第17回梓川女性フォーラムで、菅谷松本市長が放射線について講演しました。
本来なら地域づくりの話をしたいが、全国から原子力災害の話を求められる。政府の対応を批判してきたが、政府からも話を聞かせてくれと言われる。もともと、日本は広島長崎で原爆の被害にあっているにも関わらず、政府の安全神話の中で関心を持ってこなかったことが問題だ。福島第1原発の事故で、アメリカやフランスはすぐに自国民を逃がしたのに日本政府は、なにも手をうっていない。
今もって、福島第1原発の最終処理形態も決まっていない。チェルノブイリは石棺で覆ったが、それでも今もかなりの高い放射線が出ている。
チェルノブイリでは、地形や風で200キロ離れた場所でホットスポットがあり、日本でも東京や千葉でホットスポットが出てきて問題になっている。林が汚染すれば除染はできない。
子供たちのヨウ素による汚染を心配するが、日本はまだ放射性ヨウ素の汚染地図を出していない。甲状腺にヨウ素が取り込まれるが、放射性ヨウ素が入ると甲状腺ガンになりやすい。チェルノブイリでは、甲状腺ガンには事故から5年が経過してから増え続けている。枝野官房長官の「ただちに影響がない」は正しいが、外部被爆よりも内部被爆がガンを引き起こす心配がある。
チェルノブイリでは、子どもたちは今も年2回検査を受けている。10年前日本で話した時は、チェルノブイリはかわいそうで終わっていた。しかし、今日本も同じ状況になってしまった。過ぎてしまつったことは悔やんでもしかたないが、これからしっかり対策すればいい。
チェルノブイリで事故が起きた時、当時のソ連から何も報道が無い中で、異常を感知したポーランドは、24時間の非常事態宣言をして、子供たちに安定ヨウ素を飲ませた。モスクワからの正確な情報は入っていなかったが。5月2日には90%の子どもたちに飲ませた結果、甲状腺ガンは一例もなかった。また、5月15日まで、乳牛に牧草を与えない、汚染ミルクを与えない等国の指示があった。
今後、親があのとき安定ヨウ素を飲ませなかったことを悔やむことになる。生産者は牧草を与えなかったが、稲藁を与えた。日本の政府の危機管理がなっていない。
チェルノブイリの低濃度汚染地では、免疫機能の低下、貧血、疲労、早産、未熟児、低体重児、先天性異常が出ている。福島でも中絶が始まっていると聞いている。
チェルノブイリから来た医師が、日本で計ったら体内が汚染されていた。低濃度汚染地域からも、自主避難しているが、国の責任で集団移住させるべきだ。
日本国は汚染国になってしまったから、お互い助け合って生きていくしかない。