ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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繁昌亭も欲しい~新宿末広亭のネタ帳

2011-02-06 23:05:51 | 本の少し
新宿末広亭のネタ帳
長井 好弘
アスペクト

☆☆

2001年から7年間の新宿末広亭の「ネタ帳」をデータを長井好弘氏が整理。

そこから見えてきたモノは。

繁昌亭のデータ公開がないのであくまで憶測だが、
上方とは大いに違うようである。

多いベスト30は
1位・子ほめ、2・替り目、3・たらちね、4・真田小僧、5・初天神、6・桃太郎、7・親子酒8・手紙無筆。9・長短、10・転失気、11・粗忽の釘、12・時そば、13・強情灸、14・不精床15・金明竹、16・寿限無、17・権助魚、18・紙入れ、19・狸札、20・やかん、21・宮戸川22・道具屋、23・家見舞、23・牛ほめ、25・小言念仏、26・看板のピン、27・つる、28・鰻屋29・道灌、30・饅頭怖い・・・・・・・と続くが
、替り目とか、紙入れ、宮戸川など
トリネタっぽいのが、多く演じられているのには、びっくり。

そして、一位の子ほめを三遊亭遊三、三遊亭金遊、五街道雲助など真打クラスが
多く演じているのが、おもしろい、繁昌亭とは違った寄席の歴史を感じますな。

トリネタのベスト20は、
1位・井戸の茶碗、2・寝床。3・火焔太鼓、4・妾、。5・子は鎹、6・お見立て、7・悋気の火の玉、8・抜け雀、9・らくだ、10・死神、11・青菜、12・鰻の幇間、13・長屋の花見、14・片棒、15・明鳥、16・替り目、17・ちりとてちん、18・親子酒、19・中沢家の人々、20・宿屋の富・・・。
青菜、ちりとてちんが、トリネタとは、上方では無いですな。

協会で同じ噺でも、演目が違うのも、「替り目」と「代り目」、「鰻屋」と「素人鰻」、「短命」と「長命」
文冶師匠は「道具屋」を「道具や」、小遊三師匠は「持参金」を「金は廻る」と、上方でもこだわりの噺家さんはおられるのだろうか、そう言えば、ざこばさんこの頃、「子は鎹」から「子別れ」と書かれているときがありますが、意図的なもんなんだろうか。


そして、この本の一番読み応えのあるのは、第5章の「噺家、寄席のネタを語る」。
各師匠たちのネタへの思い、寄席への思い、落語への思い、いかに十八番をつくりあげてきたかが良く解る。十八番を見れば、その噺家さんの落語へのスタンスと歴史が垣間見れますな。

でも、こういう本を見ると、つくづく繁昌亭のネタ帳の開示本、欲しいですな。
やまだりよこさん、お手数ながら頼みまっせ。




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