■衆議院選挙の総括の視点
第四十八回衆議院選挙から一週間が経ちました。昨日は第三四回松本市長杯争奪球技大会があり、下条・務台両衆議院議員がそろって出席して来賓祝辞をしていました(ちなみに、私中川博司は地元の岡田地区の卓球部の監督として出場していました。昨年、優勝して優勝杯の返還もさせていただきました)。
私自身は、もとより県議選に向けての準備をしていたところへ、急遽、衆議院選のお話で地元後援会、支援労組をはじめ寝耳に水的なことであり、今後この選挙の総括を行いながら自分自身の方向性についても結論を出していきたいと考えています。
特に社民党とすれば、政党要件である2%を割り込む結果となる厳しい結果でした(昨年の参議院選挙で2.6%を確保して6年間、政党要件はある)。ただ自民・公明与党に3分の2を許す結果
は、早晩憲法改正の発議が予想されるだけに、県内では候補者がいないにもかかわらず立憲民主党に対する有権者の皆さんの期待を考えると、改憲阻止に向けて社民党・共産党とともに立憲野党の力をいかに大きくしていくのかという視点からの総括が求められていると思います。
■立憲民主に期待する票はどこから?
下表は昨年の参議院選挙と今回の衆議院選挙の比例票の比較です。比例票を伸ばしているのは維新と立憲民主です。希望は民進と比較しています。
注目すべきは自民党が9万票以上減らしている点です。全国では160万票減らしています。維新も全国的には176万票減らしています。
革新系リベラルとあわせて保守系リベラルからも立憲民主に票が動いたと言えないだろうか、と私は考えています。
格差と貧困の拡大は世界的に見ると極右勢力の台頭をもたらします。この間の維新への支持の拡大は「とにかく規制のものを壊してやり直したい」という声の受け皿となってきました。
雇用状況は、4割2000万人が非正規雇用であるという格差の拡大、非正規雇用は増えているが正規の雇用は減っている。一人当たりの実質賃金は減っているが、世帯収入で見ると若干ではあるが上昇しています。
こうした経済的な背景から保守系リベラルが、安倍の国家主義的な政治を嫌ったのではないかと思います。
■リベラルとは立憲ではないか
リベラルの定義は、定まっていません。国により異なるようです。最近の報道番組で、国家主義に対して個人主義を大切に考える=憲法を大切にする考え方をリベラルと日本では言うと解説をしていました。自民党の中でも護憲派の宏池会などは保守系リベラルと呼んでいいようです。
■憲法している?
日本国憲法は、政治をつかさどる人たちに、「国民の基本的人権を守りなさい」「国民の自由を守りなさい」「国民の個人の尊厳を守りなさい」と命令しています。安倍総理大臣は、その憲法を踏みにじり、自民党の改憲草案を地で行く国家主義的な政治を進め、国民の自由を奪ってきました。特定秘密保護法により、国民の知る権利を奪い、表現と言論の自由を奪いました。戦争法により平和的生存権を奪い、共謀罪により思想信条の自由と集会結社の自由を奪いました。
だから、私たちはもう一度これらの自由を取り戻し、これらの自由を武器として安倍首相に対してものを言っていかなければならないと思います。それが憲法を活かすということだと考えます。
蛇足ですが、日本における社会民主主義は、「憲法理念を実現する」ことと同じだと言っていいと思います。「憲法理念を実現する」とは、固い表現ですから、「憲法している?」と流行らせませんか!
(社民党松本総支部代表 中川博司)