20161030 社民党、又市 征治幹事長に訊く! TPPの国会展望
昨年の県議選に転出した岡崎に加え、政務活動費の不正取得による議員辞職12人、計13人が欠員となった富山市議会は定数の6分の1が4欠員となった場合は補欠選挙をすることから、本日10月30日告示11月6日投票で補欠選挙が戦われることとなりました。
社民党は、公認候補3人を擁立して戦います。岡部とおる(60才)、道永まゆみ(63才)、東あつし(56才)。なれ合いの自民党政治を地方からぶっ壊すため何としても3人に勝ち抜いてもらいたい。
東あつしくんとは若いころから一緒に運動をしてきた仲間なので激励の挨拶をさせていただきました。
富山出身の又市征治参議院議員も3人の公認候補の出陣式にかけつけ挨拶をしました。
第17回ライチョウ会議長野大会が大町市で開催され参加しました。入り口ではアルクマやオオマピョン、ガンズ君などが出迎えてくれました。またオープニングでは伊那市出身の歌手湯澤かよこさんの歌がありました。
リレートークで東邦大学の小林篤さんから「ライチョウってどんな鳥~現状と課題」についてお話がありました。(動画あります)
日本ライチョウは北アルプス、乗鞍、御岳、南アルプスにしか日本では生息していません。個体数も減少の一途です。原因はライチョウの食べるお花畑が鹿に食べられて無くなってしまっていることと、本来高山地帯には来るはずのないサルに捕食されるているからです。日本は古(いにしえ)より里と里山、そして奥山ですみ分けがされていて、農耕民族であった日本ではライチョウは神の鳥として大切にされてきました。そのため日本のライチョウは、人間を見ても逃げません。ヨーロッパや北極のライチョウは狩猟の対象であり、人間を見ると逃げます。
続いて静岡大学の増澤武弘さんから「ライチョウが生き続ける山岳環境とその保全について」お話がありました。南アルプス北岳のお花畑はすでに1970年代後半から鹿に食べられ植層が変わってしまっていて、ライチョウの食べる食物が亡くなっていたことが報告されました。(動画あります)
次にテレビでおなじみの三四六さんからライチョウを守るためのアピールがありました。
続いてパネルディスカッションでは、燕山荘の赤沼健至さんから、温暖化の影響で昨年閉山の11月23日には雪がなく、開山する7月15日の1か月前から雪がなかった。ライチョウが子育てをする7月には若葉ではなく青葉に変わっていた。また狐に餌付けをしたのは人間、居座ってライチョウのひなを捕食するようになってしまった。(動画あります)
また今回のライチョウサミットの実行委員長中村浩志さんからは、生態系が変わった原因は人間が鹿やクマとの付き合い方が変わったから。ライチョウを守ることは人間を含む生態系を守ることだと強調されました。
最後に大町宣言が副大会長の牛越大町市長から読み上げられました。(後日、大町市と長野県のHPに掲載予定)
A24 労働条件や雇用にとって有害としか言えません
労働については、第19章「労働」が設けられました。政府は、この章が「労働条件悪化の歯止めになる」と説明していますが、それは期待できません。TPPは貿易障壁をなくし、自由化・規制緩和を推進するため、働く人の労働条件や権利は後退します。労働の章も、グローバル企業がますます国境を超えて自由に展開することを保障する内容になっています。
第19章「労働」には、ILO(国際労働機関)の98年新宣言が引用されていますが、「結社の自由」、「強制労働禁止」、「差別待遇の禁止」、「児童労働の禁止」という最低限守るべき国際労働基準の基本が、ILO条約よりも弱くなる可能性があります。例えば強制労働については、「強制労働に関与した産品を輸入しないよう奨励する」としかありません。しかも日本は、「強制労働の廃止」、「差別待遇の禁止」に関するILO条約2つ(105号、111号)を批准していません。
