20240827 被曝79周年原水禁松本学習会〜小出裕章さん講演「能登半島地震と原発を考える」
20240827 被曝79周年原水禁松本学習会〜質疑応答〜小出裕章さん講演
20240827 被曝79周年原水禁松本学習会〜小出裕章さん講演「能登半島地震と原発を考える」
20240827 被曝79周年原水禁松本学習会〜質疑応答〜小出裕章さん講演
20220519 原発を 攻撃するということ〜 元京都大学原子炉実験所助教小出裕章さん
「アベ政治を許さない」スタンディングにご一緒くださってきた皆さん
アベさんは昨年8月に突然辞めました。そして、そのアベさんの政治を継承すると言ってスガさんが 首相になりました。アベさんは、主権者である国民一人ひとりを国家に隷属させようとし、憲法すら変えようとしました。そして、フクシマ事故の責任を逃れるために誘致した東京オリンピックを何としても開催しようとし、感染症の基本である検査と隔離を徹底的にさぼりました。しかし、官僚とは違いウイル スは政権を忖度してくれませんので、感染は劇的に拡大し、どうにも収束が付かなくなり、逃げてしまいました。そのアベさんを継承したスガさんも、アベさんの無能・無策を引き継いだうえ、 「安全・安心」 というお題目を唱えるだけで、感染が劇的に拡大する中、東京オリンピック・パラリンピックを強行しました。一方で、中等症以下の人は自宅療養せよと言い出しました。自宅で療養などできませんし、緊急搬送すらできずに死んでいく人が出てきました。まさに政府による殺人です。どうしようもなくなったスガさんはアベさんと同じように政権を放り出して、逃げてしまいました。
もともと「アベ政治を許さない」のスタンディングは、澤地久枝さんの呼びかけで20 1 5年に始まりました。そのアベさんが辞めた時には、アベさんを継承するというスガさんが首相の座に着きましたので、私は昨年9月以降もこの場でスタンデイングを続けました。そして、正直に言えば少し意外だったのですが、それ以降も以前と変わらず毎回3 0人から4 0人の人たちが一緒に立ってくださいました。当初は「アベ政治を許さない」という金子兜太さん揮毫のプラカードをほとんどの人が持っていましたが、 昨年9月3日のスタンディングの時には「学術会議人事への介入を許さない」というプラカードも多数の方が持っておられました。
それ以降も皆さんがそれぞれにご自分の意志を言葉にし、毎月3日午後1時にこの場に集まってくださってきました。私はこの松本に移住してから6年半になりましたが、民度の高いいい街だとますます思うようになりました。昨年9月3日のスタンディングの時に、私は参加してくださった方たちにl枚の文章をお渡しし、その中で、 「民主主義とは単に選挙で投票することではありません。一人ひとりが自らの意思を絶えず発信することです」と記しました。そして、先日9月3 0日に行われた自民党の総裁選挙で岸田さんが総裁になりました。彼は、初めはモリカケ問題の調査をすると言っていましたが、すぐに前言を翻して、アベさんの罪を問わないことにしました。そのうえ、原子力は推進、辺野古も強行するとのことです。アベさんもスガさんも逃げてしまいましたが、何のことはない自民党は全く変わりません。
この松本市が、一人ひとりの市民が常に自分の意志を発信できるような街であって欲しいと願います。 もちろん私自身もそうありたいと思いますので、自分の意志を常に発信する場として、来月以降もこの場でスタンディングを続けようと思います。もし、皆さんがご自分の意志で、それぞれのプラカードを持ってこの場にご一緒してくださるなら嬉しく思います。
2021年10月3日
小出 裕章
10年目の3.11 つながろうフクシマひろげよう脱原発止めよう再稼働 小出裕章講演会「解除できない原子力緊急事態宣言と原子力マフィアの犯罪」(前半)
10年目の3.11 つながろうフクシマひろげよう脱原発止めよう再稼働 小出裕章講演会「解除できない原子力緊急事態宣言と原子力マフィアの犯罪」(後半)
10年目の3.11 つながろうフクシマひろげよう脱原発止めよう再稼働 小出裕章講演会「解除できない原子力緊急事態宣言と原子力マフィアの犯罪」(質疑応答)
「アベ政治を許さない」スタンディングにご一緒下さった皆さん
スタンディングにご一緒下さりありがとうございました。このスタンディングは、澤地久枝さんの呼びかけを受け、2015年7月18日に行いました。その時には約200人の人たちがこの駅前に集まってくださいました。その後、その年の11月3日から毎月3日にスタンディングをしようとの澤地さんの呼びかけがあり、それに応えて私もこの場で立ってきました。今日で60回目になりました。
