考えの整頓 | |
クリエーター情報なし | |
暮しの手帖社 |
☆☆☆☆
四つ星ながら、読み終えるのに時間が掛かった本。
暮らしの手帖に、2007年1月から2011年5月まで連載された
「考えの整とん」に加筆されたもの。
物事の気になる、引っ掛かるものごとにゆっくりと核心にせまる。
走っていくのではなく、散歩しながら、ゆらゆらと考える。
そんな、究極の贅沢な様な本です。
最後に読んだ「一敗は三人になりました」では、情報についての考察を。
すごく気になるところがあるので長文ですが、そのまま写すと
「人と人とのコミュニケーションにおいて、伝える内容は、簡単で分かりやす
い方がいいかというと、あながちそうとも言えないのではないかと私は思って
いる。もちろん、ひとりよがりの小難しいだけの文章ではコミュニケーション
が取れないのは当然であるが、最近の何でも分かりやすく伝える、教えること
を良しとする傾向は、人間に本来備わっている「推測する力」、「想像する力」、
「創造する力」を考慮に入れない方向性で、それが却って教育や放送文化などを
貧相なものにしているのではないかと案じている。
私たちが生きていく過程で必要なのは、すぐに分かりやすい形に加工されて
いる情報を摂取し、頭を太らすことでなく、情報という形になっていない情報
を、どのくらい自分の力で噛み砕き、吸収していくかということなのである。
それは、うまく世の中を渡れる知識を手っ取り早く獲得することとは一線を画し
いかに自分が人間として、生き生きした時間を開拓するかということにつながって
いるのである。」
今、短歌をかじり初めていますが、たった31文字の中で表せることは限られて
いますが、その奥に秘められた思いが滲みでるような、そして読み手に想像の余地を
残すなんて、まさに、この佐藤雅彦さんが云おうとしていることと同じ。
多くの情報の中から、取捨選択。
日常の生活において何事にも、
自分の力で噛み砕き、吸収していくのか、大切なことですな。、
まさに、「考えの整頓」のヒントを与えてくれる本でおます。
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