2008年は様々な課題で、「地域でどう生きていくのか」ということが、課題となった年であった。
07年末長野県でも中核的なアルピコグループの会社再建問題は、社民党としても全力で取り組んできた。特に、公共交通と雇用をどう守るのかは、長野・松本・諏訪において県労組会議などとともに対策会議を設置し市民の集いを開催してきた。どこの会場も予想を上回る参加者で、少子高齢社会が続く中で交通弱者の足を守ることを中心に議論がされた。加えて新たな視点として「マイカー社会の弊害」として環境問題やこれからの街づくりということも提起された。そして、行政と会社、市民が一緒に取り組むべき問題であることが確認された。会社の廃止路線の提案に対して、長野・松本においては必要最低限の本数を自治体が補助をして維持をすることになった。松本や茅野では新たな交通システムの模索も始まった。「乗って便利な公共交通」をいかにつくるのか、「環境問題や街づくり」について、市民参加でどう議論を積み上げていくのか、課題は多い。
二つ目の課題は、地域の産科医療の崩壊をどう食い止めるのかについても多くの議論がされた。社民党は「産声の聞こえる街づくりプロジェクトチーム」を立ち上げ、全国各地で、ギリギリのところで踏ん張っている医師や助産師、そしてお母さんたちの声を聞き続けてきた。長野県内でも、飯田・下伊那地域、上田小県地域に福島党首や阿部政審会長が入り、シンポジウムや現地調査を行った。研修医制度の問題、産科医の訴訟の問題、医師と助産師の連携の問題などが議論された。お母さんたちも必死だった。「できるだけ、自然な形で自分の地域で産みたい」という切なる願いが後押しした。松本や飯田では共通カルテづくりによる診療の分散化の試みが始まった。飯田市立病院では助産師外来も始まった。上田でも産院を残すとともに、院内助産所の設置が検討されている。しかし、現状は厳しいままである。依然として、里帰り出産は制限されるし、病院まで出産のために遠い所では1時間以上かかる地域もある。やはり、行政と病院・診療所、そして市民の積み重ねた議論が必要だ。
三つめは、食べる方の食の問題だ。中国産の餃子に農薬が付着していた問題をはじめ、これまでにも賞味期限切れの食材の使い回しなど、食に対する不安が大きくなった年でもあった。WTOの議論など世界的な貿易についての議論もあるが、「目に見えるところで生産し、加工されたものを口にする」地域農業の再生を柱にした議論が必要だ。そのためには、地域で生産者・流通業者・行政・農協・消費者が一緒に議論をする場所をつくる必要がある。
四つ目は、仕事の方の職の不安である。米国発金融不安は世界同時株安となり、日本国内では生産の縮小に伴う派遣労働者などの首切りが横行している。経済がグローバル化する中で、国際競争力をつけるためという理由で派遣労働法の規制緩和をはじめとした企業支援法がつくられてきた。一方で海外に工場を移し、国内生産を縮小してきた企業も多い。今日、何よりも緊急的に住む場所と職を確保しなければならない。これを地域の課題とするには無理があるかもしれないが、緊急避難的な処置として始めている自治体もある。派遣労働者であっても企業が簡単に首を切ることができない制度が必要である。経済はグローバルでも私たちの生活は常にローカルである。地域で生きていくことのできる最低限のセーフティネットをどうつくりあげるのか、これまた企業・自治体・労働者が同じ土俵で議論ができるようにしなければならない。
このほかにも、郵政民営化による地域金融機関の減少、地方交付税の削減による小規模自治体の経営の悪化などもあげられる。いずれも緊急的な課題であると同時に、当然にも政治の課題である。小泉構造改革が余りにも性急に国民的な丁寧な議論の積み上げもなく行ってきた結果であり政権与党の責任は大きい。と同時に政治を官僚や国会議員に任せきりにしてきた私たちにも責任はないのか。自らが政治に参加し、参加する仕組みづくりも含めて、責任を持つことが必要だ。政治を大きく変えなければならない。変えるのは国民であり、私たちもまた変わらなければならない。