アベさんがついに辞任しました。「体調が悪く、国民の期待に応えられない」と言ったそうですが、冗談はやめてほしい。アベさんがやってきたことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていました。彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりでした。アベさんには何の期待もしていないし、一刻も早く辞めてほしいと思ってきました。
アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人でした。朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入しました。彼は息をするかのように嘘をつく人でした。森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク…彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを使い放題にしました。それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れました。アベさんは辞めましたが、さんざんの悪行に対する償いもしないまま勝手に辞める自由など彼にはありません。権力の座を離れた彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと私は思います。でも、アベさんが辞めたところで、同じ穴の狢の人が後を継ぐようです。「アベ政治」とはアベさんと取り巻きが進めてきた政策総体を指しています。アベさんが辞めたことを嬉しく思いますが、「アベ政治を許さない」という標語はこれからも意味があると思います。
民主主義とは単に選挙で投票することではありません。一人ひとりが自らの意思を絶えず発信することです。このスタンディングは誰かがリーダーでやってきたものではありません。組織の指令でやって来たものでもありません。皆さん一人ひとりが自らの意思でこの場に立って下さってきたのだと思います。私自身は、長い間原子力の場で生きてきました。その場では2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所の破局事故が起こりました。当日発令された「原子力緊急事態宣言」は、9年半経つ今も解除できないまま続いています。その下では未だにたくさんの被害者が苦難を負わされ、喘いでいます。その人たちの苦悩を少しでも軽くしたいと私は思います。また、次世代の人々に戦争を引き渡さないようにしたいと願います。そのため、今後も何らかの形で意思表示を続けます。おそらく10月3日以降もこの場で立つと思います。皆さんがこれまで一緒にこの場に立って下さったことにお礼を申しあげるとともに、今後も、お一人おひとりが発信を続けて下さるのであればありがたく思います。
2020年9月3日(今日は澤地久枝さん90歳の誕生日です) 小出 裕章
サラバ原発・変えよう暮らし方の会脱原発学習会
福島第一原発 不可能なデブリ取り出し 石棺しかない:小出裕章
あらためて福島第一原発事故による放射能汚染の程度は、放射線管理区域4万ベクレルを超えている。福島県から栃木県、群馬県に放射線管理区域が広がったのである。
この事故によって10万人を超える人々を避難させた。ある日突然、手荷物だけで避難した。そのほかの人達は、政府による原子力緊急事態宣言において特例措置として、放射線管理区域に人々は「捨てられた」のである。
原子力産業とゼネコン、中小零細企業、労働組合、マスコミ、裁判所、学界などの「原子力村」は、誰一人責任を取っていない。本来、全員刑務所に行くべきだが、「原子力安全神話」から「被爆安全神話」を振りまいている。
被爆の許容量、1900年当時一日0.1㏜だった。危険がわからなかった。当時の科学者が死んでいった。その後ヒロシマ、ナガサキの原爆の被爆があり、許容量は下がってきた。1950年以降は、職業人の10分の1に下げられた。集団ではさらに下げた。1970年代年間1㍉㏜に、職業人は年間20㍉㏜に制限された。
福島原発では、緊急事態宣言下において一般人に年間20㍉㏜まで広げてしまった。
