読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

「太陽のたまご」を水彩で描く

2016年07月12日 | 水彩画

トロピカル・フルーツ完熟マンゴーとパイナップル

  
    Clester F8

  知人から季節の贈り物をいただいた。中身は3個の宮崎・完熟マンゴー「太陽のたまご」。
 樹熟の国産高級マンゴーの話は聞いてはいたが、超高価で目にするとは思わなかった。               

  以前ハワイに滞在したホテルの部屋からマンゴーの樹が見下ろせた。樹で完熟したマン
 ゴーが落ちるのを見たら、急いで下に降りて行って拾って食べた。やや小ぶりながら樹熟
 のマンゴーはおいしかった。なかなかエレベータが来なくて、行ってみたら誰かに拾われ
 ることもあったし、バスに轢かれたかれた姿を見たこともあった。でも5・6個は食べた記
 憶がある。その10年ほど前にこと、マウイ島でマンゴーを見た妻が樹の下にいた男の人
  に「これは何ですか」と聞いた(たぶん英語で)ら、「マンゴーだよ、食べるか?」と1個とっ
 てくれた。まだ大らかな時代だった。

  マンゴーにはそんな思い出があるのだが、戴いたマンゴーは大振りで、370グラムもあっ
 た。一つはマンゴー独特の切り方でカットした。それでも寂しいのでトロピカル・フルーツ
 の仲間、パイナップルを買ってきて参加してもらった。マンゴーには梨の表皮に似た特有の
 ポツポツがある。これは描画技術の一つ「塩まき」を初めて使ってみた。半乾きの上に大粒
 の岩塩を撒く。塩が水分を吸って下の画用紙の色肌が出る。慣れないと撒く頃合いがむつ
 かしいようである。絵はまだちょっと寂しい。リンゴにも参加してもらったほうが良かったか
 もしれない。

                                (以上この項終わり)
  

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ピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』を読む

2016年07月10日 | 読書

◇ 『悲しみのイレーヌ』(原題:Travail Soigne)

                     著者:ピエール・ルメートル(Pierre Lemaitre)
        訳者: 橘 明美 
        2015.10 文芸春秋社 刊 (文春文庫)

  

 「
フランス・ミステリーは警察小説の優秀な産地」と本書の解説者杉江松恋氏は言う。
  ピエール・ルメートルの作品は本書がデビュー作でコニャック・ミステリ大賞など5つのミステリ大賞
 を受賞した。邦訳では『その女アレックス』が大いに人気を博した。

     杉江氏はルメートルの作品を読むと、「胸がざわざわする」という。不快感、不安感、恐怖感といった、
 生理感覚を直接刺激する負の求心力が全編に横溢しているというのだ。
  とにかく残虐度満点。生体を切る、釘で打つ、酸で焼く、のこぎりで挽く、火で燃やす…血しぶきは天
 井まで飛ぶ。そんな残虐な殺人が次々と起こる。身長145センチという矮躯(短躯)のカミーユ警部が主
 役であるが、持ち前の深い洞察力でこれらの殺人が推理小説の殺人場面を忠実になぞっていると喝破する。
 大学教授や古書店の店主などの助けを得ながら、数多の推理小説の中から殺人事件のシチュエーションと
 酷似するものを探し出し(『ブラック・ダリア』、『アメリカン・サイコ』、『ロセアンナ』、『夜を深
 く葬れ』)、過去の事件も同一犯人のものと探り出した。当然プロファイリングによって犯人像も描き出
 すのであるが、犯人を特定できる証拠も挙がらず苦境に立つ。
 
 そんなカミーユに犯人から手紙が届く。あろうことか警察の捜査状況を克明に述べ、まさに小説の状況
 を現実のものとして再現するという犯人の目的とそれを看破したカミーユへの称賛、あろうことか被害者
 の名前、身元はおろかかかわりのあった付随的な殺人と遺体遺棄の場所まで明かす。こうした異常犯罪者
 が3度目の手紙で明かしたのはカミーユの最愛の妻イレーヌを殺すという究極の殺人。それは犯人が書い
 た小説の再現だというのだが、その現場はどこなのか。イレーヌは身ごもっていて、臨月の身体である。
 カミーユと捜査陣は必死になって現場を探し求める。

  何とか殺人予定現場を探し当て犯人追跡にも成功したのだが、わずかの差でイレーヌは殺されてしまっ
 た。「帝王切開だよ」とうそぶく犯人は親指で腹を引き裂き、子宮内の嬰児を抉り出し十字架にさらし、
 イレーヌは無残な姿で死んだ。
  ネタバレになるので書かないが、んぜ捜査陣の情報が特定の記者に流れたか。誰が、なぜ流したのか?
 なぜ犯人は捜査の逐一を知っていたのか?
 
  とにかくルメートルの本は面白い。ただし残酷な場面が苦手な方は避けたほうが良い。ここまで残虐な
 殺人場面はなかなかお目にかからない。

    ルメートルの作品については冒険小説『天国でまた会おう』は本欄でもご紹介した。

                                                 (以上この項終わり)
    


  

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増尾城址公園で写生会

2016年07月03日 | 水彩画

増尾城址公園のビオトープ

 柏市では南増尾と増尾城址公園のある辺りが海抜では高い地点(海抜30m)だそうだ。増尾城は平城でわ
ずかに濠跡が残る。砦だったのかもしれない。広大な土地(8.4ha)が現在は城址公園になっているが、4・5
年前に公園の一角に動植物の生息状況を観察できる環境を整えたエリアが整備された。ビオトープと呼ぶら
しい。以前は谷津田だった。蘆やハスが生える池、グミの植え込み、柳などの樹木が植えられ、ジョギングや
犬の散歩の休息に利用されている。「蛇に注意」の看板は整備前と同じ。蛇も蛙も先住権がある。

 久しぶりに天候が回復し気温も上昇、みんな昼食後は早々と引き上げた。暑すぎた。
木々はすっかり色濃くなり、池の蓮の花は午前中だけ。午後はしぼんでしまった。
小動物の生息する、もの憂い初夏の小公園の雰囲気が出せるかどうかが勝負どころ。果たして結果はいかに。


    CLESTER F4
                                                               (以上この項終わり)

 

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