笑福亭伯枝独演会~2021.11.14
和泉市シティプラザの落語講座でお世話になっている講師の伯枝師匠の独演会。
一、笑福亭智丸・・・・・・「転失気」
一年に一度の頻度で聞いている智丸さんの「転失気」、やはり余裕、どっしりしっとりしてきた「転失気」。一か所言い間違いがありましたが、やはり変な慣れが生むんですな、でもそんなこと関係なしの開口一番の高座で」おました。来年は是非、智丸さんの会に出かけて、大ネタ聞くぞ。
二、笑福亭伯枝・・・・・・「鼓ヶ滝」
鼓ヶ滝を訪れた西行法師が詠んだ歌が「伝え聞く 鼓ヶ滝に来てみれば 沢辺に咲きし タンポポの花」。
泊まった一軒の民家で、お爺さんが上の句を「音に聞く」と直し、お婆さんが中の句を鼓にかけて「打ちみれば」と、孫娘が「沢辺」を鼓の革にかけて「河辺」と直すように・・・「音に聞く 鼓ヶ滝を打ちみれば 川辺に咲きし タンポポの花」と歌が良くなり、そこで目を覚ます。あの三人は和歌三神だったのだと、西行法師の歌道を説く噺。講談の旭堂南鱗さん直伝のとか、講談の匂い残しながらの「鼓ヶ滝」よろしおますな。
三、三吾・美ユル・・・・・「親子漫才」
実際ボケ始めたような三吾師匠を、ののしる美ユルさんの親子漫才。セリフが飛んだのか心配になるなんとも言えない間が、段々快感になってくる。でも美ユルさんのツッコミ、日頃の親思いが出てるのか、案外手加減で娘の優しさがうかがえますな。でも親子で、一緒に仕事ができるって三吾師匠、それだけでも幸せですな。
四、笑福亭伯枝・・・・・・「茶漬け間男」
茶漬けと間男、この相反するところのおもしろさが落語でおますな。世の中知らん間にいろんなことが起こってるんです。でも伯枝さんも云うたはったんですが、最後に肝が座ってんのはやはり女性みたいですな。
「紙入れ」かこの「茶漬け間男」か忘れましたが、「そんな浮気される亭主の顔、見たいわ」という女房に、吾を指さしながら「こんな顔や」という怖い、オチがありましたな。
五、笑福亭伯枝・・・・・・「ざこ八」
三か月前のネタおろしも聞いたんですが、さすが本番、最高の仕上がり。やはりネタを練り上げるというのは凄いですな。「ざこ八をつぶしたんは、鶴さんおまはんのせいや」で始まる小父さんとのけんか腰の言い合い。よろしいな、変に人情噺にならずして、ざこ八とお糸さんのこれまでの年月が語られる。
ここのところだけで、鶴さん、お糸さん、小父さん、すべての人の心情が明かされる。
でも、一番かわいそうなのは、間に入って最後はのろけまで聞かされる魚喜さんでおますか・・・最後の終わり方は、優しさあふれる伯枝さんらしいですな。
笑福亭伯枝独演会
2021年11月14日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭
一、笑福亭智丸・・・・・・「転失気」
二、笑福亭伯枝・・・・・・「鼓ヶ滝」
三、三吾・美ユル・・・・・「親子漫才」
四、笑福亭伯枝・・・・・・「茶漬け間男」
中入り
五、笑福亭伯枝・・・・・・「ざこ八」
三味線・はやしや律子、お茶子・東杏子
②、一枚看板