◇ 柿の葉に見る春の息吹き
このころは私が一年で最も愛する時期だ。
もの皆な芽生え、一日と言わず成長が目に見えて、その息吹が肌に感じるほどだ。
野を渡る風も和らぎ、柔らかく肌をなでる。日差しも薄いベールを通してふりそそぐ。
道行けば何処からともなく押し寄せてくる花々の香りにこころ騒ぐ。
二階のベランダに立つと、目の前には柿の枝が。ついこの間芽を出したと思ったら
いつの間にか大きくなって、成長ぶりに驚く。
柿の葉は何よりもその黄緑の色合いの柔らかさだ。夏の暑い日差しの中で実を育
てるころは、濃い緑の厚い頼もしい姿になるのだが、今は実に可憐である。
そうこうするうちにモッコウバラが花芽を付け、今を盛りと咲き競う。やがてスズラン
がせつなくなるようなしかし妖艶な香りと共に花を開く(というより開いた状態で大き
くなる)。
近くの田んぼでは田起こしも終わり、これから田植えが始まる。
4月8日の柿の葉
4月25日の柿の葉
4月15日のモッコウバラ
4月26日のモッコウバラ
4月26日のスズラン
4月26日のスズラン
(以上この項終わり)