佐藤初女さんに出会ってから、数えきれないくらい
初女さんのおむすびを結んでいる姿を見て来たし
おむすびの作り方を教わってきました。
私の結んだおむすびを美味しいと言ってくれる人も
いるし、何年か前に食べた貴方のおむすびが
忘れられないと、嬉しい言葉をかけて頂いたことも
あります。
でも、私としてはそこそこの美味しいおむすびで
止まっているような気がしていました。
初女さんは、どんな思いでおむすびを結んでいますか
美味しくなあれって思ってですか、それとも
おむすびを食べる人のことを考えているんですか?
という質問に、いつも「何も考えていません。
一心に結んでいます。お米の一粒一粒が呼吸できる
ように…」と答えられていました。
私も、いつもそう思っていましたが、私の場合は
頭でそう思っていたのです。
ところが今日は違ったのです。
実は、先日職場で里芋の皮をどう取るかという
話になり、たわしでこすって取るという人が
多かったのですが、たわしでこすったら里芋が
痛いような気がしたのです。
芋と芋をこすりあわせたら、きれいになり
里芋も気持ちよさそうでした。
初女さんの野菜の声を聴くって、こういう
ことかなと思ったのです。
その後におむすびを結んだら、お米の一粒一粒に
思いが行ったのです。(頭ではなく)
そうしたら、口の中に入ったご飯がはらりと
ほどける、そんなおむすびが結べたのです。
初女さんと出会って13年、やっとお米が呼吸が
初めて分かりました。
と、言って明日同じように結べるかといったら
それは、分からないのですが…
おむすびの深さを実感しました。
「おむすびはいつ食べるのが一番美味しいですか」
という質問に初女さんは「温かいうち」と言って
いたので、その場で食べました~
自分で作って自画自賛だけど、美味しかった!
また、精進して作っていきます。
「おむすびは、ごはんの炊き方が一番なの」と
言う初女さんの声が聴こえて来ました。
初女さんに教わったおむすびは、一生ものです。