それでは被爆により子どもたちにはどんな影響が出るのか。生物は年齢を重ねると放射能に鈍感になる。体細胞はもう分裂しませんから。がん細胞が大きくなるスピードも鈍い。別の原因で亡くなることもある。逆に、年齢が若いほど危険が大きくなる。30才の4倍以上の危険をもつ。なおかつ原子力政策になんの責任もない。
今福島へ行くと「福島を守ろう」というスローガンがある。何から守るのか、風評被害だという。風評ではない、実害です。2019年3月住宅支援も打ち切った。国や福島県は「帰らないのはわがまま」として、追い出されようとしている。裁判までやられて、汚染地で生きることを強要されている。
学校給食に福島のコメを使う。国道6号線の清掃に学童を使う。「汚染がある」というと国は、「そんなこと言うな、邪魔だ」といわれる。強制非難した人も被害者、残された人も被害者、自主的に避難した人も被害者、汚染地で作られたものを食べた人も被害者。「汚染していることに目をつぶってはいけない。加害者と戦うことが、次の被害者を出さないことにつながる。」
福島のためにお金を使うべきだ。オリンピックに使う時ではない。
安倍首相がアンダーコントロールとブエノスアイレスで言ったとき、汚染水は、どういう状態だったのか。3.11で原子炉建屋もタービン建屋もボロボロの状態。毎日水をかけ、地下水が流れ込んでいた。総量800トン、400トンは循環させていた。当時毎日400トンの水が敷地の地下を通って海洋に流れこんでいた。
2014年10月13日に採取した海側の井戸の水
セシウム134 61000㏃/L(環境への放出基準:60㏃/L)基準値の1000倍
セシウム137 190000㏃/L(同:90㏃/L)基準値の2000倍
全ベータ7,800,000㏃/L(同ストロンチウムとすれば30㏃/L)基準値の26万倍
事故が起きてから汚染水問題はずっと続いている。現在、135万1200トンためることができる。処理水116万トン、ストロンチウム処理水5万トン、そのほか1万。132万トンがたまっている。あと10万トンしかためられない。東電と国は海洋へ流そうとしている。
しかし、処理水(トリチウム水)とは、別名三重水素と呼ばれている。陽子一つに二つの中性子がついている。天然に存在しない放射能をもっている。不安定で12.3年ごとに半減していく。その時にベータ線を外部に放出している。環境に出るとどうなるのか、水素は酸素と結びついて水となる。酸素とトリチウムがついている水。区別はつかない。汚れた水から汚している物質を取り除くことだが、トリチウム水は取りのぞけない。
トリチウム水には他の各種も含まれている。ストロンチウム、ヨウ素、ルテニウム、コバルト60他が残っている。環境に出すことは難しい。
じゃあどうする。ストロンチウムを捕まえるしかない。難しい。トリウムは除去できないから必ず破綻する。100年間ためれば半減するといいうが、10の15乗のトリチウムがある。本来六ケ所村で再処理が行われるものだった。プルトニウムを捕まえる作業。トリチウムは水の中に出てくる。全量海に出す予定だった。1年間に800トン出す予定だった。福島は200トン。18ペタベクレルを平常運転下で海に流すつもりである。海洋に流さないことを原子力村は許さないだろう。
大気へ出ない放射能が、15ペタベクレルと政府は言っている。海への放出、滞留水、炉心内存在量が700ペタベクレルあったはず。それを取り除くことが最大の課題。
デブリは取り出せない。原子炉建屋内にあるプールにある燃料を取り出さなければならない。その後に、石棺をつくって覆うしかない。誰がやるのか、労働者。被爆労働は、放射線を被ばく限度まで働く。年20㍉㏜まで。その後は放り出される。解雇。その後がんで死んでも因果関係は証明されない。
チェルノブイリでは60万人から80万人が働いて石棺をつくった。地震はなかったので地下は大丈夫だった。福島では、どれだけの労働者が必要か分からない。そこで外国人材を拡大する法律を作った。「人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に属する技能を有する外国人の受け入れを図る」。
我々の責任で、原子力に引導を渡さなければならない。
①福島第一原発 不可能なデブリ取り出し 石棺しかない/講師:小出裕章さん
②福島第一原発 不可能なデブリ取り出し 石棺しかない/講師:小出裕章さん
③福島第一原発 不可能なデブリ取り出し 石棺しかない/講師:小出裕章さん