こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20220829 第705回月曜の声「原発依存を許すな」

2022-08-28 17:44:16 | 政策・訴え・声

岸田首相は、脱炭素社会に向けた政策を議論するGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、「次世代型原発の建設を検討」するとしたことは、これまでの政府方針「原発の新増設やリプレース(建て替え)は想定していない」「原発の依存度を限りなく低減する」としてきた従来方針の転換を意味する。加えて、「最長60年の原発の運転期間の延長」「原発7基の再稼働」についても、年末までに結論を出すとしている。

再生可能エネルギーの導入拡大が進まず、そこへロシアのウクライナ侵攻の影響により、エネルギー資源の高騰が背景にあると思われるが、そもそも2011年3月11日東日本大震災東京電力福島第一原発事故で、この国は今も「原子力緊急事態宣言」下にあることを忘れてしまっているのではないか。そもそも、「使用済み核燃料の処理ができない」ことを忘れてしまっているのではないか。加えて、ロシアのウクライナ侵攻で世界最大規模の原発が攻撃の対象となることを私たちは目の当たりにしている。

「原子力村」という言葉がある、この国において政治と電力会社と御用学者が一体となって原子力を推進し莫大な建設費用に群がってきた。忘れてはならない!原発は被曝労働の犠牲の上にしか成り立たないということを。この夏、松本市内において樋口健二さんの写真展、映画、講演が行われ、その一連の企画は「誰かの犠牲に上に自分をおいてはならない」という痛烈な人間性へのメッセージに貫かれていた。

もう一つ忘れてはならないことは、福島第一原発の放射能汚染水の海洋投棄が強行されようとしていることである。海洋投棄は単に日本一国だけの問題ではない。海洋は世界とつながっているのであり、国際問題であるにも関わらず、日本政府は近隣の国々と協議さえ行わず海洋投棄を進めようとしている。原子力政策を進めてきたのは自民党政府であるが、核のゴミも汚染水も他国へ被害を拡大させてはならない、その責任を私たちは負うべきである。

 それでも原発を進めるしかないと考えることは、自民党の政治とそれを支えるこの国の経済システムこそが修復しようがないものであることを証明しているといえる。

 2022年8月29日

社民党長野県連合代表 中川博司

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20220805 肥料の価格高騰についてその2

2022-08-08 00:35:59 | 食・農業

改革・創造みらい「株式会社JAアグリエール長野」視察

 

■JAアグリエール長野

(会社概況)

・平成22年「株式会社くみあい運輸」と「長野県農協肥料株式会社」が合併し、「株式会社JAアグリエール」が発足した。主に運送事業と肥料の製造販売事業を行っている。

(肥料事業部)

・BB肥料(Bulk Blending=粒状の原料を2種類以上、化学反応を伴わず、物理的に混合した肥料)を、令和3年実績で36,825t出荷している。

・アグリエールの機械=マゼッタでは、20種類の肥料を配合することができる。有機質のNPK(窒素・リン酸・カリ)、速効性NPK,肥効調節NPK,緩効性NPK,土づくり肥料、微量要素(苦土・マンガン・ホウ素など)を混合している。

・BB肥料は、①地域の土壌・作物に適した経済的な肥料、②施肥の省力化ができる、③環境にやさしい、④土づくり、⑤きめ細かなニーズ(わたしの肥料)に対応

(土壌診断事業)

・高品質な農産物を生産し、施肥コスト削減することができる。

・県下14JAより有料で分析を受託している。

 

■JA全農長野のお話

(1)主原料の調達

①輸入の規模と現状

・日本で肥料製造に使う主要原料は海外からの輸入に依存。2021年輸入量は尿素30万t、リン安50万t、塩化加里50万t。

・主要輸出国である中国やロシアが輸出量を制限、ロシアのウクライナ侵攻により世界的に肥料の需給圧迫への危機感が一層高まっている。

・全農は、尿素はマレーシア、塩化加里のカナダなどからの輸入を継続しながら、リン安は中国からモロッコへ輸入先をシフトするなどして例年並みの原料を確保する方針。

②国内生産原料 略

 

(2)主要原料の国際市況

<全般>ロシアのウクライナ侵攻により、肥料の国際市況は再び急騰しており、特に欧米における市況上昇が顕著。

・尿 素 2021年2月360ドル/t→2022年2月980ドル/t

・リン安 2021年2月500ドル/t→2022年2月900ドル/t

・塩化加里 2021年2月260ドル/t→2022年2月1000ドル/t

*ロシア・ベラルーシで世界の輸出量の4割を占めている。

 