07年末長野県でも中核的なアルピコグループの会社再建問題は、社民党としても全力で取り組んできた。特に、公共交通と雇用をどう守るのかは、長野・松本・諏訪において県労組会議などとともに対策会議を設置し市民の集いを開催してきた。どこの会場も予想を上回る参加者で、少子高齢社会が続く中で交通弱者の足を守ることを中心に議論がされた。加えて新たな視点として「マイカー社会の弊害」として環境問題やこれからの街づくりということも提起された。そして、行政と会社、市民が一緒に取り組むべき問題であることが確認された。会社の廃止路線の提案に対して、長野・松本においては必要最低限の本数を自治体が補助をして維持をすることになった。松本や茅野では新たな交通システムの模索も始まった。「乗って便利な公共交通」をいかにつくるのか、「環境問題や街づくり」について、市民参加でどう議論を積み上げていくのか、課題は多い。
二つ目の課題は、地域の産科医療の崩壊をどう食い止めるのかについても多くの議論がされた。社民党は「産声の聞こえる街づくりプロジェクトチーム」を立ち上げ、全国各地で、ギリギリのところで踏ん張っている医師や助産師、そしてお母さんたちの声を聞き続けてきた。長野県内でも、飯田・下伊那地域、上田小県地域に福島党首や阿部政審会長が入り、シンポジウムや現地調査を行った。研修医制度の問題、産科医の訴訟の問題、医師と助産師の連携の問題などが議論された。お母さんたちも必死だった。「できるだけ、自然な形で自分の地域で産みたい」という切なる願いが後押しした。松本や飯田では共通カルテづくりによる診療の分散化の試みが始まった。飯田市立病院では助産師外来も始まった。上田でも産院を残すとともに、院内助産所の設置が検討されている。しかし、現状は厳しいままである。依然として、里帰り出産は制限されるし、病院まで出産のために遠い所では1時間以上かかる地域もある。やはり、行政と病院・診療所、そして市民の積み重ねた議論が必要だ。
三つめは、食べる方の食の問題だ。中国産の餃子に農薬が付着していた問題をはじめ、これまでにも賞味期限切れの食材の使い回しなど、食に対する不安が大きくなった年でもあった。WTOの議論など世界的な貿易についての議論もあるが、「目に見えるところで生産し、加工されたものを口にする」地域農業の再生を柱にした議論が必要だ。そのためには、地域で生産者・流通業者・行政・農協・消費者が一緒に議論をする場所をつくる必要がある。
四つ目は、仕事の方の職の不安である。米国発金融不安は世界同時株安となり、日本国内では生産の縮小に伴う派遣労働者などの首切りが横行している。経済がグローバル化する中で、国際競争力をつけるためという理由で派遣労働法の規制緩和をはじめとした企業支援法がつくられてきた。一方で海外に工場を移し、国内生産を縮小してきた企業も多い。今日、何よりも緊急的に住む場所と職を確保しなければならない。これを地域の課題とするには無理があるかもしれないが、緊急避難的な処置として始めている自治体もある。派遣労働者であっても企業が簡単に首を切ることができない制度が必要である。経済はグローバルでも私たちの生活は常にローカルである。地域で生きていくことのできる最低限のセーフティネットをどうつくりあげるのか、これまた企業・自治体・労働者が同じ土俵で議論ができるようにしなければならない。
このほかにも、郵政民営化による地域金融機関の減少、地方交付税の削減による小規模自治体の経営の悪化などもあげられる。いずれも緊急的な課題であると同時に、当然にも政治の課題である。小泉構造改革が余りにも性急に国民的な丁寧な議論の積み上げもなく行ってきた結果であり政権与党の責任は大きい。と同時に政治を官僚や国会議員に任せきりにしてきた私たちにも責任はないのか。自らが政治に参加し、参加する仕組みづくりも含めて、責任を持つことが必要だ。政治を大きく変えなければならない。変えるのは国民であり、私たちもまた変わらなければならない。