とは、今の、インフルエンザのこと。
医術、薬より、まず、神、仏の力をかりて、それでもダメなら、
風邪の神にお引き取り願おうと・・・・手軽な発想。
「弱身につけこむ風邪の神」という、慣用句があったそうで、
それが、そのまま、「それで、夜網(弱身)につけこんだか」の、サゲになっている。
町の若い者がこころざしを集めて回る、先でのおもしろさ。
送り出す時の、鳴物も入っての「風の神送ろう」は賑やかで、
この二、三日、風邪気味の私の風の神も一緒に飛んでいってくれたようでおます。
夕方、用事で家に帰るが、明日は、文華さん・・・この中堅どころのたっぷりじっくりは
来年も続きそう、しばらく、目が離せませんな。
549回・田辺寄席~桂宗助の段
2010年11月20日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター
一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
二、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「釜猫」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「夢の革財布」
仲入り
四、桂しん吉・・・・・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」
五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「風の神送り」
10-56-242
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米二さんとは出会う機会が少ないのですが、12月の二の会(米二、染二、鶴二)あたりに、都合つけて、聴いてみたいと思っていますが。