(3)輸入先変更による掛かり増し

①輸送費:中国やロシアからの小型船輸送から、遠隔地からの大型船輸送となることで、日本到着後、港湾からメーカー工場への直送ができず、国内輸送コストが高くなっている。

<例>中国60~70ドル/t→モロッコ140ドル~150ドル/t

<国内輸送>数千円~1万円/t増加

②保管料:早めの原料確保が必要となり、国内の港湾倉庫での保管手数料が増加している。1トン当たり1500円~2000円程度増加

*国の原料調達支援事業費100億円により4~10月期の秋肥は見込んで農家の負担が増えないように価格設定している。

 

(4)国内の肥料流通

・日本国内の複合肥料(国内生産品)の出荷量は、年間180万t。全国では秋肥40%春肥60%だが、長野県内では秋肥23%春肥77%。

 

(5)秋肥の肥料化価格 全農5月31日発表

・複合肥料で、春肥比較で55%の上昇。

 

<当面の課題・要望>

 海外からの化学肥料の原料がストップするということではない。中国、ロシア、ベラルーシからの輸入が減る分、他の国へ輸入を求めている。そのため原料価格の高騰や輸送・保管コストが増加し、肥料価格が高騰している。

 問題は、肥料価格の高騰に見合った小売価格への転化ができないこと。朝日村では現在生産調整に入っており畑でレタスを潰している。野菜価格安定対策基金では再生産費が出ない。*170代以上の農家では、これ以上コストがあがれば利益が出ないことから農業をやめる人が出てくる。日本における食糧危機はそのような意味でとらえる必要がある。

 朝日村の若手農家は、高原野菜から他の付加価値の高い農産物への転換を検討している。あるいは、減化学肥料・減農薬による環境にやさしい農業や有機農業への転換を大胆にすすめ、付加価値を消費者に認めてもらい価格に反映させるなどの手立てが必要。

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20220805 肥料の価格高騰についての調査その1

2022-08-08 00:33:51 | 食・農業

1,調査日 2022年8月1日

2,調査先 JA松本ハイランド、羽田野肥料店

3,調査内容

(1)化学肥料の現状

・秋作については、これまでメーカーに予約してある分が確認が取れている。昨年の6-12月に出た量を確保した。窒素リン酸カリの配合肥料BBN552、仕入れ先は全農。

・全農の説明によると、尿素はロシア・中国からマレーシアに、リンは中国・ロシアからモロッコに、塩カリはロシア・ベラルーシからカナダへ輸入先をシフトしている。

・秋肥は、価格が上がる前に仕入れた。春肥は事前に発注してあるが1.5倍くらいに上がる。

・世界的には、ブラジル・オーストラリア・アメリカ・カナダが取引量が多く。日本は比較すれば少ない。特にブラジルのトウモロコシ生産に肥料が大量に使われる。トウモロコシは配合飼料やバイオエタノールに使用され、値段が高いので、肥料の引き合いが出てくる。

・民間肥料メーカーは、三井・三菱・住友などの商社+全農

 

(2)配合飼料の現状

・JA松本ハイランドの取引量は、3ヶ月で1500t=年間6000t

・四半期ごとに値段が決まる。昨年の7-9月期で7万円/tが今年9万円に。トウモロコシがあがっている。

・国の基金で9,800円+県の支援4200円+JA1500円~1800円支援している。

 

(3)課題・要望事項

①有機質のたい肥の使い方の研究と実践

②野菜の価格安定対策費に肥料の値上がり分を算入

③肥料高騰対策費の補助申請は現状、農家が申請している。面倒なので生産か卸に支援し農家の事務的負担を軽減してほしい。

 

(4)羽田野肥料店

・仕入先は、甲信商事・タテノコーポレーション・赤羽産業

・朝日村内で70-80軒の取引がある。

・価格は6月1日に切り替わる。5月31日までに注文する。

・今年売っている肥料は、昨年の価格で、それでも200円~300円/20キロあがっている。来年は1000円あがると言われている。来年分までは確保してあるので、再来年分がどうなるか。

・朝日村だと、元肥4-5袋/反+配合肥料1-2袋/反使っているので、反当り7000円―8000円のコスト増となる。今年も出荷調整をしているので、価格安定対策基金では再生産できない。

・ここの気候や風土にあった作物の研究など、高原野菜からの転換について支援してほしい。

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