~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

障子

2009-12-02 18:27:04 | 日記
晩秋の陽光を優しく受け止めている障子を見ていたら、
「あーこの障子にも助けられたなー」と苦しかった
あの頃を思い出しました。
息子が亡くなった後、私は味覚も無くなり味付けも
出来ないので、来る日も来る日も鍋物でしたが、
小三の次男は文句も言わず食べてくれていました。
ある日ふと、もう師走になっていて、
子供の祭壇のある部屋の障子が破れているのに
気が付いたのです。この時の私の体力では、障子の張替など
出来そうにありませんでしたが、お正月を迎えるのだから
祭壇のまわりを綺麗にしなくては…家事も出来なくなって
いる自分が、張替などできるだろうかと、不安で一杯
でしたが、子供の為にとやってみたら出来たのです。
その時、こんな力が自分の中に残っていたのかと、本当に
驚きました。それから少づつ食事が作れるようになり、
気がつくと味覚が戻っていました。
この時、何でもないと思われる日々の営みに自分は支え
られているのだと思いました。
 初女先生は、「辛いことがあると自分は手仕事が好きだから
お料理とかお裁縫をすると、その作業に入り込み何もかも
すっときえてしまいます。」と言われてます。
毎日繰り返される日々の生活に、人は支えられているの
かもしれません。
日々の暮らしの積み重ねが人生になっていくんですものね。
 初女先生の今を丁寧に生きる姿が、やわらかい日差しを
受けた障子の向こうに、見えてくるようでした。

               
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする