よってたかって古今亭志ん朝
~志ん朝一門~
文春文庫・543円
☆☆☆
これからは、子供の時の読書感想文を思いだして、
おもしろかた書物を紹介致します。
志ん朝の素顔を弟子たちが語る。
落語から感じる師匠と、実際の師匠とは正反対。
私が、唯一何度もCDを繰り返し聴く江戸の噺家さん。
好きなのは「火事息子」、「厩火事」、「鰻の幇間」など。
「前座」・・・弟子たちは前座の間は満足に口をきいてもらえない。
まずは、「掃除、洗濯。炊事」・・・」お前は、噺家になるために入ったが
何でこんなことをしなくちゃいけないんだろうと思っているかも
しれないけれど、これも修行だよ。」よく見てるなと弟子のこと
その一言で、何もかもうれしくなる。
「名前」・・というものに対する、各噺家の思い入れがすごい。
だからこそ、師匠の名跡を誰が継ぐで、あれだけもめるのか。
「稽古」・・・案外大雑把に出来ない志ん朝さん、教えるのは面倒くさい。
弟子は、それでもつけて貰おうと、悪戦苦闘・・すざましい。
「志ん朝のこだわり」・・・・「真打」、「スジ」、「上方」
「芝居」、「着物、扇子、手ぬぐい」など、修行の厳しさが
ヒシヒシと伝わる。
私の、落語暦の空白時期が長かっただけに、
志ん朝師匠の生の落語を聴き逃したこと、
同じ時代に生きながら、不覚としか言いようがない。
この書、外からは解らぬ落語家の師匠と弟子の世界を
少しでも、垣間見ることができる。
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