~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

営業第1号

2009-12-26 17:26:15 | 日記
「電話したら、あいつが出てきたから行ってくるよ。」と
主人が床屋さんに行きました。
息子の友達が、理容学校を卒業すると、主人は彼が就職した
ちょっと遠い床屋さんに通い出しました。
その子がうちに来た時、主人のことを「おやっさん、僕の
営業第1号です」と言うので、「他にもあなたがカットしてる人
いるの?」と聞くと「おやっさんだけです!」と…
床屋さんから帰ってきた主人は「あいつ、待ってましたと言うように
飛んできたぞ!」と決してカッコいいとは言えない髪を撫でながら、
どこか嬉しそうな言うのです。
いつかは、草君みたいな髪にと注文したら、「マジっすか?」
と言いながら、やっぱりいつもの定番になったと…
 小学生の時から、毎日のように遊びに来ていた彼。
中学では部活も同じで、息子が倒れた時も一緒にいた彼。
息子が亡くなった後も、本当によく訪ねてくれ、私が思わず彼の手を
握り泣いてしまった時、「俺、おふくろさん二人いると思うから」と
優しい言葉をくれた彼。
高校生のうちの子は、彼の顔剃り第一号でした。
床屋さんから帰ってきた息子が「おかあさん、お兄ちゃんの友達
顔剃る時、鼻息が荒くて手が震えていて怖かった!」と言っていました。
今年の7月に13年飼っていた愛犬が死んだ時、息子がメールをしたら
ネクタイまでして焼き場に来てくれ、最後の別れをしてくれた彼。
家にお線香をあげに来てくれると、長い間真っ直ぐに息子の写真を
見ている彼。
そんな彼の姿に、何度涙したことか…
 彼が一人前の床屋さんになるまで、営業第1号の主人はきっと
通い続けるでしょう。
主人の髪が薄くならないうちに、どうか一人前になってね!

コメント (2)
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