また日本では、TPPの先取りともいえるような派遣法の改正、解雇規制の緩和、残業代の撤廃、外国人労働者・研修生の受け入れの規制緩和など労働法制の改悪が進んでいることにも警戒が必要です。
TPPによって確実に利益が増えるのは、ごく一部の自動車、IT家電、インフラ系企業と商社であり、地域経済は「原則無関税化」によって長期にわたり打撃を受けます。TPPというグローバル経済の原理は、日本から海外への投資を増やします。壊されるのは農業だけではありません。原料を生産して運び、加工し、販売するという国内、地域のサプライチェーンが壊されれば、地域経済全般に影響が及び、失業者が増えることになります。TPPは日本の雇用にとって有害だという声を上げねばなりません(布施恵輔)
A23 大企業や投資家の利益が優先されます
貿易や投資の自由化を前提とするTPPでは、環境保護や気候変動対策などの国際的な課題よりも、大企業や投資家の利益が優先されています。そのため、TPPでは環境保護はあくまで「努力目標」であり、何の義務づけもありません。第20章「環境」には具体的な罰則や企業への責任追及を求める規定がほとんどないのです。
こうしたことを受け、アメリカやオーストラリアのNGOは、環境に悪影響が出るとの批判を強めています。具体的には、❶少なくとも7つの国際環境条約について実効性ある規定を設けるべきであるにもかかわらず、触れているのはワシントン条約に関してのみ。❷違法に伐採された木材、違法に捕獲された野生生物等の貿易を禁じていない。❸IUU漁業(違法、無報告、無規制)への取り組みが十分ではない。❹フカヒレの貿易と商業捕鯨を禁じていない。❺「気候変動」という文言すらなく、低炭素型経済への移行は自主的な手段を促すにとどまっている、などです。
また、ISDS条項も環境にとって大きな脅威です。すでに多くの自由貿易協定で起きているISDS提訴では、天然ガスや石油企業など、環境破壊に関わる企業が莫大な損害賠償を求めているケースが数多くあります。
ISDSは企業や投資家に有利に働くことが多く、提訴される国は途上国だけでなく、アメリカやカナダなどの先進国も含まれており、日本も他人事ではありません。脱原発や低炭素型社会への移行など、私たちにとって望ましい政策への変更も、「企業の利潤追求の障害だ」とされて訴えられる危険は十分にあり、そうした政策や規制を進めることを委縮させる懸念もあります。(内田聖子)
A22 暮らしや地域の社会インフラの存続が危うくなります
国民生活や地域社会に広く関わる分野に、TPPで初めて独立した章として設けられた第17章「国有企業」があります。ベトナムなど国営企業の多い国が一番影響を受けますが、私たちの暮らしにも無縁ではありません。
国有企業とは、政府が出資して公的なサ-ビスを提供する企業のことです。金融、郵便、病院、鉄道、空港、政府機能・政策を担う公有企業など、国民生活に関わるものが多くありますが、対象企業はTPPの発効後6か月は公表されません。どんな影響があるのか、国会で審議することもできません。
TPPには、国有企業は一般の企業と同じ土俵で競争をしなければならないという考え方が貫かれています。問題は「非商業的援助」、つまり必要とされる財政支援の禁止です。鉄道や病院、郵便など、地域に欠かせない事業体には、公的支援を受けているものがあるため心配されます。
政府は「営利目的でない独立行政法人は対象とならず、公共的な事業に影響はない」と言っています。しかし、病院も含め、一般企業と変わらないしくみで事業を行い、必要な利益を確保している例は多くあります。政府の説明を鵜呑みにできるのか、大いに疑問です。
政府は「国内の事業は対象にならない」とも説明していますが、協定文では「貿易または投資に影響を及ぼすもの」とされており、「影響があるもの」については対象になりえます。また、鉄道、金融などは海外展開が活発化しているので、規制の対象になるはずです。この章の対象外でも、投資・金融など他の章の規制からは逃れられません。そして、他の参加国が多くの国有企業を例外にしているのに、日本だけはゼロなのも問題です。(近藤康男)
