入院生活も後半戦に入りました。
まずは前日から持ち越してしまったガーゼ交換です。
前日に半分やっていたおかげで、残りの半分はそこまでつらくはなかったです。
左の鼻の方が出血がひどかったので、この日は左に4枚、右に3枚入った状態になりました。
以後のガーゼ交換は一回目ほど痛くはないので一安心です。
点滴も無く、ガーゼ交換も山場を越えたので精神的にはだいぶ楽になりました。
シャワーもオーケーが出たので久々に体も髪もきれいに洗いました。
伸びっ放しだった髭も剃り、だいぶ普通の状態に戻ってきました。
その後は本を読んだり教科書を読んだりネットサーフィンをしたりして、
時間を有効的に使うことが出来ました。
入院していると曜日感覚が無くなりますが、気付いたらもう金曜日でした。
明日から日本シリーズも始まるなと思いながら、気持も前向きになってきました。
まだ少し血は出ていましたが、問題の無い程度のようです。
いよいよ退院が視野に入ってきました。
個人的には一番つらい一日でした。
かなり痛いと聞いていたガーゼ交換の日がやってきました。
服には念入りにエプロンをかけられ、両手には血を受ける皿を持っていよいよ開始です。
鼻に詰まっているガーゼがピンセットで一枚ずつ抜かれていきますが、これが痛い!
泳いでいる時、鼻に水が入ると痛いですよね?あれの強烈なやつです。
しかも僕は他の人より出血がひどかったようで、エプロンをしていても服がかなり汚れました。
左の鼻のガーゼを抜き終わったところで一休み。
そして今度は新しいガーゼが入ってきますが、これもそれなりに痛かったです。
それが終わった時点で先生が、
「ちょっとつらそうだから右の鼻は明日にしようか」
と言って下さいました。
僕が返事を迷っていると、迷うくらいなら明日にした方がいいよということでした。
というわけで右の鼻は翌日に持ち越しとなりました。
今思えばつらいことは一気に済ませておくべきでしたが、
あの時点ではそう考えている余裕がありませんでしたね。
ガーゼ交換は痛いとはいえ時間としてはほんの数分のことです。
しかしこの日はもう少しつらいことが待っていました。
その後、なんとなく喉の奥がむずがゆい感じがしていました。
先生にも看護師さんにもそのことは伝えておきましたが、
手術の際に少し痛んでしまったのかな、くらいに考えていました。
しかし午後になって違和感が強くなり、
横になっていないと常に戻しそうな状態になってしまいました。
外来を終えた先生のところに飛んで行って診てもらうと…衝撃の事実が!
翌日に持ち越した右の鼻のガーゼの一部が喉のあたりに落ちてきていたんですね。
これでは常に戻しそうになるのも当たり前です。
すぐに取ってもらうと、嘘のようにすっきりしました。
邪魔くさかった点滴もこの日で終わり、峠は越したかなという感じです。
そんなこんなでこの日はつらかったです。
あまり脅かすようなことを書くと、
これから手術を受けようか迷っている人は不安になるかも知れませんが、
事実は事実として書いておこうと思いました。
ただ、ガーゼが落ちてきて苦しんだのは滅多にないことだと思うので心配しないで下さいね。
大事なのは少しでも違和感を感じたら我慢せずに言うことです。
翌日からいよいよ後半戦です。
手術から一夜明けました。
この日から食事も三食オーケーです。
とにかくお腹が空いていたのでまずは朝食をむさぼるように食べました(笑)
幸い食欲は旺盛で、三食ばっちり食べられました。
そして食後に計三回、痛み止めと整腸剤の服用が始まりました。
朝の主治医との面談では、「明日のガーゼ交換が一番つらいから」と言われました。
確かに、手術後から鼻の中にはガーゼがパンパンに詰まっているのです。
外から見てもはっきり分かるくらい鼻が膨らんでいます。
どのくらいつらいのか想像もつきませんが、やはりちょっと不安にはなりましたね。
この日も一日中点滴を打っていました。
別に痛くはありませんが、移動時には常に点滴台を動かさなくてはいけないので面倒です。
そして前日からやっている血出しと綿球交換は相変わらずです。
徐々に血の量も減ってきたので一安心でした。
まだ入浴は出来ないので、タオルをもらって体を拭くだけです。
というわけで三日目は面倒なことはあってもつらいことはありませんでした。
そして明日は一番の山場、ガーゼ交換がやってきます。
いよいよ手術当日です。
手術は午前中ですが、まずは朝に浣腸をしました。
初の体験でしたが、あまり気持ちのいいものではありませんね…
トイレにいる間はけっこう苦しかったです。
体中が軽くしびれて頭がぼーっとしてしまいました。
不思議だったのは、これが陸上のインターバル走で追い込んだ後の苦しさと全く同じだったんです!
