ウェヌスはもちろん愛の女神のことですが、このウェヌス、悲しそうな顔をしていますね。
正直言ってしまえば、もう愛想がつきたって感じです。
愛の女神は何にでも耐えてきて、男のためにあらゆることをやってきたけれど、男が相変わらず、子供みたいなことばっかりしているのを見て、少し気持ちが覚めてきた。
もうそろそろいいんじゃないかしら。いつまでやっていても、男は変わらないわ。もうここらへんで、やめよう。
ウェヌス、何をやめるの?
彼を愛することを。
心配しないで。そばにはいるわ。彼はわたしがいなくちゃ、何もできないから。でも、これは秘密。誰にも言わないわ。もう愛していないなんて。でも、決定的に彼に意地悪をしないってことは、まだ愛しているって意味なのかしら。そうねえ。別れることはできるけれど、そうすると、苦しむ人がいっぱいできる。そう思うと、簡単には別れられないわね。
我慢をすることは、得意だから、大丈夫よ。男はいつもいばって、わたしを馬鹿にしてばかりいるけれど、心の中ではもうわたしは彼を愛してはいない。誰も知らない心の中で、わたしは彼に復讐しているのかもね。
もう、愛していないわ。あなたを。