A21 地域外、特に外資系企業に仕事を奪われる恐れがあります。
公共事業については、第15章「政府調達」が関係してきます。「政府調達」では、国や政府機関、地方政府などが物品やサービスを調達したり、建設工事を行ったりする際のルールを定めており、TPPは国内企業と同じ条件を外国企業に与えなければなりません。
一つ目の問題点は「使用言語」です。TPPは英語を使うことを奨励していますが、これは事実上、英語の強制を意味しています。入札の際の書類の英語化が進むなど、相当のインパクトを生むでしょう。
二つ目は、調達の「公正性の確保」です。これは「談合の排除」を意味します。日本は談合社会ですので、著しい影響が出てくるはずです。
三つ目は、中央政府、地方政府、政府団体のほとんどすべての分野について、日本は最大級の市場開放を約束したことです。その結果、世界最大級の建設会社「ベクテル」や、資源開発会社「ハリバートン」などの巨大外国企業が、政府や自治体が行う公共事業などを落札していく可能性が高まります。日本の調達構造が変えられ、海外資本による地方経済への浸食が進めば、地域の建設業者や中小企業の倒産も避けられなくなるでしょう。
また、日本の地方自治体では、地域経済の振興のために「中小企業振興基本条例」や「公契約条例」を制定し、地元の中小企業への発注を積極的に行うところが増えています。しかし、第9章「投資」では、地元から雇用や物品、サービスの調達を求める「現地調達の要求」を禁止しており、こうした条例ができなくなる恐れがあります。このように、TPPは地域経済の振興策や自治体主導の地域づくりの障害にしかなりえません。(和田聖仁)
A20 米国流の著作権ビジネス化が進みます
著作権に関してはアメリカの勝利であり、「知財の米国化」が進むことになるでしょう。アメリカの映画やアニメ、キャラクタービジネス、巨大IT企業などは特許・著作権料で15.6兆円(2013年)もの外貨を稼ぐ輸出産業。TPPでは、当初から著作権保護強化と厳しい罰則規定を求めてきたのです。
❶著作権保護期間の延長:日本では著作権の保護期間は作者の死後50年ですが、TPPで70年に延長されます。これによって、著作権保護期間が終了した作品を無料で共有したり、再出版して新たな文化価値を生み出す活動(青空文庫など)が大きな制約や打撃を受けます。日本の著作権料の国際収支は年間約8000億円の赤字で、年々拡大しています。保護期間の延長でメリットを得るのはディズニーなどの企業でしかありません。
❷非親告罪化:日本では著作権侵害は、著作者自身が告訴しなければ国は起訴・処罰ができない「親告罪」です。しかしTPPでは非親告罪化、つまり本人以外の第3者からの通報によって捜査可能となり、パロディや二次創作などの萎縮が懸念されます。日本政府は非親告罪化は「商業的規模の海賊版」「原作の市場での収益性に大きな影響がある場合」に限定するとしていますが、定義は曖昧で警察当局の判断次第です。しかも海賊版の取り締まりは、各国の法律順守や締約国同士の警察の連携によって十分対処できることで、非親告罪化の必要はありません。
❸法定賠償金制度:日本では著作権が侵害された場合、権利者の実損害のみを賠償金として求めることがほとんどで、金額は少額です。一方、アメリカでは法定賠償金という制度が存在し、実損害の証明がなくても、裁判所が懲罰的な賠償金を決められます(1作品で15万ドルまでの法定賠償金や弁護士費用も別途請求)。これが導入されれば知財訴訟が頻発、賠償金も増加し、結果的にコンテンツビジネスが委縮する危険があります。何よりも、訴訟社会であるアメリカの裁判文化を持ち込むことにほかなりません。(内田聖子)