ああ、これはいつもの感覚じゃないか(笑)ということで耐えることが出来ました。
手術前にはまず点滴を打たれました。
初めての経験でしたが、邪魔くさいですね…これはもう二日間続きます。
また、直前には肺塞栓(エコノミー症候群みたいなもの?)予防のため、
きつめのストッキングを履かされました。
これも陸上のロングスパッツと変わりなかったので特に違和感はありませんでした。
10時半にお呼びがかかって別の階の手術室へ。
全身麻酔の手術には同伴者が必要なので、両親が来てくれました。
もちろん、外で待っているだけですけどね。
両親には長い時間に感じられたのではないでしょうか。
手術台に乗せられてもあまり怖い感じはしませんでした。
そのうちに麻酔が効いてきて…後は何も覚えていません。
気付いたら病室のベッドに寝ていました。
手術は非常に順調で、予定よりずっと早く終わったそうです。
もっとダメージがあるのかと思いましたが、いたって元気でした。
ただ、術後5時間はベッド上で安静にしなくてはいけないので、けっこう退屈でした。
しばらくは酸素マスクもつけられていました。
ここからは喉に落ちてくる血をティッシュに出すのと、綿球交換をひたすらやります。
血を飲み込んでしまうと気分が悪くなるので、その前にティッシュに出すんですね。
真っ赤な血を見るとちょっとびっくりしますが、痛いとかそういうことは一切ありませんでした。
綿球は出血を止めるために鼻に詰めます。
最初のうちはすぐ血が染みてきてしまうので、せっせと交換していました。
こんな調子で手術当日は過ぎていきました。
鼻が完全にふさがっているのでしゃべりにくく、口の中も乾いてしまいますが、
我慢出来ないようなものではありませんでした。
この日も特に問題なくよく眠れました。
ついに入院の日がやってきました。
自宅から徒歩で行ける病院なので、その点は便利ですね。
午前中に両親とともに入院病棟に到着。
病室に案内され、入院と手術に関する説明を聞きました。
手術のスケジュール、全身麻酔、薬、手術のリスク等かなりボリュームがありましたね。
予定は二日目に手術、その後徐々に鼻に詰めたガーゼを減らしていって、
手術後一週間で退院というものでした。
そして全ての同意書にサインしてついに入院生活スタートです。
この日は昼食と夕食が出されました。
よく病院食は美味しくないと聞きますが、ここの食事は美味しいです。
おかげで毎日食事が楽しみです。
これはありがたいことですね。
手術当日は一切食べられないので、しっかり味わっておきました。
また、しばらく入れなくなるので風呂にも入れてもらいました。
この時点では「明日が手術か」という感じはあまりしませんでしたし、
夜もぐっすり眠れました。
むしろ鼻が良くなってこれまでの苦労から解放される期待感の方が大きかったです。
今回から具体的な内容に入ります。
まずは耳鼻科のお医者さんに行き、鼻の状態を見てもらいました。
先生は開口一番、「立派な湾曲だ」と(苦笑)
CTスキャンの映像を見せてもらいましたが、確かに鼻の骨がカキっと曲がっていて、
片側はほとんどスペースがありませんでした。
もう片側も広いとは言えず、これでは呼吸が苦しいでしょうとのことでした。
そして相談の結果、手術しましょうと言うことになりました。
その次の外来では血液検査などで一通り体の状態をチェックし、手術にゴーサインが出ました。
一週間も仕事を休むのはさすがに気が引けましたが、上司は快くオーケーして下さいました。
これにはいくら感謝しても足りないくらいですね。
そして入院は2011年11月7日と決まりました。
次回からは入院・手術の状況を一日ごとに書いていきます。
いつもと話題を変えて、しばらくは鼻中隔矯正術について書くことにします。
僕は小さい頃から鼻の骨が曲がっていて、片方の鼻がほとんどふさがったような状態でした。
そのせいで常に鼻が詰まっていて、鼻呼吸も出来ないので長距離走でも口呼吸していました…
それでもずっと我慢して放置して十数年が経っていました。
さすがに我慢出来なくなって20代前半で耳鼻科に行ったところ、
手術した方がいいよと言われました。
しかし手術には一週間の入院が必要と言われ、それならまあ我慢するかと思っていました。
そんな中、二年ほど前に後輩が同じ手術を受け、すごく良くなったと聞いたんですね。
「鼻ってこんなに通るものなんですね!」と喜ぶ声を聞き、ついに自分も決断したわけです。
鼻中隔湾曲症に悩んでいる日本人はかなり多いと聞きます。
しかし一週間の入院となるとハードルが高いのも確かです。
僕の場合は後輩の言葉や体験者のブログ等が非常に役に立ったので、
自身の体験をブログに残しておくことにしました。
同じ症状で悩んでいる方の参考になれば幸いです。