日常一般

日常生活にはびこる誤解、誤りを正す。

大型店(スーパーなど)の出現と生産と販売の分離

2007年04月11日 | Weblog
 昔は肉屋、魚屋、八百屋とそれぞれ専門店があり地域に密着した商売を行っていた。市場から原料を仕入れ、小分けして店先に出し販売をしていた。そこには生産と販売がつながっており、お客の注文に応じて計り売りをしていたものである。お客はその原料を調理して食していた。主婦労働の企業化はここにも見られる。惣菜産業の出現がそれである。本来主婦の仕事であったものが、企業によって行われるようになった。しかし、企業は販売ルートを持たない。大量に生産され加工された食品を販売するために現れたのがスーパーに代表される大型店である。魚屋も肉屋も八百屋も一つにまとめられてしまった。対面販売は無くなり、セルフサービスが主流になった。パック詰めされた食品をお客はレジに持っていき、金を払っておしまい。そこにはきめの細かいサービスは無い。
 かくして、惣菜産業は、生産・加工をするだけ、大型店は売るだけ、生産と販売は完全に分離されたのである。いまは鮮度を重んじる刺身や寿司などはスーパーのバックヤードで作られるようになったが、いまだに外注しているところがある。この結果、生産と販売を結ぶための流通が必用になった。生産会社は、スーパー各店舗に注文された商品を配送しなければならない。その結果、交通渋滞が生じる。
 いまスーパーは自分のところで流通センターを作り、生産会社から送られてくる商品を店ごとに仕分けして、生産会社から手数料をとり店舗配送を行っている。スーパーの中には生産会社に流通センターを作らしているところもある。また自らが生産会社を作っているところもある。各生産会社による個別店舗配送はなくなり、その限りでは交通渋滞は少なくなったが、生産と販売の分離がある限り交通渋滞はなくならない。